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壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/24 11:54 (No.1429742)削除
次の文章を完全解説して下さい。

単射,全射,および全単射
写像f:A→Bが単射であるとは
Aの要素a₁,a₂に対して、a₁≠a₂ならばf(a₁)≠f(a₂)であることです。これは対偶をとって
a₁,a₂∈Aに対して、f(a₁)=f(a₂)ならばa₁=a₂
が成り立つこと、ということもできます。
fが全射であるとは
Bの任意の要素bに対してf(a)=bをみたすa∈Aが存在することで定めます。
単射,全射はそれぞれ1対1の写像、上への写像ともよばれますが、要するに、Aの異なる行き先は必ず異なるような写像が単射であり、Bの要素でfによる像になっていないものはない場合が全射です。全射は値域f(A)がBと一致するような写像である、ということもできます。
単射で同時に全射であるものを全単射といいます。
また、写像f:A→AがAの任意の要素を動かさない、つまり、任意のa∈Aに対してf(a)=aであるとき、fをAの恒等写像(identity)といいます。
以上を、関数f:ℝ→ℝの例を用いて理解しておきましょう。いずれも、グラフを思い浮かべて考えてみてください。

例5.1
(ⅰ)f(x)=2^xは単射だが全射ではない。
(ⅱ)f(x)=x³-xは全射であるが単射ではない。
(ⅲ)f(x)=x³は全単射である。
(ⅳ)f(x)=sinxは単射でも全射でもない。
(ⅴ)f(x)=xは恒等写像であり、もちろん全単射である。
「ガロアに出会う はじめてのガロア理論」のんびり数学研究会より

一応、例5.1を証明してみて下さい。あと、(ⅳ)は反例を挙げれば済みますが、それでは面白くないので数式でも証明して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/24 13:44削除
例5.1
(ⅰ)f(x)=2^xは単射だが全射ではない。
(ⅱ)f(x)=x³-xは全射であるが単射ではない。
(ⅲ)f(x)=x³は全単射である。
(ⅳ)f(x)=sinxは単射でも全射でもない。
(ⅴ)f(x)=xは恒等写像であり、もちろん全単射である。

証明
(ⅰ)まず、単射である事の証明。
f(x₁)=2^x₁,f(x₂)=2^x₂
f(x₁)=f(x₂)とすると、2^x₁=2^x₂
この両辺の常用対数を取ると、
x₁log2=x₂log2 ∴x₁=x₂
よって、f(x₁)=f(x₂)ならばx₁=x₂より、
fは単射である。
次に、全射でない事は、x→+∞でf(x)→+∞
x→-∞でf(x)→0
つまり、f:ℝ→ℝ+で値域には負の領域が存在しないので全射ではない。
https://zenn.dev/wsuzume/articles/b0b3a51cac5d7fe4555b
(ⅱ)まず、単射でない事の証明。反例を挙げても良いが、それでは面白くないので、
f(x₁)=x₁³-x₁,f(x₂)=x₂³-x₂
f(x₁)=f(x₂)とすると、x₁³-x₁=x₂³-x₂
∴x₁³-x₂³-x₁+x₂=0
∴(x₁-x₂)(x₁²+x₁x₂+ⅹ₂²)-(x₁-x₂)=0
∴(x₁-x₂)(x₁²+x₁x₂+ⅹ₂²-1)=0
∴x₁=x₂,x₁²+x₁x₂+ⅹ₂²-1=0
よって、x₁²+x₂x₁+ⅹ₂²-1=0として、判別式を調べると、
D=x₂²-4(x₂²-1)=-3x₂²+4
例えば、x₂=0とするとD>0より、
x₁²+x₁x₂+ⅹ₂²-1=0は実数解を持つ。
つまり、x₁=x₂以外にも解を持つので、
f(x₁)=f(x₂)ならばx₁=x₂とは限らないので、単射ではない。
全射である事は、x→+∞でf(x)→+∞,x→-∞でf(x)→-∞でf(x)は連続関数なので、
f:ℝ→ℝで全射である。
(x→+∞でf(x)→+∞は厳密には微分で増減表を考えれば良い。念のため、厳密性にはこだわりません。)
因みに、微分で増減表を作って単調増加(減少)でない事から単射でない事を言っても良いが、省略。
(f'(x)=3x²-1=0よりx=±1/√3,f(1/√3)=1/3√3-1/√3=-2/3√3,f(-1/√3)=-1/3√3+1/√3=2/3√3
よって、例えば、y=0とすると、x³-x=0でx(x²-1)=0 ∴x=0,±1
よって、fによって、0,±1は0に写像されるので単射ではない。結局、具体例を出してしまいましたね。)

続きは次回。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/24 16:10削除
続き

例5.1
(ⅰ)f(x)=2^xは単射だが全射ではない。
(ⅱ)f(x)=x³-xは全射であるが単射ではない。
(ⅲ)f(x)=x³は全単射である。
(ⅳ)f(x)=sinxは単射でも全射でもない。
(ⅴ)f(x)=xは恒等写像であり、もちろん全単射である。

証明
(ⅲ)まず、単射の証明。
f(x₁)=x₁³,f(x₂)=x₂³
f(x₁)=f(x₂)とすると、x₁³=x₂³
∴x₁³-x₂³=0 
∴(x₁-x₂)(x₁²+x₁x₂+x₂²)=0
∴x₁=x₂,x₁²+x₁x₂+x₂²=0
x₁²+x₁x₂+x₂²
=(x₁+x₂/2)²+3x₂²/4
よって、x₁=x₂=0以外の場合は>0となり、実数解を持たない。x₁=x₂=0の場合は、x₁=x₂の場合に含まれるので、
f(x₁)=f(x₂)ならばx₁=x₂である。
よって、fは単射である。
全射の証明は、x→+∞でf(x)→+∞,x→-∞でf(x)→-∞ また、fは連続関数より、
f:ℝ→ℝでfは全射である。
(ⅳ)sinxは周期関数であるので単射でない事は自明だが、それでは面白くないので、
f(x₁)=sinx₁,f(x₂)=sinx₂
f(x₁)=f(x₂)とすると、sinx₁=sinx₂
∴sinx₁-sinx₂=0
ここで、和と積の公式を使うと、
sinx₁-sinx₂=2cos{(x₁+x₂)/2}・sin{(x₁-x₂)/2}=0
∴cos{(x₁+x₂)/2}=0,sin{(x₁-x₂)/2}=0
(1)cos{(x₁+x₂)/2}=0の場合
(x₁+x₂)/2=π/2+nπ(nは整数)
∴x₁+x₂=π+2nπ(nは整数)
∴x₁=-x₂+(2n+1)π(nは整数)
(2)sin{(x₁-x₂)/2}=0の場合
(x₁-x₂)/2=0+nπ(nは整数)
∴x₁-x₂=2nπ(nは整数)
∴x₁=x₂+2nπ(nは整数)
よって、(2)のn=0の場合のみ単射となり、それ以外の可能性が多々あるので単射ではない。
全射でない証明は、f(x)=sinxの値域は-1≦sinx≦1で、実数全体ではないので全射ではない。
(ⅴ)f(x₁)=x₁,f(x₂)=x₂
f(x₁)=f(x₂)とすると、x₁=x₂
よって、f(x₁)=f(x₂)ならばx₁=x₂より、fは単射である。
また、恒等写像であるので全射は自明とする。
ところで、

「写像f:A→Bが単射であるとは
Aの要素a₁,a₂に対して、a₁≠a₂ならばf(a₁)≠f(a₂)であることです。これは対偶をとって
a₁,a₂∈Aに対して、f(a₁)=f(a₂)ならばa₁=a₂
が成り立つこと、ということもできます。」
「ガロアに出会う はじめてのガロア理論」のんびり数学研究会より

単射の定義が「a₁≠a₂ならばf(a₁)≠f(a₂)」である理由は、写像が多対1対応または1対1対応だからである。

写像
「A,Bを集合とします。Aの任意の要素aに対して、何らかの規則によってBの要素を1つだけ対応させることができるとき、その規則をAからBへの写像といいます。」
「ガロアに出会う はじめてのガロア理論」のんびり数学研究会より

だから、ⅹ²+y²=1などは写像ではない(1対多対応だから)。ただし、y=±√(1-x²)とすると、f(x)=√(1-x²),g(x)=-√(1-x²)はそれぞれ写像となる。

「高校で学ぶいろいろな関数も、y=f(x)の形で表わすと、xの値を与えることでyの値が1つ定まり、したがって実数から実数への写像とみなすことができます。この場合のxをyに対応させる規則とはまさしく具体的な式として表わされたf(x)ということになります。その意味で写像とは関数を一般化した概念とみなしてもよいでしょう。」
「ガロアに出会う はじめてのガロア理論」のんびり数学研究会より

おまけ:
https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%BC%28%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%81%AE%E5%A5%87%E5%A6%99%E3%81%AA%E5%86%92%E9%99%BA%29
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/23 19:59 (No.1429437)削除
問題
辺の長さがすべて3の正三角錐OABCがある。辺OA,OC,CB上にOD=OE=CF=2となるように、それぞれD,E,Fをとる。正三角錐OABCを3点D,E,Fを通る平面で切る。
(1)切り口の周の長さを求めなさい。
(2)切り口の面積を求めなさい。
(05 日大桜丘)

図の解説は、読めば分かるので省略。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/24 07:56削除
問題
辺の長さがすべて3の正三角錐OABCがある。辺OA,OC,CB上にOD=OE=CF=2となるように、それぞれD,E,Fをとる。正三角錐OABCを3点D,E,Fを通る平面で切る。
(1)切り口の周の長さを求めなさい。
(2)切り口の面積を求めなさい。
(05 日大桜丘)

模範解答
(1)OD=OEより、DE∥AD……①
であるから、平面DEFとABCとの交わりは、①に平行な直線になる。
よって、平面DEFと辺ABとの交点をGとすると、GF∥DE……②
となって、切り口DEFGは等脚台形である。
ここで、DE=OD=2,GF=BF=1
また、△CEFは30°定規の形であるから、
EF=DG=CE×√3=√3
以上により、切り口は右図のようになる(注:上底が1,下底が2,等辺が√3の等脚台形)。
その周の長さは、
2+1+√3×2=3+2√3
(2)図で、EF'(注:F'はFからDEに下ろした垂線の足)=(2-1)/2=1/2であるから、
EF'=√{3-(1/2)²}=√11/2
よって、切り口の面積は、
(2+1)×(√11/2)×(1/2)=3√11/4
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説は、読めば分かるので省略。

改題
辺の長さがすべて3の正三角錐OABCがある。辺OA,OC,CB上にAD=OE=CF=2となるように、それぞれD,E,Fをとる。正三角錐OABCを3点D,E,Fを通る平面で切る。
(1)切り口の周の長さを求めなさい。
(2)切り口の面積を求めなさい。

ODの所をADにしてみました。また、途中なので何とも言えません。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/23 11:20 (No.1429269)削除
次の文章を完全解説して下さい。

例題3.1
以下が成り立つことを示せ。
(1)A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)
(2)A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)


(1)を示す((2)も同様にできる)。
A∪(B∩C)⊂(A∪B)∩(A∪C)かつ(A∪B)∩(A∪C)⊂A∪(B∩C)を示せばよい。
(ⅰ)x∈A∪(B∩C)とするとx∈Aまたはx∈B∩Cである。
x∈Aならばx∈A∪B,x∈A∪Cが成り立ち、よってx∈(A∪B)∩(A∪C)となる。
x∉Aならば、x∈B∩C,つまりx∈B,かつx∈Cなので、x∈A∪B,x∈A∪C,したがってx∈(A∪B)∩(A∪C)となる。
以上よりA∪(B∩C)⊂(A∪B)∩(A∪C)が成り立つ。
(ⅱ)次に、x∈(A∪B)∩(A∪C)とすると、x∈A∪Bかつx∈A∪Cである。
x∈Aのときx∈A∪(B∩C)は明らかである。
x∉Aならばx∈Bかつx∈Cでなければならず、これよりx∈B∩Cとなり、よってx∈A∪(B∩C)となる。
したがって(A∪B)∩(A∪C)⊂A∪(B∩C)が成り立つ。
「ガロアに出会う はじめてのがロア理論」のんびり数学研究会より

