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数学好きの人は、誰でも投稿して下さい。
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/25 12:06 (No.1395944)削除
次の文章を完全解説して下さい。

定理6.8
同じ個数の元からなる2つの有限体は同型である。

証明
q=p^r(r≧1)とし、KとK'を元の個数がqである体とする。体Kの乗法群をK*とし、巡回群K*の生成元をαとする。このとき、前に例6.3でみたようにK=Fp(α)である。f(X)をαのFp上の最小多項式とすれば、定理6.3より
Fp[X]/(f(X))≃Fp(α)=K
αはf(X)の根でありX^q-Xの根でもあるがf(X)は既約多項式であるから、補題2によりX^q-Xはf(X)で割り切れる。一方、X^q-Xは体K'の中で1次式の積に分解する(定理6.6)からf(X)はK'に根α'を持つ。すると、f(X)はα'のFp上の最小多項式でもあるから、再び定理6.3より
Fp[X]/(f(X))≃Fp(α')
ゆえにK≃Fp(α')となるので、Fp(α')はq個の元をもつ。Fp(α')はK'の部分集合であり、それぞれの元の個数が一致してqであるからFp(α')=K'でなければならない。したがって、K≃K'となる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

例6.3
定理6.1によれば有限体Lの乗法群L*は巡回群であるから、L*の生成元の1つをαとすればL*=<α>である。したがって、Lの任意の部分体Kに対してL=K(α)となっている。すなわち、有限体Lはその任意の部分体Kの単純拡大である。

定理6.1
有限体Kの0以外の元からなる乗法群K*は巡回群である。

定理6.3
体の拡大K⊂LでαはLの元とするとき、次のことが成り立つ。
(1)αがK上超越的であれば
σ:K[X]→K[α]⊂L(X→α)
は環同型写像であり、K[α]の商体K(α)はK上の有理関数体K(X)と同型である。
(2)αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とすると、写像
K[X]/(f(X))→K[α]⊂L(|X→α)
は同型写像であり、K[α]は体になる。すなわち、K[α]=K(α)となる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

定理6.6
Kをq個(q=p^r,r≧1)の元からなる体とすると、Kは多項式X^q-Xの互いに異なるq個の根で構成されている。したがって、X^q-XはK[X]の中で1次式の積に分解される。

適当に分かり易く解説して下さい。因みに、その後に素朴な疑問コーナーがあるので、お楽しみに。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/25 13:44削除
解説
>体Kの乗法群をK*とし、巡回群K*の生成元をαとする。このとき、前に例6.3でみたようにK=Fp(α)である。

例6.3
定理6.1によれば有限体Lの乗法群L*は巡回群であるから、L*の生成元の1つをαとすればL*=<α>である。したがって、Lの任意の部分体Kに対してL=K(α)となっている。すなわち、有限体Lはその任意の部分体Kの単純拡大である。

「L=K(α)となっている」のL→K,K→Fpとすれば納得出来るだろう。(例6.3の解説をしても良いが、今回はスルーしよう。)

>f(X)をαのFp上の最小多項式とすれば、定理6.3より
Fp[X]/(f(X))≃Fp(α)=K

定理6.3
体の拡大K⊂LでαはLの元とするとき、次のことが成り立つ。
(2)αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とすると、写像
K[X]/(f(X))→K[α]⊂L(|X→α)
は同型写像であり、K[α]は体になる。すなわち、K[α]=K(α)となる。

定理6.3の(2)を読めば分かるだろう。また、最後の=Kは上の「前に例6.3でみたようにK=Fp(α)である」からである。

>αはf(X)の根でありX^q-Xの根でもあるがf(X)は既約多項式であるから、補題2によりX^q-Xはf(X)で割り切れる。

「αはf(X)の根であり」は「f(X)をαのFp上の最小多項式とすれば」から分かり、「X^q-Xの根でもある」は定理6.6から分かる。

定理6.6
Kをq個(q=p^r,r≧1)の元からなる体とすると、Kは多項式X^q-Xの互いに異なるq個の根で構成されている。したがって、X^q-XはK[X]の中で1次式の積に分解される。

「巡回群K*の生成元をα」としているからである。また、「f(X)は既約多項式であるから、補題2によりX^q-Xはf(X)で割り切れる」は補題2を読めば自明である。

補題2
Kを体、αをKの拡大体Lの元であって、K[X]に属する既約多項式f(X)の根であるとする。このとき、K[X]の多項式g(X)がg(α)=0をみたせば、g(X)はf(X)で割り切れなければならない。

つまり、同じ根を持つ2つの方程式は、既約多項式の方がもう1つを割り切るという事。

>一方、X^q-Xは体K'の中で1次式の積に分解する(定理6.6)からf(X)はK'に根α'を持つ。

ここは次回。

>ゆえにK≃Fp(α')となるので、Fp(α')はq個の元をもつ。Fp(α')はK'の部分集合であり、それぞれの元の個数が一致してqであるからFp(α')=K'でなければならない。したがって、K≃K'となる。

「Fp[X]/(f(X))≃Fp(α)=K」と「再び定理6.3よりFp[X]/(f(X))≃Fp(α')」から、
K≃Fp(α')という事。
「Fp(α')はq個の元をもつ」はKがq個の元を持ち、それと同型だからq個の元を持つという事。(同型写像は全単射だから。)
「Fp(α')はK'の部分集合であり、それぞれの元の個数が一致してqであるからFp(α')=K'でなければならない」は、部分集合で元の個数が同じだから等しいという事。
また、「Fp(α')はK'の部分集合」は、「f(X)はK'に根α'をもつ」からα'∈K'でK'は体だから四則演算について閉じていて、Fp(α')⊂K'だから。

おまけ:
https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%A9%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%82%AA%E9%AD%94
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/25 15:59削除
解説の続き(素朴な疑問シリーズ)

定理6.8
同じ個数の元からなる2つの有限体は同型である。

証明
q=p^r(r≧1)とし、KとK'を元の個数がqである体とする。体Kの乗法群をK*とし、巡回群K*の生成元をαとする。このとき、前に例6.3でみたようにK=Fp(α)である。f(X)をαのFp上の最小多項式とすれば、定理6.3より
Fp[X]/(f(X))≃Fp(α)=K
αはf(X)の根でありX^q-Xの根でもあるがf(X)は既約多項式であるから、補題2によりX^q-Xはf(X)で割り切れる。一方、X^q-Xは体K'の中で1次式の積に分解する(定理6.6)からf(X)はK'に根α'を持つ。すると、f(X)はα'のFp上の最小多項式でもあるから、再び定理6.3より
Fp[X]/(f(X))≃Fp(α')
ゆえにK≃Fp(α')となるので、Fp(α')はq個の元をもつ。Fp(α')はK'の部分集合であり、それぞれの元の個数が一致してqであるからFp(α')=K'でなければならない。したがって、K≃K'となる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

>一方、X^q-Xは体K'の中で1次式の積に分解する(定理6.6)からf(X)はK'に根α'を持つ。

その前に「X^q-Xはf(X)で割り切れる」とあるので、X^q-X=f(X)Q(X)と置け、また、「X^q-Xは体K'の中で1次式の積に分解する」ので、X^q-X=X(X-1)(X-ζ)(X-ζ²)…(X-ζ^(q-2))と置ける。
∴f(X)Q(X)=X(X-1)(X-ζ)(X-ζ²)…(X-ζ^(q-2))(ζ,…,ζ^(p-2)∈K')
この右辺のどれかがα'で、f(α')Q(α')=0となるが、f(α')=0またはQ(α')=0である。
つまり、必ず「f(X)はK'に根α'を持つ」とは言えないのである。もちろん、f(α')=0の場合は上の続きで同型が言えるだろう。
しかし、それも本当に証明になっているのだろうか。その理由は「f(X)はα'のFp上の最小多項式でもあるから」と同じf(X)で議論しているが、例えば、例6.8。

例6.8
定理6.8により同じ個数の元からなる2つの有限体は同型であるが、この同型は一意に定まるものではないことを例示する。
F₂[X]/(X³+X+1)≃F₂[X]/(X³+X²+1)

同型の例である。
つまり、Q(α')=0の方で、Q(X)=X(X-1)g(X)と置くと、Q(α)=α(α-1)g(α)=0より、g(α)=0
このg(X)がX³+X²+1
f(X)がX³+X+1
に当たり、Q(α')=0の方を証明しなくてはいけないのではないだろうかという事。

補足
例6.6
F₈の素体はF₂であり、[F₈:F₂]=3である。F₈の元はF₂[X]の多項式X⁸-Xの根である。
X⁸-X=X(X-1)(X³+X+1)(X³+X²+1)
と分解されるが、右辺の各因子は既約である。(以下省略。)

多分、(すでに)他の証明法があると思いますが、それは専門家に任せましょう。なお、私のデタラメな勘違いでしたら、本当にすみません。(お詫びのしようもありませんが。)

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/22 22:02 (No.1394189)削除
問題
図のように、線分ABを直径とする半径2の円Oがある。線分OB上にOH=1となる点Hをとり、Hを通って直線ABに垂直な直線と円Oとの交点の1つをPとする。点Pにおける円Oの接線が直線ABと交わる点をQとする。また、直線HP上に点Iを線分IHの中点がPとなるようにとる。さらに、Qから線分IOに垂線をひき、IOとの交点をJとし、線分QJと円Oとの交点をRとする。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)線分OQの長さを求めなさい。
(2)線分OJの長さを求めなさい。
(3)線分IRの長さを求めなさい。
(05 東京学芸大付)

図の解説:円Oと直径ABを描き、OBの中点をHとし、HからOBに対して垂線を立て、円との交点をPとしその先にIP=PHとなる点Iを取りOIを結ぶ。
また、点Pにおける円Oの接線を引きABの延長との交点をQとし、QからOIに垂線を下ろしその足をJとし、QJと円との交点をRとする。また、IRを結び、円の半径が2の図。

因みに、(3)は別解が作れます。参考書は別解として使っていないが、アイデアは参考書のもの。また、面白くありませんが、何でもありなら簡単ですね。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/23 07:59削除
問題
図のように、線分ABを直径とする半径2の円Oがある。線分OB上にOH=1となる点Hをとり、Hを通って直線ABに垂直な直線と円Oとの交点の1つをPとする。点Pにおける円Oの接線が直線ABと交わる点をQとする。また、直線HP上に点Iを線分IHの中点がPとなるようにとる。さらに、Qから線分IOに垂線をひき、IOとの交点をJとし、線分QJと円Oとの交点をRとする。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)線分OQの長さを求めなさい。
(2)線分OJの長さを求めなさい。
(3)線分IRの長さを求めなさい。
(05 東京学芸大付)

図の解説:円Oと直径ABを描き、OBの中点をHとし、HからOBに対して垂線を立て、円との交点をPとしその先にIP=PHとなる点Iを取りOIを結ぶ。
また、点Pにおける円Oの接線を引きABの延長との交点をQとし、QからOIに垂線を下ろしその足をJとし、QJと円との交点をRとする。また、IRを結び、円の半径が2の図。

模範解答
(1)OP:OH=2:1より、
∠POH=60°∴OQ=OP×2=4・・・①
(2)二角相等で、△OHI∽△OJQ・・・②
ここで、(1)より、HP=√3
∴HI=HP×2=2√3
よって、②の3辺比は、1:2√3:√13
∴OJ=OQ×(1/√13)=①×(1/√13)
=4/√13=4√13/13・・・③
(3)(2)より、IJ=OI-OJ
=√13-①=9/√13
また、JR²=OR²-OJ²=2²-③²
=36/13
∴IR=√(IJ²+JR²)
=√(81/13+36/13)=3
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説は、読めば分かるので省略。
因みに、「(1)が(2)の、(2)が(3)のヒントだと思えれば、糸口がつかめそうです。なお、直角がたくさんあるので、主役は三平方です。」とありますが、(3)は三平方の定理を使わない別解も出来ます。もっとも、円の性質と√は中3の範囲なので、中2の難問には使えないですが。(注:範囲は私の中3の時の記憶で現在のものは知らない。)

腕に覚えがある人は挑戦してみて下さい。因みに、何でもありは高1の解法です。

おまけ:
詩百篇第1巻60番
一人の皇帝がイタリアの近くに生まれ、
帝国にとても高く売られるだろう。
彼がどのような人々に加わるのかと噂され、
君主というよりも肉屋と思われるであろう。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/653.html

詩百篇第8巻76番
イングランドにおいて国王よりも肉屋といえる、
陰気な場所で生まれた者が、力で帝国を手にするだろう。
信仰も法も持たない卑劣漢が領土から搾取するだろう。
彼の時代があまりにも近づいているので私は嘆息する。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/1673.html

