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壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/22 20:25 (No.1375405)削除
問題
右の図で、△OACと△OBDはともに正三角形であり、四角形OCEDは平行四辺形である。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)△DEB≡△CAEであることを証明しなさい。
(2)∠BDE=∠BOAであることを証明しなさい。
(3)∠AEB=60°であることを証明しなさい。
(05 大阪教育大付天王寺)

図の解説:15°ぐらいの∠BOAを描き、OBよりOAの方をちょっと長く取る。ここで、OB,OAの外側に1辺がOB,OAの正三角形DOBとCOAを描き、OD,OCを二辺とした平行四辺形OCEDを描く。(参考書の図では∠BOA内に点Eがある。)また、EB,EAを結んだ図。

これはちょっと前にやりましたね。今回は(2)は解答を見る前に2通り作りましたが、前回はなかった(3)の別解があります。(参考書の別解。)

問題
右の図で、△OACと△OBDはともに正三角形であり、四角形OCEDは平行四辺形である。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)△DEB≡△CAEであることを証明しなさい。
(2)∠BDE=∠BOAであることを証明しなさい。
(3)∠AEB=60°であることを証明しなさい。
(01 大阪教大付天王寺)

2005年と2001年の両方で出たのかな? 過去問ってこんなに同じものなの? それとも誤植?

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/23 08:03削除
問題
右の図で、△OACと△OBDはともに正三角形であり、四角形OCEDは平行四辺形である。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)△DEB≡△CAEであることを証明しなさい。
(2)∠BDE=∠BOAであることを証明しなさい。
(3)∠AEB=60°であることを証明しなさい。
(05 大阪教育大付天王寺)

図の解説:15°ぐらいの∠BOAを描き、OBよりOAの方をちょっと長く取る。ここで、OB,OAの外側に1辺がOB,OAの正三角形DOBとCOAを描き、OD,OCを二辺とした平行四辺形OCEDを描く。(参考書の図では∠BOA内に点Eがある。)また、EB,EAを結んだ図。

模範解答
(1)正三角形と平行四辺形の条件から、辺の長さについて右図(注:OA=AC=OC=DE=||,OB=BD=OD=CE=|,∠OCE=∠ODE=●,∠BDE=○,∠ACE=×,∠BOA=△と振った図)のようになり、また、●同士の角は等しい。
すると、○=60°-●=×であるから、二辺夾角相等で、△DEB≡△CAE・・・①
(2)右図(注:上と同じ図)で、
△=∠DOC-60°×2
=(180°-●)-120°
=60°-●=○
∴∠BDE=∠BOA・・・②
(3)②より、二辺夾角相等で、
△OAB≡△DEB・・・③
①,③より、BE=EA=BAであるから、△ABEは正三角形。
よって、∠AEB=60°である。
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

読めば分かるので、解説は省略。そこで、(3)の参考書の別解。

(3)∠AEB=360°-(∠DEB+∠CEA)-∠DEC
=360°-(180°-○)-(180°-●)
=○+●=60°

解説
(1)より△DEB≡△CAEなので、∠DBE=∠CEA よって、これを1行目に代入すると、
∠AEB=360°-(∠DEB+∠DBE)-∠DEC
また、△DBEの内角の和より、
∠DEB+∠DBE=180°-○
また、平行四辺形の性質より、
∠DEC=180°-●
これらを代入すると、
∠AEB=360°-(180°-○)-(180°-●)=○+●
ところで、○+●=∠ODB=60°より、
∠AEB=60°という事。

因みに、今回の本は臨時増刊2006-6月号だが、臨時増刊2003-5月号にはこの解法は載っていないので、読者などから投稿があったのだろう。(念のため、読者は中学生とは限らない。)

あとがき
『日日のハイレベル演習』の完全リニューアル版(以下’新版’と称す)をお届けします。難関高校受験用の問題集として好評を頂いていた先代の(?)『日日のハイレベル演習』(以下’旧版’と称す)の問題を、2000年度以降の問題を中心にして一新しました。旧版の良い点を引き継ぎつつ、新版ならではの新しい工夫も随所にちりばめられています。
 従来は、『レベルアップ演習』(主に公立高校受験用)と旧版との2本立てだったのですが、先に、それらの間に入るレベルの『High スタンダード演習』(中堅以上の私立高校受験用)を刊行しました。それとの問題レベルの重複を少なくするために、この新版では、旧版で多く含まれていた難易度Bランクの問題をやや減らし、Cランクの問題が中心になっています。その意味では、平均の難易度がさらにアップしているわけですが、いたずらな難問は避け、演習価値の高い難問・良問を精選してあります。特に最初は難しく感じるでしょうが、詳しい解説を熟読・理解して、少し時間をおき、再度挑戦してみて下さい。2回,3回,…と取り組むうちに、知らず知らずに大きな力が身に付いていくはずです。
『レベルアップ演習』や『High スタンダード演習』をこなした後の総仕上げに、本書に思いっきりぶつかってみましょう。本書をマスターできれば、どんな難関高校の入試問題にも太刀打ちできるだけの実力が備わっているはず———揺るぎない自信を持って、入試本番に臨めることでしょう。
 なお、本書を読んで疑問に思った点,あるいは別解などがありましたら、下記の住所の「高校への数学編集部」宛にお便りを下さい。
 本書が、できるだけ多くの難関校受験生のお役に立てることを祈ってやみません。(勝又)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」臨時増刊2006-6より

(2)の私の別解
DEの延長とOAとの交点をFとすると、四角形OCEDは平行四辺形よりDF∥OCとなる。
よって、錯角より∠DFO=∠FOC=60°
また、∠DBO=60°より、
∠DFO=∠DBO
よって、円周角の定理の逆により、4点B,D,O,Fは同一円周上にある。
よって、円周角より∠BDF=∠BOF
∴∠BDE=∠BOA

おまけ:
https://www.sanspo.com/article/20240423-IFN6OX4OBRAIXAENS6U22HLEDA/
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/22 11:48 (No.1375184)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問6.5
体Kの拡大体をLとし、αとβをLの元とする。αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とする。βがf(X)の根であればK(α)≃K(β)であることを示せ。

証明
(1)f(X)はK上βの最小多項式であることを示す。
σ_β:K[X]→K[β](X→β)
なる準同型写像σ_βを考える。σ_β(1)=1であるから、kerσ_β≠K[X]
また、σ_β(f(X))=f(β)=0より
f(X)∈kerσ_β 
ゆえに、(f(X))⊂kerσ_β⊊K[X]
ここで、f(X)はK[X]の既約多項式であるから、定理4.11によって、(f(X))はK[X]の極大イデアルである。ゆえに、(f(X))=kerσ_β
したがって、g(β)=0(g(X)∈K[X])とすると、g(X)∈kerσ_β=(f(X))
よって、f(X)|g(Ⅹ)であるから、f(X)はβを代入したとき0になるK[X]の次数最小の多項式である。よって、f(X)はK上βの最小多項式である。
(2)f(X)がK上αとβの最小多項式であるから、定理6.3(2)より
K[α]≃K[X]/(f(X)),K[β]≃K[X]/(f(X))
したがって、K[α]≃K[X]/(f(X))≃K[β]を得る。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

定理4.11
K[X]を体K上の多項式環で、f(X)∈K[X]とするとき、つぎの5つの命題は同値である。
(1)f(X)は既約多項式である。
(2)(f(X))=f(X)K[X]は素イデアルである。
(3)(f(X))=f(X)K[X]は極大イデアルである。
(4)K[X]/(f(X))は整域である。
(5)K[X]/(f(X))は体である。

定理6.3
体の拡大K⊂LでαはLの元とするとき、次のことが成り立つ。
(1)αがK上超越的であれば
σ:K[X]→K[α]⊂L(X→α)
は環同型写像であり、K[α]の商体K(α)はK上の有理関数体K(X)と同型である。
(2)αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とすると、写像
K[X]/(f(X))→K[α]⊂L(|X→α)
は同型写像であり、K[α]は体になる。すなわち、K[α]=K(α)となる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

適当に分かり易く面白そうに解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/22 13:56削除
解説
>問6.5
体Kの拡大体をLとし、αとβをLの元とする。αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とする。βがf(X)の根であればK(α)≃K(β)であることを示せ。

まず、問題の意味は、例4.4で解説すると、

例4.4
f(X)をℚ[X]のn次の既約多項式とする。αをf(X)=0の一つの根とし、
ℚ[α]={a₀+a₁α+a₂α²+…+an-1α^(n-1)|ai∈ℚ}
なる集合を考えると、ℚ[α]は体になる。
このとき、剰余体ℚ[X]/(f(X))とℚ[α]は同型である。ℚ[X]/(f(X))≃ℚ[α]

問6.5のαとβは例4.4では同じf(X)の異なる2根という事であり、ℚ[X]/(f(X))≃ℚ[α]の左辺が同じなんだから右辺も同じで、
ℚ[X]/(f(X))≃ℚ[β]だから、ℚ[α]≃ℚ[β]となる。これを一般的に証明せよという問題。
これだけでは面白くないので、例3.5で余計な事を解説する。

例3.5
有理数体ℚ上の1変数の多項式環ℚ[X]において、多項式X²-2によって生成されたイデアル(X²-2)による剰余環ℚ[X]/(X²-2)と体ℚ[√2]は環として同型である。

問6.5や例4.4のf(X)が具体的にf(X)=X²-2という訳である。よって、α=√2,β=-√2とすると、
ℚ[√2]とℚ[-√2]は同型であるという事である。実際、例4.4のℚ[α]にα=±√2を代入すると、ℚ[√2]={a+b√2|a,b∈ℚ},
ℚ[-√2]={c+d√2|c,d∈ℚ}となり、同型となりそうな事は一目瞭然だろう。
これは、例えば、f(X)=X²+X-1として、α=(-1+√5)/2,β=(-1-√5)/2としても同様の事が言える事がすぐに分かるだろう。そして、その条件が既約多項式という事も。例えば、(有理数係数の)3次方程式で1つの解が因数定理で解けて、α=有理数,βが√の入った解だったら同型とは言えない形になるからである。(例4.4のℚ[α]に代入するという事。)
そこで、f(X)=X³-2としてみると、
α=³√2,β=³√2ω,γ=³√2ω²
という3つの根が出来、
ℚ[³√2]とℚ[³√2ω]が同型という訳である。これはちょっと素人的(私的)には予想外である。
ℚ[³√2]={a+b∛2+c∛4|a,b,c∈ℚ}
ℚ[³√2ω]={d+e∛2ω+f∛4ω²|d,e,f∈ℚ}
しかし、よく考えると1と∛2と∛4,1と∛2ωと∛4ω²が線型独立で基底と考えると同じ3次元で、全単射が成り立ちそうだし(代入の原理で準同型写像だから)同型だろう。
全く関係ないが、
ℚ[∛2,ω]=ℚ[∛2+ω]
である。同型ではなく等号である。

問5.7
ℚ(∛2,ω)=ℚ(∛2+ω)を示せ。
「がロア理論の頂を踏む」石井俊全著より

また、面白くしようとして地雷を踏んでなければ良いですが。笑
何にしても自己責任でお願いします。

続きは次回。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/22 16:02削除
解説の続き

問6.5
体Kの拡大体をLとし、αとβをLの元とする。αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とする。βがf(X)の根であればK(α)≃K(β)であることを示せ。

証明
(1)f(X)はK上βの最小多項式であることを示す。
σ_β:K[X]→K[β](X→β)
なる準同型写像σ_βを考える。σ_β(1)=1であるから、kerσ_β≠K[X]
また、σ_β(f(X))=f(β)=0より
f(X)∈kerσ_β 
ゆえに、(f(X))⊂kerσ_β⊊K[X]
ここで、f(X)はK[X]の既約多項式であるから、定理4.11によって、(f(X))はK[X]の極大イデアルである。ゆえに、(f(X))=kerσ_β
したがって、g(β)=0(g(X)∈K[X])とすると、g(X)∈kerσ_β=(f(X))
よって、f(X)|g(Ⅹ)であるから、f(X)はβを代入したとき0になるK[X]の次数最小の多項式である。よって、f(X)はK上βの最小多項式である。
(2)f(X)がK上αとβの最小多項式であるから、定理6.3(2)より
K[α]≃K[X]/(f(X)),K[β]≃K[X]/(f(X))
したがって、K[α]≃K[X]/(f(X))≃K[β]を得る。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

>σ_β:K[X]→K[β](X→β)
なる準同型写像σ_βを考える。σ_β(1)=1である

σ_βは代入の原理なので、準同型写像である。

定理4.4(代入の原理)
環LをRを部分環とするような環とし、Lの元αはRのすべての元と可換とする。R[X]の元f(X),g(X)において、次が成り立つ。
(ⅰ)f(X)+g(X)=ε(X)⇒f(α)+g(α)=ε(α)
(ⅱ)f(X)・g(X)=η(X)⇒f(α)・g(α)=η(α)
定理4.4は多項式環R[X]の元f(X)に対してf(α)(∈L)を対応させる写像Φが環としての準同型写像であることを意味している。

また、環(体)の準同型写像だから、σ_β(1)=1という事である。

定義3.1
R,R'を環とし、fをRからR'への写像とする。任意のa,b∈Rに対して
f(a+b)=f(a)+f(b)
f(a・b)=f(a)・f(b)
f(1_R)=1_R'
が満たされているとき、fをRからR'への環の準同型写像であるという。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

>σ_β(1)=1であるから、kerσ_β≠K[X]

σ_β(K[X])=0でないから。つまり、K[X]の中に少なくとも1つは代入の原理でβを代入しても0にならない多項式があるから。(念のため、Xを使わないただの1もK[X]の多項式の1つである。)
因みに、なぜわざわざkerσ_β≠K[X]なんてあまり意味がなさそうな事を言うのかと言うと、後で極大イデアルの性質を利用する時に使うからである。

>また、σ_β(f(X))=f(β)=0より
f(X)∈kerσ_β 

「σ_β(f(X))=f(β)=0」は、σ_βが代入の原理でβを代入し、f(β)=0は条件の「βがf(X)の根であれば」からである。
よって、σ_β(f(X))=0より、kerFの性質で、
f(X)∈kerσ_βという事。

>f(X)∈kerσ_β 
ゆえに、(f(X))⊂kerσ_β⊊K[X]

kerσ_βはイデアルでその元のf(X)で生成したイデアル(f(X))がkerσ_βの部分集合になる事はある意味自明だろう。
また、kerσ_β⊊K[X]は上で示した事。

>(f(X))⊂kerσ_β⊊K[X]
ここで、f(X)はK[X]の既約多項式であるから、定理4.11によって、(f(X))はK[X]の極大イデアルである。ゆえに、(f(X))=kerσ_β

定理4.11
K[X]を体K上の多項式環で、f(X)∈K[X]とするとき、つぎの5つの命題は同値である。
(1)f(X)は既約多項式である。
(2)(f(X))=f(X)K[X]は素イデアルである。
(3)(f(X))=f(X)K[X]は極大イデアルである。
(4)K[X]/(f(X))は整域である。
(5)K[X]/(f(X))は体である。

(1)と(3)から「(f(X))はK[X]の極大イデアルである」という事である。
ここで、極大イデアルの性質より、
(f(X))=kerσ_β または kerσ_β=K[X]
だが、kerσ_β⊊K[X]より、
(f(X))=kerσ_βという事。

極大イデアルの定義
Pを可換環のイデアルとする。Pを含んでいるRの真のイデアルが存在しないとき、すなわちIをRのイデアルとするとき
P⊂I⇒P=I または I=R
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

念のため、kerσ_β⊊K[X]よりI≠Rという事で、P=I((f(X))=kerσ_β)

>ゆえに、(f(X))=kerσ_β
したがって、g(β)=0(g(X)∈K[X])とすると、g(X)∈kerσ_β=(f(X))
よって、f(X)|g(Ⅹ)であるから、f(X)はβを代入したとき0になるK[X]の次数最小の多項式である。よって、f(X)はK上βの最小多項式である。

ここで、任意にg(X)∈K[X]を選び、代入の原理σ_βでβを代入しイコール0とすると、
σ_β(g(X))=0(g(β)=0と同じ事。)
∴g(X)∈kerσ_β
また、(f(X))=kerσ_βより、
g(X)∈(f(X))となる。
よって、イデアルの性質(g(X)はf(X)の倍数と考えると良い)より、f(X)|g(X)
よって、f(X)<g(X)でg(X)はK[X]から任意に選んだので、f(X)は最小(次数)であり、条件「βがf(X)の根であれば」よりf(β)=0である。
よって、「f(X)はβを代入したとき0になるK[X]の次数最小の多項式である」という事である。
あとは、最小多項式の定義。

>(2)f(X)がK上αとβの最小多項式であるから、定理6.3(2)より
K[α]≃K[X]/(f(X)),K[β]≃K[X]/(f(X))
したがって、K[α]≃K[X]/(f(X))≃K[β]を得る。

定理6.3
体の拡大K⊂LでαはLの元とするとき、次のことが成り立つ。
(1)αがK上超越的であれば
σ:K[X]→K[α]⊂L(X→α)
は環同型写像であり、K[α]の商体K(α)はK上の有理関数体K(X)と同型である。
(2)αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とすると、写像
K[X]/(f(X))→K[α]⊂L(|X→α)
は同型写像であり、K[α]は体になる。すなわち、K[α]=K(α)となる。

読めば分かるので、定理を挙げただけで良いだろう。

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1878796025730879936
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/19 16:46 (No.1373512)削除
問題
四角形ABCDがあって、その面積は165である。図のように辺AD,BCの3等分点をK,LおよびM,Nとする。次の問いに答えなさい。
(1)△ABKと△CDNの面積の和を求めなさい。
(2)辺AB,DCを1:2に分ける点をそれぞれP,Qとし、線分PQと線分KMの交点をRとする。QR=2PRであることを証明しなさい。
(00 灘)

図の解説は読めば分かるので省略。

覚えていたせいか速攻で解けました。因みに、「有名問題(の一部)なので、類題の経験者も少なくないはず」とあり、その有名問題も普通に解けました。

有名問題とは、例えば、平行四辺形の各辺の3等分点をそれぞれ結んで9個に分けると、中央の四角形の面積が全体の1/9である事は自明だが、実は任意の凸型四角形でもこの事は成り立つ定理の証明。

因みに、その後、四角形ABCDの辺AB,BC,CD,DAのそれぞれの中点をK,L,M,Nとし、KMとLNの交点をOとすると、四角形AKON+四角形CMOL=四角形BLOK+四角形DNOMというのを作って証明してみました。念のため、私のオリジナルではありません。薄い記憶がある程度ですが、ネットで見た問題です。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/20 07:59削除
問題
四角形ABCDがあって、その面積は165である。図のように辺AD,BCの3等分点をK,LおよびM,Nとする。次の問いに答えなさい。
(1)△ABKと△CDNの面積の和を求めなさい。
(2)辺AB,DCを1:2に分ける点をそれぞれP,Qとし、線分PQと線分KMの交点をRとする。QR=2PRであることを証明しなさい。
(00 灘)

模範解答
(1)△ABK+△CDN
=△ABD/3+△CDB/3
=四角形ABCD/3・・・Ⓐ
=165/3=55
(2)AP:AB=AK:AD=1:3
∴PK∥=(1/3)BD・・・ア
全く同様に、MQ∥=(2/3)BD・・・イ
ア,イより、△RPK∽△RQMで、
相似比は、1:2
∴PR:QR=1:2
∴QR=2PR
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

注:∥=とした所は、「平行 かつ イコール」という意味だが、参考書に使われている記号が出なかったので、こうした。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14283955099
参考までに。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B0%E5%AD%A6%E8%A8%98%E5%8F%B7%E3%81%AE%E8%A1%A8

解説は、読めば分かるので省略。

■研究 前書きの「有名問題」とは、次のようなものです。
凸四角形ABCDで、辺AB,BC,CD,DAの各3等分点を順に、E,F;G,H;I,J;K,Lとし、図のように四角形PQRSを作った。
このとき、四角形PQRS=(1/9)四角形ABCDであることを証明しなさい。
(注:四角形PQRSは中央の四角形で左上の頂点から反時計回りにP~Sと振ったもの。)
このままでは厳しいでしょうから、ヒントです。
『上の(1)の図で、Ⓐからさらに、
a+b=四角形KBND/2
=(四角形ABCD×(2/3))/2
=四角形ABCD/3』
注:△KBN=△KMN=a,△NKL=△NLD=bと置いた図。
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

数学に興味がある人は、是非、挑戦して下さい。ヒントがあれば、普通の人でも解けるチャンスはあると思います。当然、腕に自信がある人はヒントは見ないで解いて下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/21 07:57削除
問題
凸四角形ABCDで、辺AB,BC,CD,DAの各3等分点を順に、E,F;G,H;I,J;K,L(注:反時計回り)とし、図のように四角形PQRSを作った。
このとき、四角形PQRS=(1/9)四角形ABCDであることを証明しなさい。
(注:四角形PQRSは中央の四角形で左上の頂点から反時計回りにP~Sと振ったもの。)

解答
まず、補題の証明をしておく。

補題
凸四角形ABCDの下底辺の3等分点を左から右にM,Nとし、上底辺の3等分点を左から右にK,Lとすると、四角形KMNLは四角形ABCDの1/3の面積となる。

証明
BDを結ぶと、△BAK=(1/3)△BAD
また、△DCN=(1/3)△DBC
この2式を加えると、
△BAK+△DCN=(1/3)四角形ABCD
よって、四角形KBNL=(2/3)四角形ABCD
また、△KBN=△KMN=○
△NDL=△NLK=×と置くと、
○○+××=四角形KBNL=(2/3)四角形ABCD
∴○+×=(1/3)四角形ABCD
∴△KMN+△NLK=(1/3)四角形ABCD
∴四角形KMNL=(1/3)四角形ABCD
よって、示された。

つまり、任意の凸四角形の上底辺の3等分点と下底辺の3等分点で縦に3つに分けた中央の四角形の面積は全体の1/3の面積となる。
ここで、EL,BD,GJを結ぶと、△AEL∽△ABDで相似比1:3より、
EL∥BD,BD=3EL
また、△CGJ∽△CBDで相似比2:3より、GJ∥BD,BD=(3/2)GJ
∴EL∥GJ,3EL=(3/2)GJ
∴EL:GJ=(3/2):3=1:2
よって、△PEL∽△PJGで相似比1:2より、EP:PJ=1:2
KJ,AC,EHを結んで同様の事をすれば、
JS:SE=1:2
∴EP:PS:SJ=1:1:1
同様に、FQ:QR:RI=1:1:1
よって、補題より、
四角形PQRS=(1/3)四角形EFIJ———①
また、四角形EFIJ=(1/3)四角形ABCD———②
②を①に代入すると、
四角形PQRS=(1/3){(1/3)四角形ABCD}=(1/9)四角形ABCD
よって、示された。

おまけ:
https://ameblo.jp/tristessa/entry-12809576819.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/22 07:50削除
問題
四角形ABCDの辺AB,BC,CD,DAのそれぞれの中点をK,L,M,Nとし、KMとLNの交点をOとすると、四角形AKON+四角形CMOL=四角形BLOK+四角形DNOMとなる事を証明して下さい。