(1)を参考に(2)を解いて下さい。今回は簡単ですね。ただし、本当の素人の人は、

「AとBが一致することをA=Bで表わしますが、これは上の議論からも分かるように
A⊂B かつ B⊂A
が成り立つここと同じです。したがってAとBが一致する(等しいともいいます)ことを示したいときは、A⊂BとB⊂Aを示せばよいことになり、さらにA⊂Bは、Aの任意の要素aに対してa∈Bを示せば証明できることも明らかでしょう。」
「ガロアに出会う はじめてのがロア理論」のんびり数学研究会より

を参考にして下さい。

おまけ:
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1355787523
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/23 15:49削除
例題3.1
以下が成り立つことを示せ。
(1)A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)
(2)A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)

解答
(2)x∈A∩(B∪C)とすると、
x∈Aかつx∈B∪C
よって、x∈B∪Cよりx∈Bまたはx∈C
これとx∈Aより、
(x∈Aかつx∈B)または(x∈Aかつx∈C)
∴x∈A∩Bまたはx∈A∩C
∴x∈(A∩B)∪(A∩C)
よって、
x∈A∩(B∪C)⇒x∈(A∩B)∪(A∩C)
より、
A∩(B∪C)⊂(A∩B)∪(A∩C)……①

「A⊂Bは、Aの任意の要素aに対してa∈Bを示せば証明できることも明らかでしょう。」
「ガロアに出会う はじめてのがロア理論」のんびり数学研究会より

ワンポイントアドバイス
模範解答に倣ってxに任意のマーク「∀」を付けなかったが、下から3段目の⇒の所は、
「任意の元xがA∩(B∪C)に入っているならばxは(A∩B)∪(A∩C)に入っているという意味でベン図で考えれば部分集合である事が分かるだろう。因みに、「任意の」は「全ての」と同意(同義)なので「全ての」で読んでみて欲しい。納得出来る人は適性があるだろう。

次に、x∈(A∩B)∪(A∩C)とすると、
x∈A∩Bまたはx∈A∩C
(ⅰ)x∈A∩Bの場合
x∈Aかつx∈B
よって、x∈Aかつx∈B∪C
∴x∈A∩(B∪C)
よって、
x∈(A∩B)∪(A∩C)⇒x∈A∩(B∪C)
∴(A∩B)∪(A∩C)⊂A∩(B∪C)
(ⅱ)x∈A∩Cの場合
x∈Aかつx∈C
よって、x∈Aかつx∈B∪C
∴x∈A∩(B∪C)
よって、
x∈(A∩B)∪(A∩C)⇒x∈A∩(B∪C)
∴(A∩B)∪(A∩C)⊂A∩(B∪C)
(ⅰ),(ⅱ)より、
(A∩B)∪(A∩C)⊂A∩(B∪C)……②
①,②より、
A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)

「AとBが一致することをA=Bで表わしますが、これは上の議論からも分かるように
A⊂B かつ B⊂A
が成り立つここと同じです。したがってAとBが一致する(等しいともいいます)ことを示したいときは、A⊂BとB⊂Aを示せばよいことになり」
「ガロアに出会う はじめてのがロア理論」のんびり数学研究会より

ワンポイントアドバイス2
「x∈Aかつx∈B
よって、x∈Aかつx∈B∪C」
ここは、x∈Bならばx∈B∪Cという当然の事を使っている訳である。Bに入っていればBより大きいB∪C(和集合(結び)だからCがくっついてBより大きい)に入っているのは当然の事。
ところで、(1)と(2)はそれぞれ分配法則になっているが、ベン図で考えれば自明のことである(等式が自明という事で分配法則についてではない)。
A,B,Cの3つの円が重なっている図で、
(1)A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)
の左辺を考えると、A全体にB∩C(BとCの交わり)の部分がくっついた変な形。また、右辺を考えると、AとBの2円の結びとAとCの2円の結びの共通部分(交わり)はまさに先の変な形と一致する事が分かるだろう。よって、上の等式は図的に自明である。
(2)A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)
左辺を考えると、BとCの結びとAとの交わりは、A全体からAだけの(BとCと交わらない)部分を引いた変な形。また、右辺を考えると、(AとBの交わり)と(AとCの交わり)の結びなので、まさに先の変な形と一致する事が分かるだろう。よって、こちらの等式も図的に自明である。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/16 16:13 (No.1425622)削除
問題
図のように、底面ABCDが1辺の長さ4の正方形で、OA=OB=OC=OD=2√5の四角錐O-ABCDがある。この四角錐の内部の点Pから、5つの面OAB,OBC,OCD,ODA,ABCDにひいた垂線の長さをそれぞれa,b,c,d,xとする。
(1)a=b=c=d=xであるとき、xの値を求めなさい。
(2)x=1であるとき、a+b+c+dの値を求めなさい。
(00 日本女子大付)

図の解説:直正四角錐O-ABCDを考えてあとは読めば分かるので省略。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11202519121

今回は、簡単ですね。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12867501240.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/17 07:57削除
問題
図のように、底面ABCDが1辺の長さ4の正方形で、OA=OB=OC=OD=2√5の四角錐O-ABCDがある。この四角錐の内部の点Pから、5つの面OAB,OBC,OCD,ODA,ABCDにひいた垂線の長さをそれぞれa,b,c,d,xとする。
(1)a=b=c=d=xであるとき、xの値を求めなさい。
(2)x=1であるとき、a+b+c+dの値を求めなさい。
(00 日本女子大付)

模範解答
右図のように点H,Mをとる(注:点Hは正方形ABCDの対角線の交点で点Mは辺BCの中点)と、
OH=√(OC²-CH²)
=√{(2√5)²-(2√2)²}=2√3……①
OM=√{(2√5)²-2²}=4……②
O-ABCDの体積をVとすると、①より、
3V=4²×2√3=32√3……③
一方、V=P-OAB+P-OBC+P-OCD+P-ODA+P-ABCD
であり、②より、△OBC=(4×4)/2=8であるから、
3V=8×(a+b+c+d)+4²×x……④
③=④より、a+b+c+d+2x=4√3……⑤
(1)a=b=c=d=xのとき、⑤より、
6x=4√3 ∴x=2√3/3
(2)x=1のとき、⑤より、
a+b+c+d=2(2√3-1)……⑥
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

何か読みにくい解答だが、面白くないので解説は省略。(私の解法は簡潔だが省略。)

因みに、こちらhttps://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12203498157への私の回答は、これhttp://azuki2018.html.xdomain.jp/tex/T(6-42-54-12).pdfぐらい難しい可能性が高いので、こちらhttps://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%AB%E3%83%88%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%92%E3%81%95%E3%81%99-%E2%80%954%E7%82%B9%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8B%E5%B0%8F%E5%AE%87%E5%AE%99%E5%AE%8C%E5%85%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89-%E6%96%89%E8%97%A4-%E6%B5%A9/dp/4768703402の本にその問題が載っていないかどうかまず調べる事です。載っていないとしても、似たような問題の解法を研究すれば良いでしょう。(因みに、上のは詳しく読んでいません。)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/21 22:16削除
問題
図のように、底面ABCDが1辺の長さ4の正方形で、OA=OB=OC=OD=2√5の四角錐O-ABCDがある。この四角錐の内部の点Pから、5つの面OAB,OBC,OCD,ODA,ABCDにひいた垂線の長さをそれぞれa,b,c,d,xとする。
(1)a=b=c=d=xであるとき、xの値を求めなさい。
(2)x=1であるとき、a+b+c+dの値を求めなさい。
(00 日本女子大付)

うっかり、参考書の別解があるのを見逃していました。(1),(2)共にあります。ちょっと意外でした。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/22 07:57削除
問題
図のように、底面ABCDが1辺の長さ4の正方形で、OA=OB=OC=OD=2√5の四角錐O-ABCDがある。この四角錐の内部の点Pから、5つの面OAB,OBC,OCD,ODA,ABCDにひいた垂線の長さをそれぞれa,b,c,d,xとする。
(1)a=b=c=d=xであるとき、xの値を求めなさい。
(2)x=1であるとき、a+b+c+dの値を求めなさい。
(00 日本女子大付)

参考書の別解
(1)BCの中点をM,ADの中点をNとすると、△OMNは右図のような正三角形になる(注:△OBMなどで三平方の定理を使うと、OM=√{(2√5)²-2²}=√16=4でMNと一致するから)から、
x=2×(1/√3)=2√3/3
(注:点PはO-ABCDの内接球の中心で正三角形OMNの重心だから1:2:√3の直角三角形を利用する。)
(2)Pを通り面OMNに平行な面による切り口は、△OMNと合同な正三角形O'M'N'の一部になる(注:切り口は等脚台形になりその等辺の延長の交点をO'とする)。
△O'M'N'の面積について、
(√3/4)×4²=4(1+b+d)/2
(注:左辺は1辺がaの正三角形の面積の公式にa
=4を代入したもの。右辺は、△PN'M'+△PM'O'+△PO'N'の面積の和。)
∴b+d=2√3-1
a+cも同様だから、⑥が答えになる(注:a+b+c+d=2(2√3-1)……⑥)。
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

(2)はさらに別解を作ってみました。因みに、

>こちらhttps://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12203498157への私の回答は、これhttp://azuki2018.html.xdomain.jp/tex/T(6-42-54-12).pdfぐらい難しい可能性が高いので、こちらhttps://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%AB%E3%83%88%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%92%E3%81%95%E3%81%99-%E2%80%954%E7%82%B9%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8B%E5%B0%8F%E5%AE%87%E5%AE%99%E5%AE%8C%E5%85%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89-%E6%96%89%E8%97%A4-%E6%B5%A9/dp/4768703402の本にその問題が載っていないかどうかまず調べる事です。載っていないとしても、似たような問題の解法を研究すれば良いでしょう。

これは自力で解決しました。ヒントはこちらです。https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1913726087290585362
興味がある人は挑戦してみて下さい。(上の問題の別解も。)

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10624833579.html(ノストラダムスの予言の本場はフランスで日本なんて片田舎で誰にも相手にされないだろう。)
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/23 07:58削除
問題
図のように、底面ABCDが1辺の長さ4の正方形で、OA=OB=OC=OD=2√5の四角錐O-ABCDがある。この四角錐の内部の点Pから、5つの面OAB,OBC,OCD,ODA,ABCDにひいた垂線の長さをそれぞれa,b,c,d,xとする。
(1)a=b=c=d=xであるとき、xの値を求めなさい。
(2)x=1であるとき、a+b+c+dの値を求めなさい。
(00 日本女子大付)

(2)の私の別解
BCの中点をM,ADの中点をNとすると、△OMNは底面と直交する正三角形で、点Pを通りこの平面と平行な平面で切った断面図を考えると、等脚台形になる。
下底辺を左から右にN',M'と振り、Pから左の等辺に下ろした垂線の足をH,右の等辺に下ろした垂線の足をI,N'M'に下ろした垂線の足をJとすると、PH=d,PI=b,PJ=1である。
ここで、Pから右の等辺と平行な直線を引き、左の等辺との交点をE,N'M'との交点をFとし、PからN'M'と平行な直線を引き左の等辺との交点をG,右の等辺との交点をKとし、Pから左の等辺と平行な直線を引き右の等辺(またはその延長)との交点をL,N'M'との交点をOとすると、△PEG,△POF,△PKLはそれぞれ正三角形になり、四角形PGN'O,四角形PFM'Kはそれぞれ平行四辺形になる。
ところで、PH=dより、PG=(2/√3)d
∴ON'=PG=(2/√3)d……①
また、PI=bより、PK=(2/√3)b
∴FM'=PK=(2/√3)b……②
また、PJ=1より、OF=2/√3……③
①+②+③より、
(2/√3)d+(2/√3)b+2/√3=4
∴(2/√3)(b+d+1)=4
∴b+d+1=2√3 ∴b+d=2√3-1
a+cも同様に求められるので、答えは、
a+b+c+d=2(2√3-1)

読みにくいと思いますので、最初から図を描いて考えて下さい。また、ミスがあったらごめんなさい。

おまけ:
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返信4
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/22 12:00 (No.1428780)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 9-7b
m,nを互いに素な正整数とする。このときΦn(x)は、1の原始m乗根ζmの有理数の式を係数に許しても、2つの1次以上の積に分解しない。つまり既約であることを示せ。

