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壊れた扉さん (994klpn6)2025/6/2 11:10 (No.1452421)削除
次の文章を完全解説して下さい。

定理10
位数nの群はn次対称群Snの部分群と同型である。
証明
G={a₁,a₂,…,an}とする。Gのn個の要素のなかの任意の要素xをGの1つの要素aiでxaiに写す写像はGの要素の番号の置換を引き起こす。
x→xai
同じくakは
x→xak
となる。この2つを引き続いて行なえば
x→xai → (xai)ak=x(aiak)
つまりaiakによる写像と同じである。だからGはn次の対称群の部分群と同型である。
 その同型の部分群をGで表わすと
G⊆Sn
となっている。
「代数的構造」遠山啓著より

具体的には、

>Gの1つの要素aiでxaiに写す写像はGの要素の番号の置換を引き起こす。

一応、必ず置換になる理由を述べて下さい。

>この2つを引き続いて行なえば
x→xai → (xai)ak=x(aiak)
つまりaiakによる写像と同じである。だからGはn次の対称群の部分群と同型である。

「だから」の理由を述べて下さい。

おまけ:
https://www.asahi.com/articles/AST504D4MT50TLTB003M.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/6/2 13:41削除
解説
>Gの1つの要素aiでxaiに写す写像はGの要素の番号の置換を引き起こす。

必ず置換になる理由は、次の定理による。

定理
Gが群であるとする。このとき、Gに属する任意の2つの元a,bに対して、
a◦x=b,y◦a=b
を満足するGの元xおよびyが存在し、しかも、唯一通りに定まる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

つまり、G→Gへの写像で全単射になるという事である。つまり、置換となるという事。

>この2つを引き続いて行なえば
x→xai → (xai)ak=x(aiak)
つまりaiakによる写像と同じである。だからGはn次の対称群の部分群と同型である。

例えば、4次対称群の部分群に、
(1 2 3 4),(2 3 4 1),(3 4 1 2),
(4 1 2 3)
という群がある。(本当は2段で表すが、書けないので変換後を1段で表す。)
一応、群をなす確認をすると、
(1 2 3 4)は無変換(恒等変換)で単位元である。
(2 3 4 1)の逆元は、逆回転(逆に1つずらすという事)を考えて(4 1 2 3)である。(本当は2段で書いて実際に変換させて単位元になる確認をした方が良い。)
(3 4 1 2)の逆元は、(3 4 1 2)自身である。(5次対称群の部分群だったらだったら自分自身にはならない。偶数だから単位元を除くと奇数個になるから真ん中の逆元は自分自身になるという事。)
(4 1 2 3)の逆元は、同様に考えて(2 3 4 1)である。
閉じている事は、互いに位置をずらすだけだから自明だろう。
よって、上の4つの元の集合は群をなす。
ところで、
(2 3 4 1)(3 4 1 2)=(4 1 2 3)
となる。つまり、(3 4 1 2)で2個ずらし(2 3 4 1)でさらに1個ずらすと3個ずれで(4 1 2 3)になるという訳である。(一応、2段の元で書いて写像的にも確認して下さい。)これはすべての元で成り立つ。
よって、「この2つを引き続いて行なえば
x→xai → (xai)ak=x(aiak)
つまりaiakによる写像と同じである」
と同型という事である。
よって、「位数nの群はn次対称群Snの部分群と同型である」。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/6/1 15:24 (No.1451869)削除
問題
図のように、点Oを中心としABを直径とする円と△CAOおよび△CDBがあって、∠DCB=2∠ACO,△CAO=△CDBである。∠CAOと∠CBDの大きさをそれぞれ求めなさい。
(98 慶應女子)

図の解説:円を描き中心をOとする。水平に半径OA(Aは左)を描きAOの延長上に点Bを取る(ただし、OBは無線)。ここで、上半円ABの中点より30°ぐらい右に点Cを取り、下半円の中点より15°ぐらい右に点Dがある図。

おまけ:
https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/1366.html

https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/1520.html(骨壺つながり)
壊れた扉さん (994klpn6)2025/6/2 07:52削除
問題
図のように、点Oを中心としABを直径とする円と△CAOおよび△CDBがあって、∠DCB=2∠ACO,△CAO=△CDBである。∠CAOと∠CBDの大きさをそれぞれ求めなさい。
(98 慶應女子)

図の解説:円を描き中心をOとする。水平に半径OA(Aは左)を描きAOの延長上に点Bを取る(ただし、OBは無線)。ここで、上半円ABの中点より30°ぐらい右に点Cを取り、下半円の中点より15°ぐらい右に点Dがある図。

模範解答
△CAO=△COBであるから、
△CAO=△CDBのとき、
△COB=△CDB ∴OD∥BC・・・・・・①
また、∠CAO=xとおくと、与えられた条件から右図のようになり(注:①の平行線を引き、∠OAC=∠OCA=●(x),∠BCD=●●とした図)、さらに①およびOC=ODより、
∠OCD=∠ODC=∠DCB=2x
すると、∠ACBの大きさについて、5x=90°∴x=18°
一方、∠CDB=∠CAB=xであるから、△CDBの内角の和を考えて、∠CBD=180°-3x=180°-3×18°=126°
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
>△CAO=△COBであるから、
△CAO=△CDBのとき、
△COB=△CDB ∴OD∥BC・・・・・・①

半径より、OA=OB また、ABは直径よりAOBは一直線より、△CAO=△COB
また、条件より△CAO=△CDB
よって、△COB=△CDB
よって、等積変形の逆を考えると、OD∥BC
(底辺BCを共有していて面積が等しいので高さも等しいから、O,DからBC(とその延長上)に垂線を下ろし、その足をH,Iとすると、OH=DI,OH∥DIとなり四角形OHIDは平行四辺形(実際は長方形)になるので、OD∥BCという事。)

>また、∠CAO=xとおくと、与えられた条件から右図のようになり(注:①の平行線を引き、∠OAC=∠OCA=●(x),∠BCD=●●とした図)、さらに①およびOC=ODより、
∠OCD=∠ODC=∠DCB=2x
すると、∠ACBの大きさについて、5x=90°∴x=18°

∠OAC=∠OCA=●と置くと、条件より∠DCB=●●
よって、△OCDが二等辺三角形である事とOD∥BCの錯角より、
∠OCD=∠ODC=∠DCB=●●
よって、∠ACB=●+●●+●●=●×5
ところで、ABは直径より、∠ACB=90°
よって、●×5=90°より、●=18°
よって、∠CAO=●=18°

>一方、∠CDB=∠CAB=xであるから、△CDBの内角の和を考えて、∠CBD=180°-3x=180°-3×18°=126°

円周角より、∠CDB=∠CAB=●
よって、△CDBの内角の和より、
∠CBD=180°-●●●=126°

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/31 22:03 (No.1451498)削除
問題
半径1の円に内接する正十角形ABCDEFGHIJがある。
(1)AB²+BE²+EI²+IA²の値を求めなさい。
(2)この正十角形の10個の頂点から異なる2点を選んで結び、線分を作る。そのような線分の長さの平方をすべて考えるとき、それらの平均の値を求めなさい。
(01 開成)

図の解説は読めば分かるので省略。図はこちらを参考にして下さい。https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12141699087(因みに、円周角を使うと楽ですが、使わなくても解けますね。また、アルハゼンの定理を使えば暗算です。)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/6/1 08:05削除
問題
半径1の円に内接する正十角形ABCDEFGHIJがある。
(1)AB²+BE²+EI²+IA²の値を求めなさい。
(2)この正十角形の10個の頂点から異なる2点を選んで結び、線分を作る。そのような線分の長さの平方をすべて考えるとき、それらの平均の値を求めなさい。
(01 開成)

模範解答
(1)AB=IJ,IA=BJであるから、
AB²+BE²+EI²+IA²
=(IJ²+EI²)+(BE²+BJ²)
=EJ²×2=2²×2=8
(2)ABと同じ長さの線分は、10本。
AC(=IA)と同じ長さの線分は、AC,BD,・・・,IA,JBの10本。
AD(=BE)と同じ長さの線分、AE(=EI)と同じ長さの線分も、同様に10本ずつある。
最後に、AF(=2)と同じ長さの線分(直径)は5本あるから、求める値は、
(AB²×10+IA²×10+BE²×10+EI²×10+2²×5)/(10+10+10+10+5)
={(AB²+BE²+EI²+IA²)×10+20}/45・・・・・・①
(1)より、
①=(8×10+20)/45=20/9
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説は、読めば分かるので省略。(分かり易く知りたい人は、2024/12/17 16:36の投稿にあります。)
そこで、(1)の別解。
マニアックな定理(この参考書の初めの公式集には載っていないが、途中の問題の補足解説に出て来る)より、

定理
円の内部で直交する2弦を4つの線分に分け、a,b,c,d,半径をRとすると、
2R=√(a²+b²+c²+d²)
で求められる。

(1)の別解
AB²+BE²+EI²+IA²から四角形ABEIに注目すると、AE⊥BI
よって、AEとBIの交点をPとすると、
2R=√(AP²+BP²+EP²+IP²)
=√(AB²+EI²)
∴4R²=AB²+EI²
これにR=1を代入すると、
AB²+EI²=4・・・・・・①
また、
2R=√(AP²+BP²+EP²+IP²)
=√(AP²+IP²+BP²+EP²)
=√(AI²+BE²)
∴4R²=AI²+BE²
∴IA²+BE²=4・・・・・・②
①+②より、
AB²+BE²+EI²+IA²=8

因みに、上の定理に興味がある人は、2024/7/6 07:40の投稿の列で複数通りで証明しています。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/28 07:56 (No.1449193)削除
問題
鋭角△ABCの垂心をHとする。Hの各辺による、対称点をDEFとする。△DEFの内心が、Hに一致する事を証明して下さい。
アイデア引用元:https://bbs1.rocketbbs.com/shochandas/posts/2679