念のため、別に意味はない。
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/24 07:55削除
問題
図のように、線分ABを直径とする半径2の円Oがある。線分OB上にOH=1となる点Hをとり、Hを通って直線ABに垂直な直線と円Oとの交点の1つをPとする。点Pにおける円Oの接線が直線ABと交わる点をQとする。また、直線HP上に点Iを線分IHの中点がPとなるようにとる。さらに、Qから線分IOに垂線をひき、IOとの交点をJとし、線分QJと円Oとの交点をRとする。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)線分OQの長さを求めなさい。
(2)線分OJの長さを求めなさい。
(3)線分IRの長さを求めなさい。
(05 東京学芸大付)

図の解説:円Oと直径ABを描き、OBの中点をHとし、HからOBに対して垂線を立て、円との交点をPとしその先にIP=PHとなる点Iを取りOIを結ぶ。
また、点Pにおける円Oの接線を引きABの延長との交点をQとし、QからOIに垂線を下ろしその足をJとし、QJと円との交点をRとする。また、IRを結び、円の半径が2の図。

(3)の別解(会えて三平方の定理を使わないバージョン)
∠IJQ=∠IHQ=90°より、4点I,J,H,Qは同一円周上にある。
よって、円周角より∠JIH=∠JQH=●と置く。また、∠OJQ=∠OPQ=90°(PQは接線よりOP⊥PQ)より、4点J,O,Q,Pも同一円周上にある。
よって、円周角より∠JPO=∠JQO=●
よって、∠JIH=∠JPO
よって、∠OIP=∠OPJ
また、∠IOPは共通より2角が等しいので、△IOP∽△POJ
∴IO:OP=PO:OJ
また、半径よりOP=ORを代入すると、
IO:OR=RO:OJ
また、∠JORは共通より二辺比と挟角が等しいので、△IOR∽△ROJ
∴∠IRO=∠RJO=90°
よって、直角と共有の角を考えると2角が等しいので、△ROI∽△JOR∽△JRI
よって、△JOR∽△JRIより、
OJ:JR=RJ:JIが成り立つ。
∴JR²=OJ・JI
ところで、(2)より、OJ=4√13/13
また、OI=√{1²+(2√3)²}=√13より、JI=√13-4√13/13=9√13/13 また、△ROI∽△JRIより、
OI:IR=RI:IJが成り立つので、
IR²=OI・JI=√13・9√13/13
=9 ∴IR=3

この解法のさらにアレンジ
∠OIP=∠OPJまでは同じ。
よって、∠JIP=∠OPJより、△PIJの外接円を想定すると接弦定理の逆により、OPはその円の接線になる。
よって、方べきの定理より、OP²=OJ・OI
また、半径よりOP=ORを代入すると、
OR²=OJ・OI
ところで、RJ⊥OIかつOR²=OJ・OIより、アーキタスの定理の逆により、△RIOは∠Rが直角の直角三角形である。
よって、アーキタスの定理を使うと、
IR²=IJ・IO=(9√13/13)・√13
=9 ∴IR=3

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/25 07:57削除
問題
図のように、線分ABを直径とする半径2の円Oがある。線分OB上にOH=1となる点Hをとり、Hを通って直線ABに垂直な直線と円Oとの交点の1つをPとする。点Pにおける円Oの接線が直線ABと交わる点をQとする。また、直線HP上に点Iを線分IHの中点がPとなるようにとる。さらに、Qから線分IOに垂線をひき、IOとの交点をJとし、線分QJと円Oとの交点をRとする。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)線分OQの長さを求めなさい。
(2)線分OJの長さを求めなさい。
(3)線分IRの長さを求めなさい。
(05 東京学芸大付)

図の解説:円Oと直径ABを描き、OBの中点をHとし、HからOBに対して垂線を立て、円との交点をPとしその先にIP=PHとなる点Iを取りOIを結ぶ。
また、点Pにおける円Oの接線を引きABの延長との交点をQとし、QからOIに垂線を下ろしその足をJとし、QJと円との交点をRとする。また、IRを結び、円の半径が2の図。

何でもありの解法
点Oをxy座標の原点に置き、ABを直交座標のx軸に取ると、H(1,0),P(1,√3),
I(1,2√3)と置ける。
(1)接線と円の中心との関係よりOP⊥PQで、直線OPの傾きが√3より直線PQの傾きは、-1/√3 また、点P(1,√3)を通るので、直線PQの方程式は、
y-√3=(-1/√3)(x-1)
∴y=(-1/√3)x+4/√3
よって、点Qの座標は、
0=(-1/√3)x+4/√3を解いて、x=4
∴OQ=4
(2)Q(4,0) また、直線OIの方程式はy=2√3xで、それと直交し点Q(4,0)を通る直線の方程式は、y=(-1/2√3)(x-4)
∴y=(-1/2√3)x+2/√3
よって、点Jの座標は、
2√3x=(-1/2√3)x+2/√3を解いて、
2√3x+(1/2√3)x=2/√3
計算省略で、x=4/13
∴y=2√3・(4/13)=8√3/13
∴J(4/13,8√3/13)
∴OJ=√{(4/13)²+(8√3/13)²}
=4√13/13(計算省略)
∴OJ=4√13/13
(3)点Rの座標は、円の方程式x²+y²=2²と直線JQの方程式y=(-1/2√3)x+2/√3を連立させて、
x²+{(-1/2√3)x+2/√3}²=4を解くと、計算省略で、13x²-8x-32=0となり、これを解の公式で解くと、計算省略で、
x=(4±12√3)/13となる。
Rのx座標は正より、x=(4+12√3)/13
よって、計算省略で、y=(-6+8√3)/13
∴R((4+12√3)/13,(-6+8√3)/13)
また、I(1,2√3)より、
IR=√[{(-9+12√3)/13}²+{(-6-18√3)/13}²]
=√{(81+432-216√3)/13²+(36+972-216√3)/13²}
=√(1521)/13=√(3・13)²/13
=3
∴IR=3

判別式の解法や微分の解法もあるが省略。

おまけ:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81%AE%E8%A9%A9%E8%A8%B3%E8%80%85%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6
返信
返信3
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/24 13:55 (No.1395127)削除
次の文章を完全解説して下さい。

命題(3.2.3)
線型空間Vが有限個の元で生成される⇔dimV<∞

証明
(⇒)基底の存在定理(3.2.1)の(ⅱ)による。
(⇐)明白。
「線型代数入門」有馬哲著より

定理(3.2.1)
Vを数体K上の線型空間,a₁,a₂,…,an∈Vとする。
(ⅰ)(基底の延長)
a₁,…,anの中でa₁,…,asが線型独立であるとする(1≦s≦n)。このとき、as+1,…,anの中から適当にとったai_s+1,…,ai_rをa₁,…,asにつけ加えて
a₁,…,as,ai_s+1,…,ai_rは線型独立
Ka₁+…+Kan=Ka₁+…+Kas+Kai_s+1+…+Kai_r
とすることができる(s≦r≦n)。
(ⅱ)(基底の存在)
a₁,…,anの中に0でないものがあるとする(n≧1)。このとき、a₁,…,anの一部ai₁,…,airを適当にとって
ai₁,…,airは線型独立
Ka₁+…+Kan=Kai₁+…+Kair
とすることができる。当然1≦r≦n
(ⅲ)(独立元のいれかえ)
b₁,…,br∈Ka₁+…+Kanかつb₁,…,brが線型独立ならば、a₁,…,anの中の適当なr個たとえば
a₁,…,arをb₁,…,brでおきかえて
Ka₁+…+Kan=Kb₁+…+Kbr+Kar+1+…+Kan
とすることができる。特にr≦nである。

適当に分かり易く解説して下さい。まぁ、普通はスルーでしょうね。因みに、別に面白くはないと思います。(どうでも良い事ですが、「有限固」と誤植になっています。(1993年10月30日第26刷))

おまけ:
https://www.msn.com/ja-jp/health/other/%E6%97%A5%E3%83%86%E3%83%AC%E3%81%AE%E4%B8%8A%E5%8F%B8%E3%81%AB-%E6%AF%8D%E8%A6%AA%E3%81%AE%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AF%E5%85%AC%E8%A1%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AA-%E3%81%A8%E8%A8%80%E3%82%8F%E3%82%8C-18%E6%AD%B3%E3%81%8B%E3%82%89-%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E3%81%AE%E6%AF%8D-%E3%82%92%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E3%81%97%E3%81%9F%E5%85%83%E6%97%A5%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%8A-%E7%94%BA%E4%BA%9E%E8%81%96-53-%E3%81%8C%E6%98%8E%E3%81%8B%E3%81%99-%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E7%94%9F%E6%B4%BB%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E5%91%A8%E5%9B%B2%E3%81%AE%E5%8F%8D%E5%BF%9C/ar-AA1zAIPq?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=b98f80e5a3ad4d51d401936a5d281a49&ei=23(介護の大変さは子育てと同じで経験者にしか分からないでしょう。因みに、私は26歳頃までに脳が委縮しているんじゃないかと思っています。ただし、頭を使う事によって脳の代替部が活性化しているんじゃないかと推測。)
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/24 16:05削除
命題(3.2.3)
線型空間Vが有限個の元で生成される⇔dimV<∞

証明
(⇒)基底の存在定理(3.2.1)の(ⅱ)による。
(⇐)明白。
「線型代数入門」有馬哲著より

解説
>(⇒)基底の存在定理(3.2.1)の(ⅱ)による。

定理(3.2.1)
Vを数体K上の線型空間,a₁,a₂,…,an∈Vとする。
(ⅱ)(基底の存在)
a₁,…,anの中に0でないものがあるとする(n≧1)。このとき、a₁,…,anの一部ai₁,…,airを適当にとって
ai₁,…,airは線型独立
Ka₁+…+Kan=Kai₁+…+Kair
とすることができる。当然1≦r≦n

また、基底の定義は、

定義
Vを数体K上の線型空間とする。Vの有限個の元b₁,b₂,…,bn(n≧1)の順序を考えた組を
<b₁,b₂,…,bn>
で表わす。順序を考えた組<b₁,b₂,…,bn>が次の二つの条件をみたすとき、これをVの基底または底と言う。
(1)b₁,b₂,…,bnは線型独立である。
(2)Vの任意の元はb₁,b₂,…,bnの線型結合である。すなわち
V=Kb₁+Kb₂+…+Kbn
「線型代数入門」有馬哲著より

「基底の存在定理(3.2.1)の(ⅱ)による」は、ちょっと無理がないですか? それより、次元の定義も持ち出して、

定義と命題(3.2.2)
数体K上の線型空間Vに対して
(ⅰ)V={0}のとき、Vは0次元であると言い、dimkV=0と書く。
(ⅱ)Vにn個の線型独立な元が存在し、n+1個以上の線型独立な元は存在しない⇔Vがn個の元よりなる基底を持つ
このときVはn次元であると言い、dimkV=nと書く。
(ⅲ)Vが有限次元でないとき、すなわちどんな自然数nに対してもn個の線型独立な元がVの中に存在するとき、Vは無限次元であると言い、dimkV=∞と書く。
「線型代数入門」有馬哲著より

命題(3.2.3)
線型空間Vが有限個の元で生成される⇔dimV<∞

線型空間Vが有限個の元で生成される⇒dimV<∞の証明
基底の定義の(2)より有限個をn個とするとn個の元は(1)より線型独立である。(命題3.2.3の有限個の元が線型独立とは限らないが、線型独立としても良い(生成するのに無駄がない状態)。)
よって、定義と命題(3.2.2)(ⅱ)より、線型空間Vはn次元である。∴dimV=n<∞(nは有限だから。)
よって、示された。

dimV<∞⇒線型空間Vが有限個の元で生成されるの証明

定義と命題(3.2.2)(ⅱ)より、Vは有限個の元よりなる基底を持つ。
よって、基底の定義の(2)より、線型空間Vが有限個の元で生成される

よって、示された。

基底の定義
(2)Vの任意の元はb₁,b₂,…,bnの線型結合である。すなわち
V=Kb₁+Kb₂+…+Kbn

念のため、これがVがb₁,b₂,…,bnで生成されているという状態。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/19 21:58 (No.1391843)削除
問題
図のように正方形CDEFの辺DE上にHをとり、CH,CF,EFとCH,CD,DHに接する2つの円をそれぞれP,Qとする。円P,Qの半径をそれぞれ4,3とするとき、正方形CDEFの一辺の長さを答えなさい。
(04 県立千葉)

図の解説:正方形の右下の頂点から反時計回りにCDEFと振り、辺DE上に点Hを取る。△CDHの内接円を描きその中心をQとし、3辺EF,FC,CHに接する円を描きその中心をPとすると、円Qの半径が3,円Pの半径が4となる図。