解答
1の原始mn乗根をζ=ζmnと表す。Φmn(x)の多項式の群をGと表し、問題9-6より(ℤ/mnℤ)^×と同一視する。
η=ζ^nは1の原始m乗根になる。そこでηの(有理数係数の)式全体Mに対応するGの部分群Hはδa(ただしa≡1 modm)からなる。ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる(定理2.2参照)。HはΦmn(x)をM係数多項式とみたときの多項式の群なので、問題9-5よりΦn(x)はζ^mのM最小多項式であり、とくに既約である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。
またσaσb=σabを示し、Gの元の合成と、nと互いに素な2つの数a,bの積が対応することを示せ。
したがって[a]nをσaに対応させることにより、(ℤ/nℤ)^×はGと同型である。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。
またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。

定理2.2(中国剰余定理)
互いに素な正整数m,nに対して、環ℤ/mnℤの元は次の対応により、ℤ/mℤ×ℤ/nℤの元と1対1に対応する。
ℤ/mnℤ→ℤ/mℤ×ℤ/nℤ;[a]mn→([a]m,[a]n)
さらにこの対応により、それぞれの和,積が対応する。すなわち
[a+b]mn→([a]m⊕[b]m,[a]n⊕[b]n)
[ab]mn→([a]m⊙[b]m,[a]n⊙[b]n)

適当に分かり易く解説して下さい。その後、素朴な疑問コーナーもあります。

おまけ:
https://note.com/home_composer/n/n0fdd9ea562e3
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/22 13:28削除
解説
>1の原始mn乗根をζ=ζmnと表す。Φmn(x)の多項式の群をGと表し、問題9-6より(ℤ/mnℤ)^×と同一視する。

問題9-6bの「(ℤ/nℤ)^×はGと同型である」から。
また、後(のち)の「ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる(定理2.2参照)」の定理2.2を利用するためである。

>η=ζ^nは1の原始m乗根になる。そこでηの(有理数係数の)式全体Mに対応するGの部分群Hはδa(ただしa≡1 modm)からなる。

「1の原始mn乗根をζ=ζmnと表す」より、ζ^mn=1 ∴(ζ^n)^m=1
よって、η=ζ^nは1のm乗根で、問題文よりmとnは互いに素なので、
η=ζ^nは1の原始m乗根になる。
(ただしa≡1 modm)は、おかしいだろう。ここは、「ただしaはmと互いに素」だろう。「a≡1 modm」のaは確かにmと互いに素だが、mと互いに素なaはこれだけではないから。
また、σaは、

問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。

で、「ηの(有理数係数の)式全体M」はG(Φmn(x)の多項式の群)の部分群H(mnの約数のmと互いに素なaによる入れ換えの部分群)にガロワ対応するという事。

>ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる(定理2.2参照)。

Gを(ℤ/mnℤ)^×と同一視する事により、σaが[a]mnに対応し、mとnが互いに素な事より定理2.2(中国剰余定理)により全単射になるから。

定理2.2(中国剰余定理)
互いに素な正整数m,nに対して、環ℤ/mnℤの元は次の対応により、ℤ/mℤ×ℤ/nℤの元と1対1に対応する。
ℤ/mnℤ→ℤ/mℤ×ℤ/nℤ;[a]mn→([a]m,[a]n)
さらにこの対応により、それぞれの和,積が対応する。すなわち
[a+b]mn→([a]m⊕[b]m,[a]n⊕[b]n)
[ab]mn→([a]m⊙[b]m,[a]n⊙[b]n)

念のため、ここでの1対1対応は単射ではなく全単射である。

>HはΦmn(x)をM係数多項式とみたときの多項式の群なので、問題9-5よりΦn(x)はζ^mのM最小多項式であり、とくに既約である。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。
またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。

このf(x)をΦmn(x)として、f(x)の根の式βをζ^mと見ると、上より「ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる」ので、g(x)=(x-ζ)・・・(x-ζ^s)(ζ^iは全ての1のn乗根)となり、g(x)はΦn(x)となる。
そして、g(x)はζ^iの最小多項式より既約多項式である。
よって、Φn(x)は(M係数でも)既約多項式である。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/22 16:14削除
素朴な疑問コーナー

問題 9-7b
m,nを互いに素な正整数とする。このときΦn(x)は、1の原始m乗根ζmの有理数の式を係数に許しても、2つの1次以上の積に分解しない。つまり既約であることを示せ。このことより、120ページの(2)から(5)は係数(定数)を有理数から1の原始m乗根の式に拡張しても正しいことがわかる。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

Φn(x)をΦ4(x)とすると、p.119より、
Φ4(x)=x²+1
ここで、n=4と互いに素な数をm=3とすると、1の原始3乗根は、ωとω²の2つ。
よって、Φ4(x)=x²+1の係数をω=(-1+√3i)/2に許してもΦ4(x)=x²+1は既約多項式であるという事がこの定理の主張である。
ところが、Φ4(x)=x²+1=(x+i)(x-i)と分解すると、iは(-1+√3i)/2のうちに入っていないのだろうか。

また、n=4と互いに素なmをm=5として、原始5乗根を求めると、
x⁵-1=0より、(x-1)(x⁴+x³+x²+x+1)=0
よって、x⁴+x³+x²+x+1=0の解4個が原始5乗根である(5は素数だから1~4は全て5と互いに素だから)。
ところで、この式の解はx≠0より、x²で両辺を割ると、x²+x+1+1/x+1/x²=0
∴(x+1/x)²-1+(x+1/x)=0
ここで、X=x+1/xと置くと、
X²+X-1=0 ∴X=(-1±√5)/2
∴x+1/x=(-1±√5)/2
∴x²-{(-1±√5)/2}x+1=0
これを解の公式で解いて整理すると、
x=(-1+√5)/4±{√(10+2√5)/4}i
(-1-√5)/4±{√(10-2√5)/4}i
やはり、Φ4(x)=x²+1=(x+i)(x-i)とすると、Φ4(x)は可約とは見ないのだろうか。

さらに、n=4と互いに素でないmをm=6とすると、原始6乗根は、x⁶-1=0を解いて、
(x³+1)(x³-1)=0
∴(x+1)(x²-x+1)(x-1)(x²+x+1)=0
∴x=±1,(1±√3i)/2,(-1±√3i)/2
これを複素平面の単位円上のθの小さい順位並べると、
(1+√3i)/2,(-1+√3i)/2,-1,(-1-√3i)/2,(1-√3i)/2,1
よって、原始6乗根は、6と互いに素な1番目と5番目より、x=(1±√3i)/2である。
やはり、Φ4(x)=x²+1=(x+i)(x-i)とすると、互いに素じゃなくても同じになる。

おかしいかどうか分からないが、おかしいとしたら証明にもおかしな部分があるはずである。強いてあげるとしたら、

>ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる(定理2.2参照)。

Gを(ℤ/mnℤ)^×と同一視する事により、σaが[a]mnに対応し、mとnが互いに素な事より定理2.2(中国剰余定理)により全単射になるから。

定理2.2(中国剰余定理)
互いに素な正整数m,nに対して、環ℤ/mnℤの元は次の対応により、ℤ/mℤ×ℤ/nℤの元と1対1に対応する。
ℤ/mnℤ→ℤ/mℤ×ℤ/nℤ;[a]mn→([a]m,[a]n)
さらにこの対応により、それぞれの和,積が対応する。すなわち
[a+b]mn→([a]m⊕[b]m,[a]n⊕[b]n)
[ab]mn→([a]m⊙[b]m,[a]n⊙[b]n)

ここかな。確かに「すべての1の原始n乗根が得られる」ような気がするが、具体例で試すと、

Φmn(x)=Φ12(x)=x⁴-x²+1と置く(Φ12(x)=x⁴-x²+1は、p.133の問題7-2aから分かる)と、
x⁴-x²+1=(x²+1)²-3x²
=(x²+1+√3x)(x²+1-√3x)より、
x²+√3x+1=0,x²-√3x+1=0
∴x=(-√3±i)/2,(√3±i)/2
ここで、ζ=(√3+i)/2と置くと、問題9-6bより、

問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。

Φ12(x)の群Gは、ζ¹,ζ⁵,ζ⁷,ζ^11の入れ換えで求められるので、
(ζ,ζ⁵,ζ⁷,ζ^11)
(ζ⁵,ζ^25,ζ35,ζ^55)=(ζ⁵,ζ,ζ^11,ζ⁷)
(ζ⁷,ζ^35,ζ49,ζ^77)=(ζ⁷,ζ^11,ζ,ζ⁵)
(ζ^11,ζ^55,ζ^77,ζ^121)=(ζ^11,ζ⁷,ζ⁵,ζ)
∴G={(ζ,ζ⁵,ζ⁷,ζ^11),(ζ⁵,ζ,ζ^11,ζ⁷),(ζ⁷,ζ^11,ζ,ζ^⁵),(ζ^11,ζ⁷,ζ⁵,ζ)}
(注:群Gの元は本当は2段だが1段で表している。)
また、mn=3・4(互いに素)とすると、
ζ³は1の原始4乗根((ζ³)⁴=ζ^12=1だから)より、ζ³の式全体Mにガロア対応するGの部分群Hは4と互いに素な1と3で、
H={(ζ,ζ⁵,ζ⁷,ζ^11),(ζ⁷,ζ^11,ζ,ζ^⁵)}
よって、ζ→ζとζ→ζ⁷でζ³を変換すると、
ζ³→ζ³,ζ³→ζ^21=ζ⁹
ところで、ζ=(√3+i)/2より、
ζ³={(√3+i)/2}³
=(3√3-i+9ⅰ-3√3)/8
=i
∴ζ⁹=(ζ³)³=i³=-i
よって、ζ³は1の原始4乗根すべてに変換される。
よって、「Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる」という例である。

また、ζ⁴は1の原始3乗根((ζ⁴)³=ζ^12=1だから)より、ζ⁴の式全体Mにガロア対応するGの部分群Hは3と互いに素な1と2で、
H={(ζ,ζ⁵,ζ⁷,ζ^11),(ζ⁵,ζ,ζ^11,ζ⁷)}
よって、ζ→ζとζ→ζ⁵でζ⁴を変換すると、
ζ⁴→ζ⁴,ζ⁴→ζ^20=ζ⁸
ところで、ζ=(√3+i)/2より、
ζ⁴={(√3+i)/2}⁴
={(3-1+2√3i)/4}²
={(1+√3i)/2}²
=(-2+2√3i)/4
=(-1+√3i)/2=ω
∴ζ⁸=(ζ⁴)²=ω²
よって、ζ³は1の原始3乗根すべてに変換される。
よって、「Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる」という例である。

と見事にうまく行くのだが、実は、

>ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる(定理2.2参照)。

ではなく、ζ^nに施しているのである。
(Hは「部分群Hはδa(ただしa≡1 modm)」改め「部分群Hはδa(ただしaはmと互いに素)で行っている。)

まぁ、専門家じゃないので、ガロア理論をもっと易しい本で理解すればいいだけなのでスルーするが。

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/18 13:47 (No.1426632)削除
問題
https://www.msn.com/ja-jp/lifestyle/other/%E5%9B%B3%E5%BD%A2%E5%95%8F%E9%A1%8C-%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%88%86%E3%81%AE%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%88-vol-1218/ar-AA1D8FNQ?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=d670c10dae004f74a7d52ebfe539c323&ei=7

一応、何でもありでも解いて下さい。

問題
正方形ABCDの辺BC,CD上にそれぞれ点E,FをCE=CFとなるように取り、AE,AFと対角線BDとの交点をそれぞれG,Hとすると、GE=CE=HF=CFになったという。DF=5cmの時、△AEFの面積を求めて下さい。

算数の解法はエレガントですね。何でもありの方も出来るだけ計算は楽なように工夫して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/19 07:56削除
問題
正方形ABCDの辺BC,CD上にそれぞれ点E,FをCE=CFとなるように取り、AE,AFと対角線BDとの交点をそれぞれG,Hとすると、GE=CE=HF=CFになったという。DF=5cmの時、△AEFの面積を求めて下さい。

