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壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/18 15:44 (No.1409602)削除
次の文章を完全解説して下さい。

演習問題2
有限体F13の中で3の13乗根を求めよ。

解答
13は素数であって、F13=ℤ13であるから、X^13-3=0の根をℤ13の中で求めればよい。定理2.11の系2によって、
a^13≡a(mod 13)(0≦∀a<13)
したがって、X^13=3となるℤ13の元は3のみである。
「演習 群・環・体 入門」新妻弘著より

定理2.11の系2
pを素数とする。このとき、任意の整数aに対して次が成り立つ。
a^p≡a(mod p)

バカ(初学者全員)でも分かるように解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/19 11:59削除
演習問題2
有限体F13の中で3の13乗根を求めよ。

解答
13は素数であって、F13=ℤ13であるから、X^13-3=0の根をℤ13の中で求めればよい。定理2.11の系2によって、
a^13≡a(mod 13)(0≦∀a<13)
したがって、X^13=3となるℤ13の元は3のみである。
「演習 群・環・体 入門」新妻弘著より

>バカ(初学者全員)でも分かるように解説して下さい。

まず、有限体とは何かの前に数体をご存知だろうか。例えば、有理数体とか実数体とか複素数体とか。アバウトに言うと、四則演算について閉じている集合の事である。
例えば、有理数+有理数=有理数,有理数-有理数=有理数,有理数×有理数=有理数,有理数÷有理数=有理数となるからである。
これは実数でも複素数でもこうなる。(閉じているという事。)
しかし、整数+整数=整数,整数-整数=整数,整数×整数=整数,整数÷整数=整数とは限らない。例えば、2÷4=1/2で有理数だからである。つまり、整数は除法について閉じていないので、数体ではない。
因みに、整数体ではなく整数環という。
次に、有限体を考える。整数環,有理数体,実数体,複素数体は無限集合だから割と簡単に閉じているかどうか判断できたが、有限集合ではどうだろうか。これをクリアーしているものが、有限体である。

演習問題2
有限体F13の中で3の13乗根を求めよ。

ところで、実数体ℝの中で3の13乗根と言えば、13√3(13√は13乗根を表す)だけで、複素数体ℂの中で3の13乗根は、
13√3,13√3ζ,13√3ζ²,…,13√3ζ^12(ζはζ^13=1となる複素数)の13個である。代数学の基本定理でX^13-3=0の解の個数を考えれば納得出来るだろう。
つまり、閉じているかどうかが大事なのである。
ところで、有限体で閉じている事は大変である。なぜなら、加法について閉じているという事は、1+1+1+・・・と無限に足しても有限体(有限個の集合)に入っていなければならないからである。こんな事は普通はあり得ない。どこかで(何個目かで)1+1+…+1=0にならなければならないのである。
例えば、この個数を13とすると、13で割った余りの集合ℤ13(=F13)は有限体になる。
13≡0(mod13)
F13={0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12}
という訳である。(有限個で四則演算について閉じている。例えば、2÷4≡28÷4=7∈F13)
そこで、フェルマーの小定理をご存知だろうか。

定理
pを素数とする。このとき、pで割り切れない任意の整数aに対して次が成り立つ。
a^(p-1)≡1(modp)

この両辺にaをかけると、上の定理が出来る。(厳密には異論があると思うが。)

定理2.11の系2
pを素数とする。このとき、任意の整数aに対して次が成り立つ。
a^p≡a(mod p)

ところで、13は素数よりこの定理に当てはめると、a^13≡a(mod 13)

演習問題2
有限体F13の中で3の13乗根を求めよ。

問題の意味は、F13={0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12}の中で13乗して13で割ると3余る数を全て求めよという事であり、a^13≡a(mod 13)より、1を13乗して13で割ると1余り、2を13乗して13で割ると2余り、3を13乗して13で割ると3余り、…、12を13乗して13で割ると12余るので、13乗して13で割って3余るのは3だけである。

う~ん、余計分かり難くなったような気もする。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/17 22:47 (No.1409308)削除
問題
右図のような円Oに内接する八角形ABCDEFGHについて、次のものを求めなさい。ただし、AB=BC=GH=HA=3,CD=DE=EF=FG=2とする。
(1)∠BCDの大きさ
(2)八角形の面積
(03 巣鴨)

図の解説:円に内接する八角形で真上の頂点をAとして、反時計回りにABCDEFGHと振り、上の4辺の長さは3で下の4辺の長さは2の図。

割と普通に解けましたが、ちょっとクセがある問題かもしれません。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/18 07:52削除
問題
右図のような円Oに内接する八角形ABCDEFGHについて、次のものを求めなさい。ただし、AB=BC=GH=HA=3,CD=DE=EF=FG=2とする。
(1)∠BCDの大きさ
(2)八角形の面積
(03 巣鴨)

模範解答
(1)右図(注:OA,OB,OC,OD,OE,OF,OG,OHを結び、∠COB=∠BOA=∠AOH=∠HOG=●,∠COD=∠DOE=∠EOF=∠FOG=○と置いた図)で、●の角同士,○の角同士は等しいから、
∠BOD=360°/4=90°
∴∠BCD=180°-90°/2=135°
(2)面積についても、
四角形OBCD=八角形/4
が成り立つ。
ここで、右図のように点Iをとる(注:BCの延長上にDから垂線を下ろしその足をIとする)と、
CI=DI=√2
∴△BCD=BC×DI/2=3√2/2……①
また、BD²=BI²+DI²
=(3+√2)²+(√2)²=13+6√2
∴△OBD=BD²/4=(13+6√2)/4…②
以上により、八角形の面積は、
(①+②)×4=13+12√2
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
>●の角同士,○の角同士は等しいから、
∠BOD=360°/4=90°

4●+4○=360°より●+○=90°
よって、∠BOD=●+○=90°

>∴∠BCD=180°-90°/2=135°

∠BOD=90°から適当に優弧BD上に点を取る(仮に点Hとする)と、円周角と中心角の関係から∠BHD=(1/2)∠BOD=90°/2
また、四角形BCDHは円に内接する四角形より、∠BCD+∠BHD=180°
∴∠BCD=180°-∠BCD
=180°-90°/2=135°
という事。

因みに、私の解法は、
OA,OB,OC,OD,OE,OF,OG,OHを結び、4つの合同な二等辺三角形と別の4つの合同な二等辺三角形のそれぞれの底角を●,○と置くと、8●+8○=1080°(八角形の内角の和は、公式より180°×(8-2)=1080°)より、●+○=135°
よって、∠BCD=●+○=135°というものでした。((2)は同じでした。)

因みに、この問題は前回の大阪教育大付池田の正八角形の問題の類題として載っていた問題ですが、私はこの問題の類題として灘中の問題を挙げます。

問題
円に内接する六角形ABCDEFがあり、AB=AF=FE=2cm,BC=CD=DE=4cmである。この時、六角形ABCDEFの面積を求めて下さい。

図の解説:https://plaza.rakuten.co.jp/difkou/diary/201908280000/

算数の解法は難しいのでいいです。高校入試問題として解いて下さい。(もちろん、余裕がある人は算数でも解いて下さい。)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/18 08:37削除
うっかりしました。算数で√はダメでしたね。灘中の入試問題としては、1辺が1cmの正三角形の何倍かという問題だったと思います。
因みに、図の解説のサイトに「ポイントは正三角形!三平方の定理は軽く使います。」が算数の解法を利用した解法です。(解答がないので見ていませんが、100%そうだと断言出来ます。)
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/19 07:45削除
問題
円に内接する六角形ABCDEFがあり、AB=AF=FE=2cm,BC=CD=DE=4cmである。この時、六角形ABCDEFの面積を求めて下さい。

図の解説:https://plaza.rakuten.co.jp/difkou/diary/201908280000/

解法1(私のオリジナル)
円の中心をOとしてOA,OB,OC,OD,OE,OFを結ぶと、半径より△OAB,△OFA,△OEFと△OBC,△OCD,△ODEはそれぞれ合同な二等辺三角形になる。
よって、∠OAB=∠OBA=∠OFA=∠OAF=∠OEF=∠OFE=○,∠OBC=∠OCB=∠OCD=∠ODC=∠ODE=∠OED=●と置くと、六角形の内角の和は、
180°×(6-2)=720°より、
○×6+●×6=720°
よって、○+●=120°
∴∠ABC=120°
ここで、CBの延長上にAから垂線を下ろしその足をHとすると、△ABHは1:2:√3の直角三角形より、BH=1cm,AH=√3cm ∴CH=1+4=5cm
よって、△ACHで三平方の定理を使うと、
AC=√{(√3)^2+5^2}=√28
=2√7cm
また、四角形ABCOの内角の和より、
∠AOC=360°-120°-120°
=120°
よって、△OACは頂角が120°の二等辺三角形より、OからACに垂線を下ろしその足をIとすると、△OAIは1:2:√3の直角三角形。
∴AI=√7cm,OI=√7/√3cm
∴△OAC=2√7×(√7/√3)×(1/2)=7/√3=7√3/3cm^2
また、△ABC=4×√3×(1/2)=2√3cm^2
∴四角形ABCO=2√3+7√3/3=13√3/3cm^2
ところで、六角形ABCDEFは四角形OABCの3倍なので、答えは、この3倍で13√3cm^2

解法2(算数の解法のアレンジ)
円の中心をOとしてOA,OB,OC,OD,OE,OFを結ぶと、半径より△OAB,△OFA,△OEFと△OBC,△OCD,△ODEはそれぞれ合同な二等辺三角形である。
よって、∠OAB=∠OBA=∠OFA=∠OAF=∠OEF=∠OFE=○,∠OBC=∠OCB=∠OCD=∠ODC=∠ODE=∠OED=●と置くと、六角形の内角の和は、180°×(6-2)=720°より、
○×6+●×6=720°
よって、○+●=120°
ここで、2種類の二等辺三角形を交互に組み直すと、全ての角は120°になり、辺は2cmと4cmの交互になるので、対称性がある六角形になる。
その左上の頂点から反時計回りに、P~Uと振ると、PQ=RS=TU=4cm,QR=ST=UP=2cm,∠PQR=∠QRS=∠RST=∠STU=∠TUP=120°
今、QPの延長とTUの延長との交点をL,PQとSRの延長との交点をM,RSとUTの延長との交点をNとすると、∠LPU=∠LUP=180°-120°=60°より、△LPUは底角が60°の二等辺三角形より正三角形。よって、∠L=60°
同様に、△MRQと△NTSも正三角形より、∠M=∠N=60°よって、△LMNも正三角形。
ところで、MR=QR=2cm,RS=4cm,SN=TS=2cmより、MN=2+4+2=8cm
よって、MR:MN=2:8=1:4 よって、正三角形QMQ:正三角形LMN=1^2:4^2=1:16
よって、△QMR:六角形PQRSTU=1:13
よって、六角形PQRSTUの面積は1辺が2cmの正三角形の13倍。
∴六角形PQRSTU=2×√3×(1/2)×13=13√3cm^2 よって、組み直す前の図形の面積も13√3cm^2 
よって、答えは、13√3cm^2

