壊
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2022/10/28 11:27 (No.588707)削除次の文章を完全解説して下さい。
問題
位数が素数である群は、真部分群を持たない巡回群であることを証明せよ。
証明
Gを位数が素数pである群とする。HをGの部分群とすると、ラグランジュの定理4.4の系1より、Hの位数は群Gの位数pの約数である。pは素数であるから、|H|=1または|H|=pである。
|H|=1のとき、H={e}であり、|H|=pのとき、H=Gである。よって、Gは真部分群をもたない。
aを単位元でないGの元とすると、上の議論によって、<a>=Gとなるので、Gは巡回群である。すなわち、Gは単位元ではないすべての元が生成元となっている巡回群である(§3 演習問題3参照)。
定理4.4の系1
有限群Gの部分群の位数はGの位数の約数である。
§3 演習問題3
Gを群,eをその単位元とする。Gが真部分群をもたなければ、Gは位数が素数pの巡回群であることを示せ。ただし、G≠{e}とする。
証明
(1)単位元でないGの元をaとする。このとき、aによって生成された巡回部分群<a>を考えると、{e}⊊<a>⊂Gである。仮定により<a>=Gでなければならない。よって、Gはaを生成元とする巡回群である。
(2)Gの位数は有限である:もし、<a>=Gの位数が有限でないとすると、
∀n∈ℤ^*=ℤ-{0},a^n≠e―――(*)
このとき、<a^2>≠<a>である。何故ならば、<a^2>=<a>とすると、
a∈<a>=<a^2>⇒∃n∈ℤ^*,a=(a^2)^n
∴a^(2n-1)=e,2n-1≠0
これは(*)に矛盾する。ゆえに、{e}⊊<a^2>⊊<a>=G したがって、<a^2>はGの真部分群となり仮定に反する。以上より、Gの位数は有限であることが示された。
(3)G=<a>の位数nが素数でないとすると、n=rs(r,s∈ℕ,1<r,s)と分解される。このとき、定理3.6系1より<a^r>は位数sの部分群で、1<s<nであるから、{e}⊊<a^r>⊊<a>=Gとなっている。これは、Gが真部分群をもたないことに矛盾する。
以上(1),(2),(3)より真部分群をもたない群G(≠{e})は位数が素数pの巡回群であることが示された。
定理3.6の系1
r,sを自然数とする。群Gの元aの位数をrsとすると、元a^rの位数はsであり、元a^sの位数はrである。すなわち、
|a|=rs⇒|a^r|=s,|a^s|=r
(引用終わり)
「上の議論によって、<a>=Gとなるので、Gは巡回群である。」という所と「すなわち、Gは単位元ではないすべての元が生成元となっている巡回群である(§3 演習問題3参照)。」という所を解説して下さい。
「§3 演習問題3」については別に解説する必要はありません。(気が向いたらやりますが。)
おまけ: