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壊れた扉さん (994klpn6)2025/8/4 13:55 (No.1485540)削除
次の文章を完全解説して下さい。

(5)加群の準同型環とよぶものがある。
     
   図4.5(添付ファイルを参照して下さい。)

 加群M(もちろん可換である)をMの中に同型に写す写像をαとする。αはMの要素uをαuに写すものとして、Mの2つの要素に対して
α(u+v)=αu+αv
なる条件を満足するαはMの内部の準同型を与えている。このような準同型の全体をE(M)とすると、E(M)はつぎのような+,×の定義によって、環をつくる。
 加法は
        (α+β)u=αu+βu
と定義する。
 このとき、
(α+β)(u+v)=α(u+v)+β(u+v)
       =(αu+αv)+(βu+βv)
       =(α+β)u+(α+β)v
したがってこのように定義されたα+βはやはりE(M)に属する。
 乗法は
        αβ(u)=α(β(u))
と定義する。
αβ(u+v)=α(β(u+v))=α(βu+βv)
      =α(β(u))+α(β(v))
      =αβ(u)+αβ(v)
だからαβもやはりE(M)に属する。
 E(M)のなかにはすべてのuを0に写すものφも含まれる。すなわち、
φ(u+v)=0,φ(u)=0,φ(v)=0だから
φ(u+v)=φ(u)+φ(v)
が成立し、φはE(M)に含まれる。
 だからこのようなφを0で表わすと、これは明らかに
        α+φ=α
を満足する。
 また
       (-α)(u)=-α(u)
なる-αを考えると
         α+(-α)=0
となることは明らかである。
 また
(α+β)(u)=α(u)+β(u)=β(u)+α(u)
=(β+α)(u)
であるから
         α+β=β+α
同じく
      (α+β)+γ=α+(β+γ)
も明らかである。したがってE(M)はこのような加法については加群をなすことは明らかである。
 乗法については
       (αβ)γ(u)=α(β(γ(u)))
α(βγ(u))=α(β(γ(u)))
であるから
       (αβ)γ=α(βγ)
すなわち、結合法則を満足する。
 また
α(β+γ)(u)=α(β(u)+γ(u))
=α(β(u))+α(γ(u))
=αβ(u)+αγ(u)=(αβ+αγ)(u)
したがって
      α(β+γ)=αβ+αγ
同様に
      (β+γ)α=βα+γα
も証明できる。
 したがってE(M)は環をつくる。このような環をMの自己準同型環という。
「代数的構造」遠山啓著より

適当に分かり易く解説して下さい。もっとも今回は普通に簡単ですが。

おまけ:
代数的構造
壊れた扉さん (994klpn6)2025/8/4 16:35削除
解説
>加群M(もちろん可換である)をMの中に同型に写す写像をαとする。

α:M→M(u→α(u))
また、αは準同型写像かつ全単射である。
という事。(図4.5はない方が分かり易いかもしれない。)

>αはMの要素uをαuに写すものとして、Mの2つの要素に対して
α(u+v)=αu+αv
なる条件を満足するαはMの内部の準同型を与えている。

α(u+v)=αu+αvという約束を写像αに課すという事。

定義6.1
演算◦をもつ群(G,◦)と演算*をもつ群(G',*)に対して、GからG'への写像f:G→G'が
∀a,b∈G,f(a◦b)=f(a)*f(b)
なる条件を満足しているとき、fをGからG'への準同型写像という。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

つまり、α(u+v)=αu+αvは、このfをαにして、◦と*を共に+にした状態であるという事。

>加法は
        (α+β)u=αu+βu
と定義する。
 このとき、
(α+β)(u+v)=α(u+v)+β(u+v)
       =(αu+αv)+(βu+βv)
       =(α+β)u+(α+β)v
したがってこのように定義されたα+βはやはりE(M)に属する。

(α+β)(u+v)=(α+β)u+(α+β)vより、写像α+βも準同型写像なので、α+β∈E(M)
つまり、α,β∈E(M)に対してα+β∈E(M)なので、E(M)は加法について閉じているという事である。
念のため、「α(u+v)=αu+αvという約束を写像αに課」しているので、α∈E(M)

>E(M)のなかにはすべてのuを0に写すものφも含まれる。すなわち、
φ(u+v)=0,φ(u)=0,φ(v)=0だから
φ(u+v)=φ(u)+φ(v)
が成立し、φはE(M)に含まれる。

いわゆる零写像である。そして、0なので、0+0=0より、φ(u+v)=φ(u)+φ(v)が成り立つという事。よって、φも準同型写像なので、φ∈E(M)
念のため,このφは空集合ではない。

>また
       (-α)(u)=-α(u)
なる-αを考えると
         α+(-α)=0
となることは明らかである。

上から、
「加法は
        (α+β)u=αu+βu
と定義する。」
このαを-αにしてβを0(零写像)にすると、
(-α+0)u=-αu+0u
よって、(-α)u=-αuとなる-αという写像を考えられる。(uに括弧を付けるか付けないかは加法と乗法の定義の時の違いである。)
あとは移項して消去律を使えば良い。(本では詳しく触れていないので、厳密性にはこだわらない。)

>同じく
      (α+β)+γ=α+(β+γ)
も明らかである。

一応、やっておく。
{(α+β)+γ}(u)=(α+β)(u)+γ(u)
=α(u)+β(u)+γ(u)
=α(u)+(β(u)+γ(u))
=α(u)+(β+γ)(u)
={α+(β+γ)}(u)
∴(α+β)+γ=α+(β+γ)

>したがってE(M)はこのような加法については加群をなすことは明らかである。

上の「α+φ=α」で加法の単位元の存在。
上の「α+(-α)=0」で加法の逆元の存在。
上の「α+βはやはりE(M)に属する」で加法について閉じている。
上の「(α+β)+γ=α+(β+γ)も明らかである」で加法の結合法則。
以上より、加法群をなすという事。