模範解答と似たような解答で解けましたが、全く別の解法も作ってみました。公立の問題にしては良問なのではないでしょうか。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/20 07:59削除
問題
図のように正方形CDEFの辺DE上にHをとり、CH,CF,EFとCH,CD,DHに接する2つの円をそれぞれP,Qとする。円P,Qの半径をそれぞれ4,3とするとき、正方形CDEFの一辺の長さを答えなさい。
(04 県立千葉)

図の解説:正方形の右下の頂点から反時計回りにCDEFと振り、辺DE上に点Hを取る。△CDHの内接円を描きその中心をQとし、3辺EF,FC,CHに接する円を描きその中心をPとすると、円Qの半径が3,円Pの半径が4となる図。

模範解答
右図のように点Gをとる(注:FEの延長とCHの交点をGとする)。
ここで、△GFC∽△CDHであり、相似比は、それらの内接円の半径の比に等しいから、4:3
よって、FC=4aとおくと、DH=3a
このとき、DC(=FC)=4aであるから、CH=5aである。
右図(注:円QとDH,DCとの接点をそれぞれI,Jとした図)で、
DI(=DJ)=(DH+DC-CH)/2(注:公式だが下で解説する)であるが、四角形QJDIは正方形であるから、3=(3a+4a-5a)/2 ∴a=3
よって、正方形の一辺の長さは、4a=12
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
>DI(=DJ)=(DH+DC-CH)/2

直角三角形に限らず、任意の三角形と内接円で成り立つ公式である。一応、公式を使わない方法で求めてみよう(それが公式の導き方である)。
円と接線の関係より、DI=DJ=xと置くと、CJ=DC-x,HI=DH-x
ここで、円Q(内接円)とCHとの接点をKとすると、円と接線の関係より、
CK=CJ=DC-x———① 
HK=HI=DH-x———②
また、CH=CK+HK———③
①,②を③に代入すると、
CH=(DC-x)+(DH-x)
∴2x=DH+DC-CH
∴x=(DH+DC-CH)/2
∴DI=DJ=(DH+DC-CH)/2

>四角形QJDIは正方形であるから、3=(3a+4a-5a)/2 ∴a=3

四角形CDEFは正方形より∠D=90°
また、円の中心と接線との関係より、QI⊥DH,QJ⊥DC
よって、四角形QJDIは3直角より長方形で、半径より隣り合う2辺の長さが等しいので正方形である。∴DI=QI=3
また、DI=(DH+DC-CH)/2
=((3a+4a-5a)/2より、
3=(3a+4a-5a)/2という事。

私の解法1
右図のように点Gをとる(注:FEの延長とCHの交点をGとする)。
ここで、△GFC∽△CDHであり、相似比は、それらの内接円の半径の比に等しいから、4:3
よって、FC=4aとおくと、DH=3a
このとき、DC(=FC)=4aであるから、CH=5aである。
右図(注:円QとDH,DCとの接点をそれぞれI,Jとした図)で、
ここまでは同じ。
△DHCの面積を2通りで求めると、
△DHC=△QDH+△QCD+△QHC
=3a×3×(1/2)+4a×3×(1/2)+5a×3×(1/2)=18a———①
△DHC=DH×DC×(1/2)=3a×4a×(1/2)=6a²———②
①,②より、6a²=18a
a≠0より、a=3
よって、正方形の一辺の長さは、4a=12

私の別解は次回。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/21 07:57削除
問題
図のように正方形CDEFの辺DE上にHをとり、CH,CF,EFとCH,CD,DHに接する2つの円をそれぞれP,Qとする。円P,Qの半径をそれぞれ4,3とするとき、正方形CDEFの一辺の長さを答えなさい。
(04 県立千葉)

図の解説:正方形の右下の頂点から反時計回りにCDEFと振り、辺DE上に点Hを取る。△CDHの内接円を描きその中心をQとし、3辺EF,FC,CHに接する円を描きその中心をPとすると、円Qの半径が3,円Pの半径が4となる図。

私の別解1
円PとCF,CHとの接点をそれぞれS,T
円QとCH,CDとの接点をそれぞれU,V
とし、正方形の1辺の長さをxと置くと、円と接線の関係より、
CT=CS=x-4,CU=CV=x-3
∴UT=x-3-(x-4)=1
ここで、DFとCHの交点をIとすると、PT⊥CH,QU⊥CHと対頂角より△PITと△QIUは相似な直角三角形で相似比は4:3である。
∴TI=(4/7)UT=4/7———①
また、PT=4———②
ところで、対称性より4点F,P,Q,Dは一直線上にあり、
PQ=√2x-4√2-3√2
=√2x-7√2=√2(x-7)
∴PI=(4/7)PQ=4√2(x-7)/7———③
①,②,③より、△PITで三平方の定理を使うと、
(4/7)²+4²={4√2(x-7)/7}²
∴1/49+1=2(x-7)²/49
∴50=2(x-7)² ∴(x-7)²=25
∴x-7=±5 ∴x=12,2
x>3より、x=12
よって、答えは、12

別解2は解法1の系。模範解答のようにすぐに思い付く人は良いが、そうじゃない人のための解法。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/22 07:50削除
問題
図のように正方形CDEFの辺DE上にHをとり、CH,CF,EFとCH,CD,DHに接する2つの円をそれぞれP,Qとする。円P,Qの半径をそれぞれ4,3とするとき、正方形CDEFの一辺の長さを答えなさい。
(04 県立千葉)

図の解説:正方形の右下の頂点から反時計回りにCDEFと振り、辺DE上に点Hを取る。△CDHの内接円を描きその中心をQとし、3辺EF,FC,CHに接する円を描きその中心をPとすると、円Qの半径が3,円Pの半径が4となる図。

私の別解2
DFとCHの交点をIとすると正方形と円の対称性より、5点F,P,I,Q,Dは一直線上にある。
ここで、正方形の1辺の長さをxと置いて、PQの所に直角二等辺三角形を作ると、
PQ=√2(x-3-4)=√2(x-7)
また、対頂角と直角の2角が等しいので、△PIT∽△QIUで相似比4:3
よって、PI=(4/7)PQ
=4√2(x-7)/7
QI=(3/7)PQ=3√2(x-7)/7
また、FP=4√2、DQ=3√2より、
FI=4√2(x-7)/7+4√2
=4√2x/7
DI=3√2(x-7)/7+3√2
=3√2x/7
ところで、△IDH∽△IFCより、
DH:FC=DI:FI
∴DH:x=3√2x/7:4√2x/7
=3:4
∴DH=3x/4
また、DC=xより、△CDHが3:4:5の直角三角形である事が分かり、あとは模範解答か私の解法1と同じ。

おまけ:
返信
返信3
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/21 10:49 (No.1392892)削除
次の文章を完全解説して下さい。

補題4
Kを標数pの体で、α,βをKの元,q=p^r(r≧1)とすると次の式が成り立つ。
(α+β)^q=α^q+β^q
(α-β)^q=α^q-β^q

証明
q=pの場合
(α+β)^p=α^p+pC₁α^(p-1)β+…+pCp-1αβ^(p-1)+β^p(pCrは2項係数)
2項係数は整数であり、0<r<pであればpCrはpで割り切れるので、体Kの中ではpCr=0でなければならない。したがって、
(α+β)^p=α^p+β^p
次に、rについての帰納法によりq=p^r(r≧2)の場合を証明する。q'=p^(r-1)のときは補題4は正しいと仮定する。
(α+β)^q=((α+β)^q')^p
     =(α^q'+β^q')^p
     =α^q'p+β^q'p
     =α^q+β^q
(α+β)^q=α^q+β^qにおいて、βのかわりに-βとおけば
(α-β)^q=α^q-β^q
が得られる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

具体的には、

>(α+β)^q=α^q+β^qにおいて、βのかわりに-βとおけば
(α-β)^q=α^q-β^q
が得られる。

p=2(q=2^r)の場合ですね。証明を見直す前に、定理6.6を使ってq=2²=4個の場合を具体的に求めて、本当に体になっているかどうかを確認して下さい。(分配法則はいいので、和と積について閉じている事と全ての元に加法と乗法の逆元が存在する事を確認して下さいという事。)
その後、正しいという事が確認出来れば、上の証明を見直して下さい。

定理6.6
Kをq個(q=p^r,r≧1)の元からなる体とすると、Kは多項式X^q-Xの互いに異なるq個の根で構成されている。したがって、X^q-XはK[X]の中で1次式の積に分解される。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

今回は結構面白いと思います。ただし、基本的に群・環・体を理解している人は圧倒的に少数だと思いますが。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/21 13:38削除
解説
>定理6.6を使ってq=2²=4個の場合を具体的に求めて、本当に体になっているかどうかを確認して下さい。

定理6.6
Kをq個(q=p^r,r≧1)の元からなる体とすると、Kは多項式X^q-Xの互いに異なるq個の根で構成されている。したがって、X^q-XはK[X]の中で1次式の積に分解される。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

q=4より、X⁴-X=0を解くと、
X(X³-1)=X(X-1)(X²+X+1)=0
∴X=0,1,ω,ω²
∴K={0,1,ω,ω²}
これが体になっているかどうか確認する。
まず、乗法について閉じている事。
0・1=0∈K
0・ω=0∈K
0・ω²=0∈K
1・ω=ω∈K
1・ω²=ω²∈K
ω・ω²=ω³=1∈K
次に、K*={1,ω,ω²}の乗法逆元の存在。
1/1=1∈K*
1/ω=ω²/ω³=ω²/1=ω²∈K*
1/ω²=ω/ω³=ω/1=ω∈K*
次に、加法について閉じている事。
0+0=0∈K
0+1=1∈K
0+ω=ω∈K
0+ω²=ω²∈K
1+1=2∉Kより体ではない、と考えてはいけない。標数2より、mod2で考えると、
1+1=2≡0∈K
1+ω=-ω²≡ω²∈K
1+ω²=-ω≡ω∈K
ω+ω=2ω≡0∈K
ω+ω²=-1≡1∈K
ω²+ω²=2ω²≡0∈K
加法の逆元の存在は、
-0=0∈K
-1≡1∈K
-ω≡ω∈K
-ω²≡ω²∈K
以上より、Kは体である。(加法と乗法の単位元も確認出来る。)

「このpを体Kの標数という。標数がpである体Kは体ℤ/(p)と同型な体を部分体として含むことになる。この体はKに含まれる最小の体であり、Kの素体と呼ばれる。」
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

今回の場合は、K={0,1,ω,ω²}の{0,1}の事である。だから、mod2で考える事は必然なのである。(念のため、自分流の解釈なので、注意して下さい。しかし、何でもっと色々書かないのでしょうか。3周目だから具体的に分かりますが、1周目はほとんどスルーでした。文章の意味は分かりますが。)

>(α+β)^q=α^q+β^qにおいて、βのかわりに-βとおけば
(α-β)^q=α^q-β^q
が得られる。

qが偶数の場合は、
(α-β)^q=α^q+(-β)^q=α^q+β^q
で成り立たないが、qが偶数の場合は、q=2^rなので、mod2で考えると、
(α-β)^q=α^q-β^q
で成り立つ。
厳密には、数学的帰納法の所からやり直した方が良いかもしれないが、面白くないので省略。

おまけ:
https://gakushuin-admissions.jp/post/29943.html
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/20 11:27 (No.1392139)削除
次の文章を完全解説して下さい。

定義と命題(3.2.2)
数体K上の線型空間Vに対して
(ⅰ)V={0}のとき、Vは0次元であると言い、dimkV=0と書く。
(ⅱ)Vにn個の線型独立な元が存在し、n+1個以上の線型独立な元は存在しない
⇔Vがn個の元よりなる基底をもつ
このときVはn次元であると言い、dimkV=nと書く(nは自然数)。
(ⅰ)または(ⅱ)のとき、総称してVは有限次元であると言い、dimkV<∞と書く。
(ⅲ)Vが有限次元でないとき、すなわちどんな自然数nに対してもn個の線型独立な元がVの中に存在するとき、Vは無限次元であると言い、dimkV=∞と書く。

(ⅱ)の証明(⇒)V∋b₁,…,bnが線型独立で、n+1個以上の線型独立なVの元は存在しないとする。このとき、<b₁,…,bn>がVの基底となることを示そう。
任意のx∈Vに対し、n+1個の元x,b₁,…,bnは線型独立であるから、xはb₁,…,bnの線型結合である((3.1.7)の(ⅱ))。ゆえに、V=Kb₁+…+Kbnとなり、<b₁,…,bn>は基底である。
(⇐)は独立元のいれかえ定理((3.2.1)の(ⅲ))より明白。  (証明終)
「線型代数入門」有馬哲著より