解答
点Hの辺BC,CA,ABに関する対称点をそれぞれD,E,Fとし、DH,EH,FHと各辺との交点をそれぞれP,Q,Rとすると、DH⊥BC,EH⊥CA,FH⊥ABより、3点P,Q,RはそれぞれAH,BH,CHの延長と各辺との交点でもある。
よって、△ABPと△CBRにおいて、直角が等しい事と∠Bを共有している事より残りの1角も等しい。
よって、∠BAP=∠BCR=●と置く。
ところで、∠HPC=∠HQC=90°より四角形HPCQは円に内接する四角形である。
よって、円周角より∠HQP=∠HCP=∠BCR=●
また、同様に四角形HQARも円に内接する四角形より、円周角で∠HQR=∠HAR=∠BAP=●
∴∠HQP=∠HQR・・・・・・☆
ところで、対称点より、3点P,Q,RはそれぞれHD,HE,HFの中点。
よって、△HDEでの中点連結定理よりPQ∥DE
よって、同位角より∠HED=∠HQP=●
また、同様に△HEFでの中点連結定理よりQR∥EF
よって、同位角より∠HEF=∠HQR=●
∴∠HED=∠HEF
よって、HEは∠DEFの二等分線である。
(鋭角三角形の)対称性より、HD,HFもそれぞれ同様に∠FDE,∠EFDの二等分線になる。
よって、点Hは△DEFの内心である。

因みに、☆まででこちらhttps://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1924772454129664458の解答が作れます。
興味がある人は、こちらhttps://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1925708609675006367もやってみて下さい。
また、

△ABCの内心をIとする。Iのそれぞれの辺対称な点をDEFとする。
△DEFの外心は、Iに一致するので、
△ABC(I)=△DEF(O)
No.2691 ks 5月27日 13:48
引用元:https://bbs1.rocketbbs.com/shochandas/posts/2679

これを今朝、チャチャっと考えてみたのですが、正三角形しか成り立たないのではないでしょうか。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/28 13:21削除
>これを今朝、チャチャっと考えてみたのですが、正三角形しか成り立たないのではないでしょうか。

失礼しました。ちゃんと考えたら正しかったです。証明は次回にしますね。因みに、検索はしていないので、既存のものかどうかは知りません。自分で作っていたとしたら凄いですよね。(本当に失礼しました。)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/29 07:46削除
問題
△ABCの内心をIとする。Iのそれぞれの辺対称な点をDEFとする。
△DEFの外心は、Iに一致する事を証明して下さい。
アイデア引用元:https://bbs1.rocketbbs.com/shochandas/posts/2679

解答
点Iは内心より、∠IBA=∠IBC=○,∠ICA=∠ICB=×と置くと、3点D,E,FのIに対する対称性より、
∠FBA=∠IBA=○,∠DBC=∠IBC=○となり、BIは∠FBDの二等分線になる。(∠FBI=∠DBI=○○だから。)
同様に、CIも∠DCEの二等分線になる。
また、先の対称性より、BD=BI,BF=BIより、BD=BF
よって、△BDFは二等辺三角形でBIは頂角∠FBDの二等分線より、BIはDFの中点で直交している。・・・・・・①
同様に、△CDEも二等辺三角形でCIは頂角∠DCEの二等分線より、CIはDEの中点で直交している。・・・・・・②
①,②より、点Iは△DEFの外心である。
よって、△DEFの外心は△ABCの内心Iと一致している。

次回はこちらをやりますね。

△ABCの外心をOとする。各辺による、点Oの対称点をDEFとすると、
△DEFの垂心は、Oに一致する。
△ABC(O)=△DEF(H)
No.2692 ks 5月28日 18:44

相変わらず、検索はしていないので確かな事は言えませんが、飛び飛びで投稿している所を見ると、自分で作っているのでしょうね。凄いですね。
証明は今回のと同じぐらい簡単です。(まぁ、受験勉強の暗記数学の人は解けないかもしれませんが。念のため、暗記数学を極める人はコンピューターと同じで最強でしょう。そんな人間は存在しないだろうが。)

おまけ:
「レリジョンという言葉は、その語義解釈によれば、キリスト教では「神と人間との再結合」という意味である。エデンの園において神との約束を破った人間は、神に背いたという原罪を持って生まれているが、神にその罪を懴悔することによって、再び神と結び付き救済されるという意味であり、「宗教とは人間と神(聖なるもの)との出会いである」などと説明されるのも、この語義解釈による理解をあらわしたものである。(中略)
 ところが、このレリジョンについては、キリスト教以前では、「再び観察すること」と語義解釈されている。そうであれば、宗教とは自らの人生を立ち止まってもう一度見直すことという意味となる」
引用元:https://www.otani.ac.jp/yomu_page/b_yougo/nab3mq0000000qb7.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/30 07:44削除
問題
△ABCの外心をOとする。各辺による、点Oの対称点をDEFとすると、
△DEFの垂心は、Oに一致する事を証明して下さい。
アイデア引用元:https://bbs1.rocketbbs.com/shochandas/posts/2679

解答
点OのBC,CA,ABに関する対称点をそれぞれD,E,Fとし、OD,OE,OFと各辺との交点をP,Q,Rとすると、3点P,Q,RはOD,OE,OFの中点で、OD⊥BC,OE⊥CA,OF⊥ABである。
よって、△OEFでの中点連結定理より、
RQ∥FE・・・・・・①
また、点Oは△ABCの外心より、点R,Qはそれぞれ辺AB,ACの中点。(OF⊥ABよりOR⊥AB,OE⊥ACよりOQ⊥ACだから。)
よって、△ABCでの中点連結定理より、
RQ∥BC・・・・・・②
①,②より、FE∥BC
また、OD⊥BCより、OD⊥FEとなる。
∴DO⊥EF
(鋭角)三角形の対称性より、同様に、
EO⊥FD,FO⊥DEとなる。
よって、点Oは△DEFの垂心である。

次回はこちら。

△ABCの垂心をHとする。Hから各辺への垂線の足の延長した線が、外接円と交わる点をDEFとすると、△DEFの内心は、Hに一致する。
したがって、△ABC(H)=△DEF(I)
No.2695 ks 5月29日 21:10

しかし、よくポンポンと作れますね。尊敬します。因みに、証明は簡単なので、中3数学が分かる人は挑戦して下さい。

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1928082494420648160
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/30 13:19削除
追加
逆に、△ABCの内心をIとするとき、頂点と内心を通る直線が、外接円との交点を
それぞれDEFとすると、△DEFの垂心は、Iと一致するので、
△ABC(I)=△DEF(H)
No.2696 ks 今日 11:19
引用元:https://bbs1.rocketbbs.com/shochandas/posts/2679

明日の朝は、2題やりますね。

問題
△ABCの垂心をHとする。Hから各辺への垂線の足の延長した線が、外接円と交わる点をDEFとすると、△DEFの内心は、Hに一致する事を証明して下さい。

問題
△ABCの内心をIとするとき、頂点と内心を通る直線が、外接円との交点をそれぞれDEFとすると、△DEFの垂心は、Iと一致する事を証明して下さい。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12864790211.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/31 08:00削除
問題
△ABCの垂心をHとする。Hから各辺への垂線の足の延長した線が、外接円と交わる点をDEFとすると、△DEFの内心は、Hに一致する事を証明して下さい。
アイデア引用元:https://bbs1.rocketbbs.com/shochandas/posts/2679

解答
円周角より、∠BAD=∠BED=○・・・・・・①と置く。
また、DH,EH,FHと各辺との交点をそれぞれP,Q,Rとすると、AP⊥BC,BQ⊥CA,CR⊥AB
よって、△ABPと△CBRにおいて直角が等しく、∠Bを共有しているので、残りの1角も等しい。よって、∠BAP=∠BCR=○
よって、∠BCF=○で円周角より、
∠BEF=∠BCF=○・・・・・・②
①,②より、∠BED=∠BEF=○
よって、BEは∠DEFの二等分線。
(鋭角)三角形の対称性より、同様に、CF,ADはそれぞれ∠EFD,∠FDEの二等分線になる。よって、点Hは△DEFの内心である。
よって、△ABCの垂心と△DEFの内心は一致している。

問題
△ABCの内心をIとするとき、頂点と内心を通る直線が、外接円との交点をそれぞれDEFとすると、△DEFの垂心は、Iと一致する事を証明して下さい。

逆だから当然成り立つのですが、この問題だけ出された時の最適解(法)を示しておきますね。

解答
点Iは内心より、∠IAB=∠IAC=○,∠IBA=∠IBC=×,∠ICB=∠ICA=●と置くと、円周角より∠BED=∠BAD=○
∴∠IED=○・・・・・・①
また、∠DFC=∠DAC=○
∴∠IFD=○・・・・・・②
①,②より、∠IED=∠IFD=○
(鋭角)三角形の対称性より、同様に、
∠IDF=∠IEF=●
∠IDE=∠IFE=×
となる。
ここで、AIとEFの交点をPとすると、
∠DPF=180°-∠PDF-∠PFD
=180°-●-(○+×)
=180°-(○+×+●)・・・・・・☆
ところで、△ABCの内角の和より、
○○+××+●●=180°
∴○+×+●=90°
これを☆に代入すると、
∠PDF=180°-90°=90°
∴DP⊥EF ∴DA⊥EF
(鋭角)三角形の対称性より、同様に、
EB⊥FD,FC⊥DE
よって、点Iは△DEFの垂心である。
よって、△ABCの内心と△DEFの垂心は一致している。

おまけ:
返信
返信5
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/29 11:52 (No.1449851)削除
次の文章を完全解説して下さい。