>また
α(β+γ)(u)=α(β(u)+γ(u))
=α(β(u))+α(γ(u))
=αβ(u)+αγ(u)=(αβ+αγ)(u)
したがって
      α(β+γ)=αβ+αγ
同様に
      (β+γ)α=βα+γα
も証明できる。

一応、(β+γ)α=βα+γαもやっておくか。
{(β+γ)α}(u)=(β+γ)α(u)
=β(α(u))+γ(α(u))
=βα(u)+γα(u)
=(βα+γα)(u)
∴(β+γ)α=βα+γα

>したがってE(M)は環をつくる。このような環をMの自己準同型環という。

環の定義
つぎのような2種類の結合+,×をもつ集合Rを環と名づける。
1.+については可換群をなす。すなわち、
a+b=b+a
(a+b)+c=a+(b+c)
単位元を0で表わす。すなわち、任意のaに対して
a+0=a
aの逆元を-aで表わす。
a+(-a=0
2.×については結合法則が成り立つ。
(ab)c=a(bc)
3.+と×のあいだには分配法則が成り立つ。
a(b+c)=ab+ac
(b+c)a=ba+ca
以上の条件を満足するRを環という。
「代数的構造」遠山啓著より

上で全部示しているので、E(M)は環をなすという事である。
また、「加群MをMの中に同型に写す写像をα」と「このような準同型の全体をE(M)と」したので、「Mの自己準同型環」という事。

因みに、「加群M(もちろん可換である)をMの中に同型に写す写像をαとする」は、準同型の誤植のような気もするのだが、この手のものは素人には判断しかねるので、
「本書は、1972年5月30日、筑摩書房より「数学講座」第10巻として刊行された。文庫化に当たり旧数学用語を改め、誤植を訂正した。」
を信じてそのままにした。ただし、結構誤植ありますが。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/8/1 19:08 (No.1484249)削除
問題
下の図のように、体積の等しい2つの正四角すいO-ABCDとX-PQRSがある。ただし、O-ABCDの高さは2で、底面の1辺の長さは2√2である。また、P,Q,R,Sはそれぞれ辺DA,AB,BC,CDの中点である。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)正四角すいX-PQRSの高さを求めなさい。
(2)底面からの高さがxのところで、2つの正四角すいを底面と平行に切ったとき、切り口の面積が等しくなった。xの値を求めなさい。
(3)2つの正四角すいの共通部分の体積を求めなさい。
(99 愛光)

図は、添付ファイルを参照して下さい。

因みに、私の(3)の解法は、参考書の別解と似ていますが、さらに別解でした。

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1943170934619402360
高校への数学
壊れた扉さん (994klpn6)2025/8/2 07:58削除
問題
下の図のように、体積の等しい2つの正四角すいO-ABCDとX-PQRSがある。ただし、O-ABCDの高さは2で、底面の1辺の長さは2√2である。また、P,Q,R,Sはそれぞれ辺DA,AB,BC,CDの中点である。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)正四角すいX-PQRSの高さを求めなさい。
(2)底面からの高さがxのところで、2つの正四角すいを底面と平行に切ったとき、切り口の面積が等しくなった。xの値を求めなさい。
(3)2つの正四角すいの共通部分の体積を求めなさい。
(99 愛光)

図は、上の添付ファイルを参照して下さい。

模範解答
(1)X-PQRSとO-ABCDの底面積の比は1:2であるから、これらの体積が等しいとき、高さの比は2:1
よって、答えは、2×2=4
(2)切り口はともに正方形であり、O-ABCDの切り口と底面の正方形との相似比は、(2-x):2であるから、切り口の一辺の長さは、
2√2×{(2-x)/2}=√2(2-x)・・・①
一方、X-PQRSの切り口の一辺の長さは、同様にして、
2×{(4-x)/4}=(4-x)/2・・・②
①=②より、x=(4√2-4)/(2√2-1)
=(4√2-4)(2√2+1)/(2√2-1)(2√2+1)
=4(3-√2)/7
(3)OBと面XQRとの交点をTとし(☞右図(注:添付ファイルの図2))、Tの底面からの高さをxとすると、求める体積は、
O-ABCD-T-BQR×4
=(1/3)×(2√2)²×2-[(1/3)×{(√2)²/2}×x]×4
=16/3-(4/3)x・・・・・・③
ところで、Tを通り底面に平行に切ったときの切り口は、(2)より右図(注:添付ファイルの図3)のようになるから、
√2(2-x)×√2=(4-x)/2
∴x=4/3
∴③=16/3-(4/3)×(4/3)=32/9
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
>切り口はともに正方形であり、O-ABCDの切り口と底面の正方形との相似比は、(2-x):2であるから、切り口の一辺の長さは、
2√2×{(2-x)/2}=√2(2-x)・・・①

図1を見れば分かるだろう。

>一方、X-PQRSの切り口の一辺の長さは、同様にして、
2×{(4-x)/4}=(4-x)/2・・・②

イメージすれば分かると思う。
底面の一辺2√2→4,高さ2→4
に変えるだけである。

>①=②より、x=(4√2-4)/(2√2-1)
=(4√2-4)(2√2+1)/(2√2-1)(2√2+1)
=4(3-√2)/7

①=②より、√2(2-x)=(4-x)/2
∴2√2(2-x)=(4-x)
∴4√2-2√2x=4-x
∴(2√2-1)x=4√2-4
∴x=(4√2-4)/(2√2-1)
=(4√2-4)(2√2+1)/7
=(16+4√2-8√2-4)/7
=(12-4√2)/7
=4(3-√2)/7

(3)は省略。読めば分かる。
(3)の別解と私の解法は次回。

おまけ:
高校への数学
壊れた扉さん (994klpn6)2025/8/3 07:57削除
問題
下の図のように、体積の等しい2つの正四角すいO-ABCDとX-PQRSがある。ただし、O-ABCDの高さは2で、底面の1辺の長さは2√2である。また、P,Q,R,Sはそれぞれ辺DA,AB,BC,CDの中点である。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)正四角すいX-PQRSの高さを求めなさい。
(2)底面からの高さがxのところで、2つの正四角すいを底面と平行に切ったとき、切り口の面積が等しくなった。xの値を求めなさい。
(3)2つの正四角すいの共通部分の体積を求めなさい。
(99 愛光)