命題(3.1.7)
Vを数体K上の線型空間,a₁,…,an∈Vとする。
(ⅰ)ただ一つの元a₁∈Vに対しては
a₁が線型独立⇔a₁≠0
(ⅱ)a₁,…,an(n≧2)が線型独立⇔a₁,…,an-1が線型独立でan∉Ka₁+…Kan-1
(ⅲ)a₁,…,an(n≧2)が線型従属⇔a₁,…,anの中の少なくとも一つたとえばakがKa₁+…+Kak-1+Kak+1+…+Kanに属する。

定理(3.2.1)
Vを数体K上の線型空間,a₁,a₂,…,an∈Vとする。
(ⅲ)(独立元のいれかえ)
b₁,…,br∈Ka₁+…+Kanかつb₁,…,brが線型独立ならば、a₁,…,anの中の適当なr個たとえば
a₁,…,arをb₁,…,brでおきかえて
Ka₁+…+Kan=Kb₁+…+Kbr+Kar+1+…+Kan
とすることができる。特にr≦nである。
「線型代数入門」有馬哲著より

具体的には、

>(⇐)は独立元のいれかえ定理((3.2.1)の(ⅲ))より明白。

横着しないで解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/20 13:54削除
解説
>(⇐)は独立元のいれかえ定理((3.2.1)の(ⅲ))より明白。

(ⅱ)Vにn個の線型独立な元が存在し、n+1個以上の線型独立な元は存在しない
⇔Vがn個の元よりなる基底をもつ

Vがn個の元よりなる基底をもつ⇒Vにn個の線型独立な元が存在し、n+1個以上の線型独立な元は存在しない事を証明するという事。
そして、

定理(3.2.1)
Vを数体K上の線型空間,a₁,a₂,…,an∈Vとする。
(ⅲ)(独立元のいれかえ)
b₁,…,br∈Ka₁+…+Kanかつb₁,…,brが線型独立ならば、a₁,…,anの中の適当なr個たとえば
a₁,…,arをb₁,…,brでおきかえて
Ka₁+…+Kan=Kb₁+…+Kbr+Kar+1+…+Kan
とすることができる。特にr≦nである。

また、基底の定義は、

定義
Vを数体K上の線型空間とする。Vの有限個の元b₁,b₂,…,bn(n≧1)の順序を考えた組を
<b₁,b₂,…,bn>
で表わす。順序を考えた組<b₁,b₂,…,bn>が次の二つの条件をみたすとき、これをVの基底または底と言う。
(1)b₁,b₂,…,bnは線型独立である。
(2)Vの任意の元はb₁,b₂,…,bnの線型結合である。すなわち
V=Kb₁+Kb₂+…+Kbn

よって、Vがn個の元よりなる基底をもつならば、(2)でn個までは線型独立な元a₁~anを生成できるが、n+1個以上は出来ませんよ、その理由は「特にr≦nである」から。
といった所だと思うが、おかしくないだろうか。「b₁,…,br∈Ka₁+…+Kanかつb₁,…,brが線型独立ならば」(r≦n)と初めから条件を付けているだけで、それ以上生成出来ない理由がない。(もちろん、実際は出来ないのだが、これでは証明にならないだろう。)
そこで、自分で証明してみた。

命題
Vがn個の元よりなる基底をもつ⇒Vにn個の線型独立な元が存在し、n+1個以上の線型独立な元は存在しない

証明
Vの基底を<b₁,b₂,…,bn>とすると、定義の(ⅱ)より、a₁,a₂,…,an,x∈Vに対して、
a₁,a₂,…,an,x∈Kb₁+Kb₂+…+Kbn
ここで、a₁,a₂,…,an,xのn+1個の元が線型独立と仮定すると、命題(3.1.7)(ⅱ)より、
a₁,a₂,…,anが線型独立で、
x∉Ka₁+…+Kan⊂Kb₁+…+Kbn
(a₁,…,anは全てb₁,…,bnの生成元だから。)
よって、x∉Kb₁+…+Kbnより、
x∈Kb₁+Kb₂+…+Kbnに矛盾する。
よって、背理法により、a₁,a₂,…,an,xのn+1個の元は線型従属である。
ところで、xは任意に選んだので、n+1個の線型独立な元は存在しない。
よって、示された。

命題(3.1.7)
Vを数体K上の線型空間,a₁,…,an∈Vとする。
(ⅰ)ただ一つの元a₁∈Vに対しては
a₁が線型独立⇔a₁≠0
(ⅱ)a₁,…,an(n≧2)が線型独立⇔a₁,…,an-1が線型独立でan∉Ka₁+…Kan-1
(ⅲ)a₁,…,an(n≧2)が線型従属⇔a₁,…,anの中の少なくとも一つたとえばakがKa₁+…+Kak-1+Kak+1+…+Kanに属する。

因みに、以前(2025/2/12 16:29 の投稿)に、定理(3.2.1)(ⅰ)(基底の延長)の証明がおかしいと指摘しましたが、今回も同じ状態だと思います。
なお、私の方が間違っていましたら謝罪しようがないほど失礼な話ですが。(まさに気違いか。)

おまけ:
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1260427217
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/19 11:49 (No.1391531)削除
次の文章を完全解説して下さい。

例えばf(x)=x³-2では、根の式のなす体には次があります(式の係数は有理数です)。
① ³√2,³√2ω,³√2ω²の式全体
② ³√2の式全体
③ ³√2ωの式全体
④ ³√2ω²の式全体
⑤ ω=³√2ω/³√2の式全体
⑥ 有理数全体
(中略)
ところで、α'=³√2+ω=³√2+³√2ω/³√2のなす体はどれに等しいでしょうか。まずα'を変えない根の入れ換えを求めます。このような入れ換えは恒等入れ換えeしかありません。実際、³√2,³√2ωを入れ換えるとα'は
³√2ω+³√2/³√2ω=³√2ω+1/ω
=³√2ω+ω²=ωα'≠α'
と変化します。ほかの入れ換え、つまり³√2ωと³√2ω²,および³√2と³√2ω²の入れ換えでもα'はそれぞれ
³√2+³√2ω²/³√2=³√2+ω²≠³√2+ω=α'
³√2ω²+³√2ω/³√2ω²=(³√2+1)ω²
≠³√2+ω=α'
のように変化します。最後の≠は、実数³√2+1が虚数³√2ω+ω²に等しくないからです。またτによる入れ換えでαは
³√2ω+ω≠³√2+ω=α'
と変化します。よってα'の式を不変にする入れ換えはeしかありません。ガロワ対応を利用すると、この部分群{e}に対応するのはf(x)の根の式全体(①の場合)です。ゆえにα'の式のなす体はf(x)のすべての根の式のなす体です。とくにα'はf(x)の原始元でもあり、f(x)の3つの根をα'の式で表すことができます。具体的に求めなくても、根の入れ換えによる簡単な議論でわかりました! これはガロワ対応の1つの応用です。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

τ=(³√2  ³√2ω ³√2ω²)
  (³√2ω ³√2ω² ³√2 )
(注:本当は2段で1つの元。)

具体的には、

>とくにα'はf(x)の原始元でもあり、f(x)の3つの根をα'の式で表すことができます。

■原始元の存在(証明)
 上の例で原始元を具体的に構成しました。ガロワは一般に重根を持たないf(x)に対して、その原始元が存在することを証明しました。ここでは煩雑にならないように、f(x)=x³-2の例においてガロワの議論を紹介します。一般の場合も同様です。
 まず有理数p,q,rをうまく選んで、pα₁+qα₂+rα₃の値が、どのようにα₁,α₂,α₃を入れ換えてもすべて異なるようにします。このように選ぶことは可能です。実際
pαi₁+qαi₂+rαi₃=pαj₁+qαj₂+rαj₃
をp,q,rの方程式とみると15個の方程式が得られます。(p,q,r)として、3次元空間から有限個の平面を除いた残りの点の座標(有理数)を選べば、どの方程式でも解にならないp,q,rになります。
 このように選んだp,q,rに対して、β=pα₁+qα₂+rα₃はf(x)の原始元になります。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

上のα'=³√2+ω=³√2+³√2ω/³√2
=α₁+α₂/α₁
は、pα₁+qα₂+rα₃の形をしていないので、本当に原始元かどうか判定して下さい。念のため、本の内容を疑っている訳ではありません。

定義8.1(原始元)
重根を持たないn次多項式f(x)の原始元βとは、次の(1),(2)をみたす複素数のことである。以下においてα₁,…,αnをf(x)の根とする。
(1)βはα₁,…,αnの式で表される。
(2)α₁,…,αnはそれぞれβの式で表される。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

おまけ:
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100031/011800232/?P=3
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/19 13:50削除
解説
>とくにα'はf(x)の原始元でもあり、f(x)の3つの根をα'の式で表すことができます。

α'=³√2+ω この両辺を3乗すると、
α'³=(³√2+ω)³
=2+1+3³√2ω²+3³√4ω
=3+3³√2ω(ω+³√2)
=3+3³√2ωα'
∴³√2ω=(α'³-3)/3α'
よって、1つの根をα'で表せた。
ここで、両辺を3乗すると、
{(α'³-3)/3α'}³=2
=(³√2)³,(³√2ω)³,(³√2ω²)³
よって、3根とも(α'³-3)/3α'で表せる。
よって、α'は原始元である。
これで良いだろうか。判定して下さい。
当然、ダメならダメな理由を付けて下さい。

これだけじゃ面白くないので、3次方程式の解の公式の3乗根の中が虚数の場合は、1つで3つの実数を表している例を紹介しましょう。https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10985660980.html

補足
オイラーの証明は偶然の産物?
「オイラーはZ³を因数分解していき、さらに代数的整数の世界にまで広げて因数分解し、Z³=(a+√(-3)b)(a-√(-3)b)に絞りこんだ。この2つの数字は立法数とみなせるので、
 右図Z³=(t+√(-3)b)(t-√(-3)b)というように、置き換えることができるとした。
 そしてさらに小さい「立法数=立法数×立法数」の式を導き出し、「無限降下法」で見事証明した。
 オイラーはn=3の証明によって、代数的整数を使った新しい証明の可能性を切り拓いたのである。
 ところが、このような立法数の定理が代理的整数の世界でも成り立つと考えたことに問題があった。
 いわば、たまたま条件が整ったものを用い、証明してしまったのである。
 実際、右の図のように整数を代数的整数というものに拡張してみると、
 たとえば、
  6=(1+√(-5))(1-√(-5))
  6=2×3
といったように、素因数分解の一意性が成り立たないことがわかる。」
「図解雑学 数論とフェルマーの最終定理」久我勝利著より

因みに、右図という所に「オイラーの証明のなかでは、たまたま表面化しなかった」とありますが、「数学の花束」中村茂著に、

「よく言われる批判に、「オイラーは厳密性に欠ける」というものがあります。正弦を多項式の延長と考えたり、有限に対して成り立つ関係を無限に対して適用したりしていて、正にこの批判がピッタリあてはまるようにも見えます。しかし私は、その批判は全く当たらないと思います。確かに表面的には彼の時代の風潮そのままに、現在の厳密性の基準からしたら怪しい議論はたくさんありますが、彼の天才は厳密な証明のない議論で進めて良いものとそうでないものを直観的に判断していたのです。私たちが小さな頭で厳密性にこだわるのは、そうしなければ正しさを認めてもらえないからですが、大らかな議論を進めながらもこの天才はちゃんと正しいことに確信をもっていたのです。そうでなかったら、彼の論文の山は紙くずの山になっていたはずです。」

とあります。

補足2
「フェルマーが残した命題のほとんどに証明を付け、また、いくつかの間違った命題には反証を提出したのがオイラーでした。例えば、2^32+1が641で割れることを示してフェルマーの間違った言明を正し、4つの平方数の和で書ける2つの数の積は、やはり4つの平方数の和で書けることを恒等式で示して、「任意の自然数は4つの自然数の平方の和で書ける」というフェルマーの命題のラグランジュによる証明に道を開いたのでした。このようにしてフェルマーの言明が“ほら吹きのたわごと”ではなく、まさに数論に新しい時代を画す重要な仕事であることを世界に向かって明らかにし、フェルマーが創始した近代数論がいかに魅力にあふれた分野であるかを実証して、後輩のラグランジュやガウスに勇気を与えたのがオイラーだったのです。」
「数学の花束」中村茂著より

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/19 16:19削除
解説の続き
>α'=³√2+ω この両辺を3乗すると、
α'³=(³√2+ω)³
=2+1+3³√2ω²+3³√4ω
=3+3³√2ω(ω+³√2)
=3+3³√2ωα'
∴³√2ω=(α'³-3)/3α'
よって、1つの根をα'で表せた。
ここで、両辺を3乗すると、
{(α'³-3)/3α'}³=2
=(³√2)³,(³√2ω)³,(³√2ω²)³
よって、3根とも(α'³-3)/3α'で表せる。
よって、α'は原始元である。
これで良いだろうか。判定して下さい。
当然、ダメならダメな理由を付けて下さい。