おまけ:
「110:01【ダビデの詩。賛歌。】わが主に賜った主の御言葉。「わたしの右の座に就くがよい。わたしはあなたの敵をあなたの足台としよう。」 110:02主はあなたの力ある杖をシオンから伸ばされる。敵のただ中で支配せよ。 110:03あなたの民は進んであなたを迎える
聖なる方の輝きを帯びてあなたの力が現れ
曙の胎から若さの露があなたに降るとき。 110:04主は誓い、思い返されることはない。「わたしの言葉に従って
あなたはとこしえの祭司
メルキゼデク(わたしの正しい王)。」 110:05主はあなたの右に立ち
怒りの日に諸王を撃たれる。 110:06主は諸国を裁き、頭となる者を撃ち
広大な地をしかばねで覆われる。 110:07彼はその道にあって、大河から水を飲み
頭を高く上げる。」
「詩篇」第110篇1節~7節(新共同訳)
返信
返信3
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/18 11:14 (No.1409519)削除
次の文章を完全解説して下さい。

例(3.2.16)
b₁=(1 2),b₂=(3 3)∈ℝ²(注:本当は列ベクトルだが書けないので、行ベクトルで代用)であるとき、<b₁,b₂>がℝ²の基底になることを示せ。基底<b₁,b₂>に関するベクトルa=(1 0)の座標を求めよ。

解 b₁,b₂の線型独立性を確かめるのはやさしい。ゆえに<b₁,b₂>はℝ²の基底である。xb₁+yb₂=aとなるx,y∈ℝを求めるために、この関係を成分で表わすと
(x+3y 2x+3y)=(1 0)。
これよりx=-1,y=2/3。 ゆえに<b₁,b₂>に関する座標は(-1 2/3)。
「線型代数入門」有馬哲著より

>b₁,b₂の線型独立性を確かめるのはやさしい。

確かにこれはあまりにも簡単過ぎるのでスルーする。

>基底<b₁,b₂>に関するベクトルa=(1 0)の座標を求めよ。

別解を作ってみました。まぁ、目的は別解作りではなく構造を理解する(させる)ためですが。

おまけ:
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1118356041
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/18 13:44削除
例(3.2.16)
b₁=(1 2),b₂=(3 3)∈ℝ²(注:本当は列ベクトルだが書けないので、行ベクトルで代用)であるとき、<b₁,b₂>がℝ²の基底になることを示せ。基底<b₁,b₂>に関するベクトルa=(1 0)の座標を求めよ。

>基底<b₁,b₂>に関するベクトルa=(1 0)の座標を求めよ。

別解
直交座標(xy座標)上に点B₁(1,2),B₂(3,3)を取り、↑OB₁=b₁,↑OB₂=b₂をそれぞれX軸の単位ベクトル,Y軸の単位ベクトルとした時の、直交座標上の点A(1,0)のXY座標を求めれば良い。
そこで、↑OB₁+↑OB₂を考えると、↑OB₁が正方向では点A(1,0)には達しない事が分かるので、-↑OB₁上のある点から↑OB₂と平行な直線で点A(1,0)を通る直線を考えると、y-0=1(x-1)である。∴y=x-1
また、-↑OB₁の直線の方程式は、y=2xより連立させると、x-1=2x これを解くと、x=-1 ∴y=-2
つまり、-↑OB₁の直線上で折れ返る点(↑OB₁+↑OB₂とする点)は直交座標上の点(-1,-2)である。ところで、XY座標上のB₁(1,2)の座標はX=1なので、(-1,-2)の座標はX=-1である。
また、直交座標上の点(-1,-2)と点A(1,0)の距離は、√[{(1-(-1)}²+{0-(-2)}²]=√8=2√2
また、|↑OB₂|=3√2でXY座標上のB₂(3,3)の座標はY=1なので、点A(1,0)の座標は、
Y=2√2/3√2=2/3である。
∴(X,Y)=(-1,2/3)
よって、基底<b₁,b₂>に関するベクトルa=(1 0)の座標は、(-1,2/3)

因みに、直線y=2xとy=xの間の狭い領域が第1象限で時計回りに第2~第4象限となる。だから、点Aは第2象限の点でX座標が負でY座標が正となる。

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1893649262795510224
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/17 11:58 (No.1408982)削除
次の文章を完全解説して下さい。

系9.5(不変な式と係数)
重根を持たない既約多項式f(x)の1つの根α=α₁の式によって、f(x)の他のすべての根α₂,…,αnが表されているとする。このとき、αの式g(α)の値がg(α₂),g(α₃),…g(αn)の値とすべて等しいならば、g(α)は定数である。

証明
 g(α)のK係数の式全体をLとし、αのL最小多項式をh(x)=h(x,g(α))とします。ここでh(x)の係数がg(α)の式であることを強調するためにh(x,g(α))と書きました。
 仮定よりαはf(x)の原始元なので、定理9.1(1)の証明より、αをαiに入れ換えるのは式の形によりません。よって、h(α)=h(α,g(α))=0においてαをαiに入れ換えると、
h(αi,g(αi))=0 ∴g(αi)=g(α)(仮定)よりh(αi,g(α))=0
 つまりh(x)はα₁,…,αnをすべて根に持ちます。ゆえにdegh(x)≧degf(x)なのでdegh(x)=degf(x)です。したがって補題9.4よりLは定数からなり、とくにg(α)は定数です。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

■多項式の群の構成(定理9.1(基本定理)の証明)
多項式の群の構成を一般的に述べます。以下の説明が難しいときは次節(ガロワ対応)に進んでください。
f(x)の原始元をβとし、βを根に持つ既約多項式をg(x)とします。またg(x)は重根を持たないとします(145ページ参照)。多項式の群G_fを
「βをg(x)の根に入れ換えて得られるf(x)の根の入れ換え」
からなる集合とします。βの入れ換えによりf(x)の根の入れ換えが得られることは、次の「(1)の性質について」で説明します。
(1)の性質について
「βの入れ換えは式の形によらない」ことを示します。証明は121ページの(4)と同様です。βの式を
h₁(β)/h₂(β)=k₁(β)/k₂(β),h₁(x),h₂(x),k₁(x),k₂(x)はβの多項式
と表します。このときh₁(x)k₂(x)-h₂(x)k₁(x)はβを根に持ちます。したがってg(x)で割り切れます(129ページの(1)参照):
h₁(x)k₂(x)-h₂(x)k₁(x)=g(x)m(x)
この式にg(x)の他の根γを代入すると、g(γ)=0より
h₁(γ)k₂(γ)-h₂(γ)k₁(γ)=g(γ)m(γ)=0
となります。つまり
h₁(γ)/h₂(γ)=k₁(γ)/k₂(γ)
です(もしh₂(γ)=0とするとh₂(x)はg(x)で割り切れ、h₂(β)≠0に矛盾します。k₂(γ)≠0も同様です。)
次にβの入れ換えにより、f(x)の根はf(x)の根のままであることを確認します。βをg(x)の根γに取り換えたとき、「βの入れ換えは式の形によらない」ことよりf(x)の根h(β)(βの式)はf(x)の根h(γ)になります。実際、入れ換えが式の形によらないので、
f(h(β))=0 より f(h(γ))=0
となります(右辺の”0”もβの式と思って、両辺に入れ換えを施します)。
よってh(γ)もf(x)の根です。またf(x)の異なる根どうしは入れ換え後も異なります。(すでにみたように)0でないβの式は入れ換え後も0にならないからです。
以上により(1)がわかります。

補題9.4(定数の一意性)
f(x)を、体Kを係数とする既約多項式とする。またαをf(x)の1つの根とし、体LはKを含み、α全体に含まれるとする:K⊂L⊂(αのK係数の式全体)
g(x)をαのL最小多項式とする。もしK≠Lならば、degg(x)<degf(x)である。言い換えると、degf(x)=degg(x)ならばL=Kである。

適当に分かり易く解説して下さい。因みに、この先生はクセが強過ぎて大変です。(今更ですが。)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/17 13:50削除
解説
>仮定よりαはf(x)の原始元なので、定理9.1(1)の証明より、αをαiに入れ換えるのは式の形によりません。

仮定の「f(x)の1つの根α=α₁の式によって、f(x)の他のすべての根α₂,…,αnが表されている」事より、αはf(x)の原始元という事。

定義8.1(原始元)
重根を持たないn次多項式f(x)の原始元βとは、次の(1),(2)をみたす複素数のことである。以下においてα₁,…,αnをf(x)の根とする。
(1)βはα₁,…,αnの式で表される。
(2)α₁,…,αnはそれぞれβの式で表される。

また、

■多項式の群の構成(定理9.1(基本定理)の証明)
多項式の群の構成を一般的に述べます。以下の説明が難しいときは次節(ガロワ対応)に進んでください。
f(x)の原始元をβとし、βを根に持つ既約多項式をg(x)とします。またg(x)は重根を持たないとします(145ページ参照)。多項式の群G_fを
「βをg(x)の根に入れ換えて得られるf(x)の根の入れ換え」
からなる集合とします。

「αはf(x)の原始元」かつ「αはf(x)の根」より、このg(x)とf(x)は一致していて、αをαiに入れ換える事は「f(x)の群」(定理9.1)の入れ換えに当たり、入れ換えても等式関係(等号関係)は変化しない。(その際、式の形によらない(どんな形でも良い)という事。)

定理9.1(基本定理)
重根を持たないd次多項式f(x)に対して、その根α₁,・・・,αdの入れ換えのなす群G_fであって、次の性質をみたすものがただ1つ存在する:
(1)α₁,・・・,αdの2つの式が同じ値を定めるならば、G_fの各元で根を入れ換えても2式の値は等しい。すなわちg(α₁,・・・,αd)=h(α₁,・・・,αd)ならば、G_fの元でαi₁,・・・,αidと入れ換えてもg(αi₁,・・・,αid)=h(αi₁,・・・,αid)が成り立つ。
(2)α₁,・・・,αdの式に対して、その値は、G_fのどの元で根を入れ換えても変わらないとき、定数である。
この群G_fを多項式f(x)の群という。

>よって、h(α)=h(α,g(α))=0においてαをαiに入れ換えると、
h(αi,g(αi))=0 ∴g(αi)=g(α)(仮定)よりh(αi,g(α))=0

h(x)はαのL係数最小多項式より、
h(α)=h(α,g(α))=0
このh(α,g(α))=0(右辺もαの式と考える)のαをαiに入れ換えると、
h(αi,g(αi))=0(等号関係が保存される)
よって、h(x,g(α))=h(x,g(αi))より、
g(αi)=g(α)
これをh(αi,g(αi))=0に代入すると、
h(αi,g(α))=0という事。

>h(αi,g(α))=0
 つまりh(x)はα₁,…,αnをすべて根に持ちます。ゆえにdegh(x)≧degf(x)なのでdegh(x)=degf(x)です。したがって補題9.4よりLは定数からなり、とくにg(α)は定数です。

h(αi,g(α))=0はh(x,g(α))=0にx=αi(i=1,…,n)を代入したものだから、h(x)はα₁,…,αnをすべて根に持つという事。
ところで、これ以外にも根を持つ可能性もあるので、degh(x)≧degf(x)(f(x)はn次。)
また、「g(α)のK係数の式全体をL」より、K⊂L