(3)の参考書の別解
BD(注:添付ファイルの図1を参照)の中点をMとし、平面OBMで図形を切ると、切り口は右図(注:添付ファイルの図2)のようになる(Uは、QRの中点)。
Tは△XBMの重心であるから、XT:TU=2:1
∴x=XM×(1/3)(以下略)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

読めば分かるので、解説は省略で、私の解法に移ろう。
添付ファイルの図1を平面XACで切った断面図を描き、図3のようにO',M,N,Eと振ると、NはO'Cの中点でOはXO'の中点。
よって、△XO'Nと直線OCでメネラウスの定理を使うと、
(1/1)(EN/XE)(2/1)=1
∴EN/XE=1/2 ∴XE:EN=2:1
∴EN=(1/3)XO'=4/3
三角錐E-CSR=√2×√2×(1/2)×(4/3)×(1/3)=4/9
よって、求める体積をVとすると、
V=2√2×2√2×2×(1/3)-(4/9)×4=16/3-16/9=48/9-16/9
=32/9

おまけ:
高校への数学
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/31 15:52 (No.1483712)削除
次の文章を完全解説して下さい。

§4.乗法の定義
 以上は加法であったがℤのなかに乗法を定義するにはどうしたらいいだろうか。
         [a,b]・[c,d]
について考えてみよう。a<b,c<dのときはそれらはℕのなかのb-a,d-cに対応する。
(b-a)(d-c)=bd+ac-ad-bc
       =(bd+ac)-(ad+bc)
となるからこれはℕ²のなかの[ad+bc,bd+ac]となるわけである。このことから
[a,b][c,d]=[ad+bc,bd+ac]
と定義したらうまくいきそうである。
 この定義にしたがって乗法の諸性質を導き出すことができるだろう。試みにそのうちの二,三の性質を導き出してみることにする。
 あらかじめ断っておくが、以下の叙述は煩雑を極めるであろう。しかしそれを読者に覚えてもらうために、のべるのではない。それはこの方法がいかに煩雑であり、読者を見透しのない迷路にひき込んでしまうかを体験してもらうためである。
 まず、加法の場合と同じく、[a,b]~[a',b'],[c,d]~[c',d']のとき、
[a,b][c,d]~[a',b'][c',d']
となることを証明しよう。
[a,b][c,d]=[ad+bc,ac+bd]
[a,b][c',d']=[ad'+bc',ac'+bd']
ここで(ad+bc)+(ac'+bd')と(ac+bd)+(ad'+bc')とを比較してみよう。
(ad+bc)+(ac'+bd')
=ad+bc+ac'+bd'
=a(d+c')+b(c+d')
([c,d]~[c',d']だからc+d'=d+c')
=a(c+d')+b(c'+d)
=ac+bd+ad'+bc'
だから
[a,b][c,d]~[a,b][c',d']
 また[a,b]~[a',b']のときは同様に
[a,b][c',d']~[a',b'][c',d']
~は推移的だから
[a,b][c,d]~[a',b'][c',d']。
 まず、0をかけると0になることを証明してみよう。
[a,b][c,c]=[ac+bc,bc+ac]
=[ac+bc,ac+bc]
つまり右辺は2つの成分が等しいから0に相当する。
 また、[a,b][c,d]と[a,b][d,c]を比較してみよう。
[a,b][c,d]=[ad+bc,ac+bd]
[a,b][d,c]=[ac+bd,ad+bc]
2つを比較すると、順序が入れかわっているから
x(-y)=-(xy)
の規則に相当する。
 交換法則は
[a,b][c,d]=[ad+bc,ac+bd]
[c,d][a,b]=[cb+da,ca+db]
      =[ad+bc,ac+bd]
だから
[a,b][c,d]=[c,d][a,b]
結合法則:
([a,b][c,d])・[e,f]
=[ad+bc,ac+bd]・[e,f]
=[(ad+bc)f+(ac+bd)e,(ad+bc)e+(ac+bd)f]
=[adf+bcf+ace+bde,ade+bce+acf+bdf]。
[a,b]([c,d]・[e,f])
=[a,b][cf+de,ce+df]
=[a(ce+df)+b(cf+de),a(cf+de)+b(ce+df)]
=[ace+adf+bcf+bde,acf+ade+bce+bdf]
この2つの結果を比較するのも容易ではないが、煩雑をいとわず、ひとつひとつの項を点検してみると、確かに等しいことがわかる。だから
([a,b][c,d])・[e,f]=[a,b]([c,d]・[e,f])
が証明された。
 この辺まで述べてみると、この行き方の煩雑さは十分体験できたと思うので、後は省略することにしよう。
「代数的構造」遠山啓著より

適当に分かり易く解説して下さい。念のため、0については2025/7/28 15:59の投稿を見て下さい。
今回は簡単です。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/8/1 15:00削除
解説
>乗法を定義するにはどうしたらいいだろうか。
         [a,b]・[c,d]
について考えてみよう。a<b,c<dのときはそれらはℕのなかのb-a,d-cに対応する。
(b-a)(d-c)=bd+ac-ad-bc
       =(bd+ac)-(ad+bc)
となるからこれはℕ²のなかの[ad+bc,bd+ac]となるわけである。このことから
[a,b][c,d]=[ad+bc,bd+ac]
と定義したらうまくいきそうである。

初めは、[a,b]・[c,d]を[a・c,b・d]などと定義してもあまりメリットがなかったのだろう。
そこで、前回の大小関係からa<bの場合は[a,b]>0としたので、