ダメである。その理由は、
³√2ω=(α'³-3)/3α'
これを変形して、α'³-3³√2ωα'-3=0とすると、3次方程式となるので、解は3つ出来る。
つまり、(α'³-3)/3α'=³√2
(α'³-3)/3α'=³√2ω
(α'³-3)/3α'=³√2ω²
となるα'はそれぞれ違うからである。
念のため、α'=³√2+ωの場合は、
(α'³-3)/3α'=³√2ωのみである。
代入すれば分かるがそれは省略する。

それでは、元に戻って、

>上のα'=³√2+ω=³√2+³√2ω/³√2
=α₁+α₂/α₁
は、pα₁+qα₂+rα₃の形をしていないので、本当に原始元かどうか判定して下さい。

原始元である。その理由は、「ガロア理論の頂を踏む」石井俊全著p.373に、
「³√2,ωは、α=³√2+ωを用いて、
³√2=(2/9)α⁵+(1/3)α⁴+(2/3)α³-(2/3)α²+α+2
ω=(-2/9)α⁵-(1/3)α⁴-(2/3)α³+(2/3)α²-2
と表されます。」
とあるので、上のα'で残り2つの根も表せるからである。(他力本願でご免なさい。)

「フェルマー自身は、n=4の場合と同値な命題の証明を書き記しています。この近代数論の父は、イギリスの数学者たちや大陸の数学者たちに挑戦状を送り、何とか数論の面白さを共有したいと熱望しながら、結局は、その挑戦的な言葉の裏にこめられたフェルマーの真の思いを汲み取る人が現れず、孤独のままでした。最後に同好の士になってもらおうとパスカルに狙いをつけて丁重に勧誘しますが断られてしまい、結局同時代人には仲間を見つけることが出来ませんでした。そして、オイラーの登場となります。フェルマーが高く投げた孤高のパスワークを100年の後にしっかりと受け止めたのです。
 オイラーの生涯にわたる数論への興味に火をつけたのはモスクワとペテルスブルグを行ったり来たりしていた数学者ゴルドバッハでした。オイラーとの最初の手紙のやり取りで、オイラーに、あるフェルマーの問題を知っているかと質問し、素っ気ない返事になお食い下がって聞いているうちに、フェルマーに対するオイラーの興味が突然燃え上がり、夢中でフェルマーを読み始めたといいます。それから10年近く経ってから、オイラーはフェルマーの最終定理のn=4の場合に解がないことを証明し(1738年)、そのまた10年後にはn=3の場合にも解がないことを証明しました(1748年)。1753年にはこの最終定理を「とても美しい定理」と表現し、n=3と4の場合以外は証明出来ていないと述べています。」
「数学の花束」中村滋著より

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1708693540736516204
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/14 12:00 (No.1388630)削除
問題
右図のように、半径3の円Oがあり、線分ABは直径である。点Aにおける円Oの接線上にAP=1となる点Pをとる。Pを通るAP以外の円Oの接線が点Bにおける円Oの接線と交わる点をQとする。
(1)PQの長さを求めなさい。
(2)PQと円Oの接点をCとするとき、△ABCの面積を求めなさい。
(02 帝塚山学院泉ヶ丘)

図の解説:円Oを描き、縦に直径を上から下にABとし中心をOとする。また、2点A,Bにおける円Oの接線を引き、円周上の点で∠AOC=60°ぐらいの点Cを取り、点Cにおける接線と先の点A,Bにおける接線との交点をそれぞれP,Qとした図。(半径3でAP=1である。)

参考書には、(1),(2)共に2通りずつの解法があります。私もマニアックなものも含めて数通り作ってみました。一応、何でもありが基本です。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/15 07:58削除
問題
右図のように、半径3の円Oがあり、線分ABは直径である。点Aにおける円Oの接線上にAP=1となる点Pをとる。Pを通るAP以外の円Oの接線が点Bにおける円Oの接線と交わる点をQとする。
(1)PQの長さを求めなさい。
(2)PQと円Oの接点をCとするとき、△ABCの面積を求めなさい。
(02 帝塚山学院泉ヶ丘)

図の解説:円Oを描き、縦に直径を上から下にABとし中心をOとする。また、2点A,Bにおける円Oの接線を引き、円周上の点で∠AOC=60°ぐらいの点Cを取り、点Cにおける接線と先の点A,Bにおける接線との交点をそれぞれP,Qとした図。(半径3でAP=1である。)

模範解答
(1)右図(注:OC,OP,OQを結んだ図)で、
△OAP≡△OCP・・・①
△QBO≡△QCO・・・②
であるが、2(●+○)=180°(注:∠BOQ=∠COQ=●,∠AOP=∠COP=○)より、●+○=90°
一方、●+×=90°(注:∠BQO=∠CQO=×)であるから、○=×
よって、①と②は相似である。
すると、網目の三角形(注:△OBQと△PAO)において、
1:3=3:BQ ∴BQ=9
∴PQ=PC+CQ=PA+BQ=1+9
=10
別解
BQ=CQ=xとおき、図の△PQH(注:∠POQ=●+○=90°)で三平方の定理を使うと、(x+1)²=(x-1)²+6² ∴x=9 ∴PQ=9+1=10

(2)(1)より、右図(注:∠BOC=∠APC=●●,OB=OC,PA=PC)のようになって、△PAC∽△OBC
相似比は1:3である(注:OB=3,AP=1)から、AC=a,BC=3aとおける。
すると、直角三角形ABCにおいて、
a²+(3a)²=6² ∴a²=18/5
このとき、△ABC=(a×3a)/2
=(3/2)×(18/5)=27/5
別解
右図(注:PからBQに下ろした垂線の足をH,CからABに下ろした垂線の足をIとして、PHとCIの交点をJとした図)において、
CI=CJ+JI=8×(1/10)+1=9/5
∴△ABC=(1/2)×6×(9/5)=27/5
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

(2)の別解の解説は次回、私の解法と一緒にやりますね。まぁ、読めば分かりますが。因みに、私はこの解法は思い付きませんでした。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/16 07:58削除
問題
右図のように、半径3の円Oがあり、線分ABは直径である。点Aにおける円Oの接線上にAP=1となる点Pをとる。Pを通るAP以外の円Oの接線が点Bにおける円Oの接線と交わる点をQとする。
(1)PQの長さを求めなさい。
(2)PQと円Oの接点をCとするとき、△ABCの面積を求めなさい。
(02 帝塚山学院泉ヶ丘)

図の解説:円Oを描き、縦に直径を上から下にABとし中心をOとする。また、2点A,Bにおける円Oの接線を引き、円周上の点で∠AOC=60°ぐらいの点Cを取り、点Cにおける接線と先の点A,Bにおける接線との交点をそれぞれP,Qとした図。(半径3でAP=1である。)

(1)の2通りは私の解法と同じ。
(2)の私の解法
∠OBQ=∠OCQ=90°より四角形OCQBは円に内接する四角形。
よって、円周角より∠OBC=∠OQC=(1/2)∠BQC=(1/2)∠OAC=∠AOP
∴∠ABC=∠AOP———①
また、ABは直径より∠ACB=90°
∴∠ACB=∠PAO———②
①,②より2角が等しいので、
△ABC∽△POA
ところで、△PAOは1:3:√10の直角三角形より、△ABCも1:3:√10の直角三角形で、AB=6より、
∴AC=6/√10,BC=(6/√10)×3=18/√10
∴△ABC=(6/√10)×(18/√10)×(1/2)=54/10=27/5

私の別解1
OPを結ぶと、△OAP≡△OCPで△OAPは直角を挟むに2辺の比が1:3の直角三角形で∠AOPはその最小角。また、∠AOCはその角の2倍なので、CからOAに垂線を下ろしその足をHとすると、マニアックな定理により△COHは3:4:5の直角三角形になる。
そして、OC=3よりCH=(3/5)×3=9/5 ∴△ABC=6×(9/5)×(1/2)=27/5

マニアックな定理
直角を挟む2辺の比がm:n(m>n)の直角三角形の最小角の2倍の角を含む直角三角形の3辺比は、m²-n²:2mn:m²+n²である。(定理の証明は省略。)

これにm=3,n=1を代入すると、
m²-n²=3²-1²=8
2mn=2・3・1=6
m²+n²=3²+1²=10
より、6:8:10=3:4:5となる。

一応、受験用の解答は、
AB=4,BC=5,CA=3,∠A=90°の直角三角形とその内接円と内心Iを描き、BC,CA,ABとの接点をそれぞれP,Q,Rとする。
まず、内接円の半径をrとすると、
3r/2+4r/2+5r/2=3・4・(1/2)が成り立つので、12r=12 ∴r=1
つまり、内接円の半径は1
また、IQ⊥AC,IR⊥AB,∠A=90°,IQ=IRより、四角形ARIQは正方形である。よって、AQ=AR=1
∴BR=4-1=3
よって、△IBR≡△IBPで直角を挟む2辺の比が1:3である。
よって、3:4:5の直角三角形は2辺の比が1:3の直角三角形の最小角の2倍の角を含む。これは、図形的に逆も成り立つので、直角を挟む2辺の比が1:2の直角三角形の最小角の2倍の角を含む直角三角形は3:4:5の直角三角形である。
これを上の解答に付け加えれば良い。

別解2などは次回。

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/a611aed8121e7e29e8b79cd68633a524db1cf2fe
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/17 07:58削除
問題
右図のように、半径3の円Oがあり、線分ABは直径である。点Aにおける円Oの接線上にAP=1となる点Pをとる。Pを通るAP以外の円Oの接線が点Bにおける円Oの接線と交わる点をQとする。
(1)PQの長さを求めなさい。
(2)PQと円Oの接点をCとするとき、△ABCの面積を求めなさい。
(02 帝塚山学院泉ヶ丘)

図の解説:円Oを描き、縦に直径を上から下にABとし中心をOとする。また、2点A,Bにおける円Oの接線を引き、円周上の点で∠AOC=60°ぐらいの点Cを取り、点Cにおける接線と先の点A,Bにおける接線との交点をそれぞれP,Qとした図。(半径3でAP=1である。)

何でもありの解法1
(1)円Oの中心をxy座標の原点に置き、直交座標を取ると、P(1,-3),直線BQ:y=3,直線AP=-3と置ける。
また、円Oの方程式は、x²+y²=3²———①
直線PQの傾きをmとすると点Pを通るので、直線の方程式は、y-(-3)=m(x-1)
∴y=mx-m-3———②
②を①に代入すると、
x²+(mx-m-3)²=9
∴x²+m²x²+m²+9-2m²x+6m-6mx=9 ∴(m²+1)x²-2m(m+3)x+m²+6m=0 ∴(m²+1)x²-2m(m+3)x+m(m+6)=0 この判別式D/4=m²(m+3)²-m(m+6)(m²+1)=0とすると、
m{m(m+3)²-(m+6)(m²+1)}=0
m≠0より、
m(m+3)²-(m+6)(m²+1)=0
∴m(m²+6m+9)-(m³+6m²+m+6)=0
∴8m-6=0 ∴m=3/4
これを②に代入すると、直線PQの方程式は、
y=(3/4)x-3/4-3
∴y=(3/4)x-15/4
よって、Qの座標は、y=3を代入して、
3=(3/4)x-15/4 
∴(3/4)x=27/4
∴x=9 ∴Q(9,3)
また、P(1,-3)だったので、
PQ=√{(1-9)²+(-3-3)²}
=√(64+36)=√100=10
よって、答えは、10

(2)点Cのx座標は、①とy=(3/4)x-15/4を連立させて、
x²+{(3/4)x-15/4}²=3²を解くと、
x²+(9/16)x²-(45/8)x+225/16=9 ∴(25/16)x²-(45/8)x+81/16=0
∴25x²-90x+81=0
∴(5x-9)²=0 ∴x=9/5
よって、△ABC=6×(9/5)×(1/2)
=27/5
よって、答えは、27/5

似たような解法を何通りか。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/18 07:48削除
問題
右図のように、半径3の円Oがあり、線分ABは直径である。点Aにおける円Oの接線上にAP=1となる点Pをとる。Pを通るAP以外の円Oの接線が点Bにおける円Oの接線と交わる点をQとする。
(1)PQの長さを求めなさい。
(2)PQと円Oの接点をCとするとき、△ABCの面積を求めなさい。
(02 帝塚山学院泉ヶ丘)