解答
KN,BD,LMを結ぶと、△ABDと△CBDでの中点連結定理より、KN∥LM,KN=LMとなる。よって、四角形KLMNは平行四辺形である。
また、△AKN∽△ABD,△CML∽△CDBでそれぞれの相似比が1:2より、面積比は1:4
よって、△AKN=(1/4)△ABD———ア
また、△CLM=(1/4)△CDB———イ
ア+イより、
△AKN+△CLM=(1/4)四角形ABCD———①
また、NM,AC,KLを結んで同様の事をすれば、
△DNM+△BLK=(1/4)四角形ABCD———②
①+②より、
△AKN+△CLM+△DNM+△BLK=(1/2)四角形ABCD
よって、四角形KLMN=(1/2)四角形ABCD———③
ところで、四角形KLMNは平行四辺形だったので、△OKN=△OLK=△OML=△ONM(平行四辺形の対角線は互いの中点で交わっているから。)
∴△OKN+△OML=(1/2)四角形KLMN———④
③を④に代入すると、
△OKN+△OML=(1/4)四角形ABCD———⑤
①+⑤より、
△AKN+△CLM+△OKN+△OML=(1/2)四角形ABCD
∴四角形AKON+四角形CMOL=(1/2)四角形ABCD———☆
よって、残りの2つの四角形の和も四角形ABCDの1/2なので、
四角形BLOK+四角形DNOM=(1/2)四角形ABCD———☆☆
☆,☆☆より、
四角形AKON+四角形CMOL=四角形BLOK+四角形DNOM
よって、示された。

因みに、簡単に証明出来るので省略しましたが、四角形NBLDと四角形ALCNのそれぞれの面積も四角形ABCDの1/2で上の2つの四角形の和の面積と等しい。美しくないけど、ちょっとだけ難易度を上げたいならば、

問題
四角形ABCDの辺AB,BC,CD,DAのそれぞれの中点をK,L,M,Nとし、KMとLNの交点をOとすると、四角形AKON+四角形CMOL=四角形ALCNとなる事を証明して下さい。

の方が良いかもしれない。念のため、何も見ないで作り、何も見ないで解きました。

おまけ:
https://www.msn.com/ja-jp/entertainment/hollywood/%E3%83%8E%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%80%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%81%AF%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E3%81%AE%E7%8E%8B%E6%97%8F%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%91%BD%E3%82%92%E4%BA%88%E8%A8%80%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%A0%E3%82%8D%E3%81%86%E3%81%8B/ss-BB1kqcfH?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=1bfd683183934125b16b99bd7210f61a&ei=7#comments&commentId=f69d4015-27b1-4101-b91d-122d4f22fc4c
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壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/21 11:56 (No.1374573)削除
次の文章を完全解説して下さい。

§6.1 固有値,固有空間
定義 Tを線型空間Vの線型変換とする。実数a∈ℝに対して、
(1)二つの条件 p≠0,T(p)=ap(注:pは本当は太字)をみたすp∈Vが存在するとき、aをTの一つの固有値という。pを固有値aに属するTの一つの固有ベクトルという。
(2)W(a)={x∈V|T(x)=ax}とおく。
W(a)は線型変換 T-aIv:V→V
の核(T-aIv)^-1(0)に等しく、Vの部分線型空間である。W(a)を固有値aに属するTの固有空間という。したがって、
固有空間={0}+{固有ベクトルp}

これだけではよく分からないと思うので、例題を解読した後に解説して下さい。

例題6.1.1
線型変換T:ℝ₂→ℝ₂,[x y]→[x+2y 2x+y]において、Tの固有値と固有空間を求めよ。


実数a∈ℝとベクトルp=[p q]に対して、
T(p)=[p+2q 2p+q],ap=a[p q]=[ap aq]より、T(p)=apとすると、
[p+2q 2p+q]=[ap aq]
となる。よって、p+2q=ap・・・①
        2p+q=aq・・・②
を解けばよい。①よりq={(a-1)/2}pとなるので、②に代入すると
2p+{(a-1)/2}p=a{(a-1)/2}p
よって、p(3+2a-a²)=0
固有ベクトルpは、p≠0でなければならないからp≠0 したがって、3+2a-a²=0
となる。この方程式を解いてa=3,-1が求めるTの固有値である。
次に固有ベクトルを求めよう。
a=3の場合、
p+2q=3p
2p+q=3q 
⇒p=[p q]=p[1 1](p≠0)
a=-1の場合、
p+2q=-p
2p+q=-q 
⇒p=[p q]=p[1 -1](p≠0)
固有空間は、固有ベクトルに0を加えたものだから、
W(3)=ℝ[1 1],W(-1)=ℝ[1 -1]
となる。(解終)
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

線型変換の定義
定義域と値域が等しい写像,すなわち集合SからS自身への写像をSの変換という。線型空間VからV自身への線型写像はVの線型変換という。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

核の定義
線型写像F:V→V'に対し
(ⅰ)V'の零元0'のFによる逆像
F^-1(0')={a∈V|F(a)=0'}
はVの部分空間である。これをFの核(kernel)といい、KerFとも表す。
(ⅱ)は省略。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

適当に、よくわかる(よく分かりそうな)解説をして下さい。

おまけ:
https://www.nostalgic-story.fun/2022/07/21/akagi8/#google_vignette
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/21 14:00削除
解説

§6.1 固有値,固有空間
定義 Tを線型空間Vの線型変換とする。実数a∈ℝに対して、
(1)二つの条件 p≠0,T(p)=ap(注:pは本当は太字)をみたすp∈Vが存在するとき、aをTの一つの固有値という。pを固有値aに属するTの一つの固有ベクトルという。
(2)W(a)={x∈V|T(x)=ax}とおく。
W(a)は線型変換 T-aIv:V→V
の核(T-aIv)^-1(0)に等しく、Vの部分線型空間である。W(a)を固有値aに属するTの固有空間という。したがって、
固有空間={0}+{固有ベクトルp}

これだけではよく分からないと思うので、例題を解読した後に解説して下さい。

例題6.1.1
線型変換T:ℝ₂→ℝ₂,[x y]→[x+2y 2x+y]において、Tの固有値と固有空間を求めよ。


実数a∈ℝとベクトルp=[p q]に対して、
T(p)=[p+2q 2p+q],ap=a[p q]=[ap aq]より、T(p)=apとすると、
[p+2q 2p+q]=[ap aq]
となる。よって、p+2q=ap・・・①
        2p+q=aq・・・②
を解けばよい。①よりq={(a-1)/2}pとなるので、②に代入すると
2p+{(a-1)/2}p=a{(a-1)/2}p
よって、p(3+2a-a²)=0
固有ベクトルpは、p≠0でなければならないからp≠0 したがって、3+2a-a²=0
となる。この方程式を解いてa=3,-1が求めるTの固有値である。
次に固有ベクトルを求めよう。
a=3の場合、
p+2q=3p
2p+q=3q 
⇒p=[p q]=p[1 1](p≠0)
a=-1の場合、
p+2q=-p
2p+q=-q 
⇒p=[p q]=p[1 -1](p≠0)
固有空間は、固有ベクトルに0を加えたものだから、
W(3)=ℝ[1 1],W(-1)=ℝ[1 -1]
となる。(解終)
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

線型変換の定義
定義域と値域が等しい写像,すなわち集合SからS自身への写像をSの変換という。線型空間VからV自身への線型写像はVの線型変換という。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

>線型変換T:ℝ₂→ℝ₂,[x y]→[x+2y 2x+y]

行ベクトルを列ベクトルにしてみると、
(x) (x+2y)
(y)→(2x+y)
(注:本当は括弧は上下で1つ)
(x+2y) (1 2)(x)
(2x+y)=(2 1)(y)
よって、線型変換Tとは行列AがあってAxという変換と等しい。ここで、初めの、

>§6.1 固有値,固有空間
定義 Tを線型空間Vの線型変換とする。実数a∈ℝに対して、
(1)二つの条件 p≠0,T(p)=ap(注:pは本当は太字)をみたすp∈Vが存在するとき、aをTの一つの固有値という。pを固有値aに属するTの一つの固有ベクトルという。

を考えると、
(a b)(x) a'(x)
(c d)(y)=  (y)
となる実数a'が固有値という事である。また、その時のベクトル✘
また、例題6.1.1から1つの変換T(行列A)に対して、固有値は1つとは限らない事が分かる。(例題では2つあるから。)

>(2)W(a)={x∈V|T(x)=ax}とおく。
W(a)は線型変換 T-aIv:V→V
の核(T-aIv)^-1(0)に等しく、Vの部分線型空間である。W(a)を固有値aに属するTの固有空間という。したがって、
固有空間={0}+{固有ベクトルp}

T(x)=axを変形して、T(x)-ax=0とすると、W(a)={x∈V|T(x)-ax=0}となり、W(a)はT(x)-axという変換の逆変換の零元の行き先である。
つまり、W(a)=(T-aIv)^-1(0)(Iv:x→x(恒等変換))で=Ker(T-aIv)という訳である。

命題と定義
V,V'を線型空間とする。
(1)は省略。
(2)元a∈Vに対し、a自身を対応させる写像は、VからVへの線型写像である。これをVの恒等写像または恒等変換といい、I,Ivなどで表す。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

核の定義
線型写像F:V→V'に対し
(ⅰ)V'の零元0'のFによる逆像
F^-1(0')={a∈V|F(a)=0'}
はVの部分空間である。これをFの核(kernel)といい、KerFとも表す。
(ⅱ)は省略。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

>固有空間={0}+{固有ベクトルp}

初めに、p≠0としなければ全てが始まらず、

「(1)二つの条件 p≠0,T(p)=ap(注:pは本当は太字)をみたすp∈Vが存在するとき、aをTの一つの固有値という。pを固有値aに属するTの一つの固有ベクトルという。」

{0}を加えなければ線型空間(部分空間)にならないので、{0}を加えるという事である。

命題
Vを線型空間,WをVの空でない部分集合とする。このとき、
部分空間の条件
(1)a,b∈W⇒a+b∈W
(2)a∈W,c∈ℝ⇒ca∈W
をみたすならば、WはVの部分線型空間である。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

因みに、(2)で0∈ℝより、0∈Wである。これは大事。零元の存在。
(線型空間の公理Ⅰ(3)特別な元0∈Vがただ一つ存在し、0+a=a+0=a)

因みに、(この参考書以外は)何も見ないでやりましたので、自分で裏を取って下さい。

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/20 11:18 (No.1373958)削除
次の文章を完全解説して下さい。

定理6.3
体の拡大K⊂LでαはLの元とするとき、次のことが成り立つ。
(1)αがK上超越的であれば
σ:K[X]→K[α]⊂L(X→α)
は環同型写像であり、K[α]の商体K(α)はK上の有理関数体K(X)と同型である。
(2)αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とすると、写像
K[X]/(f(X))→K[α]⊂L(|X→α)
は同型写像であり、K[α]は体になる。すなわち、K[α]=K(α)となる。

証明
次のような環の準同型写像を考える。
σ:K[X]→K[α]
  f(X)→f(α)
(1)αがK上超越的であれば、kerσ=(0)なので、写像σは同型写像である。このとき、定理5.2によってK(X)からK[α]の商体K(α)に拡張することができる。
(2)αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とすると、f(X)は既約であるからkerσはf(X)で生成される。すなわち、kerσ=(f(X))
したがって、準同型定理3.5によりK[X]/(f(X))はσの像K[α]と同型になる。f(X)は既約だから、イデアル(f(X))は極大イデアルとなりK[α]は体となる(定理4.11)。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

定理5.2
RとR'を整域とし、その商体をそれぞれKとK'とする。RからR'への環の単準同型写像fは、KからK'への体の単準同型写像~fに一意的に拡張することができる。
特に、fが同型写像であれば、~fも同型写像である。

定理3.5(準同型定理)
R,R'を環,f:R→R'をRからR'への準同型写像であるとする。写像
|f:R/kerf→R'
    |a→f(a)
は剰余環R/kerfから環R'への単準同型写像である。すなわち、
R/kerf≃f(R)

定理4.11
K[X]を体K上の多項式環で、f(X)∈K[X]とするとき、つぎの5つの命題は同値である。
(1)f(X)は既約多項式である。
(2)(f(X))=f(X)K[X]は素イデアルである。
(3)(f(X))=f(X)K[X]は極大イデアルである。
(4)K[X]/(f(X))は整域である。
(5)K[X]/(f(X))は体である。

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/20 14:05削除
解説
>(1)αがK上超越的であれば
σ:K[X]→K[α]⊂L(X→α)
は環同型写像であり、K[α]の商体K(α)はK上の有理関数体K(X)と同型である。