解法1 一応、模範解答も残しておきますね。
HF=CFより△FHCは二等辺三角形なので、∠FCH=∠FHC=●と置くと、正方形と対角線の対称性より、∠DAH=∠DCH=∠FCH=●
よって、△ADFの内角の和より、
●+●●=90°よって、●=30°より、∠DAF=30°また、対称性より∠BAE=∠DAF=30°なので、∠EAF=90°-30°×2=30°
ここで、FからAEに垂線を下ろしその足をHとすると、△FAHは30°,60°,90°の直角三角定規型になり、△ADFも30°,60°,90°の直角三角定規型なので、AF=2DF=10cm よって、FH=10÷2=5cm
また、対称性より、AE=AF=10cmなので、△AEF=10×5÷2=25cm²

解法2,3は次回。(何でもありの解法。)

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1913359579058196845(間違えた。洗浄技術が素晴らしいんじゃなくて、普通に扱っていたら卵からはほとんど感染しないという事。やはり、なめない方がいいだろう。今回までは、卵を容器に直接入れる(旅館方式)のはNGと思っていたが、あの洗浄技術ならばOKだろう。まぁ、その後に感染する確率も0じゃないと思うが。)
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/20 07:57削除
問題
正方形ABCDの辺BC,CD上にそれぞれ点E,FをCE=CFとなるように取り、AE,AFと対角線BDとの交点をそれぞれG,Hとすると、GE=CE=HF=CFになったという。DF=5cmの時、△AEFの面積を求めて下さい。

解法2
CF=xと置くと、AD=CD=x+5cm
よって、△ADFで三平方の定理を使うと、
AF=√{(x+5)²+5²}=√(x²+10x+50) ∴AH=√(x²+10x+50)-x
ところで、DHは∠Dの二等分線より、△DAFで角の二等分線の定理を使うと、
x+5:5=√(x²+10x+50)-x:xが成り立つ。(これは△HAB∽△HFDを利用しても良い。)
∴x(x+5)=5{√(x²+10x+50)-x}
∴x²+5x=5√(x²+10x+50)-5x
∴x²+10x=5√(x²+10x+50)
∴(x²+10x)²=25(x²+10x+50)
ここで、x²+10x=Ⅹと置くと、
X²=25(X+50)
∴X²=25X+1250
∴X²-25X-1250=0
∴(X+25)(X-50)=0
∴X=-25,50
∴x²+10x=-25,50
∴ⅹ²+10x+25=0,
x²+10x-50=0
∴(x+5)²=0,
x=-5±√75=-5±5√3
x>0より、x=-5+5√3のみ適正。
∴AD=x+5=5√3cm
∴△AEF=正方形ABCD-2△ABE-△CEF
=(5√3)²-5×5√3-(5√3-5)²/2
=75-25√3-25(4-2√3)/2
=75-50-25√3+25√3
=25
よって、答えは、25cm²

解法3は次回。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/21 07:53削除
問題
正方形ABCDの辺BC,CD上にそれぞれ点E,FをCE=CFとなるように取り、AE,AFと対角線BDとの交点をそれぞれG,Hとすると、GE=CE=HF=CFになったという。DF=5cmの時、△AEFの面積を求めて下さい。

解法3
FからBCと平行な直線を引き、BDとの交点をIとすると、△DIF∽△DBCより△DIFは直角二等辺三角形。∴IF=DF=5cm
ここで、CF=xと置くと、
AD=CD=x+5cm
よって、△HAD∽△HFIの相似比は、
AD:FG=x+5:5
よって、HからDFに垂線を下ろしその足をJとすると、
JF=[5/{(x+5)+5}]DF
={5/(x+10)}×5=25/(x+10)
DF=[(x+5)/{(x+5)+5}]DF
={(x+5)/(x+10)}×5
=5(x+5)/(x+10)
よって、△HJFで三平方の定理を使うと、
{5(x+5)/(x+10)}²+{25/(x+10)}²=x²が成り立つ。
∴25(x+5)²+25²=x²(x+10)²
今、x+5=Xと置くと、
25X²+25²=(X-5)²(X+5)²
=(X²-25)²=X⁴-50X²+25²
∴X⁴-75X²=0
∴X²(X²-75)=0
∴(x+5)²{(x+5)²-75}=0
x>0より、(x+5)²-75=0
∴(x+5)²=75 ∴x+5=±5√3
∴x=-5±5√3
x>0より、x=-5+5√3
∴AD=x+5=5√3cm
∴△AEF=正方形ABCD-2△ABE-△CEF
=(5√3)²-5×5√3-(5√3-5)²/2
=75-25√3-25(4-2√3)/2
=75-50-25√3+25√3
=25
よって、答えは、25cm²

因みに、スピードよりもエレガントな解法にしようとしてこちらの方を先に作りましたが、最初は愚直に25(x+5)²+25²=x²(x+10)²を展開して、x⁴+20x³+75x²-250x-1250=0となり、因数定理でx=-5を2回やるという解法2より遥かにお粗末な結果となってしまいました。
まぁ、失敗は成功の元というので、ゆっくり色々やってみるのが良いですね。https://takaishi-gakkou.sakura.ne.jp/seikosyo/R4naisei%20no.1.pdf

おまけ:
返信
返信3
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/17 15:37 (No.1426116)削除
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/18 07:50削除
問題
∠B=60°,∠C=70°の凸型四角形ABCDの∠Aの二等分線と∠Dの二等分線との交点をEとする時、∠AEDの角度を求めて下さい。

別解1
BAの延長とCDの延長との交点をFとすると、∠F=180°-60°-70°=50°
ここで、点Eは△FADの∠Aと∠Dの外角の二等分線の交点より、△FADの∠F内の傍心である。
また、△FADの内心をIとすると、公式https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12106237532より、∠AID=90°+∠F/2=90°+25°=115°
また、定理より、内心のなす角と傍心のなす角の和は180°なので、
∠AED=180°-115°=65°

補足
https://www.google.com/search?q=%E5%86%85%E5%BF%83%E3%81%AE%E8%A7%92%E5%BA%A6%E3%81%A8%E5%82%8D%E5%BF%83%E3%81%AE%E8%A7%92%E5%BA%A6%E3%81%AE%E5%92%8C%E3%81%AF%EF%BC%91%EF%BC%98%EF%BC%90%C2%B0&sca_esv=6be21d68d2dfa16a&hl=ja&ei=Qn4BaMieKv7K1e8Pt_CViQ4&ved=0ahUKEwjIx9TGjOCMAxV-ZfUHHTd4JeEQ4dUDCBA&uact=5&oq=%E5%86%85%E5%BF%83%E3%81%AE%E8%A7%92%E5%BA%A6%E3%81%A8%E5%82%8D%E5%BF%83%E3%81%AE%E8%A7%92%E5%BA%A6%E3%81%AE%E5%92%8C%E3%81%AF%EF%BC%91%EF%BC%98%EF%BC%90%C2%B0&gs_lp=Egxnd3Mtd2l6LXNlcnAiNeWGheW_g-OBruinkuW6puOBqOWCjeW_g-OBruinkuW6puOBruWSjOOBr--8ke-8mO-8kMKwMggQABiABBiiBDIIEAAYgAQYogQyCBAAGIAEGKIEMgUQABjvBTIIEAAYgAQYogRIgrcBUOEHWKOyAXADeACQAQKYAdgBoAGjLKoBBjY4LjAuMbgBA8gBAPgBAZgCNKAC4CGoAgrCAgsQABiwAxiiBBiJBcICCxAAGIAEGLADGKIEwgIFECEYoAHCAhAQABgDGLQCGOoCGI8B2AEBwgINEAAYgAQYsQMYgwEYBMICEBAAGIAEGLEDGIMBGAQYigXCAgsQABiABBixAxiDAcICChAAGIAEGLEDGATCAgcQABiABBgEwgIKEAAYgAQYQxiKBcICBRAAGIAEwgIHEAAYgAQYF5gDC_EF6smkqvX5-l2IBgGQBgO6BgQIARgKkgcGNTAuMS4xoAermQGyBwY0Ny4xLjG4B74h&sclient=gws-wiz-serp
(「内心と傍心の角度の和が180度となることは、三角形の内角の和が180度であることと、傍心の定義から導き出されます.」これは間違っていますね。理由は、内心の定義と傍心の定義から∠IAE=∠IDE=90°となるからです。)

別解2は次回。これは完全な幾何的な解法です。(公式などは使わないという事。)

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1912101554687234420
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/18 15:47削除
問題
∠B=60°,∠C=70°の凸型四角形ABCDの∠Aの二等分線と∠Dの二等分線との交点をEとする時、∠AEDの角度を求めて下さい。

別解2
BAの延長とCDの延長との交点をFとすると、∠F=180°-60°-70°=50°
また、△FADの内心をIとして、AIの延長とEDの延長との交点をGとすると、内心の性質より∠IAF=∠IAD=×,∠IDF=∠IDA=△と置ける。
また、ADの延長上に点Jを取ると、対頂角より∠GDF=∠GDJ=〇と置ける。
ここで、△DAFでの内対角の和より、
〇〇=××+50°……①
また、△DAGでの内対角の和より、
〇=×+∠G この両辺を2倍すると、
〇〇=××+2∠G……②
①,②より、∠G=50°÷2=25°
ところで、∠EAB=∠EAD=●と置くと、BAFは一直線で●●××より、∠EAG=●×=180°÷2=90°
よって、△GAEの内角の和より、
∠AED=∠AEG=180°-90°-25°=65°

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/15 11:30 (No.1424985)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。
またσaσb=σabを示し、Gの元の合成と、nと互いに素な2つの数a,bの積が対応することを示せ。
したがって[a]nをσaに対応させることにより、(ℤ/nℤ)^×はGと同型である。

解答
Φn(x)は有理数係数多項式として既約であり(定理7.1)、その原始元としてΦn(x)の根ζ(1の原始n乗根)をとる。よってGは、Φn(x)の根ζをζ^aに入れ換える入れ換えσa(aはnと互いに素)からなる。σaσbは、
(σaσb)(ζ)=σa(σb(ζ))=σa(ζ^b)=(ζ^a)^b
=ζ^ab=σab(ζ)
よりσabに等しい。またσa=σbはa≡b modnと同値なので、(ℤ/nℤ)^×からGへの写像[a]n→σaは全単射であり、群の積も対応している。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

「集合{0,1,・・・,n-1}にこの加法,乗法を合わせて考えたものをℤ/nℤと表します。整数aをnで割った余りを
[a]n や a modn
で表し、ℤ/nℤの元とみなします。[a]nは表記を簡潔にするために本書で用いる記号です。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著p.31より

「nと互いに素な正整数(≦n)をℤ/nℤの元を用いて、次のように表します。
(ℤ/nℤ)^×={[a];aはnと互いに素}
={[a];aは1,2,・・・,n-1のどれかで、nと互いに素}
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著p.33より

定理7.1(円分多項式の既約性)
Φn(x)は有理数係数多項式として既約である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説した後、余裕がある人は「(ℤ/nℤ)^×はGと同型である」の別証を考えてみて下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/15 13:46削除
解説
>Φn(x)は有理数係数多項式として既約であり(定理7.1)、その原始元としてΦn(x)の根ζ(1の原始n乗根)をとる。

何故、Φn(x)が既約である事を言う必要があるかと言うと、次の「多項式の群の構成」による。

■多項式の群の構成
f(x)の原始元をβとし、βを根に持つ既約多項式をg(x)とします。またg(x)は重根を持たないとします。多項式の群Gfを
「βをg(x)の根に入れ換えて得られるf(x)の根の入れ換え」
からなる集合とします。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

円分多項式Φn(x)の群Gを求めるには、Φn(x)が既約多項式である必要があるからである。
また、ζがΦn(x)の原始元になる理由は、ζの累乗でΦn(x)の全ての根を表せるからである。

定義8.1(原始元)
重根を持たないn次多項式f(x)の原始元βとは、次の(1),(2)をみたす複素数のことである。以下においてα₁,・・・,αnをf(x)の根とする。
(1)βはα₁,・・・,αnの式で表される。
(2)α₁,・・・,αnはそれぞれβの式で表される。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