図の解説:円Oを描き、縦に直径を上から下にABとし中心をOとする。また、2点A,Bにおける円Oの接線を引き、円周上の点で∠AOC=60°ぐらいの点Cを取り、点Cにおける接線と先の点A,Bにおける接線との交点をそれぞれP,Qとした図。(半径3でAP=1である。)

何でもありの解法1の系
円Oの中心をxy座標の原点に置き、直交座標を取ると、P(1,-3),直線BQ:y=3,直線AP=-3と置ける。
また、円Oの方程式は、x²+y²=3²
直線PQの方程式をy=ax+bと置いて代入すると、x²+(ax+b)²=9
∴x²+a²x²+2abx+b²=9
∴(a²+1)x²+2abx+b²-9=0
この判別式D/4=a²b²-(a²+1)(b²-9)=0とすると、a²b²-(a²b²-9a²+b²-9)=0 ∴9a²-b²+9=0———①
また、直線PQは点P(1,-3)を通るので、-3=a+b ∴b=-a-3———②
②を①に代入すると、
9a²-(-a-3)²+9=0
∴9a²-(a²+6a+9)+9=0
∴8a²-6a=0 ∴2a(4a-3)=0
図よりa>0なので、a=3/4———☆
ところで、点P,Qの座標は、y=ax+bにy=-3,3を代入して、
-3=ax+bより、ax=-b-3
∴x=(-b-3)/a 
∴P((-b-3)/a,-3)
3=ax+bより、ax=-b+3
∴x=(-b+3)/a 
∴Q((-b+3)/a,3)
∴PQ=√[{(-b-3)/a-(-b+3)/a}²+(-3-3)²]=√{(-6/a)²+36}
=6√(1/a²+1)———☆☆
☆より、a²=9/16 ∴1/a²=16/9
これを☆☆に代入すると、
PQ=6√(16/9+1)=6√(25/9)
=6(5/3)=10
∴PQ=10
(2)☆を②に代入すると、
b=-3/4-3=-15/4
よって、直線PQの方程式は、
y=(3/4)x-15/4
これを円の方程式x²+y²=3²と連立させて、
x²+{(3/4)x-15/4}²=3²を解くと、
x²+(9/16)x²-(45/8)x+225/16=9 ∴(25/16)x²-(45/8)x+81/16=0
∴25x²-90x+81=0
∴(5x-9)²=0 ∴x=9/5
よって、△ABC=6×(9/5)×(1/2)
=27/5
よって、答えは、27/5

何でもありの解法2も数Ⅰの解法で、解法3は数ⅡBの微分で解法4は数Ⅲの微分の解法の予定。(数Ⅲのだけやってみた。)

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/f95a01d29f486ae0e858e5fe82681444fe4c21b2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/18 09:05削除
よく考えたら解法3も数Ⅲの微分でした。もっとも40年前の分類(30年前の記憶)ですが。当時は数ⅡBを基礎解析,数Ⅲを微分積分としていたと思います。
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/19 07:57削除
問題
右図のように、半径3の円Oがあり、線分ABは直径である。点Aにおける円Oの接線上にAP=1となる点Pをとる。Pを通るAP以外の円Oの接線が点Bにおける円Oの接線と交わる点をQとする。
(1)PQの長さを求めなさい。
(2)PQと円Oの接点をCとするとき、△ABCの面積を求めなさい。
(02 帝塚山学院泉ヶ丘)

図の解説:円Oを描き、縦に直径を上から下にABとし中心をOとする。また、2点A,Bにおける円Oの接線を引き、円周上の点で∠AOC=60°ぐらいの点Cを取り、点Cにおける接線と先の点A,Bにおける接線との交点をそれぞれP,Qとした図。(半径3でAP=1である。)

座標の解法2
円Oの中心をxy座標の原点に置き、直交座標を取ると、P(1,-3),直線BQ:y=3,直線AP=-3と置ける。
また、円Oの方程式は、x²+y²=3²
ここで、点Cの座標をC(x₁,y₁)と置くと、直線OCの傾きがy₁/x₁より直線PQの傾きは-x₁/y₁(接線と中心Oとの関係より直交するから)で、点Cを通るので、直線PQの方程式は、y-y₁=(-x₁/y₁)(x-x₁)
∴y=(-x₁/y₁)x+(x₁²+y₁²)/y₁
また、点Cは円O上の点より、
x₁²+y₁²=3²———ア
よって、これを上式に代入すると、
y=(-x₁/y₁)x+9/y₁
ところで、直線PQは点P(1,-3)を通るので、-3=-x₁/y₁+9/y₁が成り立つ。
∴x₁=3y₁+9———イ
イをアに代入すると、
(3y₁+9)²+y₁²=9
∴10y₁²+54y₁+72=0
∴5y₁²+27y₁+36=0
∴(y₁+3)(5y₁+12)=0
∴y₁=-3,-12/5
図より、y₁<3なので、y₁=-12/5
これをイに代入すると、
x₁=-36/5+9=9/5
∴C(9/5,-12/5)
まず、(2)から、
△ABC=6×(9/5)×(1/2)=27/5
(1)P(1,-3),C(9/5,-12/5)より、直線PQの方程式は、
   -3=a+b
-12/5=(9/5)a+b
より、-3/5=(-4/5)a
∴a=3/4 ∴b=-3/4-3=-15/4
∴y=(3/4)x-15/4
よって、点Qの座標は、y=3を代入して、
3=(3/4)x-15/4 
∴(3/4)x=27/4
∴x=9 ∴Q(9,3)
また、P(1,-3)だったので、
PQ=√{(1-9)²+(-3-3)²}
=√(64+36)=√100=10
よって、答えは、10

座標の解法3
円Oの中心をxy座標の原点に置き、直交座標を取ると、P(1,-3),直線BQ:y=3,直線AP=-3と置ける。
また、円Oの方程式は、x²+y²=3²
ここで、点Cの座標をC(x₁,y₁)と置いて、x²+y²=3²の両辺をxで微分すると、
2x+2yy'=0 ∴2yy'=-2x
∴y'=-x/y
よって、点Cにおける接線の傾きは-x₁/y₁より、直線PQは傾きが-x₁/y₁で点C(x₁,y₁)を通る直線より、直線の方程式は、
y-y₁=(-x₁/y₁)(x-x₁)
∴y=(-x₁/y₁)x+(x₁²+y₁²)/y₁
以後、座標の解法2と同じ。

座標の解法4
円Oの中心をxy座標の原点に置き、直交座標を取ると、P(1,-3),直線BQ:y=3,直線AP=-3と置ける。
また、円Oの方程式は、x²+y²=3²
∴y²=9-x² ∴y=±√(9-x²)
図より、点Cが下半円周上にある事は自明なので、y=-√(9-x²)
これをxで微分すると、
y'=-(1/2)(-2x)/√(9-x²)
=x/√(9-x²)
これにy=-√(9-x²)を代入すると、
y'=-x/y
ここで、点Cの座標をC(x₁,y₁)と置くと、点Cにおける接線の傾きは-x₁/y₁より、直線PQは傾きが-x₁/y₁で点C(x₁,y₁)を通る直線より、直線の方程式は、
y-y₁=(-x₁/y₁)(x-x₁)
∴y=(-x₁/y₁)x+(x₁²+y₁²)/y₁
以後、座標の解法2と同じ。

解法4の微分を高2(数ⅡB)の微分と勘違いしました。とにかく、数Ⅰの解法から段々頭を使わなく(工夫しなく)なりますね。笑
まぁ、受験は記憶力と要領ですよね。

おまけ:
フェルマーの最終定理n=3 (1)
返信
返信6
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/18 10:51 (No.1390946)削除
次の文章を完全解説して下さい。

定理6.7
pを素数,q=p^r(r≧1)とすると、元の個数がqである体が存在する。

証明
Fpを位数pの体(ℤ/(p)は確かに存在する)とする。Fp[X]に属する多項式X^q-Xが1次式の積に分解するようなFpの拡大体Lが存在する(定理6.5)。KをLにおけるX^q-Xの根全体の集合とする。定理6.6の証明で述べたように、これらの根は、すべて異なるから集合Kはq個の元をもつ。Kが体であれば、我々はq個の元をもつ体の存在を確認したことになる。α,β∈Kとする。
(αβ)^q=α^qβ^q=αβ
(α^-1)^q=(α^q)^-1=α^-1(α≠0)
であるからαβもα^-1(α≠0)もまたKの元である。和,差については
(α+β)^q=α^q+β^q
(α-β)^q=α^q-β^q
を証明しなければならないが、それは次の補題から得られる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

定理6.5
Kを有限体,f(X)を多項式環K[X]に属するモニックな多項式でdegf(X)>0とする。このときf(X)が、その中では1次式の積に分解するようなKの拡大体Lが存在する。

定理6.6の証明
証明
K=Fqの乗法群をK*で表す。K*の位数はq-1である。有限群の元の位数はその群の位数の約数であったから(第2章定理4.4の系2)、K*の任意の元αの位数はq-1の約数である。したがって、
α^(q-1)=1
となるが(第2章定理4.4の系3)、これはαが方程式
X^(q-1)-1=0
の根であることを意味する。Kの元でK*に属さない元0はX=0の根であるからKの元すべては
X(X^(q-1)-1)=0
の根である。f(X)=X^q-Xとおく。f'(X)=-1とf(X)は共通根をもたないので、補題3により方程式f(X)=0の根は互いに異なる。f(X)の根の全体をSとすると、上に述べたことよりK⊂S。一方定理4.6によって、多項式f(X)の根の数はf(X)の次数qを越えないから
q=|K|≦|S|≦q
ゆえに、K=Sを得る。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

適当に分かり易く解説して下さい。また、それが終ったら、上の証明(定理6.7の証明)はp^rという要素を使っていないようですが、それでも大丈夫な理由を述べて下さい。

おまけ:
「24 それで、わたしのこれらの言葉を聞いて行うものを、岩の上に自分の家を建てた賢い人に比べることができよう。
25 雨が降り、洪水が押し寄せ、風が吹いてその家に打ちつけても、倒れることはない。岩を土台としているからである。
26 また、わたしのこれらの言葉を聞いても行わない者を、砂の上に自分の家を建てた愚かな人に比べることができよう。
27 雨が降り、洪水が押し寄せ、風が吹いてその家に打ちつけると、倒れてしまう。そしてその倒れ方はひどいのである」。」
「マタイによる福音書」第7章24節~27節(口語訳)
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/18 13:52削除
解説
>Fpを位数pの体(ℤ/(p)は確かに存在する)とする。

条件よりpは素数。そして、定理2.9の(1)と(5)より、ℤ/(p)は確かに体である。

定理2.9
有理整数環ℤにおいて、次の5つの命題は同値である。
(1)pは素数である。
(2)(p)=pℤは素イデアルである。
(3)(p)=pℤは極大イデアルである。
(4)ℤ/(p)は整域である。
(5)ℤ/(p)は体である。

>Fp[X]に属する多項式X^q-Xが1次式の積に分解するようなFpの拡大体Lが存在する(定理6.5)。

Fpが有限体ではなく、例えば有理数体ℚとすると、X^q-Xが1次式の積に分解するようなℚの拡大体ℂが存在する。
そして、係数が有限体の場合も拡大体Lが存在する事が定理6.5によって保証されるという訳である。

定理6.5
Kを有限体,f(X)を多項式環K[X]に属するモニックな多項式でdegf(X)>0とする。このときf(X)が、その中では1次式の積に分解するようなKの拡大体Lが存在する。

具体的には、例えば、有限体KをFpとすると、Fp[X]/(f(X))である。ただし、f(X)は既約多項式。その理由は補題1。

補題1
Kを有限体,f(X)を多項式環K[X]に属する既約多項式とする。そのとき、環L=K[X]/(f(X))はKの拡大体であり、Xの剰余類 |Xはf(X)のLにおける根である。

また、もっと具体的に知りたい人は、p.245~246の例6.5を見ると良い。

>定理6.6の証明で述べたように、これらの根は、すべて異なるから集合Kはq個の元をもつ。

定理6.6の証明
証明
K=Fqの乗法群をK*で表す。K*の位数はq-1である。有限群の元の位数はその群の位数の約数であったから(第2章定理4.4の系2)、K*の任意の元αの位数はq-1の約数である。したがって、
α^(q-1)=1
となるが(第2章定理4.4の系3)、これはαが方程式
X^(q-1)-1=0
の根であることを意味する。Kの元でK*に属さない元0はX=0の根であるからKの元すべては
X(X^(q-1)-1)=0
の根である。f(X)=X^q-Xとおく。f'(X)=-1とf(X)は共通根をもたないので、補題3により方程式f(X)=0の根は互いに異なる。f(X)の根の全体をSとすると、上に述べたことよりK⊂S。一方定理4.6によって、多項式f(X)の根の数はf(X)の次数qを越えないから
q=|K|≦|S|≦q
ゆえに、K=Sを得る。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