例 13
D₄のなかの正規部分群をえらび出せ。
解 まずD₄のすべての部分群を列挙してみよう。
D₄={e,a,a²,a³,b,ab,a²b,a³b}
(a⁴=e,b²=e,bab^-1=a^-1)
という形になるから、D₄自身の他に次のものがある。
g₁={e,a,a²,a³},g₂={e,a²,ab,a³b},
g₃={e,a²,b,a²b},g₄={e,a²},
g₅={e,b},g₆={e,a²b},g₇={e}
まずg₁をしらべてみよう。
 Gのg₁による剰余類の代表は(e,b)である。このeとbでx^-1Hxをつくると、
e^-1g₁e={e^-1ee,e^-1ae,e^-1a²e,
e^-1a³e}={ea,a²,a³}=g₁
b^-1g₁b={b^-1eb,b^-1ab,b^-1a²b,
b^-1a³b}={ea,a²,a³}=g₁
したがって正規部分群である。
 g₂の場合は、その剰余類の代表は(e,a)である。
e^-1g₂e=g₂
a^-1g₂a={a^-1ea,a^-1a²a,a^-1aba,
a^-1a³ba}={e,a²,a^-1b,ab}
={e,a²,a³b,ab}=g₂
g₂は正規部分群である。
(中略)
結局D₄の正規部分群は
D₄自身
{e,a,a²,a³}
{e,a²,ab,a³b}
{e,a²,b,a²b}
{e,a²}
{e}
である。
「代数的構造」遠山啓著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/29 14:11削除
解説
>まずD₄のすべての部分群を列挙してみよう。
D₄={e,a,a²,a³,b,ab,a²b,a³b}
(a⁴=e,b²=e,bab^-1=a^-1)

p.83に、
「この群をD₄で表わす。それは正方形をその上に重ねる操作(裏返しを含む)と言う意味である」
とあるので、aを左90°回転とすると、a²で180°,a³で270°,a⁴で元に戻るので、a⁴=eである。また、bを裏返しとすると、b,ab,a²b,a³bはそれぞれ裏返して0°,90°,180°,270°回転なので、これで全てで4×2=8通りという事である。
a⁴=eは上で書いた通りで、b²=eは2回裏返すと元に戻るという事。
また、bab^-1=a^-1は、裏返して90°回転させてさらに裏返すと、元の状態から逆90°回転になるという事。実際に示すと、
正方形の4隅を1,2,3,4と振り、
1 4   4 1       1 2
2 3 → 3 2(裏返し)→ 4 3(左90°回転)→
2 1
3 4(裏返し)
これは右90°回転なので、a^-1である。
よって、bab^-1=a^-1が成り立つ。

>D₄自身の他に次のものがある。
g₁={e,a,a²,a³},g₂={e,a²,ab,a³b},
g₃={e,a²,b,a²b},g₄={e,a²},
g₅={e,b},g₆={e,a²b},g₇={e}

部分群であるが、群には単位元と逆元と演算について閉じているという性質がなければならない。
そこで、g₂を調べてみよう。
まず、単位元eは存在している。
次に、a²の逆元はa²自身である。その理由は、a²・a²=a⁴=eだからである。
また、abの逆元もab自身である。その理由は、ab・ab=a(ba)b=a(a^-1b)b(bab^-1=a^-1よりba=a^-1bだから)
=(aa^-1)b²=e・e=eだからである。
残りのa³bの逆元もa³b自身である。
a³b・a³b=a³(ba)a²b=a³(a^-1b)a²b=a²(ba)ab=a²(a^-1b)ab=abab=a(ba)b=a(a^-1b)b=(aa^-1)b²=e・e=eだからである。
また、演算について閉じている事は、
a²・ab=a³b∈g₂
a²・a³b=a⁵b=ab∈g₂
ab・a³b=a(ba)a²b=a(a^-1b)a²b=e(ba)ab=(a^-1b)ab=a^-1(ba)b=a^-1(a^-1b)b=a^-2b²=a²・e=a²∈g₂
ab・a²=a(ba)a=a(a^-1b)a=e・ba=ba=a^-1b=a³b∈g₂
a³b・a²=a³(ba)a=a³(a^-1b)a=a²(ba)=a²(a^-1b)=ab∈g₂
a³b・ab=a³(ba)b=a³(a^-1b)b=a²b²=a²・e=a²∈g₂
a²・a²=a⁴=e∈g₂
ab・ab=a(ba)b=a(a^-1b)b=e・b²=e∈g₂
a³b・a³b=a³(ba)a²b=a³(a^-1b)a²b=a²(ba)ab=a²(a^-1b)ab=abab=a(ba)b=a(a^-1b)b=e・b²=e∈g₂
よって、g₂は演算について閉じている。(単位元との関係は自明なので省略した。)

他の部分群は省略で、続きは次回。

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/b8528fa58bb2b00a7a3e68ffd88c5cf5513614f5
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/29 16:39削除
解説の続き

例 13
D₄のなかの正規部分群をえらび出せ。
解 まずD₄のすべての部分群を列挙してみよう。
D₄={e,a,a²,a³,b,ab,a²b,a³b}
(a⁴=e,b²=e,bab^-1=a^-1)
という形になるから、D₄自身の他に次のものがある。
g₁={e,a,a²,a³},g₂={e,a²,ab,a³b},
g₃={e,a²,b,a²b},g₄={e,a²},
g₅={e,b},g₆={e,a²b},g₇={e}
まずg₁をしらべてみよう。
 Gのg₁による剰余類の代表は(e,b)である。このeとbでx^-1Hxをつくると、
e^-1g₁e={e^-1ee,e^-1ae,e^-1a²e,
e^-1a³e}={ea,a²,a³}=g₁
b^-1g₁b={b^-1eb,b^-1ab,b^-1a²b,
b^-1a³b}={ea,a²,a³}=g₁
したがって正規部分群である。
 g₂の場合は、その剰余類の代表は(e,a)である。
e^-1g₂e=g₂
a^-1g₂a={a^-1ea,a^-1a²a,a^-1aba,
a^-1a³ba}={e,a²,a^-1b,ab}
={e,a²,a³b,ab}=g₂
g₂は正規部分群である。
(中略)
結局D₄の正規部分群は
D₄自身
{e,a,a²,a³}
{e,a²,ab,a³b}
{e,a²,b,a²b}
{e,a²}
{e}
である。
「代数的構造」遠山啓著より

>Gのg₁による剰余類の代表は(e,b)である。

これは同値類による類別という奴である。
G=D₄={e,a,a²,a³,b,ab,a²b,a³b}
G=eg₁∪bg₁(部分群g₁で類別)
ここで、eg₁=g₁は自明なので、bg₁を調べると、
bg₁=b{e,a,a²,a³}
={be,ba,ba²,ba³}
={b,ba,ba²,ba³}
∴eg₁∪bg₁={e,a,a²,a³}∪{b,ba,ba²,ba³}={e,a,a²,a³,b,ab,a²b,a³b}=D₄=G
よって、G=eg₁∪bg₁となっていてOK。

>Gのg₁による剰余類の代表は(e,b)である。このeとbでx^-1Hxをつくると、
e^-1g₁e={e^-1ee,e^-1ae,e^-1a²e,
e^-1a³e}={ea,a²,a³}=g₁
b^-1g₁b={b^-1eb,b^-1ab,b^-1a²b,
b^-1a³b}={ea,a²,a³}=g₁
したがって正規部分群である。

要は、g₁が正規部分群である事の証明をしている訳だが、G(D₄)の全ての元で示さなければいけないと思っていたが、完全代表系の元だけで良いようである。残念ながら、これは「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著や「すぐわかる代数」石村園子著には載っていないと思う。
ただし、後者には、

定理3.8.3
剰余類全体{H,Hg₁,Hg₂,…}は演算
Hg₁・Hg₂=Hg₁g₂
により群をなす。

この証明で、「Hg₁・Hg₂=Hg₁g₂で定義された演算の結果が代表元g₁,g₂のとり方によらず類によって決まることを示しておこう」とあるので、上の証明も全ての元でやらずに(同値類の)代表元だけでやれば十分なような気はする。念のため、意味合いが違う事は分かっているが。

>g₂の場合は、その剰余類の代表は(e,a)である。
e^-1g₂e=g₂
a^-1g₂a={a^-1ea,a^-1a²a,a^-1aba,
a^-1a³ba}={e,a²,a^-1b,ab}
={e,a²,a³b,ab}=g₂
g₂は正規部分群である。

g₂={e,a²,ab,a³b}
これも部分群g₂で類別すると、
G=eg₂∪ag₂
={e,a²,ab,a³b}∪a{e,a²,ab,a³b}
={e,a²,ab,a³b}∪{a,a³,a²b,a⁴b}
={e,a²,ab,a³b}∪{a,a³,a²b,b}
={e,a²,ab,a³b,a,a³,a²b,b}
={e,a,a²,a³,b,ab,a²b,a³b}=D₄=G
よって、OK。
また、a^-1g₂a={a^-1ea,a^-1a²a,a^-1aba,a^-1a³ba}
={e,a²,ba,a²ba}
ここで、bab^-1=a^-1より、ba=a^-1bを使うと、
={e,a²,a^-1b,a²・a^-1b}
={e,a²,a³b,ab}(a⁴=eより)
={e,a²,ab,a³b}=g₂
よって、a^-1g₂a=g₂が成り立つ。

一応、正規部分群の定義を挙げておこう。

定義5.1
Gのすべての元aに対しaH=Haとなるとき、あるいは、いいかえるとGのすべての元aに対しaHa^-1=Hとなるとき、HをGの正規部分群または不変部分群といい、H⊴Gで表す。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著

定理3.8.2
部分群HがGの正規部分群
⇔(NS)G∋∀g,H∋∀hに対してg^-1hg∈H
(「NS」はnormal subgroupより)
「すぐわかる代数」石村園子著

補足
「(NS)は正規部分群であるための必要十分条件です」
「すぐわかる代数」石村園子著

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/27 13:43 (No.1448599)削除
次の文章を完全解説して下さい。