ζはζで表されているし、Φn(x)の根はζ,ζ²,・・・,ζ^nなので全てζで表せるからである。

>よってGは、Φn(x)の根ζをζ^aに入れ換える入れ換えσa(aはnと互いに素)からなる。

原始元ζを根に含む既約多項式を作ると、Φn(x)と一致する。
つまり、上の「多項式の群の構成」のf(x)=g(x)=Φn(x)である。
よって、多項式の群Gfは、
「βをg(x)の根に入れ換えて得られるf(x)の根の入れ換え」
より、
「ζをΦn(x)の他の根に入れ換えて得られるΦn(x)の根の入れ換え」
つまり、「Gは、Φn(x)の根ζをζ^aに入れ換える入れ換えσa(aはnと互いに素)からなる」という事である。

>(σaσb)(ζ)=σa(σb(ζ))=σa(ζ^b)=(ζ^a)^b
=ζ^ab=σab(ζ)

σa(ζ^b)=(ζ^a)^bの所、
(上より)「σa:ζ→ζ^a」は、括弧の中のものをa乗する訳ではなく、ζをζ^aに入れ換えるという事である。

>またσa=σbはa≡b modnと同値なので、(ℤ/nℤ)^×からGへの写像[a]n→σaは全単射であり、群の積も対応している。

最初に、p.31より、
「集合{0,1,・・・,n-1}にこの加法,乗法を合わせて考えたものをℤ/nℤと表します。整数aをnで割った余りを
[a]n や a modn
で表し、ℤ/nℤの元とみなします。[a]nは表記を簡潔にするために本書で用いる記号です。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

また、p.33より、
「nと互いに素な正整数(≦n)をℤ/nℤの元を用いて、次のように表します。
(ℤ/nℤ)^×={[a];aはnと互いに素}
={[a];aは1,2,・・・,n-1のどれかで、nと互いに素}
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

ところで、σa=σbは、(上より)「σa:ζ→ζ^a」なので、ζ^a=ζ^b
また、ζは1の原始n乗根なので周期nの周期関数(ζ^n=1)である。よって、a≡b modnと同値という事である。
a≡b modnとζ^a=ζ^bが同値なので、
「(ℤ/nℤ)^×からGへの写像[a]n→σaは全単射」が分かる。
(a≡b modnとℤ/nℤと[a]nは同じ意味で、「σa:ζ→ζ^a」からζ^aとσaとGは同じような事と考えれば良い。)

また、(上の)「(σaσb)(ζ)=σa(σb(ζ))=σa(ζ^b)=(ζ^a)^b=ζ^ab=σab(ζ)」より、
(σaσb)(ζ)=σab(ζ)でσaσb=σab
よって、「群の積も対応している」。

よって、全単射かつ群の積が対応しているので、「(ℤ/nℤ)^×はGと同型である」事が示された。

「2つの群に対して、元どうしに1対1の対応があり、さらに群の積(演算)が対応するとき(すなわち元の対応が「abに対応する元はaとbに対応する元の積である」という性質を持つとき)、この2つの群を同型といいます。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著p.89~p.90より

別証は次回。(念のため、私のオリジナル。)

おまけ:
http://aumshinrikyo123.cocolog-nifty.com/blog/cat73106923/index.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/15 16:22削除
問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。
またσaσb=σabを示し、Gの元の合成と、nと互いに素な2つの数a,bの積が対応することを示せ。
したがって[a]nをσaに対応させることにより、(ℤ/nℤ)^×はGと同型である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

「(ℤ/nℤ)^×はGと同型である」事の別証
「(ℤ/nℤ)^×からGへの写像[a]n→σa」を写像Fとする。
つまり、F:(ℤ/nℤ)^×→G([a]n→σa)と定義すると、
F([a]n+[b]n)=F([a+b]n)=σ(a+b)
=ζ^(a+b)=ζ^aζ^b=σaσb
=F([a]n)F([b]n)
∴F([a]n+[b]n)=F([a]n)F([b]n)
よって、写像Fは準同型写像である。また、Fは全単射であった(上より「σa=σbはa≡b modnと同値なので、(ℤ/nℤ)^×からGへの写像[a]n→σaは全単射」)ので同型写像である。
∴(ℤ/nℤ)^×≅G
よって、示された。

定義6.1
演算◦を持つ群(G,◦)と演算*を持つ群G'(G',*)に対して、GからG'への写像f:G→G'が
∀a,b∈G,f(a◦b)=f(a)*f(b)
なる条件を満足しているとき、fをGからG'への準同型写像という。また、単射でかつ全射である準同型写像を同型写像という。群Gから群G'への同型写像fが存在するとき、GとG'は同型であるといい、G≃G'と書く。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

これでいけると思いましたが、これじゃダメですよね。よく考えたら×の要素を使っていませんし。
模範解答は、(ℤ/nℤ)^×が乗法に関して群になる事を利用しているんですよね。

定理2.10
nを法とする既約剰余類の全体U(ℤn)は剰余環ℤn=ℤ/nℤにおける乗法に関して群をなす。
ただし、U(ℤn)={|a∈ℤn|(a,n)=1}
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

つまり、これが(ℤ/nℤ)^×が群になる事で、

「2つの群に対して、元どうしに1対1の対応があり、さらに群の積(演算)が対応するとき(すなわち元の対応が「abに対応する元はaとbに対応する元の積である」という性質を持つとき)、この2つの群を同型といいます。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著p.89~p.90より

「2つの群に対して」が満たされるという事。

>(σaσb)(ζ)=σab(ζ)でσaσb=σab
よって、「群の積も対応している」。

ℤnも|a・|b=|(a・b)を満たしているので、(ℤ/nℤ)^×も満たしていて、σaσb=σabと積も対応しているという事。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/16 09:43削除
>「(ℤ/nℤ)^×からGへの写像[a]n→σa」を写像Fとする。
つまり、F:(ℤ/nℤ)^×→G([a]n→σa)と定義すると、
F([a]n+[b]n)=F([a+b]n)=σ(a+b)
=ζ^(a+b)=ζ^aζ^b=σaσb
=F([a]n)F([b]n)
∴F([a]n+[b]n)=F([a]n)F([b]n)
よって、写像Fは準同型写像である。

これを何かに有効活用できないかどうか検討して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/16 13:51削除
問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。
またσaσb=σabを示し、Gの元の合成と、nと互いに素な2つの数a,bの積が対応することを示せ。
したがって[a]nをσaに対応させることにより、(ℤ/nℤ)^×はGと同型である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

これのnをp(素数)限定にした場合の「(ℤ/nℤ)^×はGと同型である」事の別証を作る。

別証
(ℤ/pℤ)^×からGへの写像[a]p→σaを写像Fとする。
つまり、F:(ℤ/pℤ)^×→G([a]p→σa)と定義すると、
F([a]p+[b]p)=F([a+b]p)=σ(a+b)
=ζ^(a+b)=ζ^aζ^b=σaσb
=F([a]p)F([b]p)
∴F([a]p+[b]p)=F([a]p)F([b]p)
よって、写像Fは準同型写像である。
また、σa=σbはa≡b modpと同値(ζは1の原始p乗根なので周期pの周期関数(ζ^p=1)だから)なので、(ℤ/pℤ)^×からGへの写像[a]p→σaは全単射。
よって、Fは同型写像である。
∴加法群(ℤ/pℤ)^×≅G
(念のため、pが素数だから(ℤ/pℤ)^×は加法で群になる。)
また、(ℤ/pℤ)^×は乗法群でもあり、

定理2.10
nを法とする既約剰余類の全体U(ℤn)は剰余環ℤn=ℤ/nℤにおける乗法に関して群をなす。
ただし、U(ℤn)={|a∈ℤn|(a,n)=1}
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

[a]p+[b]p=[a+b]p
[a]p・[b]p=[a・b]p
でそれぞれの演算が対応していて、また、全単射である事は自明(pが素数より^×によって零元だけが消える)なので、加法群(ℤ/pℤ)^×と乗法群(ℤ/pℤ)^×は同型である。

「2つの群に対して、元どうしに1対1の対応があり、さらに群の積(演算)が対応するとき(すなわち元の対応が「abに対応する元はaとbに対応する元の積である」という性質を持つとき)、この2つの群を同型といいます。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著p.89~p.90より

∴乗法群(ℤ/pℤ)^×≅加法群(ℤ/pℤ)^×≅G
よって、乗法群(ℤ/pℤ)^×≅G
よって、示された。

おまけ:
返信
返信4
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/7 22:00 (No.1421149)削除
類題
底角が48°の二等辺三角形ABCを描き、辺ACの外側に∠ABD=12°かつ∠ACD=24°となる点Dを取る。この時、∠ADBの角度を求めて下さい。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12203498157

ヤフー知恵袋の問題よりずっと簡単です。因みに、私の過去ノートにあった問題ですが、解法を3通り作ってみました。(模範解答は1通りありましたが、それも見ないで解いてみました。まだあるかもしれません。)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/8 07:56削除
類題
底角が48°の二等辺三角形ABCを描き、辺ACの外側に∠ABD=12°かつ∠ACD=24°となる点Dを取る。この時、∠ADBの角度を求めて下さい。

解法1
BCを1辺とした正三角形EBCを頂点EがBCに関して点Aと同じ側に作ると、
∠ABE=60°-48°=12°より、
∠ABD=∠ABE……①
また、∠BCD=48°+24°=72°
さらに、△BCDの内角の和より、
∠BDC=180°-72°-36°=72°
よって、∠BCD=∠BDCより△BCDは二等辺三角形。よって、BC=BD
また、正三角形より、BC=BE
よって、BD=BE……②
ABは共通……③
①,②,③より、二辺夾角が等しいので、△BAD≡△BAE ∴∠ADB=∠AEB
よって、∠AEBを求めれば良いが、△EBCが正三角形で△ABCが条件より二等辺三角形なので、対称性により、∠AEBは∠E=60°の半分である。
よって、答えは、30°

別解は次回。

>この問題を突然話しかけられたおじさんに出されて解けません
解き方と答えをどうか教えてください

これぐらいの問題だったら良かったのですけどね。まぁ、これが終ったらまたちょっと考えてみるつもりですが。
私からも問題です。こちらhttps://www.msn.com/ja-jp/lifestyle/other/%E5%9B%B3%E5%BD%A2%E5%95%8F%E9%A1%8C-vol-1197-%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%88%86%E3%81%AE%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%88-%E5%85%A83%E5%95%8F/ar-AA1Cqr3X?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=7029d563070f4ad28c4ccc1f9dcef902&ei=8の第1問を何でもありで解いて下さい。もちろん、解答を見ないで算数で解ければ素晴らしいです。(念のため、私は算数でも解けました。)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/8 19:21削除
上の問題では物足りない人のために。

問題
∠Aが直角の直角二等辺三角形ABCの内部の点PがPA=PCかつPB=ABを満たす時、∠PCBの角度を求めて下さい。

ただし、何でもあり(電卓あり)で求められれば良いです。今回は、エレガントな解法と同じぐらい何でもありの解法も意味があると思います。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/9 07:57削除
こちらhttps://www.msn.com/ja-jp/lifestyle/other/%E5%9B%B3%E5%BD%A2%E5%95%8F%E9%A1%8C-vol-1197-%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%88%86%E3%81%AE%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%88-%E5%85%A83%E5%95%8F/ar-AA1Cqr3X?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=7029d563070f4ad28c4ccc1f9dcef902&ei=8の第1問を問題文にすると、

問題
∠Cが直角の直角三角形ABCの∠Aの二等分線と辺BCとの交点をDとする。この時、DC:AC=1:2,△ADC=30cm²になったという。△ABDの面積を求めて下さい。

解法1(算数の解法)
DからABに垂線を下ろしその足をHとすると、直角三角形の斜辺と他の1角が等しいので、△ADH≡△ADC よって、DH=DC
これを条件のDC:AC=1:2に代入すると、DH:AC=1:2
また、∠Bが共通と直角が等しいので、△BDHと△ABCは2角が等しく相似である。
そして、相似比がDH:AC=1:2より、面積比は1×1:2×2=1:4
よって、△BDH=②と置くと△ABC=⑧より、四角形AHDC=⑧-②=⑥
よって、△ADC=△ADH=⑥÷2=③ 
また、△ABD=△ADH+△BDH=③+②=⑤より、△ABD:△ADC=⑤:③=5:3で△ADC=30cm²より、
△ABD=50cm²