「a<bのときはベクトルは左から右に向いているが、a>bならば右から左に向く。
 またa=bならばベクトルの長さは0であり、これがベクトルの0に当たる。だから、a=bのときを新しい0,a>bのときを新しいマイナスとみることもできるのである。
 以上のように考えると0や負数が自然と導入されたことになる。」
「代数的構造」遠山啓著p.172~173より

a<bの場合、[a,b]とb-a∈ℕを対応させたら(c<dの場合、[c,d]とd-cを対応させる)、
[a,b]・[c,d]=(b-a)(d-c)
=bd+ac-ad-bc
=(bd+ac)-(ad+bc)
ここで、a<bの場合は[a,b]>0,c<dの場合は[c,d]>0より、[a,b]・[c,d]>0
∴(bd+ac)-(ad+bc)>0
∴ad+bc<bd+ac
よって、
=[ad+bc,bd+ac]
と対応させられる。
「このことから
[a,b][c,d]=[ad+bc,bd+ac]
と定義したらうまくいきそうである」という訳である。

>この定義にしたがって乗法の諸性質を導き出すことができるだろう。試みにそのうちの二,三の性質を導き出してみることにする。
 あらかじめ断っておくが、以下の叙述は煩雑を極めるであろう。しかしそれを読者に覚えてもらうために、のべるのではない。それはこの方法がいかに煩雑であり、読者を見透しのない迷路にひき込んでしまうかを体験してもらうためである。

この予告は、全くのガセネタである。読めば分かるように大して煩雑ではない。何故こんなはったりのような事を述べたのか謎である。(続きで出て来るクロネッカーが関係しているのかな?)

>まず、加法の場合と同じく、[a,b]~[a',b'],[c,d]~[c',d']のとき、
[a,b][c,d]~[a',b'][c',d']
となることを証明しよう。
[a,b][c,d]=[ad+bc,ac+bd]
[a,b][c',d']=[ad'+bc',ac'+bd']
ここで(ad+bc)+(ac'+bd')と(ac+bd)+(ad'+bc')とを比較してみよう。
(ad+bc)+(ac'+bd')
=ad+bc+ac'+bd'
=a(d+c')+b(c+d')
([c,d]~[c',d']だからc+d'=d+c')
=a(c+d')+b(c'+d)
=ac+bd+ad'+bc'
だから
[a,b][c,d]~[a,b][c',d']
 また[a,b]~[a',b']のときは同様に
[a,b][c',d']~[a',b'][c',d']
~は推移的だから
[a,b][c,d]~[a',b'][c',d']。

まぁ、証明のアイデアとして、
[a,b][c,d]~[a',b'][c',d']を証明するのに、
[a,b][c,d]~[a,b][c',d']と
[a,b][c',d']~[a',b'][c',d']に分けて
最後に推移律で証明するのは見事だとは思うが、読む分には普通に簡単である。

>まず、0をかけると0になることを証明してみよう。
[a,b][c,c]=[ac+bc,bc+ac]
=[ac+bc,ac+bc]
つまり右辺は2つの成分が等しいから0に相当する。

「§3.0の存在
[c,c]は0と同じ役割を演ずる。
[a,b]+[c,c]=[a+c,b+c]
ここで
a+(b+c)=a+(c+b)=(a+c)+b
したがって
[a,b]~[a+c,b+c]
だから[c,c]は加えても同じ類の中をかえるだけで、類はかえない。だから、これは0と同じである。」
2025/7/28 15:59の投稿より

単純に[a,b]・[c,d]=[a・c,b・d]と定義していたら、[a,b][c,c]=[ac,bc]で0にはならなかった。やはり、試行錯誤したのだろう。
因みに、上の「代数的構造」遠山啓著p.172~173のベクトルで考えれば、[c,c]が0を意味する事は自明だね。

>また、[a,b][c,d]と[a,b][d,c]を比較してみよう。
[a,b][c,d]=[ad+bc,ac+bd]
[a,b][d,c]=[ac+bd,ad+bc]
2つを比較すると、順序が入れかわっているから
x(-y)=-(xy)
の規則に相当する。

読めば簡単に分かるが、

「[a,b]+[b,a]=[a+b,b+a]=[a+b,a+b]
つまり、これは0であるから[b,a]は[a,b]の反要素(符号をかえた)に相当する。だから
[b,a]=-[a,b]
と書いてもよいだろう。」
2025/7/28 15:59の投稿より

これによる。

>結合法則:
([a,b][c,d])・[e,f]
=[ad+bc,ac+bd]・[e,f]
=[(ad+bc)f+(ac+bd)e,(ad+bc)e+(ac+bd)f]
=[adf+bcf+ace+bde,ade+bce+acf+bdf]。
[a,b]([c,d]・[e,f])
=[a,b][cf+de,ce+df]
=[a(ce+df)+b(cf+de),a(cf+de)+b(ce+df)]
=[ace+adf+bcf+bde,acf+ade+bce+bdf]
この2つの結果を比較するのも容易ではないが、煩雑をいとわず、ひとつひとつの項を点検してみると、確かに等しいことがわかる。だから
([a,b][c,d])・[e,f]=[a,b]([c,d]・[e,f])
が証明された。

ここが極め付けである。「この2つの結果を比較するのも容易ではない」って中1の算数から数学に移行した学生じゃないんだから。

>この辺まで述べてみると、この行き方の煩雑さは十分体験できたと思うので、後は省略することにしよう。

因みに、2025/7/28 15:59の投稿の列の2025/7/29 11:15の投稿から、

解説
>つまり、このようにして定めた[a,b]は加法について群をつくることがわかったのである。

「[c,c]は0と同じ役割を演ずる」から加法の単位元の存在。
「[b,a]は[a,b]の反要素(符号をかえた)に相当する。だから[b,a]=-[a,b]」から加法の逆元の存在。
添付ファイルの「結合法則」。
添付ファイルの「加法において同じ類のもので置き換えても和の属する類は同じになる」から加法について閉じている。
よって、加法について群をなすと言っているのだと思いますが、おかしくないですか。

群は作らないですよね(理由は2025/7/29 14:04の投稿)。自然数の集合も群を作る訳ではないので、構わないでしょう。
煩雑じゃないけど、理解するのは非常に大変だと思います。