補題9.4(定数の一意性)
f(x)を、体Kを係数とする既約多項式とする。またαをf(x)の1つの根とし、体LはKを含み、α全体に含まれるとする:K⊂L⊂(αのK係数の式全体)
g(x)をαのL最小多項式とする。もしK≠Lならば、degg(x)<degf(x)である。言い換えると、degf(x)=degg(x)ならばL=Kである。

よって、補題9.4より、degh(x)<degf(x)
ところが、degh(x)≧degf(x)より矛盾を起こしてしまう。これを回避出来るのは、
degh(x)=degf(x)の場合でL=Kの場合である。ところで、Kはf(X)の係数の集合で定数である。よって、Lも定数の集合でg(α)も定数という事。

素朴な疑問コーナー
>系9.5(不変な式と係数)
重根を持たない既約多項式f(x)の1つの根α=α₁の式によって、f(x)の他のすべての根α₂,…,αnが表されているとする。このとき、αの式g(α)の値がg(α₂),g(α₃),…g(αn)の値とすべて等しいならば、g(α)は定数である。

証明を読むと、

「仮定よりαはf(x)の原始元なので、定理9.1(1)の証明より、αをαiに入れ換えるのは式の形によりません。よって、h(α)=h(α,g(α))=0においてαをαiに入れ換えると、
h(αi,g(αi))=0 ∴g(αi)=g(α)(仮定)」

とあり、「f(x)の1つの根α=α₁の式によって、f(x)の他のすべての根α₂,…,αnが表されている」ならば「g(αi)=g(α)」となっているので、「αの式g(α)の値がg(α₂),g(α₃),…g(αn)の値とすべて等しいならば」は仮定ではなく必然なのではないだろうか。つまり、

系9.5(不変な式と係数)
重根を持たない既約多項式f(x)の1つの根α=α₁の式によって、f(x)の他のすべての根α₂,…,αnが表されているとする。このとき、αの式g(α)の値がg(α₂),g(α₃),…g(αn)の値とすべて等しくなり、g(α)は定数である。

なのではないだろうか。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/17 16:10削除
>素朴な疑問コーナー
系9.5(不変な式と係数)
重根を持たない既約多項式f(x)の1つの根α=α₁の式によって、f(x)の他のすべての根α₂,…,αnが表されているとする。このとき、αの式g(α)の値がg(α₂),g(α₃),…g(αn)の値とすべて等しいならば、g(α)は定数である。

証明を読むと、

「仮定よりαはf(x)の原始元なので、定理9.1(1)の証明より、αをαiに入れ換えるのは式の形によりません。よって、h(α)=h(α,g(α))=0においてαをαiに入れ換えると、
h(αi,g(αi))=0 ∴g(αi)=g(α)(仮定)」

とあり、「f(x)の1つの根α=α₁の式によって、f(x)の他のすべての根α₂,…,αnが表されている」ならば「g(αi)=g(α)」となっているので、「αの式g(α)の値がg(α₂),g(α₃),…g(αn)の値とすべて等しいならば」は仮定ではなく必然なのではないだろうか。つまり、

系9.5(不変な式と係数)
重根を持たない既約多項式f(x)の1つの根α=α₁の式によって、f(x)の他のすべての根α₂,…,αnが表されているとする。このとき、αの式g(α)の値がg(α₂),g(α₃),…g(αn)の値とすべて等しくなり、g(α)は定数である。

なのではないだろうか。

謎は全て解けました。

>よって、h(α)=h(α,g(α))=0においてαをαiに入れ換えると、
h(αi,g(αi))=0 ∴g(αi)=g(α)(仮定)

h(α,g(α))=0とh(αi,g(αi))=0から、
h(x,g(α))=0とh(x,g(αi))=0だからと言って、g(αi)=g(α)とは限らないという事ですね。h(x)のすべての係数がそれぞれ対応して等しいという事ではないという事ですね。そこで、仮定として、g(αi)=g(α)とするのですね。

補足
f(x)=x²+x+1とすると、α=α₁=ω,α₂=ω² よって、αでf(x)の他の根を全て表している。
このとき、g(α)=ω²+ωとすると、g(α₂)=g(ω²)=(ω²)²+ω²=(ω³)ω+ω²=ω+ω²
よって、g(α)=g(α₂)となる。
しかし、例えば、g(α)=ω³+ωとすると、g(α₂)=g(ω²)=(ω²)³+ω²=(ω³)²+ω²=1+ω²=-ω
また、g(α)=ω³+ω=1+ω=-ω²
よって、g(α)≠g(α₂)
よって、自動的には等しくならない事が示された。(反例)
因みに、g(α)=ω²+ωの場合は等しくなり、g(α)=g(α₂)=-1で定数になる。

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/16 21:06 (No.1408698)削除
問題
1辺の長さが√2の正八角形ABCDEFGHについて、次の値を求めなさい。
(1)∠FACの大きさ
(2)台形ABCDの面積
(3)△ADFの面積
(4)正方形ACEGの面積
(04 大阪教育大付池田)

色々別解も作れると思いますが、ちゃちゃっと解ければ良いと思います。私は2,3分でした。

おまけ:
5時46分には起きていて、第一報では死者200人と聞いてとんでもない事が起こったと記憶しています。ただし、当時は私も地獄の真っ最中だったので妙な仲間意識を持ったものです。だから、死にたい死にたいと言う人に、てめえは早く自殺しろというのは本音です。
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/17 07:56削除
問題
1辺の長さが√2の正八角形ABCDEFGHについて、次の値を求めなさい。
(1)∠FACの大きさ
(2)台形ABCDの面積
(3)△ADFの面積
(4)正方形ACEGの面積
(04 大阪教育大付池田)

模範解答
(1)∠FACは、正八角形の外接円の周の3/8に対応する円周角であるから、
∠FAC=180°×(3/8)=67.5°
(2)右図(注:CBの延長とHAの延長との交点をP,BCの延長とEDの延長との交点をQ,DEの延長とGFの延長との交点をR,FGの延長とAHの延長との交点をSとした図)のように、BC,DE,FG,HAを伸ばすと、正方形PQRSができる。
ここで、網目部分(注:△PAB,△QCD,△REF,△SGHの事)は合同な直角二等辺三角形で、等辺は1であるから、
四角形ABCD=[{√2+(√2+2)}×1]/2
=1+√2
(3)△ADF={(√2+2)×(√2+1)}/2=(4+3√2)/2
(4)(正方形ACEG)=AC²=AP²+PC²
=1²+(1+√2)²=4+2√2
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
参考書の補足解説に「(2)~(4)正八角形は、正方形の4隅を切り取った図形です。このことを利用しましょう」とあり、私も(4)以外は全く同じ解法でした。
これは定石として覚えておいた方が良いでしょう。

私の解法
(4)正方形ACEG=正方形PQRS-△PCA-△QEC-△RGE-△SAG
=(2+√2)²-{(1+√2)×1×(1/2)}×4=6+4√2-2(1+√2)=4+2√2

上の定石を使わない場合の別解
(2)ADを結ぶと、台形ABCDは底角が45°の等脚台形である事は円周角などから自明。そこで、B,CからADに垂線を下ろし直角二等辺三角形と長方形を利用すると、
AD=2+√2———①
また、円周角などから∠DAF=45°も自明なので、FからADに垂線を下ろしその足をIとすると、△FAIは直角二等辺三角形より、FI=AF/√2=AD/√2(対称性から△ADFは二等辺三角形だから。)
∴△ADF=AD×(AD/√2)×(1/2)
=AD²/2√2———②
①を②に代入すると、
△ADF=(2+√2)²/2√2
=(6+4√2)/2√2=(3+2√2)/√2
=(3√2+4)/2
=(4+3√2)/2
(3)(2)よりAD=2+√2
また、円周角などから∠ADE=90°
また、DE=√2より△ADEで三平方の定理を使うと、
AE²=(2+√2)²+(√2)²=8+4√2 
ところで、正方形ACEG=AE×CG÷2
=AE²/2=(8+4√2)/2=4+2√2

他にも無理をすれば別解を作れますが、面白くない(エレガントでない)のでやりません。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/13 22:13 (No.1407035)削除
問題
図のように、正五角形ABCDEの対角線の交点をそれぞれF,G,H,I,Jとする。このとき、□にあてはまる数を求めなさい。
(1)∠ABHと∠AHBの大きさの比は、1:□である。
(2)線分IHと線分AIの長さの比は、1:□である。
(3)五角形FGHIJと正五角形ABCDEの面積の比は、1:□である。
(4)五角形FGHIJと星形AIBJCFDGEHの面積比は、1:□である。
(02 早大学院)

図の解説:上の頂点から反時計回りに正五角形ABCDEを描き、全ての対角線を引くと星形が出来、それぞれの対角線の交点で中央にABCDEとは逆向きの正五角形が出来る。その下の頂点から反時計回りにF,G,H,I,Jと振った図。

(4)はちょっと難しいと思います。私は別解でした。もっともあまり慣れていない人は(2)から難しいかもしれませんが。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/14 07:58削除
問題
図のように、正五角形ABCDEの対角線の交点をそれぞれF,G,H,I,Jとする。このとき、□にあてはまる数を求めなさい。
(1)∠ABHと∠AHBの大きさの比は、1:□である。
(2)線分IHと線分AIの長さの比は、1:□である。
(3)五角形FGHIJと正五角形ABCDEの面積の比は、1:□である。
(4)五角形FGHIJと星形AIBJCFDGEHの面積比は、1:□である。
(02 早大学院)

図の解説:上の頂点から反時計回りに正五角形ABCDEを描き、全ての対角線を引くと星形が出来、それぞれの対角線の交点で中央にABCDEとは逆向きの正五角形が出来る。その下の頂点から反時計回りにF,G,H,I,Jと振った図。

模範解答
(1)右図(注:∠IAH=∠IBA=∠IAB=●とした図)で、●=180°÷5=36°・・・㋐
であるから、∠AHB=180°-36°×3=72°
∴∠ABH:∠AHB=36:72=1:2

参考書の補足解説
「正五角形の各頂点は、外接円の弧を5等分しているから、その1つの弧に対する円周角はどれも㋐となる。」

(2)IH=1,AI=xとすると、△ABHは図2(注:△ABHと点Iが入った図で∠AIH=∠AHI=●●が追加された図)のようになり、
△AIH∽△BHA
により、x:1=(x+1):x
∴x²-x-1=0
x>0より、x=(1+√5)/2

(3)対称性により、FGHIJも正五角形であり、ABCDEとの相似比は、
IH:AB=1:(x+1)=1:(3+√5)/2・・・①
よって、□={(3+√5)/2}²=(7+3√5)/2・・・②

(4)△AIH:△ABH=IH:BH
=IH:AB=①
よって、FGHIJの面積を1とすると、図1の網目部分(注:△AIHと合同な5個の二等辺三角形(星形の角部分))の面積の和は、
(②-1)×{2/(3+√5)}
={(5+3√5)/2}×{2/(3+√5)}
=√5(3+√5)/(3+√5)
=√5