解法2(中学数学の解法)
△ABCで角の二等分線の定理を使うと、
AB:AC=BD:DC
よって、AB:BD=AC:DC=2:1
よって、BD=aと置くと、AB=2a
また、DC=b,AC=2bと置くと、
BC=BD+DC=a+b
よって、△ABCで三平方の定理を使うと、
(2b)²+(a+b)²=(2a)²が成り立つ。
∴4b²+a²+2ab+b²=4a²
∴3a²-2ab-5b²=0
∴(3a-5b)(a+b)=0
a>0,b>0より、3a=5b
∴a:b=5:3 ∴BD:DC=5:3
△ADC=30cm²より、
△ABD=50cm²

解法3(高校数学の解法)
∠BAD=∠CAD=θと置くと、
条件より、tanθ=1/2……①
また、tanの2倍角の公式より、
tan2θ=2tanθ/(1-tan²θ)……②
①を②に代入すると、
tan2θ=1/(1-1/4)=4/3
ところで、DC:AC=1:2より、
DC=b,AC=2bと置くと、
tan2θ=BC/AC=4/3より、
BC/2b=4/3 ∴BC=8b/3
∴BD=BC-DC=8b/3-b=5b/3
∴BD:DC=5b/3:b=5:3
△ADC=30cm²より、
△ABD=50cm²

結構、楽しめたのではないでしょうか。

問題
∠Aが直角の直角二等辺三角形ABCの内部の点PがPA=PCかつPB=ABを満たす時、∠PCBの角度を求めて下さい。

これも結構いけると思います。余裕がある人は、上の第3問の何でもありの別解を作ってみて下さい。ただし、面白いかどうかは微妙です。(人によるでしょう。)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/10 07:57削除
問題
∠Aが直角の直角二等辺三角形ABCの内部の点PがPA=PCかつPB=ABを満たす時、∠PCBの角度を求めて下さい。

解法1 エレガントな解法
点AのBCに関する対称点をA'とすると、△ABCは直角二等辺三角形より、四角形ABA'Cは正方形になる。そして、△PACが二等辺三角形より対称性により△PBA'も二等辺三角形になり、対称性から△BAPと△A'CPは合同になる。
ところで、△BAPは二等辺三角形より△A'CPも二等辺三角形で、AB=BA'=PBより△PBA'は正三角形である。
よって、∠PA'C=90°-60°=30°より、∠A'CP=75°
また、∠A'CB=45°より、
∠PCB=75°-45°=30°

解法2 何でもありの解法
DからACに垂線を下ろしその足をHとし、BからAPに垂線を下ろしその足をIとする。
ここで、AB=AC=2,AP=xと置くと、AH=1 
ところで、∠PAH=●と置くと、∠BAI=90°-● また、△APHの内角の和より、∠PAH=90°-● よって、∠BAI=∠PAH
また、∠BIA=∠AHP=90°より2角が等しいので、△BAI∽△APH
よって、AI:AB=PH:PAが成り立つ。
また、△APHで三平方の定理を使うと、
PH=√(x²-1)
∴x/2:2=√(x²-1):x
∴2√(x²-1)=x²/2
∴x²=4√(x²-1) ∴x⁴=16(x²-1)
∴x⁴-16x²+16=0
∴x²=8±√(64-16)=8±4√3
ところで、△APHの辺の関係より、
1<x<2 ∴1<x²<4
∴x²=8-4√3
x>0より、
x=√(8-4√3)=2√(2-√3)
∴CP=AP=x=2√(2-√3)
∴cos∠PCH=1/x=1/2√(2-√3)
∴∠PCH=Arccos{1/2√(2-√3)}
=Arccos0.9659258=15°
∴∠PCB=45°-15°=30°

因みに、x²=8-4√3から、
x²=8-2√12=(6+2)-2√(6・2)
=(√6-√2)²
とすれば、x=√6-√2
∴CP=√6-√2,CH=1
∴CH:CP=1:√6-√2
=√6+√2:4
よって、15°,75°,90°の直角三角形の三辺比より、∠PCH=15°
∴∠PCB=45°-15°=30°
と、電卓なしで出来る。

意外と解法2は出来た人は少なかったのではないでしょうか。構造を考えるいい問題だと思います。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/11 07:52削除
https://www.msn.com/ja-jp/lifestyle/other/%E5%9B%B3%E5%BD%A2%E5%95%8F%E9%A1%8C-vol-1197-%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%88%86%E3%81%AE%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%88-%E5%85%A83%E5%95%8F/ar-AA1Cqr3X?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=7029d563070f4ad28c4ccc1f9dcef902&ei=8
>上の第3問の何でもありの別解を作ってみて下さい。ただし、面白いかどうかは微妙です。(人によるでしょう。)

一応、問題化しておきますね。

問題
正三角形ABCの辺BC上に点Dを取り、ADを1辺とした正三角形ADEを点EがADに関してBと反対側に取る。この時、DC:CE=2:5,△ACE=10cm²になったという。△ABCの面積を求めて下さい。

何でもありの別解
△ABCと△ADEが正三角形より、
∠ACD=∠AED=60°
よって、円周角の定理の逆により、A,D,C,Eは同一円周上にある。
よって、トレミーの定理を使うと、
AC・DE=AD・CE+CD・AE
ところで、△ADEは正三角形より、
AD=DE=AE
よって、両辺をこれらで割ると、
AC=CE+CD
また、△ABCも正三角形より、AC=BC
∴BC=CE+CD
∴BD+CD=CE+CD
∴BD=CE
よって、三辺相等で△ABD≡△ACE
=10cm² また、BD:BC=5:7より、
△ABC=(7/5)×10=14cm²

これだけじゃ面白くないので、こちらhttps://www.msn.com/ja-jp/lifestyle/other/%E5%9B%B3%E5%BD%A2%E5%95%8F%E9%A1%8C-vol-1201-%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%88%86%E3%81%AE%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%88-%E5%85%A83%E5%95%8F/ar-AA1CzqOs?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=40a24b5db5ee457a82c80fc13c1d3f1b&ei=9#comments&commentId=58394909-f161-4c8f-bfaa-f126d27b0eacの第3問の何でもありの別解を考えてみて下さい。因みに、コメント欄の正当な別解は私の解法です。念のため、模範解答の方法でも解けました。

おまけ:
2巻97番の詩
Romain Pontife garde de t'approcher
De la cité qui deux fleuves arrousent,
Ton sang viendra au pres de là cracher,
Toy & les tiens quand fleurira la rose. (校訂した原文)
ローマ法王は君に近付ける事を警戒する
2つの大きな流れが [雨のように]砲弾を浴びせる都市の人々を
君の血筋はその頃に噴き出すようになるだろう
君と君の仲間は。バラの花が咲くだろう時に。
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12791137370.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/11 16:12削除
https://www.msn.com/ja-jp/lifestyle/other/%E5%9B%B3%E5%BD%A2%E5%95%8F%E9%A1%8C-vol-1201-%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%88%86%E3%81%AE%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%88-%E5%85%A83%E5%95%8F/ar-AA1CzqOs?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=40a24b5db5ee457a82c80fc13c1d3f1b&ei=9#comments&commentId=58394909-f161-4c8f-bfaa-f126d27b0eac

>第3問の何でもありの別解を考えてみて下さい。

一応、問題化しておきますね。

問題
直角二等辺三角形ABCとBCを共有したBC=BDの二等辺三角形DBCが点Aと点DがBCに関して同じ側にある。∠DBC=30°,△ACD=10cm²,ACとBDの交点をEとする時、△EBCの面積を求めて下さい。

解法1
A,DからBCに垂線を下ろしその足をそれぞれH,Iとすると、△ABCは直角二等辺三角形より、AH=(1/2)BC……①
また、△DBIは30°,60°,90°の直角三角定規型になるので、DI=(1/2)BD
また、条件よりBD=BCなので、
DI=(1/2)BC……②
①,②より、AH=DI
よって、AH∥DIかつAH=DIより四角形AHIDは平行四辺形である(厳密には長方形)。よって、AD∥HI よって、AD∥BC
よって、錯角より∠DAC=∠ECB……③
また、△BCDは頂角が30°の二等辺三角形より、∠BCD=75°
また、△ABCは直角二等辺三角形より、∠ACB=45°よって、∠DCA=75°-45°=30°よって、∠DCA=∠EBC=30°……④
③,④より、2角が等しいので、△DCAと△EBCは相似である。
ここで、相似比1:√2を使うと簡単だが、それでは算数の解法にならないので、模範解答とはまた違った方法を取る。(模範解答は(2乗を使っているが)算数の解法の範疇である。)
点AのBCに関する対称点をA'とすると、四角形DAHCと四角形ECA'Bは相似になり、それぞれの直角二等辺三角形部分の面積比が1:2なので、全体の(相似形の)面積比も1:2である。よって、それぞれから直角二等辺三角形部分を除いた△DCAと△EBCの(相似形の)面積比も1:2である。よって、△EBC=2△DCA=2×10=20cm²

解法2
AD∥BCまでは解法1と同じ。
ここで、BC上にCからCF=DAとなる点Fを取ると、四角形AFCDは平行四辺形になる。よって、同位角より∠AFB=∠C=75°また、△FACでの内対角の和より、
∠FAC=75°-45°=30° 
よって、∠FAE=∠FBE=30°
よって、円周角の定理の逆により4点A,B,F,Eは同一円周上にある。よって、四角形ABFEは円に内接する四角形より、∠EFC=∠BAE=90° よって、EF⊥BC
また、△ABCは直角二等辺三角形より∠ECF=45°なので、△EFCも直角二等辺三角形。よって、EF=FC また、四角形AFCDは平行四辺形なので、AD=FC よって、AD=EF=xと置く。
また、A,DからBCに垂線を下ろしその足をそれぞれH,Iとすると、AH=DI(=BC/2)=yと置くと、
△CAD=x×y÷2=10cm²———①
△EBC=2y×x÷2=2×(x×y÷2)———②
①を②に代入すると、
△EBC=2×10=20cm²

解法3(√ありの解法)は次回。
ヒント:BCを1辺とした正三角形を描いて下さい。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12874484462.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/12 07:49削除
問題
直角二等辺三角形ABCとBCを共有したBC=BDの二等辺三角形DBCが点Aと点DがBCに関して同じ側にある。∠DBC=30°,△ACD=10cm²,ACとBDの交点をEとする時、△EBCの面積を求めて下さい。

解法3
A,DからBCに垂線を下ろしその足をそれぞれH,Iとすると、△ABCは直角二等辺三角形より、AH=(1/2)BC……①
また、△DBIは30°,60°,90°の直角三角定規型になるので、DI=(1/2)BD
また、条件よりBD=BCなので、
DI=(1/2)BC……②
①,②より、AH=DI
よって、AH∥DIかつAH=DIより四角形AHIDは平行四辺形である(厳密には長方形)。よって、AD∥HI よって、AD∥BC
ここで、正三角形FBCを頂点FがBCに関して点Aと同じ側に作ると、BC=BF
また、条件よりBC=BDなので、
BF=BD……③
また、∠ABF=60°-45°=15°,
∠ABD=45°-30°=15°より、
∠ABF=∠ABD……④
BAは共通……⑤
③,④,⑤より、二辺夾角が等しいので、
△BAF≡△BAD
ところで、AD∥BCより等積変形で、
△BAD=△CAD=△ACD=10cm²
∴△BAF=10cm²
今、BCの中点をMとし、BM=aと置くと、
FM=√3a,AM=BM=aより、
AF=√3a-a=(√3-1)a
また、△BAF≡△BADより、
AD=AF ∴AD=(√3-1)a
よって、△EDA∽△EBCの相似比は、
AD:BC=(√3-1)a:2a
=√3-1:2
よって、EからBCに垂線を下ろしその足をHとすると、EH=[2/{(√3-1)+2}]AM
={2/(√3+1)}a=(√3-1)a
∴EH=(√3-1)a
∴△EBC=2a×(√3-1)a×(1/2)
=(√3-1)a²……☆
また、△BAF=10cm²より、
△BAF=AF×BM×(1/2)
=(√3-1)a×a×(1/2)=10
が成り立つ。
∴a²=20/(√3-1)
=20(√3+1)/(√3-1)(√3+1)
=10(√3+1)……★
★を☆に代入すると、
△EBC=(√3-1)・10(√3+1)
=20cm²