§8.準同型
 2つの群G,G'があり、GからG'への写像φ(a)=a'があるものとする。そのときaはGの要素であり、a'はG'の要素であるとする。
 そして、任意のG'の要素a'に対するφ(a)=a'なるaが存在するものとしよう。つまりφはGからG'の上への写像であるとする。
 そして、つぎのようなGの結合abがG'の結合a'b'に移行するものとする。
φ(a)=a'
φ(b)=b'
であって、
φ(ab)=a'b'=φ(a)φ(b)
つまりGの中での2つの要素の乗法を先にしてφによってG'に移した結果と、GからG'への写像を先にやってG'の中で積をつくった結果とが等しいのである。
 ただしφは1対1対応であるとは限らない。一般に多対1である。このときG'はGに準同型であるといい、φはGからG'への準同型写像という。とくに1対1対応のときに同型となるわけである。
(中略)
 準同型G→G'があったとき、G'の単位元e'に対応するGの要素の全体をHとしよう。
H→e',H⊆G
 ところでこのHはGのなかでどのような性質をもっているだろうか。
h₁∈H
h₂∈H
であるとき、φ(h₁)=e',φ(h₂)=e'となる。
φ(h₁h₂)=φ(h₁)φ(h₂)=e'・e'=e'
φ(h₁^-1)=φ(h₁)^-1=e'^-1=e'
したがってh₁h₂はHに属する。またh₁^-1もHに属する。つまりHはGの部分群である。
 だがHは単なる部分群ではなく、そのほかにつぎのような著しい性質をもつ。
 G'の同じ要素ai'に写されるGの要素の全体をLとしよう。このときLの2つの要素a₁,a₂は
φ(a₁)=φ(a₂)=ai'
であり、
φ(a₁a₂^-1)=φ(a₁)φ(a₂^-1)
=φ(a₁)φ(a₂)^-1=ai'ai'^-1=e'
となるからHの定義によってa₁a₂^-1はHに属する。 
a₁a₂^-1∈H
 したがってa₁はHa₂に属する。逆にHa₂はすべてai'に写されるからLと一致する。
 同じく
φ(a₂^-1a₁)=φ(a₂^-1)φ(a₁)=φ(a₂)^-1φ(a₁)
=ai'^-1ai'=e'
となるから
a₂^-1a₁∈H
 つまり、a₁はa₂Hに属する。同じく、a₂HはLと一致する。
 したがって Ha₂=a₂H
これを少し変形してみると、
a₂^-1Ha₂=H
 ここでa₂はGの任意の要素にとってもよい。
 つまりGをHによって剰余類に分けてみると、その左剰余類と右剰余類は一致する。このような部分群Hを正規部分群という。Gの正規部分群HはGの任意の要素xによってx^-1HxをつくってもHと一致する部分群と考えてもいいのである。x^-1Hx=H
「代数的構造」遠山啓著より

適当に分かり易く、ただし厳密に解説して下さい。例えば、

>このときG'はGに準同型であるといい、φはGからG'への準同型写像という。とくに1対1対応のときに同型となるわけである。

これはp.100に、
「以上で群の同型の実例が与えられたので、つぎに一般的な定式化を与えよう。
 2つの群G,G'があり、そのあいだに1対1対応φ(x)=x'があるものとする。ただしxはGに属し、x'はG'に属するものとする。
 そして、
φ(x₁x₂)=φ(x₁)φ(x₂)
φ(x^-1)=φ(x)^-1
が成立するとき、φはGからG'への同型対応もしくは同型写像であるという。このようなφが存在するときGとG'は同型であるといい、
G≅G'
で表わす。

とあるからである。ただし、その時は実例だけでこの式については触れていないのである。因みに、実例では、
a^(x₁+x₂)=a^x₁・a^x₂=x₁'・ⅹ₂'
つまり、φ(x₁+x₂)=φ(x₁)φ(x₂)の例だし、初学者には無理がありますね。まぁ、深く考えないであとから分かれば良いという学習方法なのでしょうね。昔、黒田先生という人がそう言っていました。因みに、数学科を出ても(本当に)数学が分かる人は1割ぐらいだとも言っていました。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/27 16:19削除
解説
>2つの群G,G'があり、GからG'への写像φ(a)=a'があるものとする。
>φ(ab)=a'b'=φ(a)φ(b)

つまり、ある写像φがφ(ab)=φ(a)φ(b)という性質を持っていれば、φは準同型写像という事。

>因みに、実例では、
a^(x₁+x₂)=a^x₁・a^x₂=x₁'・ⅹ₂'
つまり、φ(x₁+x₂)=φ(x₁)φ(x₂)の例だし、初学者には無理がありますね。

因みに、φ(ab)=φ(a)φ(b)
この定義は、φ(a◦b)=φ(a)*φ(b)と書くのが厳密で、G(写像元)での演算◦とG'(写像先)での演算が異なっていても良いという事である。

定義6.1
演算◦をもつ群(G,◦)と演算*をもつ群(G',*)に対して、GからG'への写像f:G→G'が
∀a,b∈G,f(a◦b)=f(a)*f(b)
なる条件を満足しているとき、fをGからG'への準同型写像という。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

念のため、著者は定義を述べた訳じゃなく、関係が保存されるという事が言いたかったから、より具体的な表現にしたのだろう。

>準同型G→G'があったとき、G'の単位元e'に対応するGの要素の全体をHとしよう。
H→e',H⊆G
 ところでこのHはGのなかでどのような性質をもっているだろうか。
h₁∈H
h₂∈H
であるとき、φ(h₁)=e',φ(h₂)=e'となる。
φ(h₁h₂)=φ(h₁)φ(h₂)=e'・e'=e'
φ(h₁^-1)=φ(h₁)^-1=e'^-1=e'
したがってh₁h₂はHに属する。またh₁^-1もHに属する。つまりHはGの部分群である。

p.71に、
§2 群の定義
以上の準備をした上で群の厳密な定義をしておこう。
(1)集合G={a₁,a₂,…,an,…}は有限もしくは無限の集合でその上に2変数の関数φ(a,b)=cが定義され、その値は常にGに属する。このφ(a,b)=cをab=cで表わす。
(2)任意の3要素a,b,cに対して結合法則が成立する。
(ab)c=a(bc)
(3)Gはae=ea=aなる要素eを含む。
このようなeを単位元という。
(4)Gの任意の要素aに対して、aa^-1=eとなるようなa^-1がGに含まれる。a^-1をaの逆元という。
以上4つの条件を満たす集合Gを群という。
「代数的構造」遠山啓著より

とあり、「したがってh₁h₂はHに属する。またh₁^-1もHに属する」から(1)と(4)は満たしているが、(2)と(3)は満たしていない。まぁ、(2)は昨日も解説したので、今回は(3)を示そう。
eを単位元とすると、e=e・e
この両辺にφを施すと、
φ(e)=φ(e・e)=φ(e)φ(e)(φは準同型写像だから。)
∴φ(e)=φ(e)φ(e)
ところで、φ(e)はG'の元でG'は群なので逆元が存在している。その逆元φ^-1(e)を上の等式の両辺に左から掛けると、
φ^-1(e)φ(e)=φ(e)^-1(φ(e)φ(e))
=(φ(e)^-1φ(e))φ(e)
=e'φ(e)
∴e'=e'φ(e)
∴φ(e)=e'
よって、eはHに属する。(念のため、「G'の単位元e'に対応するGの要素の全体をHとしよう。
H→e',H⊆G」だから。)
よって、(1)~(4)を満たし、HはGの部分集合より、「HはGの部分群である」という事。

>だがHは単なる部分群ではなく、そのほかにつぎのような著しい性質をもつ。
 G'の同じ要素ai'に写されるGの要素の全体をLとしよう。このときLの2つの要素a₁,a₂は
φ(a₁)=φ(a₂)=ai'
であり、
φ(a₁a₂^-1)=φ(a₁)φ(a₂^-1)
=φ(a₁)φ(a₂)^-1=ai'ai'^-1=e'
となるからHの定義によってa₁a₂^-1はHに属する。 
a₁a₂^-1∈H
 したがってa₁はHa₂に属する。逆にHa₂はすべてai'に写されるからLと一致する。

a₁a₂^-1∈Hの両辺に右からa₂を掛けると、
(a₁a₂^-1)a₂∈Ha₂
(こんな集合に等式のように両辺に同じものを掛けてもいいの?と思う人は、具体的にHの元をhとして、(a₁a₂^-1)a₂=ha₂として同じ事をすれば納得出来るだろう。)
∴a₁(a₂^-1a₂)∈Ha₂
∴a₁e∈Ha₂ ∴a₁∈Ha₂
よって、「a₁はHa₂に属する」という事。
また、φ(Ha₂)=φ(H)φ(a₂)=e'ai'=ai'(念のため、「H→e',H⊆G」と「φ(a₁)=φ(a₂)=ai'」から。)
よって、「逆にHa₂はすべてai'に写される」という事。

>したがってa₁はHa₂に属する。逆にHa₂はすべてai'に写されるからLと一致する。

a₁はLの任意の要素で、
a₁∈Lならばa₁∈Ha₂
より、L⊂Ha₂・・・・・・①
また、「Ha₂はすべてai'に写される」から、
Ha₂⊂L・・・・・・②
(念のため、「G'の同じ要素ai'に写されるGの要素の全体をL」より。)
①,②より、Ha₂=L
よって、「Ha₂はLと一致する」という事。

>したがって Ha₂=a₂H
これを少し変形してみると、
a₂^-1Ha₂=H
 ここでa₂はGの任意の要素にとってもよい。
 つまりGをHによって剰余類に分けてみると、その左剰余類と右剰余類は一致する。このような部分群Hを正規部分群という。

ところで、初めに「準同型G→G'があったとき、G'の単位元e'に対応するGの要素の全体をHとしよう」とあり、Ha₂=a₂Hが示され、「このような部分群Hを正規部分群という」とあるので、結局、kerfは正規部分群であるという事の証明をした訳である。

定理6.3
fをGからG'への準同型写像とすると、Gの部分集合
kerf={a∈G|f(a)=e'}
はGの正規部分群になる。ただし、e'はG'の単位元とする。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

因みに、この本、ヤフー知恵袋で高校生が群論を勉強したいので、お薦め本を教えて下さいというので、知って買ったんだけど、初学者には難しいよね。まぁ、お薦めした人も雰囲気を教えたかったのかもしれないが。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1432821259(ここには載っていない。)

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/24 22:10 (No.1446994)削除
問題
右図のように、2つの合同な正方形が重なっている。点A,Dは正方形の頂点、点B,C,Eは2辺の交点で、AB=3,CD=6,DE=8とする。
(1)CEの長さを求めなさい。
(2)正方形の1辺の長さを求めなさい。
(04 日大習志野)