「f'(X)=-1とf(X)は共通根をもたないので、補題3により方程式f(X)=0の根は互いに異なる」からである。

補題3
K[X]を体K上の多項式環とし、f(X)∈K[X]とする。また、αをKのある拡大体Lの元でf(α)=0であるとする。このとき、次の命題が成立する。
(1)αがf(X)の重根である⇔αがf(X)とf'(X)の共通根である。
(2)f(X)が既約であるとするとき、αがf(X)の重根であることと、f'(X)=0であることは同値である。

(1)の対偶からである。もっとも、この解説にはあまり意味はないが。

>(αβ)^q=α^qβ^q=αβ
(α^-1)^q=(α^q)^-1=α^-1(α≠0)
であるからαβもα^-1(α≠0)もまたKの元である。

「KをLにおけるX^q-Xの根全体の集合とする」ので、X^q-X=0を解くと、
X(X^(q-1)-1)=0 
∴X=0,X^(q-1)=1
また、「α,β∈Kとする」ので、
α^(q-1)=1,β^(q-1)=1
ここで、(αβ)^qを作ると、αとβは可換(Kは根の集合だから)なので、
(αβ)^q=α^qβ^q———①

定理2.7
Gが可換群のとき、Gの任意の元a,bについて次のことが成立する。
(a・b)^n=a^n・b^n
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

また、α^(q-1)=1,β^(q-1)=1のそれぞれの両辺にα,βをかけると、
α^q=α,β^q=β
∴α^qβ^q=αβ———②
①,②より、(αβ)^q=αβ
∴(αβ)^q-αβ=0
よって、αβはX^q-Xの根より、αβ∈K
また、(α^-1)^q=(α^q)^-1=α^-1(α≠0)より、(α^-1)^q-α^-1=0
よって、α^-1もX^q-Xの根より、α^-1∈K
よって、「αβもα^-1(α≠0)もまたKの元である」という事。

続きは次回。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/18 16:04削除
解説の続き

定理6.7
pを素数,q=p^r(r≧1)とすると、元の個数がqである体が存在する。

証明
Fpを位数pの体(ℤ/(p)は確かに存在する)とする。Fp[X]に属する多項式X^q-Xが1次式の積に分解するようなFpの拡大体Lが存在する(定理6.5)。KをLにおけるX^q-Xの根全体の集合とする。定理6.6の証明で述べたように、これらの根は、すべて異なるから集合Kはq個の元をもつ。Kが体であれば、我々はq個の元をもつ体の存在を確認したことになる。α,β∈Kとする。
(αβ)^q=α^qβ^q=αβ
(α^-1)^q=(α^q)^-1=α^-1(α≠0)
であるからαβもα^-1(α≠0)もまたKの元である。和,差については
(α+β)^q=α^q+β^q
(α-β)^q=α^q-β^q
を証明しなければならないが、それは次の補題から得られる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

>適当に分かり易く解説して下さい。また、それが終ったら、上の証明(定理6.7の証明)はp^rという要素を使っていないようですが、それでも大丈夫な理由を述べて下さい。

「和,差については
(α+β)^q=α^q+β^q
(α-β)^q=α^q-β^q
を証明しなければならないが、それは次の補題から得られる。」
ここで、p^rを使うから大丈夫である。
これだけじゃ面白くないので、詐欺的別証を作ってみましょう。

定理6.7
pを素数,q=p^r(r≧1)とすると、元の個数がqである体が存在する。

別証
数学的帰納法で示す。
(ⅰ)r=1の場合、pは素数よりℤ/(p)を考えると定理2.9より体なので成り立つ。

定理2.9
有理整数環ℤにおいて、次の5つの命題は同値である。
(1)pは素数である。
(2)(p)=pℤは素イデアルである。
(3)(p)=pℤは極大イデアルである。
(4)ℤ/(p)は整域である。
(5)ℤ/(p)は体である。

また、ℤ/(p)={|0,|1,…,|(p-1)}で元の個数は確かにp個。
(ⅱ)r=kの時に成り立つと仮定すると、有限体の元の個数は常に素数のベキであるので、r=k+1の場合も体になり成り立つ。
(ⅰ),(ⅱ)より、数学的帰納法により示された。

補足
「Kを有限体,Fpをその素体とする。Kは有限個の元しか含まないので、KをFp上のベクトル空間として考えるとき、その次元は無限ではあり得ない。つまりdim_FpKは有限の値rである。このとき、KはFp上のベクトル空間として(Fp)^rに同型であり、
K≅Fp⊕…⊕Fp
(Fp)^rはp^r個の元からなるので、有限体の元の個数は常に素数のベキである。」
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

数学的帰納法にする意味はありませんね。補足の部分から自明という解答でしょうか。
因みに、補題1の証明のσが写像ではない事と似ていますね。

補題1
Kを有限体,f(X)を多項式環K[X]に属する既約多項式とする。そのとき、環L=K[X]/(f(X))はKの拡大体であり、Xの剰余類 |Xはf(X)のLにおける根である。

証明
環L=K[X]/(f(X))が体になることは定理4.11で証明した。Kは体であるから、準同型写像
σ:K→L
  a→|a
は単射である(定理3.4)。したがって、Kをその像と同一視することができる。この意味でLはKを含む体であると考えられ、LはKの拡大体であり、Lの元 |Xをf(X)のXに代入すればf(|X)=|0であるから、Lの元 |Xは方程式f(X)=0の根である。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

>Kは体であるから、準同型写像
σ:K→L
  a→|a
は単射である(定理3.4)。

定理3.4
体Kから環Rへの準同型写像f:K→Rは単射である。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

しかし、σ自体が準同型写像ではない。もし、σを準同型写像とすると、

定理3.1
Iを環Rのイデアルとする。Rの元aに対して、aを含むR/Iの剰余類|aを対応させると、これは環Rから剰余類R/Iへの環の全準同型写像である。
π:R→R/I
  a→|a
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

定理3.1より、全射である。また、定理3.4から単射でもあるので、準同型写像かつ全単射となる。つまり、同型写像である。よって、LはKの拡大体ではなくってしまう。よって、矛盾である。
よって、σは準同型写像ではない。前回も述べたが、実はσは写像でもないのである。
詳しくは、2025/1/31 14:09の投稿を見て下さい。(2025/2/3 13:39の投稿の列より)

>σ:F₂→F₂[X]/(X²+X+1)
  a→|a=aの剰余類
という準同型写像は単射となる。

とんでもない事に気付いてしまいました。(念のため、勘違いかもしれませんが。)
このσって写像じゃないですよね。その理由は、
F₂={|0,|1},K=F₂[X]/(X²+X+1)で、
K={0,1,α,α²=α+1}
σが単射だったらα,α²に対応するものがない事になりますし、実際は対応しているので1対多対応なので写像ではないという事です。(2025/1/31 14:09の投稿より)

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/17 11:02 (No.1390367)削除
次の文章を完全解説して下さい。

定義
Vを数体K上の線型空間とする。Vの有限個の元b₁,b₂,…,bn(n≧1)の順序を考えた組を
<b₁,b₂,…,bn>
で表わす。順序を考えた組<b₁,b₂,…,bn>が次の二つの条件をみたすとき、これをVの基底または底と言う。
(1)b₁,b₂,…,bnは線型独立である。
(2)Vの任意の元はb₁,b₂,…,bnの線型結合である。すなわち
V=Kb₁+Kb₂+…+Kbn
注意1.定義より明らかに、<b₁,b₂,…,bn>が基底であれば、b₁,b₂,…,bnの順序をいれかえたもの、たとえば<bn,…,b₂,b₁>もまた基底であるが、これははじめの<b₁,b₂,…,bn>とは異なる基底と見るわけである。
注意2.一つの線型空間Vの基底を構成する元の個数はどの基底についても等しい。すなわち<b₁,b₂,…,bn>と<b'₁,b'₂,…,b'm>がともにVの基底であればm=nである。なぜなら、独立元のいれかえ定理((3.2.1)の(ⅲ))によって、m≦nかつn≦mとなるからである。
「線型代数入門」有馬哲著より

定理(3.2.1)
Vを数体K上の線型空間,a₁,a₂,…,an∈Vとする。
(ⅲ)(独立元のいれかえ)
b₁,…,br∈Ka₁+…+Kanかつb₁,…,brが線型独立ならば、a₁,…,anの中の適当なr個たとえば
a₁,…,arをb₁,…,brでおきかえて
Ka₁+…+Kan=Kb₁+…+Kbr+Kar+1+…+Kan
とすることができる。特にr≦nである。

具体的には、

>Vの有限個の元b₁,b₂,…,bn(n≧1)の順序を考えた組を<b₁,b₂,…,bn>で表わす。

同じものがあるのかどうか。ないのならない証明をして下さい。(ちょっと言っている事がおかしいと思われるかもしれないが、定義を全体的に見れば何が言いたいか分かるはずである。)

>定義より明らかに、<b₁,b₂,…,bn>が基底であれば、b₁,b₂,…,bnの順序をいれかえたもの、たとえば<bn,…,b₂,b₁>もまた基底である

横着しないで解説して下さい。

>なぜなら、独立元のいれかえ定理((3.2.1)の(ⅲ))によって、m≦nかつn≦mとなるからである。

この3ヶ所ぐらいですね。因みに、初学者にこういうものだと示すのは簡単であるが、それは面白くないのでやらない。(気が向いたら道具として使うためにやるかもしれないが。)

おまけ:
「8 わたしは一か月に牧者三人を滅ぼした。わたしは彼らに、がまんしきれなくなったが、彼らもまた、わたしを忌みきらった。
9 それでわたしは言った、「わたしはあなたがたの牧者とならない。死ぬ者は死に、滅びる者は滅び、残った者はたがいにその肉を食いあうがよい」。
10 わたしは恵みというつえを取って、これを折った。これはわたしがもろもろの民と結んだ契約を、廃するためであった。
11 そしてこれは、その日に廃された。そこで、わたしに目を注いでいた羊の商人らは、これが主の言葉であったことを知った。」
「ゼカリヤ書」第11章8節~11節(口語訳)

「7 万軍の主は言われる、「つるぎよ、立ち上がってわが牧者を攻めよ。わたしの次に立つ人を攻めよ。牧者を撃て、その羊は散る。わたしは手をかえして、小さい者どもを攻める。
8 主は言われる、全地の人の三分の二は断たれて死に、三分の一は生き残る。
9 わたしはこの三分の一を火の中に入れ、銀をふき分けるように、これをふき分け、金を精錬するように、これを精錬する。彼らはわたしの名を呼び、わたしは彼らに答える。わたしは『彼らはわが民である』と言い、彼らは『主はわが神である』と言う」。」
「ゼカリヤ書」第13章7節~9節(口語訳)
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/17 13:32削除
解説
>Vの有限個の元b₁,b₂,…,bn(n≧1)の順序を考えた組を<b₁,b₂,…,bn>で表わす。

b₁,b₂,…,bnに同じものはない。その理由は、条件(1)b₁,b₂,…,bnは線型独立である。
だからである。
そこで、b₁,b₂,…,bnが線型独立ならばb₁,b₂,…,bnのうちに同じものはないという事を証明する。

証明
この対偶を取ると、
b₁,b₂,…,bnに同じものがあるならばb₁,b₂,…,bnは線型従属である。これを示せば良い。
そこで、同じものをb₁,b₂としても一般性を失わないので、
c₁b₁+(-c₁)b₂+0b₃+・・・+0bn=0とすると、c₁=c₂=・・・=cn=0以外で成り立つので、b₁,b₂,…,bnは線型従属である。
よって、示された。

定義(線型独立)
線型従属の否定を線型独立と言う。すなわち、a₁,a₂,…,akが線型独立とは
“c₁a₁+c₂a₂+…+ckak=0ならば必ずc₁=c₂=…=ck=0”
が成り立つことである。
「線型代数入門」有馬哲著より

>定義より明らかに、<b₁,b₂,…,bn>が基底であれば、b₁,b₂,…,bnの順序をいれかえたもの、たとえば<bn,…,b₂,b₁>もまた基底である

定義
(1)b₁,b₂,…,bnは線型独立である。
(2)Vの任意の元はb₁,b₂,…,bnの線型結合である。すなわち
V=Kb₁+Kb₂+…+Kbn

(1)の順序を入れ換えても線型独立は線型独立のままだし、(2)の線型結合の式の項を入れ換えても等式が成り立つからである。

>なぜなら、独立元のいれかえ定理((3.2.1)の(ⅲ))によって、m≦nかつn≦mとなるからである。

定理(3.2.1)
Vを数体K上の線型空間,a₁,a₂,…,an∈Vとする。
(ⅲ)(独立元のいれかえ)
b₁,…,br∈Ka₁+…+Kanかつb₁,…,brが線型独立ならば、a₁,…,anの中の適当なr個たとえば
a₁,…,arをb₁,…,brでおきかえて
Ka₁+…+Kan=Kb₁+…+Kbr+Kar+1+…+Kan
とすることができる。特にr≦nである。