定理の意味は、αがeとかπのような代数方程式の解にならない場合、σのような代入の原理を使用すると、K[X]とK[α]は同型になり、またそれぞれで作った有理関数体と商体も同型になる。
具体的には、f(X)/g(X) ≅ f(α)/g(α)という事。
解じゃないから当たり前のような気がするだろう。解だったら、f(X)に対してf(α)=0が何個もあって対等じゃないから同型じゃないと思うけど。

定義4.3
体K上のn変数の多項式環K[X₁,…,Xn]の商体をK上の有理関数体といい、K(X₁,…,Xn)で表わし、(中略)K(X₁,…,Xn)の任意の元はK[X₁,…,Xn]の元f(X₁,…,Xn),g(X₁,…,Xn)によって
f(X₁,…,Xn)/g(X₁,…,Xn)
と表される。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

>(2)αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とすると、写像
K[X]/(f(X))→K[α]⊂L(|X→α)
は同型写像であり、K[α]は体になる。

(2)の方の問題の意味は、例えば、剰余環ℚ[X]/(X²-2)とℚ[√2]={a+b√2|a,b∈ℚ}を考える(因みに、ℚ[√2]は、ℚ[α]={a₀+a₁α+a₂α²+…+an-1α^(n-1)|ai∈ℚ}にα=√2を代入して整理されたもの)と、
ℚ[X]/(X²-2)はX²-2で割った余りなので、aX+bで表され、ℚ[√2]と同型になりそうだと分かるだろう。また、ℚ[√2]が体である事は(具体例では)自明なので、それと同型な左辺も体になるが、それは証明の方でやるので省略。

>すなわち、K[α]=K(α)となる。

K(α)の記号の意味。

例1.5
Rを可換環とするとき、Rの元を係数とする変数(不定元)Xの多項式全体の集合は通常の加法と乗法に関して可換環になる。この環をR上の一変数の多項式環といい、記号R[X]により表す。f(X)∈R[X]でありf(X)≠0であれば、a₀,…,an∈R,an≠0としてf(X)は
f(X)=a₀+a₁X+…+anX^n
と一意的に表される。また、Kを体とするとき、Kの元を係数とするXの有理式全体の集合は通常の加法と乗法に関して体になる。この体をK上の一変数有理関数体といい、記号K(X)により表す。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

続きは次回。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/20 16:20削除
解説の続き

定理6.3
体の拡大K⊂LでαはLの元とするとき、次のことが成り立つ。
(1)αがK上超越的であれば
σ:K[X]→K[α]⊂L(X→α)
は環同型写像であり、K[α]の商体K(α)はK上の有理関数体K(X)と同型である。
(2)αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とすると、写像
K[X]/(f(X))→K[α]⊂L(|X→α)
は同型写像であり、K[α]は体になる。すなわち、K[α]=K(α)となる。

証明
次のような環の準同型写像を考える。
σ:K[X]→K[α]
  f(X)→f(α)
(1)αがK上超越的であれば、kerσ=(0)なので、写像σは同型写像である。このとき、定理5.2によってK(X)からK[α]の商体K(α)に拡張することができる。
(2)αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とすると、f(X)は既約であるからkerσはf(X)で生成される。すなわち、kerσ=(f(X))
したがって、準同型定理3.5によりK[X]/(f(X))はσの像K[α]と同型になる。f(X)は既約だから、イデアル(f(X))は極大イデアルとなりK[α]は体となる(定理4.11)。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

>αがK上超越的であれば、kerσ=(0)なので、写像σは同型写像である。

αがK上超越的であれば、σは単射なので、

「αがK上代数的であるか、超越的であるかは、K上の1変数多項式環K[X]からLへの準同型写像
σ:K[X]→L
  f(X)→f(α)
により判別することができる。すなわち、σが単射であればαはK上超越的であり、そうでなければαはK上代数的である。」
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

定理3.3より、kerσ=(0)である。

定理3.3
RとR'を環とし、fをRからR'への環の準同型写像とする。このとき、fが単射であるための必要十分条件は kerf=(0)なることである。
f:単射 ⇔ kerf=(0)

ところで、σは代入の原理なので、準同型写像である。

定理4.4(代入の原理)
環Lを部分環とするような環とし、Lの元αはRのすべての元と可換とする。R[X]の元f(X),g(X)について、次が成り立つ。
(ⅰ)f(X)+g(X)=ξ(X)
⇒f(α)+g(α)=ξ(α)
(ⅱ)f(X)・g(X)=η(X)
⇒f(α)・g(α)=η(α)

定理4.4は多項式環R[X]の元f(X)に対してf(α)(∈L)を対応させる写像Φが環としての準同型写像であることを意味している。
Φ:R[X]→L
  f(X)→f(α)
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

また、代入の原理は全射なので、先の単射と合わせて全単射である。よって、準同型写像かつ全単射より、写像σは同型写像という事。

>このとき、定理5.2によってK(X)からK[α]の商体K(α)に拡張することができる。

定理5.2
RとR'を整域とし、その商体をそれぞれKとK'とする。RからR'への環の単準同型写像fは、KからK'への体の単準同型写像~fに一意的に拡張することができる。
特に、fが同型写像であれば、~fも同型写像である。

これは読んだままである。今回は、σは環同型写像(上で証明した)なので、単射かつ準同型写像で単準同型写像だから出来るという事。

>αがK上代数的であり、αのK上の最小多項式をf(X)とすると、f(X)は既約であるからkerσはf(X)で生成される。すなわち、kerσ=(f(X))

まず、αがK上代数的より、f(α)=0

「体Lが体Kの拡大体であり、αはLの元であるとする。αがK上代数的であるとは、αがKの元を係数とするゼロではない多項式の根になっていることと定義する。」
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

また、σは代入の原理より、σ(f(X))=0という事である。∴f(X)∈kerσ
∴(f(X))⊂kerσ

補足解説
( )記号はイデアルを生成するという意味である。また、kerfはイデアルである。

定義2.3
可換環Rにおいて、定理2.4のイデアルARを集合Aによって生成されたイデアルといい、Aをその生成系という。特に、I=ARで、Aが有限集合A={a₁,…,an}のとき、Iはa₁,a₂,…,anによって生成されたイデアルといい、I=(a₁,a₂,…,an) またはI=a₁R+a₂R+…+anRで表し、イデアルIは有限生成であるという。
 さらにn=1のとき、(a₁)=a₁Rはa₁で生成された単項イデアルという。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

定理3.2
fをRからR'への環の準同型写像とし、0_R'をR'の零元とすると
f^-1(0_R')={x|x∈R,f(x)=0_R'}
はRのイデアルである。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

定義3.3
定理3.2の環Rのイデアルf^-1(0_R')を準同型写像fの核という。
 環の準同型写像fの核は加法群の準同型写像としての核と同じであるから、加法群の場合と同じ記号kerfを用いて表す。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

話を元に戻して、(f(X))⊂kerσから。
ところで、f(X)は既約多項式より、(f(X))は極大イデアル。

定理4.11
K[X]を体K上の多項式環で、f(X)∈K[X]とするとき、つぎの5つの命題は同値である。
(1)f(X)は既約多項式である。
(2)(f(X))=f(X)K[X]は素イデアルである。
(3)(f(X))=f(X)K[X]は極大イデアルである。
(4)K[X]/(f(X))は整域である。
(5)K[X]/(f(X))は体である。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

(1)と(3)からという事である。
よって、(f(X))⊂kerσかつ(f(X))が極大イデアルより、(f(X))=kerσという事である。

>したがって、準同型定理3.5によりK[X]/(f(X))はσの像K[α]と同型になる。

定理3.5(準同型定理)
R,R'を環,f:R→R'をRからR'への準同型写像であるとする。写像
|f:R/kerf→R'
    |a→f(a)
は剰余環R/kerfから環R'への単準同型写像である。すなわち、
R/kerf≃f(R)

ところで、
σ:K[X]→K[α]
より、定理3.5により、
K[X]/kerσ≃K[α]
(σは代入の原理で全射で全単射になるから、定理3.5で言う所のR/kerf≃f(R)ではなくR/kerf≃R'という事。)
また、上より(f(X))=kerσを代入すると、
K[X]/(f(X))≃K[α]
よって、「K[X]/(f(X))はσの像K[α]と同型になる」という事。

>f(X)は既約だから、イデアル(f(X))は極大イデアルとなりK[α]は体となる(定理4.11)。

定理4.11
K[X]を体K上の多項式環で、f(X)∈K[X]とするとき、つぎの5つの命題は同値である。
(1)f(X)は既約多項式である。
(2)(f(X))=f(X)K[X]は素イデアルである。
(3)(f(X))=f(X)K[X]は極大イデアルである。
(4)K[X]/(f(X))は整域である。
(5)K[X]/(f(X))は体である。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

上よりK[X]/(f(X))≃K[α]で、左辺が定理4.11により体になり、それと同型な右辺のK[α]も体になるという事。

おまけ:
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返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/18 07:45 (No.1372564)削除
問題
図の四角形ABCDにおいて、点Mは対角線BD上にあり、BM:MD=3:2,点Nは対角線ACの中点です。対角線BDとACの交点をOとし、四角形ABCD,△MAC,△BNDの面積をそれぞれ60,9,6とする。
(1)△ADMと△ABMの面積の比を答えなさい。
(2)△ABCの面積を求めなさい。
(3)BO:ODを答えなさい。
(4)△ABOの面積を求めなさい。
(05 樟蔭)

図の解説:図は読めば分かるが、見た目で近いような図にする。∠Bが直角の3:4:5ぐらいの直角三角形(厳密には3:(4.5)ぐらい)を描き(念のため、問題上は直角ではない)、辺AC上に正三角形より頂点Dがやや左で∠Dが80°ぐらいの△DACを描き、ACとBDの交点をOとし、BDを3:2に内分する点をM,ACの中点をNとした図。

普通に解けて、面白くも詰まらなくもない問題でした。念のため、教科書レベルよりは難しいと思います。一応、「高校への数学 日日のハイレベル演習」からの出題ですからね。

おまけ:
https://utaten.com/lyric/mi24122305/
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/19 07:48削除
問題
図の四角形ABCDにおいて、点Mは対角線BD上にあり、BM:MD=3:2,点Nは対角線ACの中点です。対角線BDとACの交点をOとし、四角形ABCD,△MAC,△BNDの面積をそれぞれ60,9,6とする。
(1)△ADMと△ABMの面積の比を答えなさい。
(2)△ABCの面積を求めなさい。
(3)BO:ODを答えなさい。
(4)△ABOの面積を求めなさい。
(05 樟蔭)

模範解答
(1)△ADM:△ABM=DM:BM
=2:3・・・①
(2)四角形ABCM:四角形ADCM
=(△ABM+△CBM):(△ADM+△CDM)=BM:DM=3:2・・・②
∴四角形ABCM=四角形ABCD×{3/(3+2)}=60×(3/5)=36
∴△ABC=四角形ABCM-△MAC
=36-9=27・・・③
(3)BO:OD=△ABC:△ADC
=27:(60-27)=9:11
(4)AN=CNより、四角形ABND=四角形CBND=30
∴△ABD=四角形ABND-△BND
=30-6=24
∴AO:OC=△ABD:△BCD
=24:(60-24)=2:3
∴△ABO=△ABC×{2/(2+3)}
=③×(2/5)=54/5
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
(3)で使う公式(定理)は、受験算数でよく使われる定理。知らない場合は、B,DからACに垂線を下ろしその足をそれぞれH,Iとすると、△BOH∽△DOIからBO:DO=BH:DI———①
また、△BACと△DACは底辺ACを共有しているので、面積比は高さの比と等しい。
よって、BH:DI=△BAC:△DAC———②
①,②より、BO:OD=△ABC:△ADC
と時間もかかるので、覚えるべき定理(公式)の上位のものだろう。
因みに、BO:OD=△ABO:△AOD———③
BO:OD=△CBO:△COD———④
③,④より、
BO:OD=△ABO+△CBO:△AOD+△COD=△ABC:△ADC
と求めても良い。
厳密には、③+④より、
2BO:2OD=△ABO+△CBO:△AOD+△COD=△ABC:△ADCより、
BO:OD=△ABC:△ADC
ただし、ガチガチに絶対にこうなると覚えていると三角関数などで勘違いする恐れがあるので、多角的に裏を取れるような思考法をしておいた方が良い。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12882907054.html
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/16 15:45 (No.1371552)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題
数体K上の行列空間M(n,n,K)の部分空間Wが、条件
“A∈M(n,n,K),X∈W ならば AX,XA∈W”
をみたす。このとき W={O} または W=M(n,n,K) なることを示せ。