図の解説:下の正方形の右上の頂点をA,左下の頂点をDとし、その上にちょっと右に回転させた合同な正方形を載せ、下の正方形の右の辺と上の正方形の上の辺の交点をB,下の正方形の左の辺と上の正方形の下の辺との交点をC,下の正方形の下の辺と上の正方形の下の辺との交点をEとした図。
PDFファイルを添付しますので、そちらを参考にして下さい。

(2)は難しいと思います。私は別解でした。

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/696bc530fed6c568592abae4db78b97ee73c3b91
高校への数学
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/25 07:57削除
問題
右図のように、2つの合同な正方形が重なっている。点A,Dは正方形の頂点、点B,C,Eは2辺の交点で、AB=3,CD=6,DE=8とする。
(1)CEの長さを求めなさい。
(2)正方形の1辺の長さを求めなさい。
(04 日大習志野)

図は上の添付ファイルを見て下さい。

模範解答
(1)CE=√(6²+8²)=10
(2)図2のように、正方形の頂点G(注:下の正方形の右下の頂点)を通りCEに平行な直線lを引き、B,Eからlに下ろした垂線の足をH,Iとする。
ここで、l∥CE、△=○(注:∠BGI=▲,∠EGI=△,∠DCE=●,∠DEC=○と置く)
また、▲=90°-△=90°-○=●
よって、二角相等で、網目の3つの三角形(注:△CDEと△EIGと△GIB)は相似であり、これらの3辺比は、3:4:5である。
したがって、正方形の1辺の長さをxとすると、
BH=BG×(4/5)=(x-3)×(4/5),
IE=GE×(3/5)=(x-8)×(3/5)
∴(4/5)(x-3)+(3/5)(x-8)=x
∴x=18
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
参考書の補足解説に、
「与えられた条件によると、図1の太実線の辺が乗る直線は決まりますが、太破線の方は決まりません。そこで、太破線を消して考えてみます。」
とあるので、まず、これを解説する。
上の正方形を乗せた事によって3点B,C,Eが決まるが、これは上の正方形の上下の2線分(2辺)だけで決まる事なので、左右の2線分は取り除いて考えた方が見え易いという事。(図2はそういう図。)

>ここで、l∥CE、△=○(注:∠BGI=▲,∠EGI=△,∠DCE=●,∠DEC=○と置く)
また、▲=90°-△=90°-○=●
よって、二角相等で、網目の3つの三角形(注:△CDEと△EIGと△GHB)は相似であり、

G(下の正方形の右下の頂点)からCEと平行な直線を引き、B,Eからその直線に垂線を下ろしその足をそれぞれH,Iとした時点で(私の)定石で△BHG∽△GIEであり、また、△GIE∽△EDCは自明である。つまり、網目の3つの三角形は相似であるという事。

私の定石
直角を適当に2つに分けている角を含むそれぞれの直角三角形は相似である。

>したがって、正方形の1辺の長さをxとすると、
BH=BG×(4/5)=(x-3)×(4/5),
IE=GE×(3/5)=(x-8)×(3/5)
∴(4/5)(x-3)+(3/5)(x-8)=x
∴x=18

BH+EIは消した正方形の左右の辺と同じ長さなので、(4/5)(x-3)+(3/5)(x-8)=xという事。∴(7/5)x-36/5=x
∴(2/5)x=36/5 ∴x=18

私の解法は次回。ただし、エレガントではありません。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/25 12:01削除
また、何でもありでも解いて下さい。結構、エレガントに解けるかもしれませんよ。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/26 07:56削除
問題
右図のように、2つの合同な正方形が重なっている。点A,Dは正方形の頂点、点B,C,Eは2辺の交点で、AB=3,CD=6,DE=8とする。
(1)CEの長さを求めなさい。
(2)正方形の1辺の長さを求めなさい。
(04 日大習志野)

図は上の添付ファイルを見て下さい。

(2)の別解
△CDEは3:4:5の直角三角形で、対頂角と直角の2角が等しいので、全ての直角三角形は相似である。
よって、正方形の1辺の長さをxと置き、上の正方形の右上の直角三角形の3辺を3y,4y,5yと置くと、
下の正方形の右の辺の下の部分(下の正方形の右下の直角三角形の1辺)の長さは、x-5y-3
よって、3:4:5の比を利用すると、右下の直角三角形の残りの2辺の長さは、
(5/4)(x-5y-3)と
(3/4)(x-5y-3)
よって、上の正方形の右の辺の残り部分の長さは、x-4y-(5/4)(x-5y-3)
=x-4y-5x/4+25y/4+15/4
=-x/4+9y/4+15/4
再び、3:4:5の比を利用すると、下に飛び出た直角三角形の斜辺の長さは、
(5/3)(-x/4+9y/4+15/4)
よって、下の正方形の下の辺で方程式を作ると、
(5/3)(-x/4+9y/4+15/4)+(3/4)(x-5y-3)+8=xが成り立つ。
∴-5x/12+15y/4+25/4+3x/4-15y/4-9/4+8=x
∴x+5x/12-3x/4=25/4-9/4+8
∴12x+5x-9x=75-27+96
∴8x=144 ∴x=18
よって、答えは、18

うまくyが相殺されるんですね。もうちょっとアレンジしてみましょう。
正方形の1辺の長さをx,上の正方形の右上の直角三角形の3辺を3y,4y,5y,下の正方形の右下の3辺を3z,4z,5zと置くと、下の正方形の右の辺より、
x=3+5y+4z・・・・・・①
また、上の正方形の右の辺の下の部分の長さは、x-4y-5zより、下に飛び出た直角三角形の斜辺の長さは、
(5/3)(x-4y-5z)
よって、下の正方形の下の辺より、
x=(5/3)(x-4y-5z)+8+3z・・・・・・②
ここで、聡明な人はもう一つ方程式を作らなければ解けないと思い、混乱してしまうかもしれない。そこで、愚直にとりあえず整理してみようとして、②の両辺に3を掛けると、
3x=5(x-4y-5z)+24+9z
∴3x=5x-20y-25z+24+9z
∴-2x+20y+16z=24
∴-x+10y+8z=12・・・・・・③
これを①と比較すると、y,zが消せる事に気が付くだろう。
つまり、①×2と③より、
2x=6+10y+8z
-x+10y+8z=12
—————————————
-x+2x-6=12
∴x=18
よって、答えは、18

運とあきらめない気持ちが大事な例でした。何でもありの解法は次回。

おまけ:
匿名さん (994klpn6)2025/5/27 07:51削除
問題
右図のように、2つの合同な正方形が重なっている。点A,Dは正方形の頂点、点B,C,Eは2辺の交点で、AB=3,CD=6,DE=8とする。
(1)CEの長さを求めなさい。
(2)正方形の1辺の長さを求めなさい。
(04 日大習志野)

図は上の添付ファイルを見て下さい。

何でもありの解法
下の正方形の左下の頂点をxy座標の原点に置き、横の辺をx軸,縦の辺をy軸に取り、下の正方形の右上の直角三角形の残りの頂点をFとすると、FB∥CEでCEの傾きが6/(-8)=-3/4より、直線FBの傾きは-3/4
また、A(a,a),B(a,a-3)と置けるので、直線FBの方程式は、
y-(a-3)=(-3/4)(x-a)
∴4y-4(a-3)=-3(x-a)
∴4y-4a+12=-3x+3a
∴3x+4y-7a+12=0
また、C(0,6)より、点Cと直線FBの距離は、点と直線の距離の公式(ヘッセの公式)より、
d=|3・0+4・6-7a+12|/√(3²+4²)
これが正方形の1辺の長さと等しいので、
|24-7a+12|/5=aが成り立つ。
∴|-7a+36|=5a
∴-7a+36=±5a
∴12a=36または2a=36
∴a=3,18
ところで、a>8より、a=18
よって、正方形の1辺の長さは、18

地道に中3数学で座標の別解を作っても良いが、面白くないので省略。受験生は一応、作っておいた方が良いかもしれない。座標はうまくはまれば(邪道な)必殺技ですよね。

次回はこれを証明して下さい。

△ABCの垂心をHとする。Hの各辺による、対称点をDEFとする。△DEFの内心が、Hに一致するので、△ABC(H)=△DEF(I)
No.2690 ks 5月26日 10:58
引用元:https://bbs1.rocketbbs.com/shochandas/posts/2679

一応、問題の形にしておきますね。

問題
鋭角△ABCの垂心をHとする。Hの各辺による、対称点をDEFとする。△DEFの内心が、Hに一致する事を証明して下さい。

中3数学で証明出来ます。私は今朝2,3分でチャチャっと証明しましたが、こういうのは作る方がはるかに難しいです。因みに、検索はしていないので既存のものかどうかは知りません。

おまけ:
返信
返信4
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/26 13:31 (No.1447986)削除
次の文章を完全解説して下さい。

定理8
Gの部分集合Aについて
AA^-1⊆A
が成り立つとき、Aは部分群である。
証明
a∈A,a^-1∈A^-1のとき、aa^-1=eはAに含まれる。
Aの任意の要素aに対し、e∈A,a^-1∈A^-1であるから
ea^-1=a^-1∈A
つまりその逆元a^-1がAに含まれる。Aの任意の要素bに対して、
b^-1∈A,(b^-1)^-1=b∈A^-1
したがって、Aの任意の要素aとの積は
ab∈AA^-1⊆A
だからAの任意の2要素の積はまたAに含まれる。したがってAはGの部分群である。
「代数的構造」遠山啓著より

今回は簡単ですが、厳密に解説して下さい。例えば、「Gの部分集合Aについて」は厳密には「群G」と書かなければならないとか。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/26 16:02削除
解説
>a∈A,a^-1∈A^-1のとき、aa^-1=eはAに含まれる。

a∈A,a^-1∈A^-1の両辺同士を掛け合わせると、aa^-1∈AA^-1
ここで、条件より、AA^-1⊆Aなので、
e=aa^-1∈AA^-1⊆A ∴e∈A
よって、集合Aには単位元eが含まれているという事。