補足
「自然数ℕから整数ℤを創り出すにも、クロネッカーの流儀によるとこれほどの煩雑が生じたが、さらに進んで、分数,有理数等を考えるようになるとその煩雑さはほとんど堪えがたいものになってくる。
 整数から有理数をつくるには、後でのべるような商体をつくるという方法が用いられるが、それは、また(整数,整数)という形の2つの整数の組によって定義されるのである。
 この整数は2つの自然数によって定まるものとすれば有理数は((自然数,自然数),(自然数,自然数))という形によって定まる。つまり一般の有理数は4個の自然数」の組によって定められることになる。これを計算することはほとんど絶望的な煩雑さを引き起こすだろう。
 クロネッカーは神の創り給うた自然数に執着したために、たとえばπのような無理数に市民権を認めなかった。
 だが、彼が自己の信条にあくまで忠実であったか、というと必ずしもそうではない。彼の数多い論文のなかには微分や積分に関するものが少なくない。ところが、微分も積分も実数の連続性を認めないかぎり意味のないものであるから、彼の主張は矛盾しているともいえる。
 このことをポアンカレは揶揄的に述べている。
「クロネッカーが偉大な数学者であり得たのは、彼が自分の主張に忠実でなかったからだ。」」
「代数的構造」遠山啓著より

おまけ:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E7%94%B0%E6%88%90%E4%BF%8A#:~:text=%E9%BB%92%E7%94%B0%20%E6%88%90%E4%BF%8A%EF%BC%88%E3%81%8F%E3%82%8D%E3%81%A0%20%E3%81%97%E3%81%92%E3%81%A8,%E3%81%AF%E9%96%A2%E6%95%B0%E8%A7%A3%E6%9E%90%E3%80%81%E6%95%B0%E7%90%86%E7%89%A9%E7%90%86%E3%80%82
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返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/31 13:45 (No.1483663)削除
問題
図の2つの立方体は、辺の長さがOP=10,OD=6である。外側の立方体を固定しておいて、内側の立方体が直線OD(OP)を軸として、Pから見て反時計回りに回転する。ただし、面OABCは面OLMNと常に接している。
(1)内側の立方体が∠LOA=30°だけ回転したとき、線分OFと線分MEのどちらが長いか答えなさい(この問題のみ√3=1.73を用いてもよい)。
(2)内側の立方体をさらに回転して3点L,A,Bがこの順で一直線上に並ぶとき、2つの立方体の重なる部分の体積を求めなさい。
(05 慶應)

図は、添付ファイルを参照して下さい。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12758004186.html
高校への数学
壊れた扉さん (994klpn6)2025/8/1 07:58削除
問題
図の2つの立方体は、辺の長さがOP=10,OD=6である。外側の立方体を固定しておいて、内側の立方体が直線OD(OP)を軸として、Pから見て反時計回りに回転する。ただし、面OABCは面OLMNと常に接している。
(1)内側の立方体が∠LOA=30°だけ回転したとき、線分OFと線分MEのどちらが長いか答えなさい(この問題のみ√3=1.73を用いてもよい)。
(2)内側の立方体をさらに回転して3点L,A,Bがこの順で一直線上に並ぶとき、2つの立方体の重なる部分の体積を求めなさい。
(05 慶應)

図は、添付ファイルを参照して下さい。

模範解答
(1)OF²=OB²+BF²
   ME²=MA²+AE²
ここで、BF=AE(=6)であるから、
OB²とMA²の大小を比べればよい。
 ところで、∠LOA=30°のとき、平面OLMNは図(注:添付ファイルの図1)のようになる。ここで、
AH=10-6×(1/2)=10-3=7
AI=10-3×√3=10-3√3
であるから、MA²=7²+(10-3√3)²=176-60√3=176-60×1.73=72.2
一方、OB²=6²+6²=72
よって、MA>OB ∴ME>OF
(2)L,A,Bが一直線上にあるときは、右図(注:添付ファイルの図2)のようになる。
ここで、△AOL∽△AJOで、これらの3辺比は3:4:5である。
∴AJ=6×(3/4)=9/2(<6)
このとき、2つの立方体の重なる部分は、三角柱であるから、その体積は、
{(1/2)×6×(9/2)}×6=81
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説は、図を見ながら読めば分かるので省略。
因みに、私は図2でOを中心とした半径OAの四分円を描き、それに接する直線をLから引いて考えた。また、座標を使っても良いが、私も相似で求めた。念のため、座標の場合でも円は使わない。

おまけ:
高校への数学
壊れた扉さん (994klpn6)2025/8/1 08:00削除
ファイルを間違えたようだ。
高校への数学
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/30 22:06 (No.1483415)削除
問題
(1)長さ2の線分ABと点Pがある。∠APBの大きさが60°以上、120°以下のとき、点Pの動く範囲の面積を求めなさい。
(2)一辺の長さが2の正三角形ABCと点Pがある。∠APBと∠APCの大きさがともに120°以上、180°以下のとき、点Pの動く範囲の面積を求めなさい。
(05 大阪星光学院)

図は、付いてないので自分で考える問題。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/31 07:57削除
問題
(1)長さ2の線分ABと点Pがある。∠APBの大きさが60°以上、120°以下のとき、点Pの動く範囲の面積を求めなさい。
(2)一辺の長さが2の正三角形ABCと点Pがある。∠APBと∠APCの大きさがともに120°以上、180°以下のとき、点Pの動く範囲の面積を求めなさい。
(05 大阪星光学院)