参考書の補足解説
「ABCDEからFGHIJを除いた図形の面積をSとすると、
(網目の和):S=△AIH:△ABH=①」

(私の)解説
五角形FGHIJの面積を1とすると、正五角形ABCDEの面積は②で(7+3√5)/2
よって、②-1は、正五角形ABCDEから五角形FGHIJをくり抜いた部分の面積。
よって、その部分の網目部分と白の配分は△AIHと△ABIの比率と同じである。そしてこれは、上より「△AIH:△ABH=IH:BH=IH:AB=①」=1:(3+√5)/2
「よって、図1の網目部分(注:△AIHと合同な5個の二等辺三角形(星形の角部分))の面積の和は、
(②-1)×{2/(3+√5)}」
となる訳である。

したがって、□=1+√5(参考書の解説)

参考書の補足解説
(星形)=FGHIJ+(網目の和)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

私の解法は次回。

おまけ:
https://kydrwa.dietauthor.club/index.php?main_page=product_info&products_id=12224
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/15 07:55削除
問題
図のように、正五角形ABCDEの対角線の交点をそれぞれF,G,H,I,Jとする。このとき、□にあてはまる数を求めなさい。
(1)∠ABHと∠AHBの大きさの比は、1:□である。
(2)線分IHと線分AIの長さの比は、1:□である。
(3)五角形FGHIJと正五角形ABCDEの面積の比は、1:□である。
(4)五角形FGHIJと星形AIBJCFDGEHの面積比は、1:□である。
(02 早大学院)

図の解説:上の頂点から反時計回りに正五角形ABCDEを描き、全ての対角線を引くと星形が出来、それぞれの対角線の交点で中央にABCDEとは逆向きの正五角形が出来る。その下の頂点から反時計回りにF,G,H,I,Jと振った図。

私の解法
(1)正五角形は円に内接し、弦AB=弦AE=弧EDより弧AB=弧AE=弧ED
よって、それぞれに対応する円周角も等しいので、∠AEB=∠ABE=∠EAD=●と置くと、△HAEの内対角の和より∠AHB=●●
また、∠ABH=∠ABE=●より、
∠ABH:∠AHB=1:2
よって、□=2
もちろん、正五角形の性質を使えば、算数でも解ける。
(2)IH:AI=IH:AH=IB:BA(△ABHでの角の二等分線の定理の応用)
=AB:BE(△ABE∽△IBAより)
ここで、AB=1,BE=xと置くと、AE=IE=1よりIB=x-1
よって、△ABE∽△IBAより、
x-1:1=1:xが成り立つ。
∴x(x-1)=1 ∴x²-x-1=0
∴x=(1±√5)/2
x>0より、x=(1+√5)/2
∴BE=(1+√5)/2
∴IH:AI=AB:BE=1:(1+√5)/2
よって、□=(1+√5)/2
(3)IH=BH+EI-AB
=1+1-(1+√5)/2=(3-√5)/2
ところで、対称性より五角形FGHIJも正五角形で正五角形ABCDEと相似。そして、相似比は、IH:AB=(3-√5)/2:1
よって、面積{は、{(3-√5)/2}²:1
=(7-3√5)/2:1
=7-3√5:2
=(7-3√5)(7+3√5):2(7+3√5)
=49-45:2(7+3√5)
=1:7+3√5
よって、□=7+3√5
(4)BI:IH=AI:IH
=(1+√5)/2:1((2)より)
∴△AIH=[1/[{(1+√5)/2}×2+1]]△ABE={1/(2+√5)}△ABE
=(√5-2)△ABE
よって、
星形AIBJCFDGEH=五角形FGHIJ+5(√5-2)△ABE———①
また、
△ABI=[{(1+√5)/2}/[{(1+√5)/2}×2+1]]△ABE
={(1+√5)/2(2+√5)}△ABE
={(1+√5)(√5-2)/2}△ABE
={(3-√5)/2}△ABE
よって、
星形AIBJCFDGEH=正五角形ABCDE-{5(3-√5)/2}△ABE
この両辺を2倍すると、
2星形AIBJCFDGEH=2正五角形ABCDE-(15-5√5)△ABE———②
②-①より、
星形AIBJCFDGEH=2正五角形ABCDE-五角形FGHIJ-5△ABE———③

続きは次回。因みに、③までをもっとエレガントに求める方法もあります。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/16 07:57削除
私の解法(4)の続き

問題
図のように、正五角形ABCDEの対角線の交点をそれぞれF,G,H,I,Jとする。このとき、□にあてはまる数を求めなさい。
(1)∠ABHと∠AHBの大きさの比は、1:□である。
(2)線分IHと線分AIの長さの比は、1:□である。
(3)五角形FGHIJと正五角形ABCDEの面積の比は、1:□である。
(4)五角形FGHIJと星形AIBJCFDGEHの面積比は、1:□である。
(02 早大学院)

図の解説:上の頂点から反時計回りに正五角形ABCDEを描き、全ての対角線を引くと星形が出来、それぞれの対角線の交点で中央にABCDEとは逆向きの正五角形が出来る。その下の頂点から反時計回りにF,G,H,I,Jと振った図。

(4)BI:IH=AI:IH
=(1+√5)/2:1((2)より)
∴△AIH=[1/[{(1+√5)/2}×2+1]]△ABE={1/(2+√5)}△ABE
=(√5-2)△ABE
よって、
星形AIBJCFDGEH=五角形FGHIJ+5(√5-2)△ABE———①
また、
△ABI=[{(1+√5)/2}/[{(1+√5)/2}×2+1]]△ABE
={(1+√5)/2(2+√5)}△ABE
={(1+√5)(√5-2)/2}△ABE
={(3-√5)/2}△ABE
よって、
星形AIBJCFDGEH=正五角形ABCDE-{5(3-√5)/2}△ABE
この両辺を2倍すると、
2星形AIBJCFDGEH=2正五角形ABCDE-(15-5√5)△ABE———②
②-①より、
星形AIBJCFDGEH=2正五角形ABCDE-五角形FGHIJ-5△ABE———③
また、(3)より、五角形FGHIJと正五角形ABCDEの面積の比は、1:7+3√5なので、
正五角形ABCDE={(7+3√5)/2}五角形FGHIJ———④
また、△ABE=xと置くと、
BH:BE=1:(1+√5)/2より、
△ABH:△ABE=2:1+√5
∴△ABH={2/(1+√5)}△ABE
={(√5-1)/2}x
ここで、正五角形ABCDEを△ABE+△FBE+△CBD+△EFD(=△ABH)と見ると、
正五角形ABCDE=3x+{(√5-1)/2}x
={(5+√5)/2}x
∴x={2/(5+√5)}正五角形ABCDE
={(5-√5)/10}正五角形ABCDE
∴△ABE={(5-√5)/10}正五角形ABCDE———⑤
④,⑤を③に代入すると、
星形AIBJCFDGEH=(7+3√5)五角形FGHIJ-五角形FGHIJ-{(5-√5)/2}正五角形ABCDE
さらに④を代入すると、
=(7+3√5)五角形FGHIJ-五角形FGHIJ-{(5-√5)/2}{(7+3√5)/2}五角形FGHIJ———☆
{(5-√5)/2}{(7+3√5)/2}
=(35+15√5-7√5-15)/4
=(20+8√5)/4=5+2√5
これを☆に代入すると、
星形AIBJCFDGEH=(7+3√5)五角形FGHIJ-五角形FGHIJ-(5+2√5)五角形FGHIJ
=(1+√5)五角形FGHIJ
よって、五角形FGHIJと星形AIBJCFDGEHの面積比は、1:1+√5
よって、□=1+√5

補足
>因みに、③までをもっとエレガントに求める方法もあります。

星形AIBJCFDGEH=2正五角形ABCDE-五角形FGHIJ-5△ABE———③

図より、△ABE+△BCA+△CDB+△DEC+△EAD-正五角形ABCDE+五角形FGHIJ=△IBA+△JCB+△FDC+△GED+△HAE
∴5△ABE-正五角形ABCDE+五角形FGHIJ=5△IBA———ア
ところで、星形AIBJCFDGEH=正五角形ABCDE-5△IBA———イ
アをイに代入すると、
星形AIBJCFDGEH=正五角形ABCDE-(5△ABE-正五角形ABCDE+五角形FGHIJ)
=2正五角形ABCDE-五角形FGHIJ-5△ABE
よって、③の式である。

ベタな方法で時間をかければ誰でも求められると思っていましたが、客観的に見ると、「ここで、正五角形ABCDEを△ABE+△FBE+△CBD+△EFD(=△ABH)と見ると」と、見方を変えられる人限定ですね。

おまけ:
https://www.amazon.co.jp/%E7%B7%9A%E5%9E%8B%E4%BB%A3%E6%95%B0%E5%85%A5%E9%96%80-%E6%9C%89%E9%A6%AC-%E5%93%B2/dp/4489011563
返信
返信3
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/14 09:48 (No.1407204)削除
次の文章を完全解説して下さい。

命題(3.2.15)
二つの有限次元の線型空間V,V'に対し
同型写像V≅V'が存在する ⇔ dimV=dimV'

証明
(⇒)略。
(⇐)n=dimV=dimV'とし、<b₁,…,bn>をVの基底,<b'₁,…,b'n>をV'の基底とすると、
V≅V',x₁b₁+…+xn ↔ x₁b'₁+…+xnb'n (証明終)
「線型代数入門」有馬哲著より

簡単そうなものほど完全に解説して下さい。出来れば、バカ(初学者)でも納得するように。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/14 13:56削除
解説

命題(3.2.15)
二つの有限次元の線型空間V,V'に対し
同型写像V≅V'が存在する ⇔ dimV=dimV'

証明
(⇒)略。

まず、同型写像V≅V'が存在する ⇒ dimV=dimV'の証明をする。
同型写像をFとすると、Fは全単射(双射)である。

命題(1.4.11)
線型写像F:V→V'に対して、次の三条件は同値である。
(ⅰ)Fは同型写像である。
(ⅱ)Fは双射である。
(ⅲ)線型写像G:V→V'があって
G◦F=Iv,F◦G=Iv'
が成り立つ。
「線型代数入門」有馬哲著より

つまり、Fは単射なので、F^-1(0')={0}である。

命題(1.4.9)
線型写像F:V→V'に対して、
Fが単射である⇔Fの核が零元のみ,すなわちF^-1(0)={0}
「線型代数入門」有馬哲著より

よって、次元定理に代入すると、
dimV=dim{0}+dimF(V)

定理(3.2.9)(次元定理)
dimV<∞のとき、線型写像F:V→V'に対し
dimV=dimF^-1(0')+dimF(V)
「線型代数入門」有馬哲著より

ところで、dim{0}=0より、
dimV=dimF(V)
また、Fは全射でもあるので、F(V)=V'
∴dimV=dimV'
よって、示された。

定義と命題(3.2.2)
数体K上の線型空間Vに対して
(ⅰ)V={0}のとき、Vは0次元であると言い、dimkV=0と書く。
「線型代数入門」有馬哲著より

「Sを写像Fの定義域,Tの部分集合
F(S)={F(s)|s∈S}
をFの値域またはFによるSの像と言う。
F(S)=Tのとき、言い換えれば任意のt∈Tに対してF(s)=tとなる元s∈Sが少なくとも一つ存在するとき、Fを上射,全射,上への写像などと言う。」
「線型代数入門」有馬哲著より