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1910684773846249820

https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1910819470572154887
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/14 07:48削除
類題
底角が48°の二等辺三角形ABCを描き、辺ACの外側に∠ABD=12°かつ∠ACD=24°となる点Dを取る。この時、∠ADBの角度を求めて下さい。

解法2
∠DBC=48°-12°=36°
また、∠BCD=48°+24°=72°より、∠BDC=180°-36°-72°=72°よって、∠BCD=∠BDC
よって、△BCDは二等辺三角形である。
よって、BC=BD
ここで、BDを1辺とした正三角形EBDを頂点EがBDに関して点Aと同じ側に作ると、BD=BEより、BC=BE……①
また、∠EBD=60°-12°=48°より、∠CBA=∠EBA……②
BAは共通……③
①,②,③より、二辺夾角が等しいので、
△BAC≡△BAE
ところで、△ABCは二等辺三角形より△ABEも二等辺三角形で、△DBEが正三角形より対称性で、△DABと△DAEは合同になる。
よって、∠ADB=60°÷2=30°

とりあえず、あと2通り作ってみました。多分、それで終わりだと思います。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/15 07:48削除
類題
底角が48°の二等辺三角形ABCを描き、辺ACの外側に∠ABD=12°かつ∠ACD=24°となる点Dを取る。この時、∠ADBの角度を求めて下さい。

解法3
ABを1辺とした正三角形EABを頂点EがABに関して点Cと同じ側に作ると、AB=AE
また、条件よりAB=AC 
よって、AE=AC
また、∠BAC=180°-48°×2=84°,∠BAE=60°より、
∠EAC=84°-60°=24°
よって、△AECは頂角が24°の二等辺三角形より、∠ACE=(180°-24°)÷2=156°÷2=78°
よって、∠ECB=78°-48°
=30°……☆
ところで、∠DBC=48°-12°=36°
また、∠BCD=48°+24°=72°より、∠BDC=180°-36°-72°=72°よって、∠BCD=∠BDC
よって、△BCDは二等辺三角形である。
よって、BC=BD……①
また、正三角形より、BE=BA……②
∠EBC=60°-48°=12°,
∠ABD=12°より、
∠EBC=∠ABD……③
①,②,③より、二辺夾角が等しいので、
△BEC≡△BAD
よって、∠ADB=∠ECB……★
☆を★に代入すると、
∠ADB=30°

解法1~解法3をヒントに是非、解法4に挑戦して下さい。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12828343128.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/16 07:56削除
類題
底角が48°の二等辺三角形ABCを描き、辺ACの外側に∠ABD=12°かつ∠ACD=24°となる点Dを取る。この時、∠ADBの角度を求めて下さい。

解法4
ACを1辺とした正三角形EACを頂点EがACに関して点Bと同じ側に作ると、AC=AE
また、条件よりAB=AC
よって、AB=AE 
また、∠BAC=180°-48°×2=84°,∠EAC=60°より、∠BAE=24°よって、∠ABE=(180°-24°)÷2=78°よって、∠EBC=78°-48°=30°……☆
ところで、∠DBC=48°-12°=36°
また、∠BCD=48°+24°=72°より、∠BDC=180°-36°-72°=72°よって、∠BCD=∠BDC
よって、△BCDは二等辺三角形である。
よって、CB=BD……①
また、正三角形より、CE=CA また、△ABCは二等辺三角形より、CA=BA
よって、CE=BA……②
また、∠ECB=60°-48°=12°,∠ABD=12°より、
∠ECB=∠ABD……③
①,②,③より、二辺夾角が等しいので、△CEB≡△BAD
よって、∠ADB=∠EBC……☆☆
☆,☆☆より、∠ADB=30°

これは今回で終わりにしますね。

おまけ:
http://aumshinrikyo123.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/post-0c2d.html

https://www.shogakukan.co.jp/books/09389127
返信
返信10
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/10 11:56 (No.1422356)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。
またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。

解答
βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群をHとする。まずg(x)の係数はGfの入れ換えで不変なので、定数であることに注意する。またβ₁,・・・,βsはHの右傍系と1対1に対応するので、sはHの指数(G:H)に等しい。
βの最小多項式をh(x)とおく。定義よりh(β)=0である。この式にGfの根の入れ換えを適用するとh(βj)=0(j=1,2,・・・,s)が得られる。よってh(x)はβ₁,・・・,βsをすべて根に持つのでg(x)で割り切れる。h(x)はβの最小多項式なので、定義よりg(x)を割り切る。よってg(x)=h(x)である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/10 14:00削除
解説
>まずg(x)の係数はGfの入れ換えで不変なので、定数であることに注意する。

「f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)」
より、Gfの入れ換えでβがβ₁,・・・,βsに変わり、g(x)の係数をGfで入れ換えてもβiがβjに変わるだけ(βを構成するのはf(x)の根αiなどでそれらの入れ換えだから)なので、
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)の括弧の順番が変わるだけで展開すれば係数は変わらないから不変という事。
そして、定理9.1(2)より、Gfの全ての入れ換えで不変なものは定数だから。
また、「定数であることに注意する」とは、定数係数の最小多項式になるという事を言いたいから。

定理9.1(基本定理)
重根を持たないd次多項式f(x)に対して、その根α₁,・・・,αdの入れ換えのなす群Gfであって、次の性質をみたすものがただ1つ存在する:
(1)α₁,・・・,αdの2つの式が同じ値を定めるならば、Gfの各元で根を入れ換えても2式の値は等しい。すなわちg(α₁,・・・,αd)=h(α₁,・・・,αd)ならば、Gfの元でαi₁,・・・,αidと入れ換えてもg(αi₁,・・・,αid)=h(αi₁,・・・,αid)が成り立つ。
(2)α₁,・・・,αdの式に対して、その値は、Gfのどの元で根を入れ換えても変わらないとき、定数である。
この群Gfを多項式f(x)の群という。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

>またβ₁,・・・,βsはHの右傍系と1対1に対応するので、sはHの指数(G:H)に等しい。

HはGfの部分群でβを変えない入れ換え全体の集合である。そこで、GfをHで類別すると、βをβ₁,βをβ₂,…,βをβsに変えるそれぞれの集合に類別される。
よって、「β₁,・・・,βsはHの右傍系と1対1に対応する」という事である。また、「sはHの指数(G:H)に等しい」は指数の意味が分かれば分かる事である(類別された個数=右傍系の個数)。

「群Gの部分群Hに対して、右H傍系の個数をHの指数といい、(G:H)と表します。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

「定理4.1によれば、
G=⋃(a∈G)aH(aH≠bHならばaH∩bH=φ)=⋃(a∈G)Ha(Ha≠HbならばHa∩Hb=φ)
であるが、この事実をそれぞれGのHによる左類別,右類別という。」
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

>βの最小多項式をh(x)とおく。定義よりh(β)=0である。

最小多項式の定義
「Kの元αがAの元を係数とする多項式の根であるとします。このような多項式を以下、単にA係数多項式と呼びます。αを根に持つA係数多項式のなかで、次数が最小の単多項式をαのA上の最小多項式、あるいはA最小多項式といいます。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

要は、αを根に持つ次数が最小でx^n(最大次の項)の係数が1の多項式である。
例えば、β=1+√2だったら、β-1=√2
∴(β-1)²=2 ∴β²-2β-1=0
つまり、h(x)=x²-2x-1でh(β)=0は当たり前の事。

>h(β)=0である。この式にGfの根の入れ換えを適用するとh(βj)=0(j=1,2,・・・,s)が得られる。

定理9.1(1)より、Gfは、h(β)=0となっているものをGfで入れ換えても等号が保たれる(両辺ともβの式と考えると良い)という事。

定理9.1
(1)α₁,・・・,αdの2つの式が同じ値を定めるならば、Gfの各元で根を入れ換えても2式の値は等しい。すなわちg(α₁,・・・,αd)=h(α₁,・・・,αd)ならば、Gfの元でαi₁,・・・,αidと入れ換えてもg(αi₁,・・・,αid)=h(αi₁,・・・,αid)が成り立つ。

>よってh(x)はβ₁,・・・,βsをすべて根に持つのでg(x)で割り切れる。h(x)はβの最小多項式なので、定義よりg(x)を割り切る。よってg(x)=h(x)である。

h(x)はβ₁,・・・,βsをすべて根に持ち、さらに根を持つかもしれないが、g(x)はβ₁,・・・,βsだけを根に持つので、h(x)はg(x)で割り切れる。
また、h(x)とg(x)は同じ根βを持ち、h(x)はβの最小多項式より、h(x)はg(x)を割り切る。よって、g(x)=h(x)という事。

最小多項式による整除性
αを根に持つA係数多項式g(x)はαのA最小多項式f(x)で割り切れます。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/10 16:12削除
補足解説
>またβ₁,・・・,βsはHの右傍系と1対1に対応するので、sはHの指数(G:H)に等しい。

具体例を考えてみよう。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。
またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。

このf(x)をf(x)=x⁴-2とすると、
f(x)=(x²-√2)(x²+√2)
=(x-⁴√2)(x+⁴√2)(x-⁴√2ⅰ)(x+⁴√2ⅰ)より、x=±⁴√2,±⁴√2ⅰ
ここで、f(x)の根の式βを作る。
β=(⁴√2ⅰ)/(⁴√2)=iとすると、「Gfの根の入れ換え(すべて)」のGfが分からないので、とりあえず全ての根の入れ換えを行うと、
β₂=(⁴√2ⅰ)/(-⁴√2)=-i
β₃=(-⁴√2ⅰ)/(⁴√2)=-i
β₄=(⁴√2)/(⁴√2ⅰ)=1/i=-i
β₅=(-⁴√2)/(⁴√2ⅰ)=-1/i=i
他にもあるが、±iに収まる(収まる理由はg(x)はiの最小多項式になるからである)。
よって、g(x)=(x-i)(x+i)=x²+1
∴s=2……①
また、f(x)=x⁴-2の係数をiの式(2+3iなど有理数係数のiの式)に拡張してもこの式は既約多項式である。何故なら、f(x)=(x-⁴√2)(x+⁴√2)(x-⁴√2ⅰ)(x+⁴√2ⅰ)のどの2つの積を展開しても係数に√2が残り、有理数係数のiの式に収まらないので、結局全部展開しないと有理数係数のiの式にならないからである。
また、⁴√2は、有理数係数のiの式を係数としたf(x)=x⁴-2の原始元になる。
何故なら、この式にx=±⁴√2ⅰを代入すると、f(±⁴√2ⅰ)=(±⁴√2ⅰ)⁴-2
=i⁴(±⁴√2)⁴-2となり、iの式を係数としたf(x)=x⁴-2の根はx=±⁴√2だけで、これらは⁴√2で表せるからである。
よって、iの式を不変にするGfの部分群Hの元の個数は4個である。(p.153から「f(x)の原始元をβとし、βを根に持つ既約多項式g(x)を作り、その他の根に入れ換えて得られるf(x)の根の入れ換えが多項式の群Gf」だから。つまり、g(x)とf(x)が一致してどちらも根が4個だから。)
∴|H|=4……②
また、問題8-6bより、f(x)=x⁴-2の原始元βの最小多項式は、x⁸+28x⁴+2500より、8次式なので、|Gf|=8……③
ところで、ラグランジュの定理より、
|Gf|=(G:H)|H|
よって、②,③より、「Gfの部分群Hの指数(G:H)」は、(G:H)=8/4=2……④
①,④より、s=(G:H)
よって、「sはHの指数(G:H)に等しい」事が具体例で確認された。

定理4.4(ラグランジュの定理)
有限群Gの部分群Hに対して、Gに含まれる元の個数は、Hに含まれる元の個数にHの指数を掛けた数に等しい。すなわち
|G|=(G:H)|H|
が成り立つ。とくに|H|は|G|の約数である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