W∋A=(aij),apq≠0のとき、W∋EqpAEqp=apqEqp,W∋Eqp
∴W∋EiqEqpEpj=Eij,1≦i,j≦n
∴M(n,n,K)⊆W

この問題は演習書にあったので、これを解読して下さい。

問題
数体K上の行列空間M(n,n,K)の部分空間Wが、条件
“A∈M(n,n,K),X∈W ならば AX,XA∈W”
をみたす。このとき W={O} または W=M(n,n,K) なることを示せ。


W≠{O}とするとWにOでない行列Aが属する。
A=(aij)1≦i,j≦n,apq≠0とする。
行列単位 Eqp∈M(n,n,K) だから仮定により W∋EqpAEqp=apqEqp
Wは部分空間だから W∋(1/a^pq)apqEqp=Eqp
再び仮定により W∋EiqEqpEpj=Eij,1≦i,j≦n すべての行列単位EijがWに属し、{Eij}1≦i,j≦nはM(n,n,K)の生成元だから M(n,n,K)⊆W
逆の包含関係は明らかだから M(n,n,K)=W
「演習詳解 線型代数」有馬哲・浅枝陽共著より

難しいと思います。まぁ、演習書のようにしっかり解答になっていれば大丈夫ですが。

おまけ:
「話はこれからですよ。で、次のが、長島ファン説というやつです」
「長島ファン? なんだそりゃ?」
「説明しましょう。机の『9』の横に、椅子で『0』が描かれていることに注目してください。つまりこの数字は『9』じゃなくて『90』なんです。これはもちろん、長島元巨人軍監督の背番号ですね。机の数、447にも深い意味があります。長島の生涯ホームラン数は444本で、これに現役時代の背番号3を加えればどうなります? 447になるじゃないですか。それだけじゃありませんよ。『9』の円の部分をよく見てください。16本のラインと16のブランクとで構成されているでしょう。この16という数字は何かといえば、川上の背番号にきまっているじゃないですか。『16』が『9』に含まれているんです。つまり犯人たちはこのことで、川上など長島に含まれる卑小な存在にすぎないことを世間に訴えるのと同時に、長島に対して球界復帰のラブコールを送った、というのがこの事件なんですよ」
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12882017634.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/17 15:43削除
解説

問題
数体K上の行列空間M(n,n,K)の部分空間Wが、条件
“A∈M(n,n,K),X∈W ならば AX,XA∈W”
をみたす。このとき W={O} または W=M(n,n,K) なることを示せ。


W≠{O}とするとWにOでない行列Aが属する。
A=(aij)1≦i,j≦n,apq≠0とする。
行列単位 Eqp∈M(n,n,K) だから仮定により W∋EqpAEqp=apqEqp
Wは部分空間だから W∋(1/a^pq)apqEqp=Eqp
再び仮定により W∋EiqEqpEpj=Eij,1≦i,j≦n すべての行列単位EijがWに属し、{Eij}1≦i,j≦nはM(n,n,K)の生成元だから M(n,n,K)⊆W
逆の包含関係は明らかだから M(n,n,K)=W
「演習詳解 線型代数」有馬哲・浅枝陽共著より

>問題
数体K上の行列空間M(n,n,K)の部分空間Wが、条件
“A∈M(n,n,K),X∈W ならば AX,XA∈W”
をみたす。このとき W={O} または W=M(n,n,K) なることを示せ。

問題の意味は、n行n列の行列全体から任意の行列Aを選んで、また、n行n列の行列全体の部分空間Wから任意の行列Xを選んで掛け合わせたら、その部分空間Wの中に収まりました。その場合は、その部分空間は零行列(零元)のみか、または部分が全体である場合しかありませんよという定理。(念のため、掛け合わせるのは逆も含めて両方じゃないとダメ。)

何となくは当然である事が分かるだろう。部分集合の全ての元と全体集合の全ての元を掛け合わせて、その全てが部分集合の中に入ってしまうなんて、部分集合が0のみか部分集合が全体集合と一致している場合しかあり得なそうという事。
念のため、当然普通の部分集合ではダメで部分空間とか群(体)とかじゃないとダメという事。

>W≠{O}とするとWにOでない行列Aが属する。

W={O}の場合は成り立つ事が自明である。そこで、W≠{O}の場合を考えるという事。

>行列単位 Eqp∈M(n,n,K) だから仮定により W∋EqpAEqp=apqEqp

行列単位の定義
(p,q)成分のみが1で他の成分がすべて0である行列を行列単位と言い、Epqで表わす。
「線型代数入門」有馬哲著より

当然、Eqp∈M(n,n,K)であり、仮定とは、
“A∈M(n,n,K),X∈W ならば AX,XA∈W”
である。
まず、AX∈Wより、EqpA∈Wである。(Eqp∈M(n,n,K),A∈Wだから。)
次に、EqpA=Yと置くと、
Y∈W,Eqp∈M(n,n,K)で、仮定のXA∈Wより、YEqp∈Wである。
つまり、EqpAEqp∈Wである。
ところで、EqpAEqp=apqEqpは自分で確認して貰った方が良いだろう。
因みに、EqpAでAのq行全体がp行に移り、他の成分は全て0になり、
AEqpでAのp列全体がq列に移り、他の成分は全て0になる。
よって、EqpAEqpでAのp行q列成分だけがq行p列に残り、他の成分は全て0になる。
よって、EqpAEqp=apqEqpとなり、上のEqpAEqp∈Wと合わせて、W∋apqEqp

>Wは部分空間だから W∋(1/a^pq)apqEqp=Eqp

部分空間だからスカラー倍について閉じていて、Wは数体K上の部分空間で体は四則演算について閉じているので、逆元を含む。
よって、1/a^pq∈Wだから、apqEqpの(1/a^pq)倍について閉じていて、
W∋(1/a^pq)apqEqp=Eqp
という事。

>再び仮定により W∋EiqEqpEpj=Eij,1≦i,j≦n

仮定は、
“A∈M(n,n,K),X∈W ならば AX,XA∈W”で、
上よりEqp∈W,Eqp∈M(n,n,K) だから、EiqEqp∈Wで、これとEpj∈M(n,n,K) より、EiqEqpEpj∈Wという事。

また、EiqEqpEpj=Eijは実験しても良いが、

「行列単位の間の積はEpqErs=δqrEpsとなる。」
「演習詳解 線型代数」有馬哲・浅枝陽共著より

「δij=1(i=j),δij=0(i≠j)と定め、δijをクロネッカー記号と言う。」
「演習詳解 線型代数」有馬哲・浅枝陽共著より

より、EiqEqp=δqqEip=1・Eip=Eip
∴EiqEqpEpj=EipEpj=δppEij
=1・Eij=Eij
∴EiqEqpEpj=Eij
これとEiqEqpEpj∈Wより、
Eij∈W(1≦i,j≦n)

>すべての行列単位EijがWに属し、{Eij}1≦i,j≦nはM(n,n,K)の生成元だから M(n,n,K)⊆W

ところで、先の「行列単位」の定義、

定義
(p,q)成分のみが1で他の成分がすべて0である行列を行列単位と言い、Epqで表わす。
「線型代数入門」有馬哲著より

の続きに、

「どんな行列A=(apq)1≦p≦m,1≦q≦n∈M(m,n,K)も行列単位の線型結合
A=∑(1≦p≦m,1≦q≦n)apqEpq,apq∈K
として表される。すなわち、数体K上の線型空間M(m,n,K)は集合
{Epq}1≦p≦m,1≦q≦n
により生成される。
「線型代数入門」有馬哲著より

とあるので、
M(m,n,K)⊆{Epq}1≦p≦m,1≦q≦n
という事である。
よって、上ではM(n,n,K)⊆Wという事。

>逆の包含関係は明らかだから M(n,n,K)=W

問題文に「行列空間M(n,n,K)の部分空間W」とあるので、W⊆M(n,n,K)
これとM(n,n,K)⊆Wより、M(n,n,K)=Wという事。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/12 14:49 (No.1368738)削除
定理
直角を挟む二辺の比がm:n(m>n)の直角三角形の最小角の2倍の角を含む直角三角形の三辺比はm²-n²:2mn:m²+n²である。

アイデア引用元:
「直角を挟む2辺がn:m(n<m)の三角形のnの対角の2倍はm^2-n^2:2mn:m^2+n^2の直角三角形の2mnの対角」ですよねー。私もよく使います。
https://www.msn.com/ja-jp/lifestyle/other/%E5%9B%B3%E5%BD%A2%E5%95%8F%E9%A1%8C-vol-1019-%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%88%86%E3%81%AE%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%88-%E5%85%A83%E5%95%8F/ar-AA1x9dG2?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=d15a8da488884f3ab10fdbb34c52e5e7&ei=8#comments&commentId=65459f7b-1d09-4591-b25d-41b6c8c791be
これはそのうち消えてしまうので、一応、作った人が分かるようにしておきますね。https://www.msn.com/ja-jp/community/profile/cid-7ce06f8f756f6f4d?ocid=msedgntp

証明は次回。初等幾何的に2通り作ってみました。(3通り目もあるが、それはもう一つの定理を紹介した後。その定理を利用する。ただし、原案は先のTさん。)


直角を挟む二辺の比がm-n:m+n(m>n)の直角三角形の最小角の2倍の角を含む直角三角形の三辺比はm²-n²:2mn:m²+n²である。

これも何通りかで証明出来るが、1通りで止めておく。似たような証明で面白くない。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/13 07:57削除
定理
直角を挟む二辺の比がm:n(m>n)の直角三角形の最小角の2倍の角を含む直角三角形の三辺比はm²-n²:2mn:m²+n²である。

証明1
∠Bが直角でAB=n,BC=mの直角三角形ABCを描き、点AのBCに関する対称点A'を取ると、∠ACA'は直角三角形ABCの最小角の2倍になる。
よって、AからA'Cに垂線を下ろしその足をHとして、△ACHの三辺比がm²-n²:2mn:m²+n²になっている事を示せば良い。
AH=x,A'H=yと置いて、△AA'Hと△ACHで三平方の定理を使う。
その前に、△ABCで三平方の定理を使うと、
AC=√(m²+n²)より、A'C=√(m²+n²)
また、AA'=2AB=2n
∴x²+y²=(2n)²=4n²———①
x²+(√(m²+n²)-y)²=(√(m²+n²))²———②
①-②より、
-(m²+n²)+2√(m²+n²)y=3n²-m²
∴2√(m²+n²)y=4n²
∴y=2n²/√(m²+n²)
これを①に代入すると、
x²=4n²-x²=4n²-4n⁴/(m²+n²)
={4n²(m²+n²)-4n⁴}/(m²+n²)
=4m²n²/(m²+n²)
x>0より、x=2mn/√(m²+n²)
∴AH=2mn/√(m²+n²)
∴CH=A'C-y
=√(m²+n²)-2n²/√(m²+n²)
={(m²+n²)-2n²}/√(m²+n²)
=(m²-n²)/√(m²+n²)
∴CH=(m²-n²)/√(m²+n²)
∴CH:AH:AC
=(m²-n²)/√(m²+n²):2mn/√(m²+n²):√(m²+n²)
=m²-n²:2mn:m²+n²
よって、示された。