>(⇐)n=dimV=dimV'とし、<b₁,…,bn>をVの基底,<b'₁,…,b'n>をV'の基底とすると、
V≅V',x₁b₁+…+xn ↔ x₁b'₁+…+xnb'n 

次に、dimV=dimV' ⇒ 同型写像V≅V'が存在する を証明する。
dimV=dimV'よりVとV'の次元が等しいので、基底の個数が等しい。

命題と定義(3.2.2)
数体K上の線型空間Vに対して
(ⅱ)Vにn個の線型独立な元が存在し、n+1個以上の線型独立な元は存在しない
⇒ Vがn個の元よりなる基底を持つ
このときVはn次元であると言い、dimkV=nと書く(nは自然数)。
「線型代数入門」有馬哲著より

よって、基底の個数をnとして、
<b₁,…,bn>をVの基底,<b'₁,…,b'n>をV'の基底とすると、基底の定義より、
V=Kb₁+Kb₂+…+Kbn
V'=Kb'₁+Kb'₂+…+Kb'n

定義
Vを数体K上の線型空間とする。Vの有限個の元b₁,b₂,…,bn(n≧1)の順序を考えた組を
<b₁,b₂,…,bn>
で表わす。順序を考えた組<b₁,b₂,…,bn>が次の二つの条件をみたすとき、これをVの基底または底と言う。
(1)b₁,b₂,…,bnは線型独立である。
(2)Vの任意の元はb₁,b₂,…,bnの線型結合である。すなわち
V=Kb₁+Kb₂+…+Kbn
「線型代数入門」有馬哲著より

V=Kb₁+Kb₂+…+Kbn
V'=Kb'₁+Kb'₂+…+Kb'n
それぞれ同じ次元の空間の全ての元を表すので、2つの空間は同型である。(イメージ的には、実数上の2次元の平面と複素平面は同型だろう。)
よって、同型写像V≅V'が存在する。
よって、示された。

適当なので、自分で裏を取って下さい。

おまけ:
https://press.moviewalker.jp/news/article/1155728/p3
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/13 10:17 (No.1406721)削除
次の文章を完全解説して下さい。

補題9.4(定数の一意性)
f(x)を、体Kを係数とする既約多項式とする。またαをf(x)の1つの根とし、体LはKを含み、α全体に含まれるとする:K⊂L⊂(αのK係数の式全体)
g(x)をαのL最小多項式とする。もしK≠Lならば、degg(x)<degf(x)である。言い換えると、degf(x)=degg(x)ならばL=Kである。

証明
n=degf(x)とします。背理法で示します。仮にdegf(x)=degg(x)とします。αのK係数の式は
a₀+a₁α+…+an-1α^(n-1)(a₀,…,an-1はKの元)
と一意的に表されます。またαのL最小多項式はg(x)なので、同様に、αのL係数の式は
b₀+b₁α+…+bn-1α^(n-1)(b₀,…,bn-1はLの元)
と一意的に表されます。ここでKに入らないLの元cをとると、
c=c₀+c₁α+…+cn-1α^(n-1)
(c₀,…,cn-1はKの元,しかもc₁,…,cn-1のどれかは0でない)
と表されます。一方、L係数の式による表示の一意性から、c=c+0α+…+0α^(n-1)と表されます。この2通りの表示はL係数の式の一意性に反します。よってdegg(x)<degf(x)です。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11914440029.html

https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12882017634.html(「3797年」はカムフラージュの証明。)
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/13 13:42削除
解説
>n=degf(x)とします。背理法で示します。仮にdegf(x)=degg(x)とします。

補題9.4(定数の一意性)
f(x)を、体Kを係数とする既約多項式とする。またαをf(x)の1つの根とし、体LはKを含み、α全体に含まれるとする:K⊂L⊂(αのK係数の式全体)
g(x)をαのL最小多項式とする。もしK≠Lならば、degg(x)<degf(x)である。言い換えると、degf(x)=degg(x)ならばL=Kである。

K≠Lの場合、degf(x)=degg(x)として背理法を使うという事。

>αのK係数の式は
a₀+a₁α+…+an-1α^(n-1)(a₀,…,an-1はKの元)
と一意的に表されます。

これは「根の表示と一意性」によって保証される。

(3)根の表示と一意性
αのA最小多項式f(x)の次数をnとします。このときαのA係数多項式の値は
a₀+a₁α+…+an-1α^(n-1),a₀,…,an-1はAの元
と一意的に表されます。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

因みに、線型代数が分かる人だったら、αはn次多項式f(x)の根だから、例えばx³=2とするとα=³√2,α²=³√2²,α³=2で、2と³√2と³√2²は線型独立なので基底となり、上式はK上の線型空間(ベクトル空間)を生成している事になり、一意に定まる事が分かるだろう。

>またαのL最小多項式はg(x)なので、同様に、αのL係数の式は
b₀+b₁α+…+bn-1α^(n-1)(b₀,…,bn-1はLの元)
と一意的に表されます。

背理法の仮定で、degf(x)=degg(x)としたので、g(x)もn次だから同様になるという事。

>ここでKに入らないLの元cをとると、
c=c₀+c₁α+…+cn-1α^(n-1)
(c₀,…,cn-1はKの元,しかもc₁,…,cn-1のどれかは0でない)
と表されます。

補題9.4(定数の一意性)
f(x)を、体Kを係数とする既約多項式とする。またαをf(x)の1つの根とし、体LはKを含み、α全体に含まれるとする:K⊂L⊂(αのK係数の式全体)
g(x)をαのL最小多項式とする。もしK≠Lならば、degg(x)<degf(x)である。言い換えると、degf(x)=degg(x)ならばL=Kである。

αはK係数の既約多項式の根なのでKの元ではなくLの元である。よって、Kに入らないLの元cをK係数のαの式で、
c=c₀+c₁α+…+cn-1α^(n-1)
と表せるという事。

>一方、L係数の式による表示の一意性から、c=c+0α+…+0α^(n-1)と表されます。

また、cはLの元なので、b₀+b₁α+…+bn-1α^(n-1)(b₀,…,bn-1はLの元)でも表せ、具体的には、
c=c+0α+…+0α^(n-1)
と表される。

>この2通りの表示はL係数の式の一意性に反します。

ここで、K係数のαの式とL係数のαの式では違うじゃないかと思う人もいるかもしれないが、L係数の中にはK係数も含まれているので問題ない。これが「K係数の式の一意性」だったら間違いである。

>よってdegg(x)<degf(x)です。

なぜ、degg(x)>degf(x)の可能性はないんだと思う人もいるかもしれない。そこで、Kをℚ,Lをℝ,α=-1+³√2として考えると、
³√2=α+1 ∴2=(α+1)³
∴α³+3α²+3α-1=0
ここで、α=xとすると、
x³+3x²+3x-1=0
よって、ℚ係数の式より、
f(x)=x³+3x²+3x-1 
また、ℝ係数の式は、α=-1+³√2にα=xを代入すると、x+1-³√2=0より、
g(x)=x+1-³√2
よって、1次と3次で、degg(x)<degf(x)となるのは求め方から必然だからである。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/9 20:40 (No.1404523)削除
問題
図のように、∠BAC=45°の△ABCにおいて、頂点A,Bから対辺BC,CAに垂線をひき、交点をそれぞれD,Eとすると、BD=2,CD=3となった。また、ADとBEの交点をFとするとき、次の問いに答えなさい。
(1)AFの長さを求めなさい。
(2)DFの長さを求めなさい。
(3)Fから対辺ABにひいた垂線と辺ABの交点をGとするとき、FGの長さを求めなさい。
(01 熊本学園大付)

図の解説:頂角Aが45°でAB<ACの三角形ABCで、AからBCに下ろした垂線の足をDとすると、BD=2,CD=3となる三角形を描く。また、BからACに下ろした垂線の足をEとし、BEとADの交点をFとする。さらに、FからABに下ろした垂線の足をGとした図。

また、何でもありでも解いて下さい。念のため、中学数学でも解けました。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/10 07:55削除
問題
図のように、∠BAC=45°の△ABCにおいて、頂点A,Bから対辺BC,CAに垂線をひき、交点をそれぞれD,Eとすると、BD=2,CD=3となった。また、ADとBEの交点をFとするとき、次の問いに答えなさい。
(1)AFの長さを求めなさい。
(2)DFの長さを求めなさい。
(3)Fから対辺ABにひいた垂線と辺ABの交点をGとするとき、FGの長さを求めなさい。
(01 熊本学園大付)

図の解説:頂角Aが45°でAB<ACの三角形ABCで、AからBCに下ろした垂線の足をDとすると、BD=2,CD=3となる三角形を描く。また、BからACに下ろした垂線の足をEとし、BEとADの交点をFとする。さらに、FからABに下ろした垂線の足をGとした図。

模範解答
(1)△ADC∽△BEC(二角相等)より、
右図(注:∠EBC=●,∠DAC=○の図)で、○=●
これと、∠AEF=∠BEC=90°,AE=BEにより、二角夾辺相等で、
△AEF≡△BEC・・・ア
∴AF=BC=5
(2)△BDF∽△ADC(二角相等)により、BD:DF=AD:DC
よって、DF=xとおくと、
2:x=(5+x):3 ∴x(5+x)=6
∴x²+5x-6=0 ∴(x-1)(x+5)=0
x>0より、x=1
(3)△BFGも45°定規形であるから、
FG=BF/√2=√(2²+1²)/√2
=√5/√2=√10/2
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

読めば分かるので、解説は省略。

何でもありの解法1
∠BAD=θ,∠CAD=φ,AD=xと置くと、tanθ=2/x,tanφ=3/x———①
また、tanの加法定理より、
tan(θ+φ)=(tanθ+tanφ)/(1-tanθtanφ)———②
①を②に代入すると、
tan(θ+φ)=(2/x+3/x)/{1-(2/x)(3/x)}=(5/x)/{(x²-6)/x²}
=5x/(x²-6)
∴tan(θ+φ)=5x/(x²-6)———ア
また、∠A=45°より、θ+φ=45°
∴tan(θ+φ)=tan45°=1———イ
ア,イより、5x/(x²-6)=1
∴x²-6=5x ∴x²-5x-6=0
∴(x+1)(x-6)=0 x>0より、x=6
∴AD=6
よって、△ADCは直角を挟む二辺の比が1:2の直角三角形で、直角が等しく∠Cを共有しているので、△BECも相似で直角を挟む二辺の比が1:2である。
よって、CE=y,BE=2yと置いて△BECで三平方の定理を使うと、
y²+(2y)²=5² ∴5y²=25 ∴y²=5
y>0より、y=√5 ∴CE=√5
また、△ADCで三平方の定理を使うと、
AC=√(3²+6²)=3√5より、
AE=3√5-√5=2√5
ところで、直角が等しく∠EAFを共有しているので△ADC∽△AEF
よって、△AEFも直角を挟む二辺の比が1:2より、EF=√5,AF=√5EF=5
よって、(1)5
(2)6-5=1
(3)△ABDは直角を挟む二辺の比が2:6=1:3で、△AFG∽△ABDより△AFGも直角を挟む二辺の比が1:3
よって、FG=AF/√10=5/√10
=√10/2