いつもは模範解答を紹介するのだが、私の解法と同じだった事と図がうまく描けない事により私の解法でやります。

解答
円周角が60°になる弧を考えると、添付ファイルの図1の緑の優弧AB。
また、円周角が120°になる弧を考えると、黒の劣弧ABである。
つまり、その間の月形APBが「∠APBの大きさが60°以上、120°以下のとき、点Pの動く範囲」の半分で、つまりABより下の部分も考えるとその2倍である。
ところで、●=60°で弧の中心をOとすると、円周角と中心角の関係より∠AOB=●●=120°でOA=OBより△OABは頂角が120°の二等辺三角形。
よって、内接する正三角形の重心、つまり円は互いの外接円の中心を通る。
また、1:2:√3の直角三角形を利用すると、円の半径は2/√3
まず、月形APB=円O-弓形AOB×2・・・①
円O=(2/√3)²π=4π/3・・・②
弓形AOB=弧O'AB-△O'AB
=(2/√3)²π×(120/360)-2×(1/√3)×(1/2)=4π/9-√3/3・・・③
②,③を①に代入すると、
月形APB=4π/3-(4π/9-√3/3)×2
=4π/3-8π/9+2√3/3
=4π/9+2√3/3
よって、求める面積はこの2倍で、
8π/9+4√3/3
(2)(1)と同じように考えると、求める面積は添付ファイルの図2の弧ABと弧ACを正三角形ABCの内側に折り返して交わった部分の面積である事が分かる。そして、その交点はOとなる。
まず、AOを結んで弓形AOの面積を求めると、
弓形AO=中心角が60°の扇形-正三角形
=(2/√3)²π×(60/360)-(2/√3)×{(2/√3)×(√3/2)}×(1/2)
=2π/9-√3/3
よって、求める面積はこの2倍で、
4π/9-2√3/3

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1950516096194543640

https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1947640283845562430
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/31 07:58削除
また、添付するの忘れた。
高校への数学
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/30 13:25 (No.1483193)削除
次の文章を完全解説して下さい。

 つぎに大小についてのべよう。
        b+c<a+d
のとき、
        [a,b]<[c,d]
と定義すると、任意の2つの要素[a,b]と[c,d]とのあいだにはb+cとa+dとの大小を比較すると、それにつれて
        [a,b]<[c,d]
        [a,b]=[c,d]
        [a,b]>[c,d]
の3つの場合のどれかになることが明らかである。
 ここで大小関係の推移律を証明しよう。
 [a,b]<[c,d],[c,d]<[e,f]のとき、[a,b]<[e,f]となることを証明する。a+fとb+eとの大小を比較するのであるが、
(b+e)+c=b+c+e=(b+c)+e
<(a+d)+e=a+(d+e)<a+(c+f)
=(a+f)+c
したがって大小関係の規則で、
        b+e<a+f
だから
        [a,b]<[e,f]
 このようなものをℤ'で表わしてみよう。そのℤ'は大小の順序をもつことがわかる。
 以上のような論法はℕの数とそのあいだの加法だけを利用していて、減法はどこにも現われてこない。
 その点からみると、一見、これは現実とは何のかかわり合いもなく進行しているかのようである。
 しかし勘のいい読者はこのような論法の背後に、つぎのような手品の種がかくされていることに気づいただろう。
 ℕを数直線上にならべると
    注:図4.1(添付ファイルを見て下さい)
 このとき、[a,b]とはaからbに向かうベクトルとみなしたらどうであろうか。このベクトルはa+d=b+cとなるように[c,d]に移動したとしたら、ベクトルとしては同一とみなしてよいだろう。だから、そのときは
        [a,b]~[c,d]
と定めるのである。
 a<bのときはベクトルは左から右に向いているが、a>bならば右から左に向く。
    注:図4.2(添付ファイルを見て下さい)
 またa=bならばベクトルの長さは0であり、これがベクトルの0に当たる。だから、a=bのときを新しい0,a>bのときを新しいマイナスとみることもできるのである。
 以上のように考えると0や負数が自然と導入されたことになる。しかも、もとのℕはどうであろうか。
 今のところ、この新しく構成されたものと、ℕとは何のかかわり合いもない。 
 つぎにℤ'とℕとを関係づけてみよう。
 そのためにℕの要素aと[c,c+a]というℤ'の要素を対応させるのである。ここでcは任意のℕの要素である。cがいかなるものであっても[c,c+a]は同じ類に属することは明らかである。
         a→[c,c+a]
         b→[c',c'+b]
のとき、
[c,c+a]+[c',c'+b]=[c+c',c+c'+a+b]
これは、a+bに対応するℤ'の要素である。
 だからこの対応はℕからℤ'の部分集合ℕ'への同型対応であることがわかった。すなわちℤ'のなかにはℕと同型な部分集合ℕ'が含まれていることが明らかになった。
          図4.4
 もしℕ'をℕそのものとみなせばℤ'は+,-,×をもつ整数の集合と同型だから、ℕを拡大してℤがつくられたものとみてもよいだろう。
「代数的構造」遠山啓著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1943806762517405760
代数的構造
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/30 16:30削除
解説
>[a,b]<[e,f]
 このようなものをℤ'で表わしてみよう。

以前に、
「まずℕの2つの要素a,bの組[a,b]を考える。つまりこれはℕの要素を成分とする2次元のベクトルと考えてもよい。このようなベクトル全体の集合をℕ²で表わす。
 このℕ²のなかにつぎのような2項関係を導入する。
 ℕ²の2つの要素[a,b],[c,d]は
        a+d=b+c
のとき、
        [a,b]~[c,d]
と定義する。」

とあったが、ℤ'²ではなくℤ'で表わすのである。その理由は、負の数を使わないでℤを構成するからである。
(「ここではあくまでℕの範囲内だけで、換言すればℕの要素だけを材料に使って、ℤを組立ててみることにしよう。つまりℕからℤを構成するのである。」p.167)

>このとき、[a,b]とはaからbに向かうベクトルとみなしたらどうであろうか。このベクトルはa+d=b+cとなるように[c,d]に移動したとしたら、ベクトルとしては同一とみなしてよいだろう。だから、そのときは
        [a,b]~[c,d]
と定めるのである。

a+d=b+cより、d=c+(b-a)と変形すると、 [a,b]に対して任意の位置に点cを取っても同じ長さ(ノルム)のベクトルになるので、同値類になるという事。

>a<bのときはベクトルは左から右に向いているが、a>bならば右から左に向く。
    注:図4.2(添付ファイルを見て下さい)
 またa=bならばベクトルの長さは0であり、これがベクトルの0に当たる。だから、a=bのときを新しい0,a>bのときを新しいマイナスとみることもできるのである。