因みに、③は、別の方法でも求められる。
問題9-1aより、一般に2次式の多項式の群はf(x)の根の入れ換えと恒等入れ換えの2つからなる群なので、g(x)=x²+1の多項式の群Ggの元の個数は、|Gg|=2……④
また、定理9.3(ガロワ対応(正規性))より、Gg≅Gf/H ∴|Gg|=|Gf|/|H|……☆
また、上の②より、|H|=4……②
②,④を☆に代入すると、
2=|Gf|/4 ∴|Gf|=8

定理9.3(ガロワ対応(正規性))
多項式の群Gfの部分群Hについて、次は同値である。
(1)Hは、ある多項式g(x)のすべての根による式全体を不変にする部分群である。
(2)HはGfの正規部分群である。すなわちGfの任意の入れ換えσに対して、
Hσ=σH
である(Hに関する左傍系と右傍系は一致する)。
さらに、この対応においてg(x)の群Ggは商群Gf/Hと同型である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

おまけ:
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返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/9 11:28 (No.1421830)削除
次の文章を完全解説して下さい。

演習問題8
有限体K上の既約多項式は重根を持たないことを証明せよ。

証明
有限体Kの標数をp(>0)とする。f(X)を有限体K上の既約多項式とし、f(X)がKに重根をもつと仮定する。すると、補題3よりf'(X)=0である。
f(X)=a₀+a₁X+a₂X²+…+anX^n(ai∈K)とおけば、
f'(X)=a₁+2a₂X¹+3a₃X²+…+nanX^(n-1)=0である。ゆえに、
a₁=0,2a₂=0,…,iai=0,…,nan=0
ここで、Kは体であるから
iai=i1k・ai=0⇒i1k=0またはai=0
よって、ai≠0⇒i1k=0
i1k=0ということは、Kの素体Fp=ℤpの中で0ということであるから、i≡0(mopp)
すなわち、i1k=0⇔p|i
このことを多項式f(X)にもどって考えると、f(X)の0でない項の次数はすべてpで割り切れるということを意味している。ゆえに、f(X)は
f(X)=∑aiX^pi(ai∈K)
と表される。また、演習問題7で示したようにK=K^pであるから、係数aiはあるKの元biがあってai=bi^pと表される。したがって、
f(X)=∑aiX^pi=∑bi^pX^pi=(∑biX^i)^p
これは、f(X)が可約となることを表しているので、f(X)が既約であることに矛盾している。
以上によって、有限体K上の既約多項式は重根を持たないことが証明された。
「演習 群・環・体 入門」新妻弘著より

補題3
K[X]を体K上の多項式環とし、f(X)∈K[X]とする。また、αをKのある拡大体Lの元でf(α)=0であるとする。このとき、次の命題が成立する。
(1)αがf(X)の重根である⇔αがf(X)とf'(X)の共通根である。
(2)f(X)が既約であるとするとき、αがf(X)の重根であることと、f'(X)=0であることは同値である。

演習問題7
Kを標数pの有限体,Kのすべての元のp重根を含む体を~K,
K^p={a^p|a∈K},
K^(1/p)={a^(1/p)∈~K|a∈K}
とする。このとき、次の事を証明せよ。
(1)K^pとK^(1/p)は体で、K^p⊂K⊂K^(1/p)を満たしている。
(2)K^p=K
(3)K^(1/p)=K

適当に分かり易く解説した後に、

>∑bi^pX^pi=(∑biX^i)^p

これを証明して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/9 13:24削除
解説
>ここで、Kは体であるから
iai=i1k・ai=0⇒i1k=0またはai=0

まず、指数は有限体Kの元ではなく整数なので、有限体Kの単位元1kを掛けて、有限体Kの元に変換する。つまり、iai=i1k・ai
また、体は整域なので、i1k・ai=0⇒i1k=0またはai=0であるという事。

定理1.4
体は0と異なる零因子をもたない。すなわち、体は整域である。

定義1.3
零元0_Rと異なる零因子のない可換環を整域という。
可換環Rが整域である⇔a・b=0(a,b∈R)ならばa=0_Rまたはb=0_R

>i1k=0ということは、Kの素体Fp=ℤpの中で0ということであるから、i≡0(modp)
すなわち、i1k=0⇔p|i

Kは標数pの有限体で、modpで考えるので、i1k=0という事はi≡0(modp)でiはpの倍数という事。

>f(X)の0でない項の次数はすべてpで割り切れるということを意味している。

「ai≠0⇒i1k=0」だから「0でない項」限定。

>ゆえに、f(X)は
f(X)=∑aiX^pi(ai∈K)
と表される。また、演習問題7で示したようにK=K^pであるから、係数aiはあるKの元biがあってai=bi^pと表される。したがって、
f(X)=∑aiX^pi=∑bi^pX^pi=(∑biX^i)^p

あとは読めば分かるので、∑bi^pX^pi=(∑biX^i)^pの証明だけ。これは次回にしよう。

おまけ:

https://x.com/ci4o_neko/status/1846547388007321799
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/9 15:26削除
解説の続き

演習問題8
有限体K上の既約多項式は重根を持たないことを証明せよ。

証明
有限体Kの標数をp(>0)とする。f(X)を有限体K上の既約多項式とし、f(X)がKに重根をもつと仮定する。すると、補題3よりf'(X)=0である。
f(X)=a₀+a₁X+a₂X²+…+anX^n(ai∈K)とおけば、
f'(X)=a₁+2a₂X¹+3a₃X²+…+nanX^(n-1)=0である。ゆえに、
a₁=0,2a₂=0,…,iai=0,…,nan=0
ここで、Kは体であるから
iai=i1k・ai=0⇒i1k=0またはai=0
よって、ai≠0⇒i1k=0
i1k=0ということは、Kの素体Fp=ℤpの中で0ということであるから、i≡0(mopp)
すなわち、i1k=0⇔p|i
このことを多項式f(X)にもどって考えると、f(X)の0でない項の次数はすべてpで割り切れるということを意味している。ゆえに、f(X)は
f(X)=∑aiX^pi(ai∈K)
と表される。また、演習問題7で示したようにK=K^pであるから、係数aiはあるKの元biがあってai=bi^pと表される。したがって、
f(X)=∑aiX^pi=∑bi^pX^pi=(∑biX^i)^p
これは、f(X)が可約となることを表しているので、f(X)が既約であることに矛盾している。
以上によって、有限体K上の既約多項式は重根を持たないことが証明された。
「演習 群・環・体 入門」新妻弘著より

>∑bi^pX^pi=(∑biX^i)^p

要は、
b₁^pX^p+b₂^pX^2p+…+(bn)^pX^np
=(b₁X+b₂X^2+…+bnX^n)^p
を証明すれば良い。そこで、数学的帰納法で示す。
(ⅰ)n=1の時、b₁^pX^p=(b₁X)^pで成り立つ。
(ⅱ)n=kの時成り立つと仮定すると、
b₁^pX^p+b₂^pX^2p+…+(bk)^pX^kp
=(b₁X+b₂X^2+…+bkX^k)^p……☆
n=k+1の場合、
左辺=b₁^pX^p+b₂^pX^2p+…
+(bk+₁)^pX^(k+₁)p
=(b₁X+b₂X^2+…+bkX^k)^p
+(bk+₁)^pX^(k+₁)p(☆を代入した)
=(b₁X+b₂X^2+…+bkX^k)^p
+(bk+₁X^(k+₁))^p
=(b₁X+b₂X^2+…+bkX^k
+bk+₁X^(k+₁))^p(補題4より)

補題4
Kを標数pの体で、α,βをKの元,q=p^r(r≧1)とすると次の式が成り立つ。
(α+β)^q=α^q+β^q
(α-β)^q=α^q-β^q

よって、n=k+1の場合も成り立つ。
(ⅰ),(ⅱ)より、数学的帰納法により、
b₁^pX^p+b₂^pX^2p+…+(bn)^pX^np
=(b₁X+b₂X^2+…+bnX^n)^p
が示された。
∴∑bi^pX^pi=(∑biX^i)^p

裏を取っていないが、補題4はn項でも成り立つだろう。その理由は、
(α₁+α₂+…+αn)^q
={(α₁+α₂+…+αn-₁)+αn}^q
=(α₁+α₂+…+αn-₁)^q+αn^q
(補題4を使った)
={(α₁+α₂+…+αn-₂)+αn-₁}^q+αn^q
=(α₁+α₂+…+αn-₂)^q+αn-₁^q+αn^q
これを繰り返すと、
=α₁^q+α₂^q+…+αn-₁^q+αn^q
となるからである。(証明は数学的帰納法を使えば良いだろう。)

おまけ:
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返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/8 11:51 (No.1421357)削除
ライアーゲーム その3
問題
実線型写像Fの核F^-1(0)の次元を求めよ。
ℝ³→ℝ²,(x,y,z)→(x+y+z,x+y)
(注:縦ベクトルは横ベクトルで代用した。)


F^-1(0)={(x,y,z)∈ℝ³|F(x,y,z)=(0,0)}
={(x,y,z)∈ℝ³|(x+y+z,x+y)=(0,0)}
={(x,y,z)∈ℝ³|x+y+z=0,x+y=0}
={(x,-x,0)|x∈ℝ}=ℝ(1,-1,0)
∴次元は1
「演習詳解 線型代数」有馬哲・浅枝陽共著より

解の2行目まで同じ。
∴z=-x-y,y=-x
∴(x,y,z)=(x,-x,-x-y)
=(x,-x,-x)+(0,0,-y)
=x(1,-1,-1)+y(0,0,-1)
=ℝ(1,-1,-1)+ℝ(0,0,-1)
(1,-1,-1)と(0,0,-1)が線型独立である事は自明なので、基底の個数が2個で2次元である。
よって、この解答は間違っている。

簡単過ぎて詰まらなかったらごめんなさい。因みに、私は次元定理で秒殺でした。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/8 13:05削除
ライアーゲームの回答
「この解答は間違っている」は嘘である。

>解の2行目まで同じ。
∴z=-x-y,y=-x
∴(x,y,z)=(x,-x,-x-y)
=(x,-x,-x)+(0,0,-y)
=x(1,-1,-1)+y(0,0,-1)
=ℝ(1,-1,-1)+ℝ(0,0,-1)
(1,-1,-1)と(0,0,-1)が線型独立である事は自明なので、基底の個数が2個で2次元である。

ℝ(1,-1,-1)+ℝ(0,0,-1)の2つのℝがそれぞれ独立していないから2次元ではないのである。y=-xで2つのℝには関連があるという事。

問題
実線型写像Gの核G^-1(0)の次元を求めよ(n≧2)。
G:ℝ^n→ℝ²,
(x₁,…,xn-₁,xn)→(x₁+…+xn-₁+xn,x₁+…+xn-₁)
「線型代数入門」有馬哲著より

次元定理を使わずに求めて下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/4/8 16:03削除
問題
実線型写像Gの核G^-1(0)の次元を求めよ(n≧2)。
G:ℝ^n→ℝ²,
(x₁,…,xn-₁,xn)→(x₁+…+xn-₁+xn,x₁+…+xn-₁)
「線型代数入門」有馬哲著より

解答
G^-1(0)={(x₁,…,xn-₁,xn)∈ℝ^n|(x₁+…+xn-₁+xn,x₁+…+xn-₁)=(0,0)}
={(x₁,…,xn-₁,xn)∈ℝ^n|x₁+…+xn-₁+xn=0かつx₁+…+xn-₁=0}
={(x₁,…,xn-₁,xn)∈ℝ^n|xn=0かつx₁=-ⅹ₂-x₃-…-xn-₁}
={(-ⅹ₂-x₃-…-xn-₁,x₂,x₃,…,xn-₁,0|x₂,…,xn-₁∈ℝ}
={x₂(-1,1,0,…,0)+x₃(-1,0,1,0,…,0)+…+xn-₁(-1,0,…,1,0)|x₂,…,xn-₁∈ℝ}
よって、基底の個数は、n-1-2+1=n-2なので、答えは、n-2次元。
因みに、「演習詳解線形代数」有馬哲・浅枝陽共著のp.61の問題6の後半と同じ方法で求めるとn-1次元となってしまいます。その理由は、前回の間違いと同じ理由。念のため、参考書自体には何の誤謬もありません。ただし、学生が勘違いしたままにならないように次元定理の別解がある事は一言書いておいた方が良いかもしれませんね。

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