何でもありの解法2は次回。
また、参考書に、
「過去に類題が出ていますが、以下の㋐(注:△AEF≡△BEC)がピンとこないと、あちこちを文字でおいて複雑な連立方程式を解くなどというハメにもなりかねません。」
とあるので、中学生用の別解があるかどうか検証して下さい。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10735477637.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/11 07:55削除
問題
図のように、∠BAC=45°の△ABCにおいて、頂点A,Bから対辺BC,CAに垂線をひき、交点をそれぞれD,Eとすると、BD=2,CD=3となった。また、ADとBEの交点をFとするとき、次の問いに答えなさい。
(1)AFの長さを求めなさい。
(2)DFの長さを求めなさい。
(3)Fから対辺ABにひいた垂線と辺ABの交点をGとするとき、FGの長さを求めなさい。
(01 熊本学園大付)

図の解説:頂角Aが45°でAB<ACの三角形ABCで、AからBCに下ろした垂線の足をDとすると、BD=2,CD=3となる三角形を描く。また、BからACに下ろした垂線の足をEとし、BEとADの交点をFとする。さらに、FからABに下ろした垂線の足をGとした図。

何でもありの解法2
ところで、マニアックな定理に、

定理
直角を挟む二辺の比がm:n(m>n)の直角三角形の最小角と二辺の比がm+n:m-nの直角三角形の最小角の和は45°であり、この逆も成り立つ。

という定理がある。そこで、図のBD:AD,CD:ADを見ると、DC:ADの方が二辺の比が近い(小さい)ので、m:nに当てはまる。
つまり、AD=xと置いて、m=x,n=3とすると、m+n:m-n=x+3:x-3
よって、x+3:x-3=x:2が成り立つ。
∴x(x-3)=2(x+3)
∴x²-3x=2x+6 ∴x²-5x-6=0
∴(x+1)(x-6)=0 x>0より、x=6
∴AD=6
また、AD⊥BC,BE⊥ACより点Fは△ABCの垂心である。よって、CFの延長は点Gに達し、CFGは一直線である。
よって、∠GCA=45°より∠EFC=45°よって、△FBCの内対角の和より、
∠FBD+FCD=45°
よって、FD=yと置いて、上の定理を再び使うと、3+y:3-y=2:yが成り立つ。
∴2(3-y)=y(3+y)
∴6-2y=3y+y² ∴y²+5y-6=0
∴(y-1)(y+6)=0 y>0よりy=1
∴DF=1 ∴AF=6-1=5
よって、(1)5(2)1
(3)△BDFで三平方の定理を使うと、
BF=√(1²+2²)=√5
また、△GBFは直角二等辺三角形より、
FG=BF/√2=√5/√2=√10/2

因みに、2回目に上の定理を使う時には、直角を挟む二辺の比が1:2と1:3の直角三角形の最小角の和は45°でこれは逆も成り立つ(上の定理にm=2,n=1を代入した場合)と覚えていれば、FD=1と一発で分かる。また、1回目も6と一発で分かる事は言うまでもない。

>また、参考書に、
「過去に類題が出ていますが、以下の㋐(注:△AEF≡△BEC)がピンとこないと、あちこちを文字でおいて複雑な連立方程式を解くなどというハメにもなりかねません。」
とあるので、中学生用の別解があるかどうか検証して下さい。

これはAE=x,EF=yと置いて解いてみて下さい。因みに、垂心の性質は中2で習うそうです。
また、中学生用の別解2も作ってみました。

おまけ:
「13 わたしはまた夜の幻のうちに見ていると、見よ、人の子のような者が、天の雲に乗ってきて、日の老いたる者のもとに来ると、その前に導かれた。
14 彼に主権と光栄と国とを賜い、諸民、諸族、諸国語の者を彼に仕えさせた。その主権は永遠の主権であって、なくなることがなく、その国は滅びることがない。」
「ダニエル書」第7章13節~14節(口語訳)

「21 わたしが見ていると、この角は聖徒と戦って、彼らに勝ったが、
22 ついに日の老いたる者がきて、いと高き者の聖徒のために審判をおこなった。そしてその時がきて、この聖徒たちは国を受けた。」
「ダニエル書」第7章21節~22節(口語訳)

因みに、「日の老いたる者」の英語版は「the Ancient of days」。
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/12 08:02削除
問題
図のように、∠BAC=45°の△ABCにおいて、頂点A,Bから対辺BC,CAに垂線をひき、交点をそれぞれD,Eとすると、BD=2,CD=3となった。また、ADとBEの交点をFとするとき、次の問いに答えなさい。
(1)AFの長さを求めなさい。
(2)DFの長さを求めなさい。
(3)Fから対辺ABにひいた垂線と辺ABの交点をGとするとき、FGの長さを求めなさい。
(01 熊本学園大付)

図の解説:頂角Aが45°でAB<ACの三角形ABCで、AからBCに下ろした垂線の足をDとすると、BD=2,CD=3となる三角形を描く。また、BからACに下ろした垂線の足をEとし、BEとADの交点をFとする。さらに、FからABに下ろした垂線の足をGとした図。

中学生用の別解1
(1)AE=x,EF=yと置くと、点Fは△ABCの垂心よりCFGは一直線なので、△CEF∽△CGAで△CEFは直角二等辺三角形である。
∴EC=EF=y
また、△AEBも直角二等辺三角形より、
BE=AE=x ∴BF=x-y
ところで、2角が等しいので、△BDF∽△BEC よって、BD:BF=BE:BCより、
2:x-y=x:5が成り立つ。
∴x(x-y)=10———①
また、CF=√2y,CG=(x+y)/√2で、さらに2角が等しいので、△CDF∽△CGBより、CD:CF=CG:CB
よって、3:√2y=(x+y)/√2:5が成り立つ。∴y(x+y)=15———②
①+②より、x(x-y)+y(x+y)=25
∴x²+y²=5² ∴AF=√(x²+y²)=5
(2)FG=(x+y)/√2-√2y
=(x-y)/√2,AD=5+DF
また、2角が等しいので、△AGF∽△ADBより、AD:BD=AG:FG
よって、5+DF:2=(x+y)/√2:(x-y)/√2が成り立つ。
∴2(x+y)=(5+DF)(x-y)———ア
また、△BDF∽△BECより、
DF:2=y:xが成り立つ。
∴DF=2y/x———イ
イをアに代入すると、
2(x+y)=(5+2y/x)(x-y)
∴2x+2y=5x-5y+2y-2y²/x
∴-3x+5y=-2y²/x
∴-3x²+5xy+2y²=0
∴3x²-5xy-2y²=0
∴(3x+y)(x-2y)=0
x,y>0より、x=2y
これをx²+y²=25に代入すると、
4y²+y²=25 ∴y²=5 ∴y=√5
∴x=2√5
これらをイに代入すると、DF=1
(3)FG=(x-y)/√2
=(2√5-√5)/√2=√5/√2
=√10/2

おまけ:
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/12/23/kiji/20231223s00041000293000c.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/13 07:57削除
問題
図のように、∠BAC=45°の△ABCにおいて、頂点A,Bから対辺BC,CAに垂線をひき、交点をそれぞれD,Eとすると、BD=2,CD=3となった。また、ADとBEの交点をFとするとき、次の問いに答えなさい。
(1)AFの長さを求めなさい。
(2)DFの長さを求めなさい。
(3)Fから対辺ABにひいた垂線と辺ABの交点をGとするとき、FGの長さを求めなさい。
(01 熊本学園大付)

図の解説:頂角Aが45°でAB<ACの三角形ABCで、AからBCに下ろした垂線の足をDとすると、BD=2,CD=3となる三角形を描く。また、BからACに下ろした垂線の足をEとし、BEとADの交点をFとする。さらに、FからABに下ろした垂線の足をGとした図。

中学生用の別解2
点Aをxy座標の原点に置き、ABをx軸に直交座標を取ると、∠A=45°より直線ACの方程式はy=xとなり、B(b,0),C(c,c)と置ける。
ここで、CD:DB=3:2より内分点の公式を使うが、中学生は地道に求められる。
公式を使うと、
D((3b+2c)/5,2c/5)
となる。(中学生はCとDからx軸に垂線を下ろして相似を利用すれば求められる。)
よって、ADの傾きは、2c/(3b+2c)
BCの傾きは、c/(c-b)
ところで、AD⊥BCより、
2c/(3b+2c)=-(c-b)/cが成り立つ。これを整理すると、
3b²-bc-4c²=0
∴(b+c)(3b-4c)=0
b,c>0より、3b=4c
よって、ADの傾きは、
2c/(3b+2c)=2c/6c=1/3
よって、直線ADの方程式は、y=(1/3)x
また、BEの方程式は、傾きが-1で点B(b,0)を通るので、y=-(x-b)=-x+b
また、3b=4cよりb=4c/3
∴B(4c/3,0)
よって、2点間の直線の公式より、
BC=√{(c-4c/3)²+c²}
計算省略で、BC=(√10/3)c
また、BC=5より、(√10/3)c=5を解くと、c=3√10/2
∴b=4c/3=2√10
よって、直線BEの方程式は、
y=-x+2√10
よって、点Fの座標は、
(1/3)x=-x+2√10を解いて、
x=3√10/2 
∴F(3√10/2,√10/2)
∴AF=√{(3√10/2)²+(√10/2)²}
=√(90/4+10/4)=√(100/4)
=√25=5
よって、(1)5
また、D((3b+2c)/5,2c/5)に3b=4cを代入すると、D(6c/5,2c/5)
これにc=3√10/2を代入すると、
D(9√10/5,3√10/5)
∴DF=√{(9√10/5-3√10/2)²+(3√10/5-√10/2)²}
計算省略で、DF=√(100/100)=1
よって、(2)1
また、FG=Fのy座標=√10/2
よって、(3)√10/2

おまけ:
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返信4
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/12 10:55 (No.1406215)削除
次の文章を完全解説して下さい。

命題(3.2.11)
Fが線型空間VからV'への線型写像で、dimV=dimV'<∞であるとき、次の5つの条件は同値である。
(ⅰ)Fの核が零元0∈Vのみ。F^-1(0')=0
t(ⅰ)rankF=dimV
(ⅱ)Fは単射である。
t(ⅱ)Fは全射である。
(ⅲ)Fは同型写像である。