ℕ²に大小関係を導入したℤ'は、大小関係のお陰で負の数を表せるようになった訳である。

>今のところ、この新しく構成されたものと、ℕとは何のかかわり合いもない。 
 つぎにℤ'とℕとを関係づけてみよう。
 そのためにℕの要素aと[c,c+a]というℤ'の要素を対応させるのである。

関係ないものどうしに、写像という掛け橋を渡す訳である。そして、その写像が準同型写像かつ全単射ならば同型写像になり同型が言えたり、片方が剰余群の場合は準同型定理を使って同型を言えたりする訳である。

>cがいかなるものであっても[c,c+a]は同じ類に属することは明らかである。

例えば、[c,c+a]が[d,e]と同値類であるとすると、[d,e]~[c,c+a]
∴d+(c+a)=e+c
∴a+d=e
よって、cの値に関わらず同じ類に属するからである。

>a→[c,c+a]
 b→[c',c'+b]
のとき、
[c,c+a]+[c',c'+b]=[c+c',c+c'+a+b]
これは、a+bに対応するℤ'の要素である。

因みに、最後のℤ'の所は、地味に誤植でℤとなっていた。誤植があると解読に時間が余計にかかるんだよね。内容は自明だろう。

>だからこの対応はℕからℤ'の部分集合ℕ'への同型対応であることがわかった。

この対応を写像fで表わすと、
(a→[c,c+a]
 b→[c',c'+b])
f(a)=[c,c+a],f(b)=[c',c'+b]
f(a)+f(b)=[c,c+a]+[c',c'+b]
=[c+c',c+c'+a+b]=f(a+b)
よって、f(a+b)=f(a)+f(b)より、写像fは準同型写像である。
また、fが全射である事は自明で、
f(a)=f(b)とすると、
[c,c+a]=[c',c'+b]
∴c=c'かつc+a=c'+b
∴a=b
よって、f(a)=f(b)ならばa=bより、写像fは単射である。つまり、全単射。
よって、fは準同型写像かつ全単射より同型写像である。
よって、「この対応はℕからℤ'の部分集合ℕ'への同型対応である」という事。

>すなわちℤ'のなかにはℕと同型な部分集合ℕ'が含まれていることが明らかになった。

同型対応で、全単射だからℕがそのままℕ'としてℤ'の部分集合になるという事。
具体的には、c=0,c'=0とすると、
a→[0,a]
b→[0,b]
ℕ→ℕ'

>もしℕ'をℕそのものとみなせばℤ'は+,-,×をもつ整数の集合と同型だから、ℕを拡大してℤがつくられたものとみてもよいだろう。

まず、「ℤ'は+,-,×をもつ整数の集合と同型」は、
a→[c,c+a]
b→[c',c'+b]

a→[c+a,c]
b→[c'+b,c']
として上と同様の事をすれば負の数を導入出来るという事である。
また、「ℕ'をℕそのものとみなせば」は、
a→[0,a]
b→[0,b]
ℕ→ℕ'
この右側を左側と同一視するという事である。

因みに、昨日の、

>もっとも、この先生もそんな事は百も承知だろう。
添付ファイルの「加法において同じ類のもので置き換えても和の属する類は同じになる」から加法について閉じている([a,b]が加法について群をなす)と考える事によって、この先のℤの構築に役に立つのだろう。(p.167に「換言すればNの要素だけを材料に使って、ℤを組立ててみることにしよう。つまりℕからℤを構成するのである」とあるからである。)

これは買い被りだったようである。群である事は使わないので、ただの勘違いの蛇足である。

念のため、「つまり、このようにして定めた[a,b]は加法について群をつくることがわかったのである」という事について。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/28 21:57 (No.1482450)削除
問題
点Oから円に2つの接線を引き、その接点をA,Bとする。円周上の点Pから直線OA,OB,ABに垂線PQ,PR,PSを引く。
(1)△PAS∽△PBRであることを証明しなさい。
(2)PS²=PQ×PRであることを証明しなさい。
(04 白陵)

図は、添付ファイルを参照して下さい。

因みに、(2)は別解でした。

おまけ:
高校への数学
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/29 07:57削除
問題
点Oから円に2つの接線を引き、その接点をA,Bとする。円周上の点Pから直線OA,OB,ABに垂線PQ,PR,PSを引く。
(1)△PAS∽△PBRであることを証明しなさい。
(2)PS²=PQ×PRであることを証明しなさい。
(04 白陵)

模範解答
(1)右図(注:添付ファイルを参照して下さい)において、接弦定理により、●=○
これと∠PSA=∠PRB(=90°)により、△PAS∽△PBR・・・・・・①
(2)(1)と同様に、▲=△などから、
△PAQ∽△PBS・・・・・・②
①より、PS:PR=PA:PB
②より、PA:PB=PQ:PS
∴PS:PR=PQ:PS・・・・・・③
∴PS²=PQ×PR
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説は、読めば分かるので省略。参考書の「注」を紹介しよう。

➡注
①,②より、∠QPS=∠SPR これと③より、二辺比夾角相当で、△PQS∽△PSR・・・④も成り立ちます。

(2)の私の解法は次回。

おまけ:
高校への数学
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/30 07:58削除
問題
点Oから円に2つの接線を引き、その接点をA,Bとする。円周上の点Pから直線OA,OB,ABに垂線PQ,PR,PSを引く。
(1)△PAS∽△PBRであることを証明しなさい。
(2)PS²=PQ×PRであることを証明しなさい。
(04 白陵)

(2)私の解法
PS²=PQ×PRより、
PS:PQ=PR:PS
よって、△PQS∽△PSRを示せば良い。
接弦定理より、∠PAQ=∠ABP=▲,
∠PBR=∠BAP=○と置くと、
∠AQP=∠ASP=90°,∠PSB=∠PRB=90°より、四角形ASPQと四角形SBRPはそれぞれ円に内接する四角形である。
よって、円周角より、
∠PQS=∠PAS=∠BAP=○,
∠PSR=∠PBR=○
∴∠PQS=∠PSR・・・・・・①
また、∠PSQ=∠PAQ=▲,
∠PRS=∠PBS=∠ABP=▲
∴PSQ=∠PRS・・・・・・②
①,②より、2角が等しいので、
△PQS∽△PSR
∴PS:PQ=PR:PS
∴PS²=PQ×PR