>Aの任意の要素aに対し、e∈A,a^-1∈A^-1であるから
ea^-1=a^-1∈A
つまりその逆元a^-1がAに含まれる。

前回より、e∈A 
また、条件より、a^-1∈A^-1
この両辺を掛け合わせると、
ea^-1∈AA^-1
また、条件よりAA^-1⊆Aなので、
ea^-1∈AA^-1⊆A
∴a^-1∈A
よって、集合Aには任意の元aの(全ての元の)逆元が含まれているという事。

>Aの任意の要素bに対して、
b^-1∈A,(b^-1)^-1=b∈A^-1

p.71に、
「(4)Gの任意の要素aに対して、aa^-1=eとなるようなa^-1がGに含まれる。a^-1をaの逆元という。」
「代数的構造」遠山啓著より

とあり、このaにb^-1を当てはめると、
(b^-1)(b^-1)^-1=e
この両辺に左からbを掛けると、
b(b^-1)(b^-1)^-1=be
∴(bb^-1)(b^-1)^-1=b
∴e(b^-1)^-1=b
∴(b^-1)^-1=b
ここで、b^-1∈Aより、(b^-1)^-1∈A^-1
よって、b=(b^-1)^-1∈A^-1より、
b∈A^-1

>したがって、Aの任意の要素aとの積は
ab∈AA^-1⊆A
だからAの任意の2要素の積はまたAに含まれる。

a∈A,b∈A^-1
この両辺を掛け合わせると、
ab∈AA^-1
また、条件より、AA^-1⊆Aなので、
ab∈AA^-1⊆A
∴ab∈A
よって、Aの任意の2元の積がAに含まれているので、集合Aは演算について閉じているという事。

>したがってAはGの部分群である。

p.71に、
§2 群の定義
以上の準備をした上で群の厳密な定義をしておこう。
(1)集合G={a₁,a₂,…,an,…}は有限もしくは無限の集合でその上に2変数の関数φ(a,b)=cが定義され、その値は常にGに属する。このφ(a,b)=cをab=cで表わす。
(2)任意の3要素a,b,cに対して結合法則が成立する。
(ab)c=a(bc)
(3)Gはae=ea=aなる要素eを含む。
このようなeを単位元という。
(4)Gの任意の要素aに対して、aa^-1=eとなるようなa^-1がGに含まれる。a^-1をaの逆元という。
以上4つの条件を満たす集合Gを群という。
「代数的構造」遠山啓著より

とあり、上で、
「よって、集合Aには単位元eが含まれているという事。」
「よって、集合Aには任意の元aの(全ての元の)逆元が含まれているという事。」
「集合Aは演算について閉じているという事。」
という事を示したので、(3),(4),(1)を満たしたという事。念のため、(1)の関数φが演算という事で「その値は常にGに属する」が閉じているという事である。
つまり、あと(2)を満足させる必要があるのだが、Aは群Gの部分集合でGは群なので(2)を満たしている。つまり、Gの元は全て結合法則が成り立つので、その部分集合のAの元も全て結合法則が成り立つという事。
よって、AはGの部分集合で上の(1)~(4)をすべて満たしているので、Gの部分群であるという事。

おまけ:
https://x.com/matsuke88324572/status/1870090640933171236

https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12904049190.html
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/23 16:12 (No.1446214)削除
問題
一辺の長さがaの正三角形ABCがある。右図のように、△ABCの内部の勝手な点Pから各辺に下ろした垂線をそれぞれPX,PY,PZとする。
(1)PX+PY+PZの値を求めなさい。
(05 巣鴨)
(2)AX+BY+CZの値を求めなさい。
(00 樟蔭)

図の解説は、読めば分かるので省略。(1)は有名問題ですね。2通り作れますが、その1つの定石を知らないと(2)は難しいかもしれません。
因みに、参考書には「(1)も(2)も’有名問題’なので、経験の有無が大きく影響しそうです」とあります。

おまけ:https://www.nicovideo.jp/watch/sm870339

https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11277965790.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/24 08:00削除
問題
一辺の長さがaの正三角形ABCがある。右図のように、△ABCの内部の勝手な点Pから各辺に下ろした垂線をそれぞれPX,PY,PZとする。
(1)PX+PY+PZの値を求めなさい。
(05 巣鴨)
(2)AX+BY+CZの値を求めなさい。
(00 樟蔭)

模範解答
(1)△ABC=△PAB+△PBC+△PCAより、
(1/2)×a×{(√3/2)a}=(1/2)×a×PX+(1/2)×a×PY+(1/2)×a×PZ
=(1/2)×a×(PX+PY+PZ)
∴PX+PY+PZ=(√3/2)a・・・・・・㋐
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

(1)の別解(私の別解)
Pから各辺と平行な直線を引き、辺BC,CA,ABとの交点を定めると、PX,PY,PZの周りにはそれぞれ正三角形が出来、PX,PY,PZはそれぞれの正三角形の高さになる。
また、頂点BとPの所と頂点CとPの所に平行四辺形が出来、PXの周りに正三角形の1辺がBC上に移され、PZの周りの正三角形の1辺もBC上に移される。つまり、PYの周りの正三角形の1辺の合わせて、3つの正三角形の1辺の長さの和は辺BCの長さと等しい。
そして、PX+PY+PZはそれぞれの正三角形の高さの和より、=正三角形ABCの高さ(同じ比率だから)となる。
よって、答えは、(√3/2)a

この定石を使うと(2)も解ける。

(2)右図のように、Pを通って△ABCの各辺に平行な線を引き、できた小正三角形(網目部)の1辺の長さをx,y,zとする(注:PからACと平行な直線を引きABとの交点をD,PからABと平行な直線を引きACとの交点をE,PからBCと平行な直線を引きAB,ACとの交点をそれぞれG,Fとし、PXの周りの正三角形の1辺の長さをx,PYの周りの正三角形の1辺の長さをy,PZの周りの正三角形の1辺の長さをzとした図)。
このとき、AX=AD+DX=z+x/2
同様に、BY=x+y/2,CZ=y+z/2
∴AX+BY+CZ=(3/2)(x+y+z)・・・・・・①
ここで、x+y+z=DG+GB+AD=AB=aであるから、①=(3/2)a
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
PからABと平行な直線とBCとの交点をH,PからACと平行な直線とBCとの交点をIとすると、四角形PDAEと四角形PGBHと四角形PFCIはそれぞれ平行四辺形になる。

>AX=AD+DX=z+x/2

四角形PDAEが平行四辺形より、
AD=EP=zでDX=PD/2=x/2だから。

>同様に、BY=x+y/2,CZ=y+z/2

その通り。

>x+y+z=DG+GB+AD=AB=a

四角形PGBHが平行四辺形より、
y=PH=GB
また、四角形PDAEが平行四辺形より、
z=EP=AD
また、x=DGより、
x+y+z=DG+GB+AD=AB=a

定石を知らないとちょっと苦しいと思います。いや、ダメでしょう。

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/23 11:47 (No.1446119)削除
次の文章を完全解説して下さい。

部分集合の乗法
 これまでの議論をわかりやすくするために、新しい乗法の記号を導入する。 群Gの部分集合を、A,B,C,…としよう。このとき、Aの任意の要素aとBの任意の要素bの積abのすべての集合をABで表わす。このとき、
(AB)C=A(BC)
が成り立つことは明らかであろう。
 またAの任意の要素aの逆a^-1のすべての集合をA^-1で表わすことにしよう。 
 AがGの部分群であるとき、
A=A^-1,AA^-1=A
が成り立つことは明らかであろう。
「代数的構造」遠山啓著より

一応、(AB)C=A(BC)とA=A^-1,AA^-1=Aを証明してみて下さい。因みに、私はチャチャっと何も見ないで示してみましたが、正しいかどうかは自分では断定出来ません。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/23 13:23削除
部分集合の乗法
 これまでの議論をわかりやすくするために、新しい乗法の記号を導入する。 群Gの部分集合を、A,B,C,…としよう。このとき、Aの任意の要素aとBの任意の要素bの積abのすべての集合をABで表わす。このとき、
(AB)C=A(BC)
が成り立つことは明らかであろう。
 またAの任意の要素aの逆a^-1のすべての集合をA^-1で表わすことにしよう。 
 AがGの部分群であるとき、
A=A^-1,AA^-1=A
が成り立つことは明らかであろう。
「代数的構造」遠山啓著より

(AB)C=A(BC)の証明
「Aの任意の要素aとBの任意の要素bの積abのすべての集合をABで表わす」より、
AB={ab|a∈A,b∈B}と置ける。
∴(AB)C={(ab)c|a∈A,b∈B,c∈C}
ところで、A,B,CはGの部分集合なのでa,b,cはGの元で、Gは群で結合法則が成り立つので、(ab)c=a(bc)が成り立つ。
∴(AB)C={(ab)c|a∈A,b∈B,c∈C}
={a(bc)|a∈A,b∈B,c∈C}
=A(BC)
∴(AB)C=A(BC)

A=A^-1,AA^-1=Aの証明
今回の条件よりAはGの部分群で、群だからAの全ての元には逆元が存在するので、
A=A^-1である。
ここで、AA^-1を作り、A^-1=Aを代入すると、AA^-1=AA⊂A(Aは群で演算に関して閉じているから。)
∴AA^-1⊂A・・・・・・①
また、AA^-1⊃A(集合A^-1を単位元と考えた場合のみA=Aでそれ以外の元が存在する事は明らかなので、A⊇Aという事。)
∴AA^-1⊃A・・・・・・②
①,②より、AA^-1=A

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/21 22:40 (No.1445481)削除
問題
一辺の長さが1の正六角形ABCDEFの辺BC,DE上にそれぞれ点P,Qをとって三角形APQをつくるとき、三角形APQの三辺の長さの和の最小値とそのときの線分BP,DQの長さを求めなさい。
(99 甲陽学院)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/22 07:58削除
問題
一辺の長さが1の正六角形ABCDEFの辺BC,DE上にそれぞれ点P,Qをとって三角形APQをつくるとき、三角形APQの三辺の長さの和の最小値とそのときの線分BP,DQの長さを求めなさい。
(99 甲陽学院)