証明
(ⅲ)⇒(ⅱ)⇒(ⅰ)は明白。
(ⅰ)⇔(ⅱ)は既出(1.4.9)。
(ⅰ)⇔t(ⅱ)は次元定理dimV=dimF^-1(0')+rankFより明白。
t(ⅰ)⇔t(ⅱ) 
rankF=dimV⇔ dimF(V)=dimV'⇔F(V)=V'
(ⅱ)⇒(ⅲ) このとき、(ⅱ)⇒(ⅰ)⇒t(ⅰ)⇒t(ⅱ)より、Fは全射、したがって双射である。Fは線型写像で双射となったから同型写像である。 (証明終)
「線型代数入門」有馬哲著より

命題(1.4.9)
線型写像F:V→V'に対して、
Fが単射である⇔Fの核が零元のみ、
すなわちF^-1(0')={0}

定理(3.2.9)(次元定理)
dimV<∞のとき、線型写像F:V→V'に対しdimV=dimF^-1(0')+dimF(V)
もっとくわしく、Vの基底<b₁,…,br,br+1,…,bn>を適当にとれば、<b₁,…,br>がFの核F^-1(0')の基底、<F(br+1),…,F(bn)>が像F(V)の基底となる。

定義
Vが有限次元であるとき、線型写像F:V→V'の像の次元dimF(V)をFの階数と言い、rankFで表す。したがって
dimV=rankF+dimF^-1(0')

「明白」な所も一応解説して下さい。
特に「dimF(V)=dimV'⇔F(V)=V'」とか。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12889247757.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/12 14:07削除
解説
>(ⅲ)⇒(ⅱ)⇒(ⅰ)は明白。

(ⅲ)Fは同型写像である。
(ⅱ)Fは単射である。
(ⅰ)Fの核が零元0∈Vのみ。F^-1(0')=0

命題(1.4.11)より、同型写像は全単射(双射)なので、(ⅲ)⇒(ⅱ)
また、命題(1.4.9)より、単射ならばFの核が零元のみなので、(ⅱ)⇒(ⅲ)
よって、(ⅲ)⇒(ⅱ)⇒(ⅰ)

命題(1.4.11)
線型写像F:V→V'に対して、次の三条件は同値である。
(ⅰ)Fは同型写像である。
(ⅱ)Fは双射である。
(ⅲ)線型写像G:V'→Vがあって
G◦F=Iv,F◦G=Iv'
が成り立つ。

命題(1.4.9)
線型写像F:V→V'に対して、
Fが単射である⇔Fの核が零元のみ、
すなわちF^-1(0')={0}

>(ⅰ)⇔(ⅱ)は既出(1.4.9)。

その通り。

>(ⅰ)⇔t(ⅰ)は次元定理dimV=dimF^-1(0')+rankFより明白。

(ⅰ)Fの核が零元0∈Vのみ。F^-1(0')=0
t(ⅰ)rankF=dimV
定義
Vが有限次元であるとき、線型写像F:V→V'の像の次元dimF(V)をFの階数と言い、rankFで表す。したがって
dimV=rankF+dimF^-1(0')

まず、(ⅰ)⇒t(ⅰ)を示す。
F^-1(0')=0をdimV=rankF+dimF^-1(0')に代入すると、dimV=rankF
よって、示された。
次に、t(ⅰ)⇒(ⅰ)を示す。
rankF=dimVならば次元定理の式に代入すると、dimF^-1(0')=0である。よって、定義と命題(3.2.2)(ⅰ)より、F^-1(0')={0}
よって、示された。

定義と命題(3.2.2)
数体K上の線型空間Vに対して
(ⅰ)V={0}のとき、Vは0次元であると言い、dimkV=0と書く。
(ⅱ)は省略。

>t(ⅰ)⇔t(ⅱ) 
rankF=dimV⇔ dimF(V)=dimV'⇔F(V)=V'

まず、rankF=dimV⇔ dimF(V)=dimV'は、
t(ⅰ)rankF=dimVのrankFを下の定義と次元定理の式よりdimF(V)に置き換え、また、条件よりdimV=dimV'なので右辺も置き換えると、
dimF(V)=dimV'となるという事。

定義
Vが有限次元であるとき、線型写像F:V→V'の像の次元dimF(V)をFの階数と言い、rankFで表す。したがって
dimV=rankF+dimF^-1(0')

定理(3.2.9)(次元定理)
dimV<∞のとき、線型写像F:V→V'に対し
dimV=dimF^-1(0')+dimF(V)

次に、dimF(V)=dimV'⇔F(V)=V'は、
まず、dimF(V)=dimV'⇒F(V)=V'を示す。
ところで、F(V)はV'の部分空間より、命題(3.2.8)(ⅱ)により、F(V)=V'

命題(3.2.8)
WがVの部分空間,dimV<∞であるとき、
(ⅰ)dimW≦dimV,特にdimW<∞
(ⅱ)dimW=dimVならばW=V

よって、示された。念のため、F(V)がV'の部分空間である理由は、命題と定義(1.4.2)(ⅱ)。

命題と定義(1.4.2)
(ⅰ)は省略。
(ⅱ)VのFによる像
F(V)={F(x)|x∈V}
はV'の部分空間である。

次に、F(V)=V'⇒dimF(V)=dimV'を示す。
F(V)=V'より同一空間で次元が等しいので、dimF(V)=dimV'
よって、示された。

念のため、F(V)=V'は全射を意味しているので、「t(ⅱ)Fは全射である」という事。(t(ⅰ)⇔t(ⅱ) の証明)

>(ⅱ)⇒(ⅲ) このとき、(ⅱ)⇒(ⅰ)⇒t(ⅰ)⇒t(ⅱ)より、Fは全射、したがって双射である。Fは線型写像で双射となったから同型写像である。

上より、(ⅰ)⇔(ⅱ),(ⅰ)⇔t(ⅰ),t(ⅰ)⇔t(ⅱ),(ⅲ)⇒(ⅱ)が示されたので、あとは(ⅱ)⇒(ⅲ)を示せば、5つの条件が全て同値である事が言える。そこで、
(ⅱ)⇒(ⅰ)⇒t(ⅰ)⇒t(ⅱ)より、
Fが単射ならばFは全射である。よって、Fは条件より線型写像かつ全単射(双射)となるので、同型写像である。
よって、(ⅱ)⇒(ⅲ)が示されたという事。

(ⅰ)Fの核が零元0∈Vのみ。F^-1(0')=0
t(ⅰ)rankF=dimV
(ⅱ)Fは単射である。
t(ⅱ)Fは全射である。
(ⅲ)Fは同型写像である。

命題(1.4.11)
線型写像F:V→V'に対して、次の三条件は同値である。
(ⅰ)Fは同型写像である。
(ⅱ)Fは双射である。
(ⅲ)線型写像G:V'→Vがあって
G◦F=Iv,F◦G=Iv'
が成り立つ。

おまけ:
https://www.nicovideo.jp/watch/sm44323093
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壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/11 11:40 (No.1405661)削除
次の文章を完全解説して下さい。

例6.9
定理6.9も有限体の特徴の1つである。それはFp[X]の多項式を因数分解する際の基礎である。X^16-XをF₂[X]で既約分解してみよう。

X^16-X=X・(X^15-1)

X^15-1は
X³-1=(X-1)(X²+X+1)と
X⁵-1=(X-1)(X⁴+X³+X²+X+1)
で割り切れることを利用して割り算を実行する。

X^16-X=X(X³-1)(X^12+X⁹+X⁶+X³+1)
=X(X-1)(X²+X+1)(X⁴+X³+X²+X+1)
×(X⁸+X⁷+X⁵+X⁴+X³+X+1)
=X(X-1)(X²+X+1)(X⁴+X³+X²+X+1)
×(X⁴+X³+1)(X⁴+X+1)

ただし、8次式を分解する最後のステップは
X⁴+X³+1,X⁴+X+1,X⁴+X³+X²+X+1
の3つの多項式により、F₂[X]に属する4次既約多項式がすべてつくされることを利用している。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

定理6.9
q=p^r(r≧1)とし、f(X)をFp[X]の次数がkである既約多項式とする。このとき、k|rであることとf(X)|X^q-Xであることは同値である。

例6.2
F₂[X]に属する3次までの既約多項式をすべて求めてみる。
(中略)
F₂[X]の次数が3次以下の既約多項式は
X,X+1,X²+X+1,X³+X²+1,X³+X+1
ですべてである。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

適当に補足解説して下さい。今回は比較的簡単ですね。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/11 14:21削除
解説
>X^15-1は
X³-1=(X-1)(X²+X+1)と
X⁵-1=(X-1)(X⁴+X³+X²+X+1)
で割り切れることを利用して割り算を実行する。

X^15-1にXをかけるとX^16-Xで定理6.9より、16=2⁴

定理6.9
q=p^r(r≧1)とし、f(X)をFp[X]の次数がkである既約多項式とする。このとき、k|rであることとf(X)|X^q-Xであることは同値である。

で、X²+X+1の次数は2より2|4なので、X^16-XはX²+X+1で割り切れる。
また、X^16-Xには因数X-1があるので、X²+X+1にX-1をかけると、X³-1になり、X^16-XはX³-1で割り切れる。
よって、XでくくったX^15-1もX³-1で割り切れるという事。
因みに、X²+X+1が既約多項式である事が大事だが、それは例6.2から分かる。

例6.2
F₂[X]に属する3次までの既約多項式をすべて求めてみる。
(中略)
F₂[X]の次数が3次以下の既約多項式は
X,X+1,X²+X+1,X³+X²+1,X³+X+1
ですべてである。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

また、X^15-1がX⁵-1で割り切れる事は、X⁴+X³+X²+X+1が既約多項式かどうか分からないので、厳密にはこの時点では話が進められない(次ページの演習問題1が終わるまで)が、既約多項式と仮定して話を進める。
定理6.9よりX⁴+X³+X²+X+1の次数は4で4|4なので、X^16-XはX⁴+X³+X²+X+1で割り切れる。
また、X^16-Xは因数X-1を含むので、X⁴+X³+X²+X+1のX-1をかけると、X⁵-1になり、X^16-XはX⁵-1で割り切れる。
よって、XでくくったX^15-1もX⁵-1で割り切れるという事。

>X^16-X=X(X³-1)(X^12+X⁹+X⁶+X³+1)

これは先のX^15-1がX³-1で割れる事を利用して、実際に計算しているだけである。
一応、こちらのサイトで確認した方が良いだろう。https://www.geogebra.org/m/Y59JXcYd

>X^16-X=X(X³-1)(X^12+X⁹+X⁶+X³+1)
=X(X-1)(X²+X+1)(X⁴+X³+X²+X+1)
×(X⁸+X⁷+X⁵+X⁴+X³+X+1)

これは先のX^15-1がX⁵-1で割り切れる事を利用して、X^12+X⁹+X⁶+X³+1をX⁴+X³+X²+X+1で割ったという事である。
上のサイトで確認すると、商は、
X⁸-X⁷+X⁵-X⁴+X³-X+1
となるはずである。
そして、係数がF₂係数なので、-1≡1で、
X⁸+X⁷+X⁵+X⁴+X³+X+1
となる訳である。

>X^16-X=X(X³-1)(X^12+X⁹+X⁶+X³+1)
=X(X-1)(X²+X+1)(X⁴+X³+X²+X+1)
×(X⁸+X⁷+X⁵+X⁴+X³+X+1)
=X(X-1)(X²+X+1)(X⁴+X³+X²+X+1)
×(X⁴+X³+1)(X⁴+X+1)