ところで、m,nがm>nとなる自然数の場合は、m:n(m>n)の直角三角形の最小角の2倍の角を含む直角三角形がピタゴラス数になる不思議さがあります(m,nの取り方によって全ての整数値の直角三角形をもれなく表しているし、第一、ルートにならない)が、これは有理数に限らず全ての実数で成り立ちます。(証明を読めば当然ですが。)
例えば、15°,75°,90°の直角三角形の三辺比は、
√6-√2:√6+√2:4で直角を挟む二辺の比は、√6-√2:√6+√2より、
m=√6+√2,n=√6-√2と置くと、
m²-n²=(√6+√2)²-(√6-√2)²=8√3
2mn=2(√6+√2)(√6-√2)=8
m²+n²=(√6+√2)²+(√6-√2)²=16
∴m²-n²:2mn:m²+n²
=8√3:8:16=√3:1:2
また、この最小角は15°でこれを2倍すると30°。よって、その角を含む直角三角形の三辺比は1:2:√3でOK。

因みに、tanの2倍角の公式を使うと簡単に証明出来ます。初等幾何的別解は次回。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/14 07:54削除
定理
直角を挟む二辺の比がm:n(m>n)の直角三角形の最小角の2倍の角を含む直角三角形の三辺比はm²-n²:2mn:m²+n²である。

証明2
∠Aが直角の直角三角形を描き、AB=m²-n²,BC=m²+n²,CA=2mnとする。
ここで、内接円を描き、辺BC,CA,ABとの接点をそれぞれS,T,Uとし、内心をI,内接円の半径をrと置くと、
△ABC=2mn×(m²-n²)×(1/2)
=mn(m²-n²)———①
△ABC=△IBC+△ICA+△IAB
=(m²+n²)r/2+2mnr/2+(m²-n²)r/2=r(m²+n²+2mn+m²-n²)/2
=r(m²+mn)=rm(m+n)———②
①,②より、mn(m²-n²)=rm(m+n)
∴r=n(m-n)
よって、内接円の半径は、r=n(m-n)
また、IT⊥CA,IU⊥AB,∠Aが直角より、四角形AUITは3直角より長方形で、半径より隣り合う2辺の長さが等しいので正方形である。
∴AT=AU=r=n(m-n)
∴CT=2mn-n(m-n)=mn+n²
=n(m+n)
∴IT:CT=n(m-n):n(m+n)
=m-n:m+n
また、CS=CT=n(m+n)より、
BS=m²+n²-n(m+n)=m²-mn
=m(m-n)
∴IS:BS=n(m-n):m(m-n)
=n:m
ところで、△IBS≡△IBUより、∠IBS=∠IBU つまり、∠C=2∠IBS
よって、直角を挟む二辺の比がm:nの最小角の2倍が∠Bとなっていて、これは図形的に逆も成り立つ事が容易に分かる。
よって、直角を挟む二辺の比がm:nの直角三角形の最小角の2倍を含む直角三角形の三辺比は、m²-n²:2mn:m²+n²である。
よって、示された。

因みに、∠Cの所で同様に考えれば、


直角を挟む二辺の比がm-n:m+n(m>n)の直角三角形の最小角の2倍の角を含む直角三角形の三辺比はm²-n²:2mn:m²+n²である。

が分かるので、この証明は省略する。

さらに、∠B+∠C=90°から、直角を挟む二辺比がm:nの最小角と直角を挟む二辺の比がm-n:m+nの和は45°であるという定理が作れ、その証明にもなっている。

定理
直角を挟む二辺比がm:nの最小角と直角を挟む二辺の比がm-n:m+nの和は45°である。

別証は次回。因みに、これを作ったのは、前回のTさんである。(私はうっかり気付かなかった。先に上の証明を作っていたが、言われて気付いたという事。)
https://www.msn.com/ja-jp/lifestyle/other/%E5%9B%B3%E5%BD%A2%E5%95%8F%E9%A1%8C-vol-1019-%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%88%86%E3%81%AE%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%88-%E5%85%A83%E5%95%8F/ar-AA1x9dG2?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=d15a8da488884f3ab10fdbb34c52e5e7&ei=8#comments&commentId=65459f7b-1d09-4591-b25d-41b6c8c791be

それが終わったら、

>証明は次回。初等幾何的に2通り作ってみました。(3通り目もあるが、それはもう一つの定理を紹介した後。その定理を利用する。ただし、原案は先のTさん。)

この3通り目をやりますね。因みに、両定理ともtanの2倍角の公式やArctanの加法定理を使っても出来るが、初等幾何的な証明に限定した。
(厳密には、初等幾何的とは数式は使わないものかもしれないが。円と比だけで面積も邪道とか。)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/15 07:52削除
定理
直角を挟む二辺比がm:nの最小角と直角を挟む二辺の比がm-n:m+nの和は45°である。ただし、m>nとする。

証明1
縦m,横m+nの長方形ABCDを描き、辺BC上にBE=nとなる点Eを取ると、EC=mとなり、また、辺CD上にCF=nとなる点を取ると、△ABE≡△ECFとなる。
∴AE=EF
また、∠BAE=CEF=●,∠AEB=∠EFC=○と置くと、直角三角形の内角の和より、●+○=90°
また、∠BEC=180°=∠AEF+●+○より、∠AEF=90°である。
よって、△EAFは直角二等辺三角形。
よって、∠EAF=45°
ところで、DF=m-n,AD=m+n,AB=m,BE=nより、△ABEと△ADFは直角を挟む二辺の比がそれぞれm:nとm-n:m+nの直角三角形で、∠BAEと∠DAFはそれぞれの最小角である。
また、∠BAE+∠DAF=90°-45°=45°より、直角を挟む二辺比がm:nの最小角と直角を挟む二辺の比がm-n:m+nの和は45°である。
よって、示された。

因みに、証明を読めば分かるが、m,nは有理数限定ではない。
例えば、m=√3,n=1とすると、△ABEと△ECFは合同な30°,60°,90°の直角三角形になり、△ADFは直角を挟む二辺の比が√3-1:√3+1となるが、これは15°,75°,90°の直角三角形の二辺比である。
よって、ぴったりと合って∠A=30°+45°+15°=90°,∠CFD=60°+45°+75°=180°となる。
念のため、√3-1:√3+1が15°,75°,90°の直角三角形の二辺比である事は、三辺比√6-√2:√6+√2:4の√6-√2:√6+√2を√2でくくれば分かる。
または、m=√6、n=√2と置けば、△ADFは15°,75°,90°の直角三角形になり、△AEと△ECFは直角を挟む二辺比が√6:√2=√3:1になるので、30°,60°,90°の直角三角形となり、ぴったり合う事が分かる。

証明2
∠Aが直角の直角三角形を描き、AB=m²-n²,BC=m²+n²,CA=2mnとする。
ここで、内接円を描き、辺BC,CA,ABとの接点をそれぞれS,T,Uとし、内心をI,内接円の半径をrと置くと、
△ABC=2mn×(m²-n²)×(1/2)
=mn(m²-n²)———①
△ABC=△IBC+△ICA+△IAB
=(m²+n²)r/2+2mnr/2+(m²-n²)r/2=r(m²+n²+2mn+m²-n²)/2
=r(m²+mn)=rm(m+n)———②
①,②より、mn(m²-n²)=rm(m+n)
∴r=n(m-n)
よって、内接円の半径は、r=n(m-n)
また、IT⊥CA,IU⊥AB,∠Aが直角より、四角形AUITは3直角より長方形で、半径より隣り合う2辺の長さが等しいので正方形である。
∴AT=AU=r=n(m-n)
∴CT=2mn-n(m-n)=mn+n²
=n(m+n)
∴IT:CT=n(m-n):n(m+n)
=m-n:m+n
また、CS=CT=n(m+n)より、
BS=m²+n²-n(m+n)=m²-mn
=m(m-n)
∴IS:BS=n(m-n):m(m-n)
=n:m
よって、△CITと△CISは合同で直角を挟む二辺の比がm-n:m+n
また、△BIUと△BISも合同で直角を挟む二辺の比がm:n
ところで、∠B+∠C=90°より、
∠IBS+∠ICS=90°÷2=45°
よって、直角を挟む二辺比がm:nの最小角と直角を挟む二辺の比がm-n:m+nの和は45°である。(図形的に逆も成り立つから。)
よって、示された。

初等的な証明3が作れないかどうかは検討中。それが終わったら、前回の定理の証明3をやります。

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1878796025730879936
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/16 08:07削除
定理
直角を挟む二辺比がm:nの最小角と直角を挟む二辺の比がm-n:m+nの和は45°である。ただし、m>nとする。

証明3
(ⅰ)(m+n)/(m-n)>m/nの場合
∠Bが直角の直角三角形ABCを描き、AB=m-n,BC=m+nとする。また、∠Eが直角の直角三角形DEFを描き、DE=n,EF=mとする。
ここで、ABとDEの長さを一致させるために、ABにn/(m-n)をかけてnにすると、BCはn(m+n)/(m-n)になる。
今、△A'B'C'と△DEFをA'B'とDEを一致させて重ねると、条件の(m+n)/(m-n)>m/nより、B'C'よりEFの方が短く、B'C'上に点Fがあり、B'F=m
また、B'C'上にB'G=B'A'となる点Gを取ると、△A'B'Gは直角二等辺三角形で、∠A'GB'=45°また、B'G=B'A'=n
∴GF=m-n,G'A=√2n
また、GC'=n(m+n)/(m-n)-n
={n(m+n)-n(m-n)}/(m-n)
=2n²/(m-n)
∴GA':GC'=√2n:2n²/(m-n)
=1:√2n/(m-n)=m-n:√2n
また、GF:GA'=m-n:√2n
∴GA':GC'=GF:GA'
また、∠A'GFは共通より、二辺比と挟角が等しいので、△GA'C'∽△GFA'
∴∠GA'F=∠GC'A'
ところで、△GA'Fの内対角の和より、
∠A'GB'=∠GA'F+∠GFA'
これに∠A'GB'=45°と∠GA'F=∠GC'A'を代入すると、
45°=∠GC'A'+∠GFA'
∴∠A'C'B'+∠A'FB'=45°
よって、直角を挟む二辺の比がm-n:m+nの直角三角形の最小角と直角を挟む二辺の比がm:nの直角三角形の最小角の和は45°である。
(ⅱ)m/n>(m+n)/(m-n)の場合
∠Bが直角の直角三角形ABCを描き、AB=n,BC=mとする。また、∠Eが直角の直角三角形DEFを描き、DE=m-n,EF=m+nとする。
ここで、ABとDEの長さを一致させるために、DEにn/(m-n)をかけてnにすると、EFはn(m+n)/(m-n)になる。
今、△ABCと△DEFをABとD'E'を一致させて重ねると、条件のm/n>(m+n)/(m-n)より、BCよりE'F'の方が短く、BC上に点F'があり、BF'=n(m+n)/(m-n)
また、BC上にBG=BAとなる点Gを取ると、△ABGは直角二等辺三角形で、∠AGB=45°また、BG=BA=n
∴GC=m-n,GA=√2n
また、GF'=n(m+n)/(m-n)-n
={n(m+n)-n(m-n)}/(m-n)
=2n²/(m-n)
∴GA:GF'=√2n:2n²/(m-n)
=1:√2n/(m-n)=m-n:√2n
また、GC:GA=m-n:√2n
∴GA:GF'=GC:GA
また、∠AGF'は共通より、二辺比と挟角が等しいので、△GA'F'∽△GCA'
∴∠GAF'=∠GCA
ところで、△GAF'の内対角の和より、
∠AGB=∠GAF'+∠GF'A
これに∠AGB=45°と∠GAF’=∠GCAを代入すると、
45°=∠GCA+∠GF'A
∴∠ACB+∠AF'B=45°
よって、直角を挟む二辺の比がm-n:m+nの直角三角形の最小角と直角を挟む二辺の比がm:nの直角三角形の最小角の和は45°である。
(ⅰ),(ⅱ)より、示された。

どうでも良い情報ですが、
(ⅰ)の(m+n)/(m-n)>m/nを変形すると、2mn>m²-n²の場合となり、
(ⅱ)のm/n>(m+n)/(m-n)を変形すると、
m²-n²>2mnの場合となり、
ピタゴラス数の生成式の直角を挟む2辺の長さの違いと一致します。(どちらが長いか分からないという事。)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/17 07:59削除
定理
直角を挟む二辺の比がm:n(m>n)の直角三角形の最小角の2倍の角を含む直角三角形の三辺比はm²-n²:2mn:m²+n²である。