模範解答
直線BC,DEに関するAの対称点をそれぞれA',A''とすると、
AP+PQ+QA=A'P+PQ+QA''
≧A'A''・・・・・・①
ここで等号は、A'-P-Q-A''が一直線(P=P₀,Q=Q₀)のときに成り立つ(注:直線にした時のPをP₀,QをQ₀にするという事)。
ところで、右図(注:正六角形ABCDEFと点A',A''を定め、CBの延長とAA'との交点をM,A'Aの延長上にA''から下ろした垂線の足をGとし、DEの延長とA''Gとの交点をHとした図)において、
AA'=AB×√3=√3・・・・・・②
AA''=2AE=2AA'=2√3
また、△AA''Gはは30°定規の形であるから、
AG=AA''×(1/2)=√3・・・・・・③
A''G=AG×√3=3・・・・・・④
∴A'G=②+③=2√3・・・・・・⑤
∴①=√(④²+⑤²)=√21
次に、△A'MP₀∽△A'GA''より、
P₀M=A'M×(A''G/A'G)
=(√3/2)×(3/2√3)=3/4・・・・・・⑥
∴BP₀=P₀M-BM=3/4-1/2=1/4
さらに、上図において、△ADE≡△A''HEより、A''H=AD=2
また、AI=⑥×2=3/2より、ID=1/2
よって、△IDQ₀∽△A''HQ₀の相似比は、
ID:A''H=1:4
∴DQ₀=DH×1/(1+4)=2×(1/5)
=2/5
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
>直線BC,DEに関するAの対称点をそれぞれA',A''とすると、
AP+PQ+QA=A'P+PQ+QA''
≧A'A''・・・・・・①
ここで等号は、A'-P-Q-A''が一直線(P=P₀,Q=Q₀)のときに成り立つ。

最短距離の定石である。(基本的には同じだが、私の解法は次回。)

>AA'=AB×√3=√3・・・・・・②
AA''=2AE=2AA'=2√3
また、△AA''Gはは30°定規の形であるから、
AG=AA''×(1/2)=√3・・・・・・③
A''G=AG×√3=3・・・・・・④
∴A'G=②+③=2√3・・・・・・⑤
∴①=√(④²+⑤²)=√21

「右図(注:正六角形ABCDEFと点A',A''を定め、CBの延長とAA'との交点をM,A'Aの延長上にA''から下ろした垂線の足をGとし、DEの延長とA''Gとの交点をHとした図)」
を描くと、△BAA'は頂角が120°の二等辺三角形より2辺比は1:√3でAB=1より、
AA'=√3という事。
また、3点A,E,A''は一直線上にありDE⊥AA'',AA''=2AEである。また、∠FAE=∠FAG=30°より∠A''AG=30°×2=60°よって、△AA''Gは1:2:√3の直角三角形である。
∴AG=AA''×(1/2)=AE=√3
∴A''G=AG×√3=3
∴A'G=AA'+AG=√3+√3=2√3
よって、△A'A''Gで三平方の定理を使うと、
A'A''=√{3²+(2√3)²}=√21

続きは次回。その時は私の解法も。

おまけ:
https://aanii.net/peppermint-jack-arabesque/
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/23 07:59削除
問題
一辺の長さが1の正六角形ABCDEFの辺BC,DE上にそれぞれ点P,Qをとって三角形APQをつくるとき、三角形APQの三辺の長さの和の最小値とそのときの線分BP,DQの長さを求めなさい。
(99 甲陽学院)

解説の続きは、読めば分かるので省略。

私の解法
辺BCの左横に合同な正六角形を描き、その真上の頂点をA'とし、DEの右下にも合同な正六角形を描き、右下の点をA''とすると、対称性よりAP=A'P,AQ=A''Qとなるので、
AP+PQ+AQ=A'P+PQ+A''Q
で、折れ線A'PQA''が直線になる時がAP+PQ+AQの長さが最小になる場合である。
そこで、CDを水平にして、折れ線A'BCDE□A''(□は右下に描いた正六角形の右上の点)を抜き書きすると、正六角形の半分の形をでこぼこにつなげたような形である。
よって、CD=1,DA''=2はすぐ分かる(正六角形は小さな正三角形を6個組み合わせた形)。
また、△BA'Cは頂角が120°の二等辺三角形でBA'=1より、A'C=√3
また、DCの延長上にA'から垂線を下ろしその足をHとすると、∠A'CH=60°-30°=30°より△A'CHは1:2:√3の直角三角形になるので、HC=(√3/2)A'C=3/2
∴A''H=1+2+3/2=9/2
また、A'H=A'C/2=√3/2
よって、△A'A''Hで三平方の定理を使うと、
A'A''=√{(9/2)²+(√3/2)²}
=√(84/4)=√21
よって、最小値は√21
また、A'B∥CA''より△PA'B∽△PA''Cで相似比A'B:A''C=1:3
∴BP=(1/4)BC=1/4
また、A'E∥DA''より△QA'E∽△QA''Dで相似比A'E:A''D=1+2:2=3:2
∴DQ=(2/5)DE=2/5

因みに、参考書の模範解答には補足として「ここからの、DQ₀を求める部分が難しい」とあるので、私の解法の方が楽だと思います。

おまけ:
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14137538834

https://www.uta-net.com/song/348908/
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/23 10:35削除
おまけ
自動翻訳してみました。

Rock me after midnight
I wanna be just like a baby
Rock me after midnight
Tell me a fairytale
That love not for sale

Look at the lives that I live
I'm hooked and money you give for my love
I'll pay there is no other way
To buy me what I need to go on
Who knows for how long

Rock me after midnight
I wanna be just like a baby
Rock me after midnight
Tell me a fairytale
That love not for sale

Love is a word I had banned
I mean love like I thought it was meant long ago
Today since you kissed me this way
I know that if I follow you now
I'll find the way out

Rock me after midnight
I wanna be just like a baby
Rock me after midnight
Tell me a fairytale
That love not for sale

Rock me after midnight
Rock me

Rock me after midnight
Rock me

Rock me after midnight
I wanna be just like a baby
Rock me after midnight
Tell me a fairytale
That love not for sale

Rock me after midnight
I wanna be just like a baby
Rock me after midnight
Tell me a fairytale
That love not for sale
引用元:https://www.kkbox.com/jp/ja/song/4kE32Az_WkaL-slqyb(ただし、上から9行目の「To buy me what ineed to go on」は「To buy me what I need to go on」に訂正させて頂きましたが、真相は分かりません。因みに、他のサイトも全部「To buy me what ineed to go on」です。検索レベルでは「ineed」なんて単語は存在しませんが、語学は文法だけじゃありませんからね。)

真夜中過ぎても私を揺らして
赤ちゃんみたいになりたい
真夜中過ぎても私を揺らして
おとぎ話を教えて
その愛は売り物じゃない

私の生き方を見て
私は夢中よ、あなたが私の愛のためにくれるお金
払うわ、他に方法はないの
私が生きていくために必要なものを買うために
どれくらい続くかなんて誰にもわからない

真夜中過ぎても私を揺らして
赤ちゃんみたいになりたい
真夜中過ぎても私を揺らして
おとぎ話を教えて
その愛は売り物じゃない

愛とは私が禁じていた言葉
ずっと前に思っていたような愛
今日、あなたがこうして私にキスをしてくれたから
今あなたについていけば
抜け道が見つかるってわかってる

真夜中過ぎても私を揺らして
赤ちゃんみたいになりたい
真夜中過ぎても私を揺らして
おとぎ話を教えて
その愛は売り物じゃない

真夜中過ぎても私を揺らして
私を揺らして

真夜中過ぎても私を揺らして
私を揺らして

真夜中過ぎても私を揺らして
私は赤ちゃんみたいになりたい
真夜中過ぎても私を揺らして
おとぎ話を教えて
その愛は売り物じゃない

真夜中過ぎても私を揺らして
赤ちゃんみたいになりたい
真夜中過ぎても私を揺らして
おとぎ話を教えて
その愛は売り物じゃない
https://translate.google.co.jp/?hl=ja&sl=auto&tl=ja&text=Rock%20me%20after%20midnight%20%0AI%20wanna%20be%20just%20like%20a%20baby%0ARock%20me%20after%20midnight%20%0ATell%20me%20a%20fairytale%0AThat%20love%20not%20for%20sale%0A%0ALook%20at%20the%20lives%20that%20I%20live%0AI%27m%20hooked%20and%20money%20you%20give%20for%20my%20love%0AI%27ll%20pay%20there%20is%20no%20other%20way%0ATo%20buy%20me%20what%20I%20need%20to%20go%20on%0AWho%20knows%20for%20how%20long%0A%0ARock%20me%20after%20midnight%20%0AI%20wanna%20be%20just%20like%20a%20baby%0ARock%20me%20after%20midnight%20%0ATell%20me%20a%20fairytale%0AThat%20love%20not%20for%20sale%0A%0ALove%20is%20a%20word%20I%20had%20banned%0AI%20mean%20love%20like%20I%20thought%20it%20was%20meant%20long%20ago%0AToday%20since%20you%20kissed%20me%20this%20way%0AI%20know%20that%20if%20I%20follow%20you%20now%0AI%27ll%20find%20the%20way%20out%0A%0ARock%20me%20after%20midnight%20%0AI%20wanna%20be%20just%20like%20a%20baby%0ARock%20me%20after%20midnight%20%0ATell%20me%20a%20fairytale%0AThat%20love%20not%20for%20sale%0A%0ARock%20me%20after%20midnight%20%0ARock%20me%0A%0ARock%20me%20after%20midnight%20%0ARock%20me%0A%0ARock%20me%20after%20midnight%20%0AI%20wanna%20be%20just%20like%20a%20baby%0ARock%20me%20after%20midnight%20%0ATell%20me%20a%20fairytale%0AThat%20love%20not%20for%20sale%0A%0ARock%20me%20after%20midnight%20%0AI%20wanna%20be%20just%20like%20a%20baby%0ARock%20me%20after%20midnight%20%0ATell%20me%20a%20fairytale%0AThat%20love%20not%20for%20sale%0A%0A&op=translate
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返信3
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/22 13:32 (No.1445716)削除
次の文章を完全解説して下さい。