ただし、8次式を分解する最後のステップは
X⁴+X³+1,X⁴+X+1,X⁴+X³+X²+X+1
の3つの多項式により、F₂[X]に属する4次既約多項式がすべてつくされることを利用している。

何を言っているかというと、
X⁸+X⁷+X⁵+X⁴+X³+X+1
は実際に計算しないで、先に挙げた演習問題1を利用しているという事である。

演習問題1
F₂[X]に属する4次既約多項式をすべて求めよ。

解答
X⁴+X³+1,X⁴+X³+X²+X+1,X⁴+X+1
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

つまり、X⁸+X⁷+X⁵+X⁴+X³+X+1が既約多項式でないとしたら、X⁴+X³+X²+X+1は既に使われているので、残り2つの積しかあり得ないという事を利用しているという事である。
この理由は、定理6.8にあるのだろう。

定理6.8
同じ個数の元からなる2つの有限体は同型である。

つまり、例6.8にあるように、
F₂[X]/(X³+X+1)≃F₂[X]/(X³+X²+1)
で、この2つの多項式は共にX⁸-Xの因数である。(例6.6)

例6.6
F₈の素体はF₂であり、[F₈:F₂]=3である。F₈の元はF₂[X]の多項式X⁸-Xの根である。
X⁸-X=X(X-1)(X³+X+1)(X³+X²+1)

一応、確認はした方が良いだろう。
(X⁴+X³+1)(X⁴+X+1)
=X⁸+X⁷+X⁵+3X⁴+X³+X+1
≡X⁸+X⁷+X⁵+X⁴+X³+X+1
で、OK。

補足 定理6.3の(2)
体の拡大K⊂LではαはLの元とするとき、次のことが成り立つ。
(2)αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とすると、写像
K[X]/(f(X))→K[α]⊂L(|X→α)
は同型写像であり、K[α]は体になる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

要は、X⁸-Xの根の種類によって同型が決まるという事である。(あえて、q=8とした。)
因みに、q=2²=4の場合は既約多項式が1つしかないので、同型ではなく一意である。

F₂[X]の次数が3次以下の既約多項式は
X,X+1,X²+X+1,X³+X²+1,X³+X+1
ですべてである。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

まず、2次はX²+X+1の1つだけを確認。
次に、K=F₂[X]/(X²+X+1)を考えると、例6.5より、K={0,1,α,α²=α+1}でαとα+1はX²+X+1の根。
つまり、α=ω(mod2)で定理6.3(2)のαをωとω²とすると、(ω²)²=ω⁴=ωでKは変わらないので、ただ1つである。よって、同型ではなく一意という事。
念のため、私の適当な意見(感想)なので、自分で裏を取って下さい。

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/10 13:47 (No.1405096)削除
次の文章を完全解説して下さい。

定理(3.2.9)(次元定理)
dimV<∞のとき、線型写像F:V→V'に対しdimV=dimF^-1(0')+dimF(V)
もっとくわしく、Vの基底<b₁,…,br,br+1,…,bn>を適当にとれば、<b₁,…,br>がFの核F^-1(0')の基底、<F(br+1),…,F(bn)>が像F(V)の基底になる。

証明
r=dimF^-1(0'),n=dimVとおく。部分空間F^-1(0')の基底<b₁,…,br>を延長して、Vの基底<b₁,…,br,br+1,…,bn>をつくる。このとき<F(br+1),…,F(bn)>がF(V)の基底であることを示せばよい。
F(V)の任意の元x'に対し、x'=F(x)となるx∈Vが存在する。
x=a₁b₁+…+arbr+ar+1br+1+…+anbn,ai∈K
とすれば、F(b₁)=…=F(br)=0'であるから
x'=F(x)=ar+1F(br+1)+…+anF(bn)∈K・F(br+1)+…+K・F(bn)
すなわち、
F(V)=K・F(br+1)+…+K・F(bn)
また一方
cr+1F(br+1)+…+cnF(bn)=0'
ならば、
F(cr+1br+1+…+cnbn)=cr+1F(br+1)+…+cnF(bn)=0',
cr+1br+1+…+cnbn∈F^-1(0')=Kb₁+…+Kbr
となるから、
cr+1br+1+…+cnbn=c₁b₁+…+crbr
と書ける。b₁,…,br,br+1,…,bnの線型独立性より、cr+1=…=cn=0が生ずる。
よって、F(br+1),…,F(bn)も線型独立であり、線型空間F(V)の基底をつくる。 (証明終)
「線型代数入門」有馬哲著より

適当に分かり易く証明した後に、

>このとき<F(br+1),…,F(bn)>がF(V)の基底であることを示せばよい。

Fが単射でもないのに、何故こんな事を言えるのか理由を述べて下さい。念のため、例えば、biとbi+1が共にF(bi)に写像されたら基底の個数が減るので次元が異なってしまうという事。

因みに、この定理には思い出がある。1994年の夏ごろにそれまで一緒に数学が分からないと言っていた木村君という人がこの定理をきっかけに分かるようになったと言っていた。ちょっとうらやましかったが、当時は以心伝心でしか理解できないものだろうと思っていたので、残った湯浅君たちといつか分かるだろうと半分諦めていたものである。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/3/10 16:28削除
解説
>x=a₁b₁+…+arbr+ar+1br+1+…+anbn,ai∈K
とすれば、F(b₁)=…=F(br)=0'である

「部分空間F^-1(0')の基底<b₁,…,br>」より、b₁,…,brはF^-1(0')の元だから、
F(b₁)=…=F(br)=0'という事。

>F(b₁)=…=F(br)=0'であるから
x'=F(x)=ar+1F(br+1)+…+anF(bn)∈K・F(br+1)+…+K・F(bn)

x=a₁b₁+…+arbr+ar+1br+1+…+anbnより、
F(x)=F(a₁b₁+…+arbr+ar+1br+1+…+anbn)
=F(a₁b₁)+…+F(arbr)+F(ar+1br+1)+…+F(anbn)(Fは線型写像だから。)
=a₁F(b₁)+…+arF(br)+ar+1F(br+1)+…+anF(bn)(Fは線型写像だから。)
これに「F(b₁)=…=F(br)=0'」を代入すると、前半は全て0になり、
F(x)=ar+1F(br+1)+…+anF(bn)となるので、
x'=F(x)=ar+1F(br+1)+…+anF(bn)∈K・F(br+1)+…+K・F(bn)
となるという事。

>すなわち、
F(V)=K・F(br+1)+…+K・F(bn)

「F(V)の任意の元x'」より、x'はF(V)の任意の元なので、
上のx'∈K・F(br+1)+…+K・F(bn)は、F(V)⊂K・F(br+1)+…+K・F(bn)———①
また、Vの任意の元を考えると「Vの基底<b₁,…,br,br+1,…,bn>」より、
F(V)=K・F(b₁)+…+K・F(br)+K・F(br+1)+…+K・F(bn)
⊃K・F(br+1)+…+K・F(bn)
∴F(V)⊃K・F(br+1)+…+K・F(bn)———②
①,②より、
F(V)=K・F(br+1)+…+K・F(bn)
これによって、<F(br+1),…,F(bn)>がF(V)を生成する事が言えたという事。

>cr+1F(br+1)+…+cnF(bn)=0'
ならば、
F(cr+1br+1+…+cnbn)=cr+1F(br+1)+…+cnF(bn)=0',
cr+1br+1+…+cnbn∈F^-1(0')=Kb₁+…+Kbr
となるから、
cr+1br+1+…+cnbn=c₁b₁+…+crbr
と書ける。b₁,…,br,br+1,…,bnの線型独立性より、cr+1=…=cn=0が生ずる。
よって、F(br+1),…,F(bn)も線型独立であり、線型空間F(V)の基底をつくる。 

まず「cr+1F(br+1)+…+cnF(bn)=0'」とすると、Fは線型写像より、
F(cr+1br+1+…+cnbn)は、cr+1F(br+1)+…+cnF(bn)=0'となる。
よって、F(cr+1br+1+…+cnbn)=0'より、
cr+1br+1+…+cnbn∈F^-1(0')
また、「<b₁,…,br>がFの核F^-1(0')の基底」より、F^-1(0')=Kb₁+…+Kbrより、
cr+1br+1+…+cnbn∈Kb₁+…+Kbr
という事。
よって、cr+1br+1+…+cnbn=c₁b₁+…+crbrと置け、移項すると、
c₁b₁+…+crbr-cr+1br+1-…-cnbn=0 また、<b₁,…,br,br+1,…,bn>はVの基底より線型独立である。
よって、c₁=…=cr=(-cr+1)=…=(-cn)=0より、cr+1=…=cn=0
よって、cr+1F(br+1)+…+cnF(bn)=0'ならばcr+1=…=cn=0なので、
F(br+1),…,F(bn)も線型独立である。
よって、先の「<F(br+1),…,F(bn)>がF(V)を生成する事が言えたという事」と合わせて、「線型空間F(V)の基底をつくる」という事。

定義
Vを数体K上の線型空間とする。Vの有限個の元b₁,b₂,…,bn(n≧1)の順序を考えた組を
<b₁,b₂,…,bn>
で表わす。順序を考えた組<b₁,b₂,…,bn>が次の二つの条件をみたすとき、これをVの基底または底と言う。
(1)b₁,b₂,…,bnは線型独立である。
(2)Vの任意の元はb₁,b₂,…,bnの線型結合である。すなわち
V=Kb₁+Kb₂+…+Kbn
「線型代数入門」有馬哲著より

>このとき<F(br+1),…,F(bn)>がF(V)の基底であることを示せばよい。

Fが単射でもないのに、何故こんな事を言えるのか理由を述べて下さい。念のため、例えば、biとbi+1が共にF(bi)に写像されたら基底の個数が減るので次元が異なってしまうという事。

定理(3.2.9)(次元定理)
dimV<∞のとき、線型写像F:V→V'に対しdimV=dimF^-1(0')+dimF(V)
もっとくわしく、Vの基底<b₁,…,br,br+1,…,bn>を適当にとれば、<b₁,…,br>がFの核F^-1(0')の基底、<F(br+1),…,F(bn)>が像F(V)の基底になる。

b₁,…,br,br+1,…,bnが線型独立でb₁,…,brも線型独立より、br+1,…,bnも線型独立である。(ダブりなど無駄がない形だから。)
そして、上で「F(br+1),…,F(bn)も線型独立であ」る事を示したので、このn-r個の元に関してだけは全単射が成り立つからである。(念のため、自分で裏を取って下さい。)
因みに、線型写像は線型従属性は保存するが、線型独立性は保存するとは限らない。

定義
線型従属の否定を線型独立と言う。すなわち、a₁,a₂,…,akが線型独立とは
“c₁a₁+c₂a₂+…+ckak=0ならば必ずc₁=c₂=…=ck=0”
が成り立つことである。線型独立性は線型写像によって必ずしも保存されない。
「線型代数入門」有馬哲著より

おまけ:
https://white-ash.net/danpeiage
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