一応、その前の部分も抜き出すと、

注意2.一つの線型空間Vの基底を構成する元の個数はどの基底についても等しい。すなわち<b₁,b₂,…,bn>と<b'₁,b'₂,…,b'm>がともにVの基底であればm=nである。なぜなら、独立元のいれかえ定理((3.2.1)の(ⅲ))によって、m≦nかつn≦mとなるからである。

まず、<b₁,b₂,…,bn>がVの基底である事から、基底の定義の(2)によって、Vの元を全てb₁,b₂,…,bnの線型結合の形で表せる。つまり、
b'₁,b'₂,…,b'm∈Kb₁+Kb₂+…+Kbn
よって、定理(3.2.1)の(ⅲ)(独立元のいれかえ)により、m≦nである。
次に、<b'₁,b'₂,…,b'm>がVの基底である事から、基底の定義の(2)によって、Vの元を全てb'₁,b'₂,…,b'mの線型結合の形で表せる。つまり、b₁,b₂,…,bn∈Kb'₁+Kb'₂+…+Kb'm
よって、定理(3.2.1)の(ⅲ)(独立元のいれかえ)により、n≦mである。
∴m=n

おまけ:
「1 だれがわれわれの聞いたことを/信じ得たか。主の腕は、だれにあらわれたか。
2 彼は主の前に若木のように、かわいた土から出る根のように育った。彼にはわれわれの見るべき姿がなく、威厳もなく、われわれの慕うべき美しさもない。
3 彼は侮られて人に捨てられ、悲しみの人で、病を知っていた。また顔をおおって忌みきらわれる者のように、彼は侮られた。われわれも彼を尊ばなかった。
4 まことに彼はわれわれの病を負い、われわれの悲しみをになった。しかるに、われわれは思った、彼は打たれ、神にたたかれ、苦しめられたのだと。
5 しかし彼はわれわれのとがのために傷つけられ、われわれの不義のために砕かれたのだ。彼はみずから懲らしめをうけて、われわれに平安を与え、その打たれた傷によって、われわれはいやされたのだ。」
「イザヤ書」第53章1節~5節(口語訳)
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/13 15:51 (No.1388226)削除
次の文章を完全解説して下さい。

定理6.6
Kをq個(q=p^r,r≧1)の元からなる体とすると、Kは多項式X^q-Xの互いに異なるq個の根で構成されている。したがって、X^q-XはK[X]の中で1次式の積に分解される。

証明
K=Fqの乗法群をK*で表す。K*の位数はq-1である。有限群の元の位数はその群の位数の約数であったから(第2章定理4.4の系2)、K*の任意の元αの位数はq-1の約数である。したがって、
α^(q-1)=1
となるが(第2章定理4.4の系3)、これはαが方程式
X^(q-1)-1=0
の根であることを意味する。Kの元でK*に属さない元0はX=0の根であるからKの元すべては
X(X^(q-1)-1)=0
の根である。f(X)=X^q-Xとおく。f'(X)=-1とf(X)は共通根をもたないので、補題3により方程式f(X)=0の根は互いに異なる。f(X)の根の全体をSとすると、上に述べたことよりK⊂S。一方定理4.6によって、多項式f(X)の根の数はf(X)の次数qを越えないから
q=|K|≦|S|≦q
ゆえに、K=Sを得る。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

第2章定理4.4の系2
有限群Gの元の位数はGの位数の約数である。

定理4.4の系3
Gを位数nの有限群とする。このとき、Gの任意の元aに対してa^n=eが成り立つ。
|G|=n⇒∀a∈G,a^n=e

補題3
K[X]を体K上の多項式環とし、f(X)∈K[X]とする。また、αをKのある拡大体Lの元でf(α)=0であるとする。このとき、次の命題が成立する。
(1)αがf(X)の重根である⇔αがf(X)とf'(X)の共通根である。
(2)f(X)が既約であるとするとき、αがf(X)の重根であることと、f'(X)=0であることは同値である。

定理4.6
K[X]を体K上の1変数の多項式環とする。0でないK[X]の多項式f(X)の次数がnならば、f(α)=0となるKの元αは高々n個である。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/14 13:43削除
解説
>f(X)=X^q-Xとおく。f'(X)=-1とf(X)は共通根をもたないので、補題3により方程式f(X)=0の根は互いに異なる。

f(X)をXで微分すると、
f'(X)=qX^(q-1)-1
また、「Kの元すべてはX(X^(q-1)-1)=0の根である」ので、X=0またはX^(q-1)=1
(ⅰ)X=0の場合、f'(X)=-1
(ⅱ)X^(q-1)=1の場合、f'(X)=q-1
参考書の方は、(ⅰ)の場合しか考えていませんね。ミスだと思いますが、続けます。
f'(X)=-1のX=αを代入してもf'(α)=0とならないので、αはf'(X)の根ではない。
また、条件よりf(α)=0でαはK*の任意の元より、f(X)とf'(X)は共通根を持たない。
よって、補題3(1)の対偶により、f(X)は重根を持たない。
よって、「f(X)=0の根は互いに異なる」という事。

補題3
K[X]を体K上の多項式環とし、f(X)∈K[X]とする。また、αをKのある拡大体Lの元でf(α)=0であるとする。このとき、次の命題が成立する。
(1)αがf(X)の重根である⇔αがf(X)とf'(X)の共通根である。
(2)f(X)が既約であるとするとき、αがf(X)の重根であることと、f'(X)=0であることは同値である。

(ⅱ)X^(q-1)=1の場合、f'(X)=q-1
ところで、q=p^r,r≧1より、q=1とはならない。よって、αがf'(X)の根にはならないので、(ⅰ)と同様。

それでは、具体例を考えてみましょう。

定理6.6
Kをq個(q=p^r,r≧1)の元からなる体とすると、Kは多項式X^q-Xの互いに異なるq個の根で構成されている。したがって、X^q-XはK[X]の中で1次式の積に分解される。

q=2²=4とすると、X⁴-X=0
∴X(X³-1)=0 
∴X(X-1)(X²+X+1)=0
∴X=0,1,ω,ω²
この4個がKの元という事である。これは定理6.1を満たしている。

定理6.1
有限体Kの0以外の元からなる乗法群K*は巡回群である。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

また、今後やるが先取りして定理6.8を考察すると、

定理 6.8
同じ個数の元からなる2つの有限体は同型である。

そこで、例6.5。

例6.5
F2={0,1}を2個の元からなる体ℤ/(2),F2[X]をF2上の多項式環とする。X^2+X+1はF2[X]の既約多項式であるから、剰余環
K=F2[X]/(X^2+X+1)
は体である。

このKは、「以上よりK={0,1,α,α^2=α+1}である」ので、上の例と同型だろう。
因みに、ω²+ω+1=0なので、
ω²=-ω-1である。(α^2=α+1は係数がF₂だから。)

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/12 21:47 (No.1387890)削除
問題
右図で、MはBCの中点,AD⊥BC,CE⊥ABである。BC=15,OM=4のとき、次の問いに答えなさい。
(1)△ABCの外接円の直径を求めなさい。
(2)AFの長さを求めなさい。
(03 明治大付中野)

図の解説:∠B=45°,∠C=75°ぐらいの△ABCとその外接円と中心Oを描き、BCの中点をM,AからBCに下ろした垂線の足をD,CからABに下ろした垂線の足をEとした図。

普通に解けましたが、(2)は別解と何でもありの解法も作ってみました。
因みに、「本問は、解くのは難しくないだろうが、重要事項の証明につながる、よく知られた図形である。」とあるので、「高校への数学 日日のハイレベル演習」の読者の中学生のレベルの高さが窺える問題である。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/13 07:56削除
問題
右図で、MはBCの中点,AD⊥BC,CE⊥ABである。BC=15,OM=4のとき、次の問いに答えなさい。
(1)△ABCの外接円の直径を求めなさい。
(2)AFの長さを求めなさい。
(03 明治大付中野)

模範解答
(1)右図のように(注:BOを結び、その延長と円との交点をPとした図)、直径BPを引くと、中点連結定理により、PC=2OM=8
ここで、PC⊥BC・・・① であるから、
BP=√(BC²+PC²)=√(15²+8²)
=17
(2)①より、PC∥AD・・・②
同様に、PA⊥ABより、PA∥CE・・・③
②,③より、四角形AFCPは平行四辺形である。よって、AF=PC=8
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
(1)は簡単に補助線を引いているが、簡単なようで意外とこれは高等技術(ただの定石だが)である。まぁ、普通は、半径より△OBCが二等辺三角形で点MがBCの中点よりOM⊥BCより、△OBMで三平方の定理を使うと、
OB=√{4²+(15/2)²}
=√(64/4+225/4)
=√(289/4)=17/2
よって、半径が17/2より、直径は17
と求める事だろう。
すると、(2)で息詰まってしまうが、ある程度定石を知っている人なら、BOを結んでその延長と円との交点を定める。以後同じという事である。

(2)の別解
点Bをxy座標の原点に置き、BCをx軸とした直交座標を取り、A(a,b),C(15,0)と置くと、D(a,0),O(15/2,4)となる。
直線ABの傾きはb/aより、それと直交する直線CEの傾きは-a/b(b≠0)で点Cを通るので、直線CEの方程式は、y=(-a/b)(x-15)
∴y=(-a/b)x+15a/b
よって、点Fのy座標は、これにx=aを代入して、y=-a²/b+15a/b
∴AF=b-(-a²/b+15a/b)
=(b²+a²-15a)/b
∴AF=(a²+b²-15a)/b———①
また、(1)より、半径が17/2より、2点間の距離の公式を使うと、
OA=√{(a-15/2)²+(b-4)²}=17/2が成り立つ。
∴a²-15a+225/4+b²-8b+16
=289/4
∴a²+b²-15a-8b=0
∴a²+b²-15a=8b———②
②を①に代入すると、
AF=8
(多分、今回の新作。)
何でもありの解法は次回。因みに、何も見ないで作りました。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/2/14 07:58削除
問題
右図で、MはBCの中点,AD⊥BC,CE⊥ABである。BC=15,OM=4のとき、次の問いに答えなさい。
(1)△ABCの外接円の直径を求めなさい。
(2)AFの長さを求めなさい。
(03 明治大付中野)

(2)の何でもありの解法
AD⊥BC,CE⊥ABより、点Fは△ABCの垂心である。ここで
△ABCの垂心をH,外心をOとすると、
↑OH=↑OA+↑OB+↑OCが成り立つという定理(証明は下でする)を使うと、
↑OF=↑OA+↑OB+↑OC
∴↑OF-↑OA=↑OB+↑OC
∴↑AF=↑OB+↑OC
∴AF=|↑AF|=|↑OB+↑OC|———①
ところで、半径よりOB=OCなので、↑OB+↑OCの行き先を点E(↑OB+↑OC=↑OE)とすると、四角形OBECはひし形でOE=2OM=8となる。つまり、
|↑OB+↑OC|=|↑OE|=OE=8———②
①,②より、AF=8

定理
△ABCの垂心をH,外心をOとすると、
↑OH=↑OA+↑OB+↑OCが成り立つ。

証明
↑OX=↑OA+↑OB+↑OCとなる点Xを考察すると、
↑OB+↑OC=↑OX-↑OA
ここで、↑OB+↑OC=↑ODとなる点をDとすると、OB=OCより四角形OBDCはひし形でOD⊥BC
また、点Hは垂心より、AH⊥BC よって、OD∥AF よって、↑OB+↑OCの起点をOからAに移すと、点DはAH(とその延長)上にあり、↑OB+↑OC=↑OX-↑OAより点XもAからBCに下ろした垂線上にある。
また、↑OA+↑OB=↑OX-↑OCとして同様の事をすると、点XはCからABに下ろした垂線上にもある事が分かる。
つまり、点Xは垂心である。よって、X=Hを代入すると、↑OH=↑OA+↑OB+↑OCが成り立つという訳である。(アドリブで作ったので、ちょっと分かり難いかもしれない。)

おまけ:
「押尾に部屋を貸していた野口美佳は、2012年にこの事件について「散々な目に遭った」と述懐、「関東連合という組織と無関係なのにネットで検索すると(私が)関係者とか出てくる」などと発言している。」
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%BC%E5%B0%BE%E5%AD%A6%E4%BA%8B%E4%BB%B6#%E6%B5%81%E8%A8%80%E8%9C%9A%E8%AA%9E
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