証明3
1辺がm(m+n)の正方形ABCDを描き、辺BC上にBE=n(m+n)となる点Eを取り、辺DC上にDF=m(m-n)となる点Fを取ると、
AB:BE=m(m+n):n(m+n)=m:n
AD:DF=m(m+n):m(m-n)=m+n:m-n

補題
直角を挟む二辺比がm:nの最小角と直角を挟む二辺の比がm-n:m+nの和は45°である。ただし、m>nとする。

よって、補題より、∠BAE+∠DAF=45°となる。よって、∠EAF=90°-45°=45°となるので、∠EAF=∠BAE+∠DAF
よって、EF上に、∠GAE=∠BAE かつ ∠GAF=∠DAFとなる点Gを取る事が出来、△ABEと△ADFの折り返しを考えると、AG⊥EFとなる。

補題2
正方形の折り紙ABCDをAB,ADを対角線ACに合わせて折ると、ぴったりと折れて折り目をAE,AFとすると、△AEFと△CEFがくっ付いた四角形AECFが出来るが、点EをBC上のBC上の好きな所に取ってAEで折った場合でも△ADFの方がぴったりとくっ付いて△AEFと△CEFがくっ付いた四角形になる事を証明して下さい。(厳密な証明は、2025/1/11 22:10の投稿に3通りあります。)

よって、∠ABE=∠AGE=90°より、∠FEC=∠BAG=2∠BAE
よって、△CEFは直角を挟む二辺の比がm:nの最小角の2倍の角を含む直角三角形である。
ところで、CE=m(m+n)-n(m+n)=m²-n²,CF=m(m+n)-m(m-n)=2mn
よって、△CEFで三平方の定理を使うと、
EF=√{(m²-n²)²+(2mn)²}=√(m²+n²)²=m²+n²
∴CE:CF:EF=m²-n²:2mn:m²+n²
よって、直角を挟む二辺の比がm:n(m>n)の直角三角形の最小角の2倍の角を含む直角三角形の三辺比はm²-n²:2mn:m²+n²である。
よって、示された。

因みに、∠ADF=∠AGF=90°より、∠EFC=∠DAG=2∠DAF
よって、


直角を挟む二辺の比がm-n:m+n(m>n)の直角三角形の最小角の2倍の角を含む直角三角形の三辺比はm²-n²:2mn:m²+n²である。

も示せる。

念のため、この証明は上で紹介したTさんのものです。こういう所https://x.com/Nippyo_Dj/status/1864486741488619727に投稿すればいいのに。
私も気が向いたら、トレミーの定理の初等的別証とか円に内接する四角形の対角線の長さの公式の初等的証明(余弦定理を使うものしか見た事がない)とか投稿してみようかな。
一応、双子の弟が中3の時にあるとは知らずに作った証明法を添付しよう。さすがにこれは投稿出来ない。エレガントとは180°逆だからね。ただし、非常に意義がある事は言うまでもない。

おまけ:
円に内接する四角形の対角線 (1)
返信
返信5
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/16 10:51 (No.1371433)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題
Vを内積空間とし、F:V→Vを直交変換とする。Vの部分空間Wが、F(W)⊆Wをみたすならば、F(W^⊥)=W^⊥であることを示せ。


Wの正規直交基底をu₁,u₂,…,ur,Vの正規直交基底をu₁,u₂,…,ur,ur+1,…,unとすると、W^⊥の正規直交基底は、ur+1,…,unとなる。
Fは直交変換なので、F(u₁),…,F(ur),…,F(un)はVの正規直交基底となり、F(W)の正規直交基底はF(u₁),…,F(ur),F(W^⊥)の正規直交基底はF(ur+1),…,F(un)である。
よってV=F(W)⊕F(W^⊥)となるが、直交変換は内積を変えないので、
F(W)^⊥=F(W^⊥)
ところで、F(W)の基底はF(u₁),…,F(ur)より、dimF(W)=dimW また、仮定よりF(W)⊆Wとなっているので、
F(W)=W
したがって、F(W)^⊥=W^⊥より、
W^⊥=F(W)^⊥=F(W^⊥)となる。 (解終)
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

補足 直交変換の定義
命題と定義
Vを有限次元の内積空間とする。このとき線型変換T:V→Vについて、次の四つの条件は同値である。
(1)Tは長さを変えない。||T(x)||=||x||(x∈V)
(2)Tは内積を変えない。<T(x)|T(y)>=<x|y>(x,y∈V)
(3)Tは長さ1のベクトルを長さ1のベクトルに移す。
(4)u₁,u₂,…,unがVの正規直交基底ならば、T(u₁),T(u₂),…,T(un)もまた正規直交基底である。
Tがこれらの条件を満たすとき、Tを直交変換またはユニタリ変換という。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/16 13:49削除
解説
>Wの正規直交基底をu₁,u₂,…,ur,Vの正規直交基底をu₁,u₂,…,ur,ur+1,…,unとすると、W^⊥の正規直交基底は、ur+1,…,unとなる。

V=W⊕W^⊥だから。

命題
Vを内積空間,W⊆Vを有限次元部分空間とする。このとき、VはWとW^⊥の直和である。すなわち、V=W⊕W^⊥となる。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

>Fは直交変換なので、F(u₁),…,F(ur),…,F(un)はVの正規直交基底となり、F(W)の正規直交基底はF(u₁),…,F(ur),F(W^⊥)の正規直交基底はF(ur+1),…,F(un)である。

補足 直交変換の定義
命題と定義
Vを有限次元の内積空間とする。このとき線型変換T:V→Vについて、次の四つの条件は同値である。
(1)Tは長さを変えない。||T(x)||=||x||(x∈V)
(2)Tは内積を変えない。<T(x)|T(y)>=<x|y>(x,y∈V)
(3)Tは長さ1のベクトルを長さ1のベクトルに移す。
(4)u₁,u₂,…,unがVの正規直交基底ならば、T(u₁),T(u₂),…,T(un)もまた正規直交基底である。
Tがこれらの条件を満たすとき、Tを直交変換またはユニタリ変換という。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

この(4)からそうなるという事である。

>よってV=F(W)⊕F(W^⊥)となるが、直交変換は内積を変えないので、
F(W)^⊥=F(W^⊥)

直交変換が内積を変えない事は、すぐ上の定義の(2)から分かり、内積を変えないので、
<F(W)|F(W^⊥)>=<W|W^⊥>
また、W^⊥はWの直交補空間なので、内積は0である。

命題と定義
Wと直交するベクトルの全体
W^⊥={a∈V|a⊥W}={a∈V|任意のx∈W,<a|x>=0}
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

∴<F(W)|F(W^⊥)>=<W|W^⊥>=0———①
また、<F(W)|F(W)^⊥>=0———②
①,②より、
<F(W)|F(W^⊥)>=<F(W)|F(W)^⊥>
∴F(W)^⊥=F(W^⊥)
という事。
ところで、こんな事をしなくても、F:V→Vは直交変換で、

命題
Vを内積空間,W⊆Vを有限次元部分空間とする。このとき、VはWとW^⊥の直和である。すなわち、V=W⊕W^⊥となる。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

より、V=F(W)⊕F(W)^⊥
これと「よってV=F(W)⊕F(W^⊥)となる」から、F(W)^⊥=F(W^⊥)が言えないのだろうか。

念のため、直交変換という事は関係なく線型変換でも同じ事。

定義
定義域と値域が等しい写像,すなわち集合SからS自身への写像をSの変換という。線型空間VからV自身への線型写像はVの線型変換という。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

間違っていたら、惑わすような事を言ってすみません。まぁ、失敗は成功の元と言うからいいか。(念のため、全然間違っているとは思っていないが。)

>dimF(W)=dimW また、仮定よりF(W)⊆Wとなっているので、
F(W)=W

部分空間で次元が等しいので同じになるという事。

例題4.2.8
Vをn次元線型空間とする。部分空間W⊆Vに対し、次の(1),(2)が成立することを示せ。
(1)dimW≦n
(2)dimW=nならば、W=V
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

念のため、この(2)から。一応、もっと分かり易い助っ人を呼ぼう。

定理5.16 線形空間の一致
線形空間V,V'があり、V'⊂Vを満たす。V,V'の次元が同じ有限次元のとき、V=V'となる。
「ガロア理論の頂を踏む」石井俊全著より

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12651609262.html
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/15 11:12 (No.1370809)削除
次の文章を完全解説して下さい。

例6.4
Lを有限体,KをLの部分体とすると、Lの任意の元αはK上代数的である。実際、ある自然数rがあって
[L:K]=r
であるから、r+1個の元
1,α,α²,…,α^r
はK上1次従属でなければならない。すなわち、すべては0でないKの元a₀,a₁,…,arが存在して
a₀・1+a₁α+a₂α²+…+arα^r=0
となっている。これはαが多項式
f(X)=arX^r+ar-1X^(r-1)+…+a₂X²+a₁X+a₀∈K[X]
の根であることを示している。
 一般に拡大体K⊂Lにおいて、Lのすべての元がK上代数的であるとき、体LはK上代数的と言われる。この意味で、有限体LはLの任意の部分体上代数的になっている。K⊂Lで[L:K]<∞となっていれば、例6.4の証明と同様にして、Lがたとえ有限体でなくとも、LはK上代数的となる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

補足1(記号[ : ]の意味)
「有限体Kの部分体Fが与えられたとき、F⊂Kと書き、体Kは体Fの拡大体であるという。このとき、KはF上のベクトル空間になっている。つまりKの加法がベクトル空間としての加法であり、cをFの元とするとき、Kの元xのc倍(スカラー倍)はKの元としてのcとxの積cxによって定義される。KのF上のベクトル空間としての次元dim_FKを拡大F⊂Kの次数といい、記号[K:F]により表す。
[K:F]=dim_FK
=KのF上のベクトル空間としての次元。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

補足2(「代数的」の意味)
体Lが体Kの拡大体であり、αはLの元であるとする。αが代数的であるとは、αがKの元を係数とするゼロではない多項式の根になっていることと定義する。」
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

適当に分かり易く解説して下さい。面白くしようとすると失敗する可能性がありますが、懲りずに挑戦したいと思います。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/15 14:01削除
解説
>Lを有限体,KをLの部分体とすると、Lの任意の元αはK上代数的である。実際、ある自然数rがあって
[L:K]=r
である

補足1(記号[ : ]の意味)
「有限体Kの部分体Fが与えられたとき、F⊂Kと書き、体Kは体Fの拡大体であるという。このとき、KはF上のベクトル空間になっている。つまりKの加法がベクトル空間としての加法であり、cをFの元とするとき、Kの元xのc倍(スカラー倍)はKの元としてのcとxの積cxによって定義される。KのF上のベクトル空間としての次元dim_FKを拡大F⊂Kの次数といい、記号[K:F]により表す。
[K:F]=dim_FK
=KのF上のベクトル空間としての次元。

LはK上のベクトル空間で拡大次数がrという事。

>実際、ある自然数rがあって
[L:K]=r
であるから、r+1個の元
1,α,α²,…,α^r
はK上1次従属でなければならない。

r+1個の元が1次独立だったら次元がr+1次になってしまうから。(基底の個数がr+1個になるから。)
また、Lの元の個数はp^rなのでr+1個の元は必ず取れる。(Lを有限体,Kをその素体Fpと考えると、|L|=p^rだから。)
さらに、Lは体だから単位元1が存在し、乗法について閉じているので、1,α,α²,…,α^r∈Lという事。

>すなわち、すべては0でないKの元a₀,a₁,…,arが存在して
a₀・1+a₁α+a₂α²+…+arα^r=0
となっている。これはαが多項式
f(X)=arX^r+ar-1X^(r-1)+…+a₂X²+a₁X+a₀∈K[X]
の根であることを示している。

1次従属だから「すべては0でないKの元a₀,a₁,…,arが存在してa₀・1+a₁α+a₂α²+…+arα^r=0」。
これは、「f(X)=arX^r+ar-1X^(r-1)+…+a₂X²+a₁X+a₀∈K[X]」にX=αを代入してイコール0となった式なので、αがf(X)の根である事を意味しているという事。