命題 10.2(1つの入れ換えで生成される多項式の群)
pを素数とし、1の原始p乗根ζは定数であるとする。多項式f(x)の群Gfが1つの入れ換えσのべきσ^i(i=0,1,・・・,p-1 全部でp個)からなるとする。このとき、「f(x)の根がx^p-aの根の式で表される」ような定数aが存在する。とくにf(x)の根の式はすべてaのべき根の式で表される。

この命題を証明しましょう。f(x)の原始元を1つとり、例えばβと表し、Gfを生成する入れ換えσにより、
γi=β+σ(β)ζ^i+σ²(β)ζ^2i+…+σ^(p-1)(β)ζ^(p-1)i(i=0,1,・・・,p-1)
とおきます。これはラグランジュやガウスがべき根で解を求める際に利用した方法です。σ(γi)を計算すると
σ(γi)=σ(β)+σ²(β)ζ^i+σ³(β)ζ^2i+…+σ^p(β)ζ^(p-1)i
=ζ^-i(σ(β)ζ^i+σ²(β)ζ^2i+σ³(β)ζ^3i+…+σ^p(β)ζ^pi)
=ζ^-i・γi(∵σ^p(β)=β,ζ^p=1)
となります。したがってγi^pはσで不変です:
σ(γi^p)=(γiζ^-i)^p=γi^pζ^-ip=γi^p
よってγi^p(i=0,1,・・・,p-1)は定数です。もしγi≠0かつi≠0ならばσ^k(γi)=γiζ^-ik≠γi(k=1,・・・,p-1)です。ゆえにγiを不変にする入れ換えは恒等入れ換えしかなく、ガロワ対応より、γiの式全体はf(x)の根の式全体に一致します。
したがって命題の証明を完成させるには、γ₁,…,γp-1のなかに0でないものがあれば十分です。
1+ζ+ζ²+…+ζ^(p-1)=0より
γ₀+γ₁+…+γp-1=pβ
∴γ₁+…+γp-1=pβ-γ₀
となります。右辺のpβ-γ₀は定数ではありません。なぜならばβは定数でなく、γ₀は定数(σ(γ₀)=γ₀)だからです。とくにpβ-γ₀≠0なのでγ₁,…,γp-1の中に0でないものが存在します。以上で証明は終わりです。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。今回も大変だと思います。

おまけ:
https://x.com/hatsumimigaku/status/1682722158857031681
壊れた扉さん (994klpn6)2025/5/22 15:35削除
解説
>σ(γi)=σ(β)+σ²(β)ζ^i+σ³(β)ζ^2i+…+σ^p(β)ζ^(p-1)i
=ζ^-i(σ(β)ζ^i+σ²(β)ζ^2i+σ³(β)ζ^3i+…+σ^p(β)ζ^pi)
=ζ^-i・γi(∵σ^p(β)=β,ζ^p=1)

γi=β+σ(β)ζ^i+σ²(β)ζ^2i+…+σ^(p-1)(β)ζ^(p-1)i(i=0,1,・・・,p-1)の両辺にσを施すと、σはf(x)の根の入れ換えより、右辺は、
σ(β+σ(β)ζ^i+σ²(β)ζ^2i+…+σ^(p-1)(β)ζ^(p-1)i)
=σ(β)+σ²(β)ζ^i+σ³(β)ζ^2i+…+σ^p(β)ζ^(p-1)i
となる。(βはf(x)の原始元よりf(x)の根で表されるからσがかかり、ζは関係ないのでσがかからない。)
また、その式をζ^-iでくくると、
=ζ^-i(σ(β)ζ^i+σ²(β)ζ^2i+σ³(β)ζ^3i+…+σ^p(β)ζ^pi)
となり、σ^p(β)=β,ζ^p=1を代入すると、最後の項はσ^p(β)ζ^pi=βとなり、
γi=β+σ(β)ζ^i+σ²(β)ζ^2i+…+σ^(p-1)(β)ζ^(p-1)iと等しくなるという事。
∴σ(γi)=ζ^-i・γi
因みに、σ^p(β)=β,ζ^p=1は、βはf(x)の原始元よりf(x)の根の式で、σ^pはf(x)の根をp回入れ換えるので元に戻り恒等入れ換えだから、σ^p(β)=β
また、ζ^p=1はζが1の原始p乗根だから。

>したがってγi^pはσで不変です:
σ(γi^p)=(γiζ^-i)^p=γi^pζ^-ip=γi^p

σ(γi^p)=σ(γi)^pとして良い。根の入れ換えだから。(p乗してから根を入れ換えても、入れ換えてからp乗しても同じという事。)
∴σ(γi^p)={σ(γi)}^p=(γiζ^-i)^p
=γi^pζ^-ip=γi^p(ζ^p)^-i=γi^p

>よってγi^p(i=0,1,・・・,p-1)は定数です。

これは定理9.1(2)から。

定理9.1(基本定理)
重根を持たないd次多項式f(x)に対して、その根α₁,…,αdの入れ換えのなす群Gfであって、次の性質をみたすものがただ1つ存在する:
(1)は省略。
(2)α₁,…,αdの式に対して、その値は、Gfのどの元で根を入れ換えても変わらないとき、定数である。
この群Gfを多項式f(x)の群という。

σ(γi^p)=γi^pより、σで不変なので、σ^i(i=0,1,…,p-1)で不変だから(条件より、Gfは巡回群)。

>もしγi≠0かつi≠0ならばσ^k(γi)=γiζ^-ik≠γi(k=1,・・・,p-1)です。

上より、σ(γi)=ζ^-i・γiでσは括弧の中のものにζ^-iを付け加える。
∴σ^k(γi)={σ(γi)}^k={γiζ^-i}^k
=γiζ^-ik≠γi(k≠0,pだから。)

>ゆえにγiを不変にする入れ換えは恒等入れ換えしかなく、ガロワ対応より、γiの式全体はf(x)の根の式全体に一致します。

上より、σ^k(γi)≠γi(k=1,・・・,p-1)だからσの恒等変換以外の変換では全て不変にならないので、「γiを不変にする入れ換えは恒等入れ換えしかない」という事。
また、ガロワ対応で恒等入れ換えに対応する体は全ての根の式(全体)である。
つまり、γiはf(x)の根という事である。

>したがって命題の証明を完成させるには、γ₁,…,γp-1のなかに0でないものがあれば十分です。

上より、「よってγi^p(i=0,1,・・・,p-1)は定数です」とあり、前回の終わりから「つまり、γiはf(x)の根という事である」となったので、γiを変数xで表すと、x^p=a(定数)となり、xはf(x)の根となる。
つまり、「f(x)の根がx^p-aの根の式で表される」ような定数aが存在するという事である。(問題文から)
そして、その条件は「もしγi≠0かつi≠0」だったので、「γ₁,…,γp-1のなかに0でないものがあれば十分」という事になる。(1つでもあれば、γi^p=aとなりOKという事。)

>1+ζ+ζ²+…+ζ^(p-1)=0より
γ₀+γ₁+…+γp-1=pβ

γi=β+σ(β)ζ^i+σ²(β)ζ^2i+…+σ^(p-1)(β)ζ^(p-1)i(i=0,1,・・・,p-1)
これにi=0~p-1まで代入して総和を取ると、
γ₀=β+σ(β)+σ²(β)+…+σ^(p-1)(β)
γ₁=β+σ(β)ζ¹+σ²(β)ζ²+…+σ^(p-1)(β)ζ^(p-1)
γ₂=β+σ(β)ζ²+σ²(β)ζ⁴+…+σ^(p-1)(β)ζ^2(p-1)



γp-1=β+σ(β)ζ^(p-1)+σ²(β)ζ^2(p-1)+…+σ^(p-1)(β)ζ^(p-1)²

∴γ₀+γ₁+…+γp-1
=pβ+σ(β){1+ζ+ζ²+…+ζ^(p-1)}
+σ²(β){1+ζ²+ζ⁴+…+ζ^2(p-1)}
+・・・
+σ^(p-1)(β){1+ζ^(p-1)+ζ^2(p-1)+…+ζ^(p-1)²}———☆
また、1+ζ^(p-1)+ζ^2(p-1)+…+ζ^(p-1)²は、初項1,公比ζ^(p-1)の等比数列の和より、等比数列の和の公式より、
={1-(ζ^(p-1))^p}/{1-ζ^(p-1)}
={1-ζ^p(p-1)}/{1-ζ^(p-1)}
ところで、ζは1の原始p乗根よりζ^p=1
よって、1-ζ^p(p-1)=1-(ζ^p)^(p-1)
=1-1^(p-1)=1-1=0
∴1+ζ^(p-1)+ζ^2(p-1)+…+ζ^(p-1)²=0
よって、☆の式の右辺は初めの項以外は全て0である。
∴γ₀+γ₁+…+γp-1=pβ

因みに、「1+ζ+ζ²+…+ζ^(p-1)=0より
γ₀+γ₁+…+γp-1=pβ」の1+ζ+ζ²+…+ζ^(p-1)=0は不要である。

>右辺のpβ-γ₀は定数ではありません。なぜならばβは定数でなく、γ₀は定数(σ(γ₀)=γ₀)だからです。

βはf(x)の原始元で1つではないからである。また、上より「σ(γi)=ζ^-i・γi」でこれにi=0を代入すると、σ(γ₀)=γ₀だからγ₀は定数。(念のため、σ^k(k=0,1,…,p-1)で不変だからである。)

>とくにpβ-γ₀≠0なのでγ₁,…,γp-1の中に0でないものが存在します。

先の「γ₀+γ₁+…+γp-1=pβ」から、
γ₁+…+γp-1=pβ-γ₀で「pβ-γ₀は定数ではありません」ので、pβ-γ₀≠0とすると、γ₀+γ₁+…+γp-1≠0
よって、「γ₁,…,γp-1の中に0でないものが存在します」という事。
(γ₁,…,γp-1が全て0の場合はγ₀+γ₁+…+γp-1=0だから。そうじゃない場合は少なくとも1個は0じゃないから。)

おまけ:
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