>一般に拡大体K⊂Lにおいて、Lのすべての元がK上代数的であるとき、体LはK上代数的と言われる。

αはLの任意の元を選んだので、全ての元で上の事が成り立つ。
よって、「Lを有限体,KをLの部分体とすると、Lの任意の元αはK上代数的である」事が示された。
因みに、ちょっと先に、

定理6.6
Kをq個(q=p^r,r≧1)の元からなる体とすると、Kは多項式X^q-Xの互いに異なるq個の根で構成されている。したがって、X^q-XはK[X]の中で1次式の積に分解される。

という定理があり、有限体は全ての元が代数的である事が確認出来る。(有限体Kの全ての元はFp上代数的である。)また、

例6.6
F8の素体はF2であり、[F8:F2]=3である。F8の元はF2[X]の多項式X⁸-Xの根である。
X⁸-X=X(X-1)(X³+X+1)(X³+X²+1)
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

[F8:F2]=3の拡大次数は2³=8からで、先の「f(X)=arX^r+ar-1X^(r-1)+…+a₂X²+a₁X+a₀∈K[X]の根であることを示している。」のrをr=3とすると、X³+X+1,X³+X²+1の根になっている事が分かる。
因みに、X⁸-X=X(X-1)(X³+X+1)(X³+X²+1)と出来るのは、係数がF2(=ℤ₂)だからである。
X⁸-X=X(X⁷-1)=X(X-1)(X⁶+X⁵+X⁴+X³+X²+X+1)
=X(X-1)(X⁶+X⁵+X⁴+3X³+X²+X+1)
=X(X-1){(X³+1)²+(X²+X)(X³+1)+X³}
=X(X-1){(X³+1)+X}{(X³+1)+X²}
=X(X-1)(X³+X+1)(X³+X²+1)

>K⊂Lで[L:K]<∞となっていれば、例6.4の証明と同様にして、Lがたとえ有限体でなくとも、LはK上代数的となる。

例えば、ℝ[√2]とℝがそうである。
[ℝ[√2]:ℝ]=2だからである。
ℝ[√2]={a+b√2|a,b∈ℚ}
から、a・1+b・√2とすると1と√2は線型独立だから2次元という事である。(多分)
だから、ℝ[³√2]とℝだったら、
ℝ[³√2]={a+b³√2+c³√4|a,b,c∈ℚ}で3次元だろう。
念のため、ℝが1次で拡大次数が2と3という事。
一応、ここだけは、ネットで調べながらやったので大丈夫だと思います。(思う様には調べられませんが。)https://manabitimes.jp/math/2713
因みに、1+2√2=xと置くと、
x-1=2√2 ∴(x-1)²=8
∴x²-2x-7=0
よって、ℝ[√2]の任意の元がある方程式の解になっているので、ℝ[√2]はℝ上代数的であるという事。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/14 11:32 (No.1370078)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題
A=(2 1)(注:2行2列の行列)
  (5 3),
B=(3 -1) C=(-4 -3)
  (-5 2),   ( 10 7)
のとき、
(ⅰ)行列A²-5A+E₂,AB,BA,ACBを計算せよ。これらを用いて
(ⅱ)
C^n=( 6-5・2^n       3-3・2^n)
   (-10+5・2^(n+1)   -5+3・2^(n+1))
を証明せよ(nは自然数)。


(ⅰ)A²-5A+E₂=O,AB=BA=E₂,ACB=diag(1,2)
(ⅱ)AC^nB=(ACB)^n=diag(1,2^n)より
C^n=B・diag(1,2^n)・A

今回は簡単ですね。ただし、用語は教科書の中から探して下さい。(本持っている人限定。)因みに、今回の問題は演習書にはない問題です。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/14 13:49削除
問題
A=(2 1)(注:2行2列の行列)
  (5 3),
B=(3 -1) C=(-4 -3)
  (-5 2),   ( 10 7)
のとき、
(ⅰ)行列A²-5A+E₂,AB,BA,ACBを計算せよ。これらを用いて
(ⅱ)
C^n=( 6-5・2^n       3-3・2^n)
   (-10+5・2^(n+1)   -5+3・2^(n+1))
を証明せよ(nは自然数)。

解答
(ⅰ)A²-5A+E₂は地道に計算しても良いが、ケイリー・ハミルトンの定理(私の高校の参考書に2次の公式は載っている)を使うと、
A²-(2+3)A+(2・3-1・5)E=O
∴A²-5A+E=O
よって、A²-5A+E₂=O
AB=(2 1)(3 -1)=( 6-5  -2+2)
   (5 3)(-5 2) (15-15 -5+6)
=(1 0)
 (0 1)
BA=(3 -1)(2 1)=( 6-5  3-3)
   (-5 2)(5 3) (-10+10 -5+6)
=(1 0)
 (0 1)
∴AB=BA=E₂
AC=(2 1)(-4 -3)=(-8+10  -6+7)
   (5 3)(10 7) (-20+30 -15+21)
=(2 1)
 (10 6)
∴ACB=(2 1)(3 -1)
     (10 6)(-5 2) 
=(6-5  -2+2)
 (30-30 -10+12)
=(1 0)
 (0 2)
(ⅱ)(ACB)^n=(1  0)———①
         (0 2^n)
また、(ACB)^n=(ACB)(ACB)…(ACB)
=AC(BA)C(BA)…(BA)CB
=ACECE…ECB
=AC^nB———②
①,②より、
AC^nB=(1  0)
     (0 2^n)
∴C^n=A^-1 (1  0)B^-1
       (0 2^n)
ところで、AB=BA=Eより、
A=B^-1,B=A^-1
∴C^n=B (1  0)A
      (0 2^n)
=(3 -1)(1  0)(2 1)
 (-5 2)(0 2^n)(5 3)
=( 3   -2^n)(2 1)
 (-5 2^(n+1))(5 3)
=( 6-5・2^n       3-3・2^n)
 (-10+5・2^(n+1)   -5+3・2^(n+1))
よって、示された。

因みに、(ⅰ)のA²-5A+E₂は(ⅱ)では使わず、対角行列である事(diag(1,2^n))も使いませんでしたね。

「対角成分以外がすべて0である行列を対角行列と言う。対角行列をdiag(a₁,a₂,…,an)
または diag(ai)1≦i≦n
などと略記する。」
「線型代数入門」有馬哲著より

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/13 11:59 (No.1369373)削除
次の文章を完全解説して下さい。

例6.3
定理6.1によれば有限体Lの乗法群L*は巡回群であるから、L*の生成元の1つをαとすればL*=<α>である。したがって、Lの任意の部分体Kに対してL=K(α)となっている。すなわち、有限体Lはその任意の部分体Kの単純拡大である。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

定理6.1
有限体Kの0以外の元からなる乗法群K*は巡回群である。

補足
「K⊂Lであり、α∈Lであるとき、Lの部分体であってKとαを含むものすべての共通部分を記号K(α)で表し、Kにαを添加した体という。(中略)αがK上代数的であっても超越的であってもK(α)のようにただ1個の元を添加して得られるKの拡大体をKの単純拡大という。」
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

適当に分かり易くかつ面白く解説して下さい。(念のため、面白いかどうかは主観によります。なお、間違っていたらご免なさい。)

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12882133818.html
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/13 14:26削除
解説

例6.3
定理6.1によれば有限体Lの乗法群L*は巡回群であるから、L*の生成元の1つをαとすればL*=<α>である。したがって、Lの任意の部分体Kに対してL=K(α)となっている。すなわち、有限体Lはその任意の部分体Kの単純拡大である。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

L*=<α>より、L=<α>+{0}
また、KはLの部分体より、Kの元をLの元にかけてもLの元であるので、
Lは、L=K(α)となっているという事。

具体例で考えてみよう。
L*={|1,|2,|3,|4}(mod5)とし(5は素数よりℤpは体(定理2.9)でL=ℤpとするとLは体だからL*は乗法群)、K={|0,|1}(mod2)とすると、KはLの部分集合でK*は四則演算について閉じているので体である。つまり、KはLの部分体。

定理2.9
有理整数環ℤにおいて、次の5つの命題は同値である。
(1)pは素数である。
(2)(p)=pℤは素イデアルである。
(3)(p)=pℤは極大イデアルである。
(4)ℤ/(p)は整域である。
(5)ℤ/(p)は体である。

そこで、定理6.1より、ある生成元αが存在して、L*={α,α²,α³,α⁴} 
∴L={|0,α,α²,α³,α⁴}
|0=|0・α⁴+|0・α³+|0・α²+|0・α+|0
α=|0・α⁴+|0・α³+|0・α²+|1・α+|0
α²=|0・α⁴+|0・α³+|1・α²+|0・α+|0
α³=|0・α⁴+|1・α³+|0・α²+|0・α+|0
α⁴=|1・α⁴+|0・α³+|0・α²+|0・α+|0
より、L=K(α)と出来る。
また、α=|2(mod5)とすると、
α=|2
α²=|4
α³=|8=|3
α⁴=|16=|1
よって、α=|2はL*={|1,|2,|3,|4}(mod5)の生成元(原始根)である。
そこで、

補足
「K⊂Lであり、α∈Lであるとき、Lの部分体であってKとαを含むものすべての共通部分を記号K(α)で表し、Kにαを添加した体という。(中略)αがK上代数的であっても超越的であってもK(α)のようにただ1個の元を添加して得られるKの拡大体をKの単純拡大という。」
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

L={|0,|1,|2,|3,|4}(mod5)
K={|0,|1}(mod2)
KにLの元|2を添加して、拡大体Lを構成してみる。
|2・|0=|0(左辺の右がKの元)
|2・|1=|2(以下、全てmod5)
(|2)²・|1=|4
(|2)³・|1=|8=|3
(|2)⁴・|1=|16=|1
よって、L={|0,|1,|2,|3,|4}(mod5)が構成された。
因みに、|0=|2(mod2)の|2を使っても良いと思うのですが、一応、指数で対応してみました。
L={|0,|1,|2,|3,|4,|5,|6}(mod7)
K={|0,|1,|2}(mod3)
でもちょっとやってみましたが、一応、出来ます。ただし、とんでもない勘違いの可能性もあるので、自己責任でお願いします。念のため、Kも3が素数なので体で部分体です。(2の時は四則演算について閉じていると解説しましたが。)

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/1/14 12:15削除
やっぱり、おかしいですね。modが違うのに部分体の訳がないですよね。

そこで、F8の部分体がF2(=ℤ₂)である事から、

問6.3
F8の素体はF2であり、[F8:F2]=3であることを示せ。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

「標数がpである体Kは体ℤ/(p)と同型な体を部分体として含む。この体はKに含まれる最小の体であり、Kの素体と呼ばれる。」
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

F8とF2={|0,|1}で考える。
また、定理6.6から、

定理6.6
Kをq個(q=p^r,r≧1)の元からなる体とすると、Kは多項式X^q-Xの互いに異なるq個の根で構成されている。したがって、X^q-XはK[X]の中で1次式の積に分解される。

F8の元は、X⁸-X=0の解であるので、
F8={|0,|1,ζ,ζ²,ζ³,ζ⁴,ζ⁵,ζ⁶}(有限体の零元を除くと巡回群だから。)
よって、F8はF2にF8の元ζを1つ添加した拡大体である。

補足
「K⊂Lであり、α∈Lであるとき、Lの部分体であってKとαを含むものすべての共通部分を記号K(α)で表し、Kにαを添加した体という。(中略)αがK上代数的であっても超越的であってもK(α)のようにただ1個の元を添加して得られるKの拡大体をKの単純拡大という。」
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

例6.3
定理6.1によれば有限体Lの乗法群L*は巡回群であるから、L*の生成元の1つをαとすればL*=<α>である。したがって、Lの任意の部分体Kに対してL=K(α)となっている。すなわち、有限体Lはその任意の部分体Kの単純拡大である。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

また、おかしいかもしれませんが、自己責任でお願いします。もっと先まで読まないとダメですよね。しかし、もうちょっと分かり易い本はないものでしょうか。

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