しかし、模範解法を解法パターンの1つとして暗記数学をしていたら、受験が終わったらすぐに解けなくなってしまうだろうね。まぁ、集中力も強力な武器の1つだが。

おまけ:
https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%E3%82%82%E3%81%86%E4%B8%80%E7%94%9F%E6%88%BB%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84-%E3%83%92%E3%82%AB%E3%83%AB-%E5%9B%BD%E5%88%86%E5%A4%AA%E4%B8%80%E3%81%AE-%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%A9%E5%95%8F%E9%A1%8C-%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%8B%A6%E8%A8%80%E3%81%AB%E5%85%B1%E6%84%9F%E3%81%AE%E5%A3%B0%E6%AE%BA%E5%88%B0/ar-AA1JuU4O?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=688947b9cfe942548332275d5d7622b1&ei=38
(未来は誰にも分からないだろう。)
高校への数学
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/28 15:59 (No.1482257)削除
次の文章を完全解説して下さい。

§3.0の存在
[c,c]は0と同じ役割を演ずる。
[a,b]+[c,c]=[a+c,b+c]
ここで
a+(b+c)=a+(c+b)=(a+c)+b
したがって
[a,b]~[a+c,b+c]
だから[c,c]は加えても同じ類の中をかえるだけで、類はかえない。だから、これは0と同じである。
[a,b]+[b,a]=[a+b,b+a]=[a+b,a+b]
つまり、これは0であるから[b,a]は[a,b]の反要素(符号をかえた)に相当する。だから
[b,a]=-[a,b]
と書いてもよいだろう。
 またそのような反要素は[a,b]から1通りに定まることもわかる。
[a,b]+[c,d]=[a+c,b+d]
でa+c=b+dだから、c=b,d=aとおけばよい。
 つまり、このようにして定めた[a,b]は加法について群をつくることがわかったのである。」
「代数的構造」遠山啓著より

適当に分かり易く解説して下さい。
一応、この前段階(2025/7/25 12:01の投稿+α)を添付ファイルに付けたので、参照して下さい。

おまけ:
代数的構造
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/29 11:15削除
解説
>つまり、このようにして定めた[a,b]は加法について群をつくることがわかったのである。

「[c,c]は0と同じ役割を演ずる」から加法の単位元の存在。
「[b,a]は[a,b]の反要素(符号をかえた)に相当する。だから[b,a]=-[a,b]」から加法の逆元の存在。
添付ファイルの「結合法則」。
添付ファイルの「加法において同じ類のもので置き換えても和の属する類は同じになる」から加法について閉じている。
よって、加法について群をなすと言っているのだと思いますが、おかしくないですか。

おかしい理由は次回。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/29 14:04削除
解説の続き
>つまり、このようにして定めた[a,b]は加法について群をつくることがわかったのである。

このように定めた[a,b]とは、

「まずℕの2つの要素a,bの組[a,b]を考える。つまりこれはℕの要素を成分とする2次元のベクトルと考えてもよい。このようなベクトル全体の集合をℕ²で表わす。
 このℕ²のなかにつぎのような2項関係を導入する。
 ℕ²の2つの要素[a,b],[c,d]は
         a+d=b+c
のとき、
         [a,b]~[c,d]
と定義する。」(添付ファイルより)

で、例えば、[a,b]=[1,2]としたら、
[c,d]はd=-a+b+c=-1+2+c
=c+1
∴[c,d]=[c,c+1]
よって、[a,b]は{[1,2],[2,3],[3,4],・・・}という同値類の集合で、これが加法について閉じていない事は、
[1,2]+[2,3]=[3,5]で[c,d]=[c,c+1]にならない事から明らか。
そもそも、

>[c,c]は0と同じ役割を演ずる。

[c,c]を単位元扱いすると、[0,0],[1,1],・・・など、単位元が複数存在する事になり矛盾が生じる。

定理1.1
(1)群Gに属するすべての元aに対して、
a◦e=e◦a=aを満足するGの元eは唯一つである。
(2)は省略。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

また、添付ファイルの、

「まずℕの2つの要素a,bの組[a,b]を考える。つまりこれはℕの要素を成分とする2次元のベクトルと考えてもよい。このようなベクトル全体の集合をℕ²で表わす。」

自体が群なのか。結論から先に言うと、群ではない。その理由は、ℕ自体が群ではないからである。(加法についての逆元が存在しないから。)

定義7.1
G₁,G₂,…,Gnを群とする。
集合G₁,G₂,…,Gnの直積集合G₁×G₂×・・・×Gnの2つの元
(a₁,…,an),(b₁,…,bn)
に対して(a₁,…,an)と(b₁,…,bn)の積(a₁,…,an)・(b₁,…,bn)を
(a₁,…,an)・(b₁,…,bn)=(a₁b₁,…,anbn)
により定める。
(a₁,…,an)の第ⅰ成分aiと(b₁,…,bn)の第ⅰ成分biは群Giの元であるから、積aibi(∈Gi)が定義されている。したがって、上で定めた積は直積集合G₁×G₂×・・・×Gn上の演算を定義し、この演算に関して直積集合は群になる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

G₁,G₂,…,Gnは群である必要があるからである。念のため、演算の積は加法に変えて考える。

もっとも、この先生もそんな事は百も承知だろう。
添付ファイルの「加法において同じ類のもので置き換えても和の属する類は同じになる」から加法について閉じている([a,b]が加法について群をなす)と考える事によって、この先のℤの構築に役に立つのだろう。(p.167に「換言すればNの要素だけを材料に使って、ℤを組立ててみることにしよう。つまりℕからℤを構成するのである」とあるからである。)
どうでも良い事だが、p.171に、
「以上のような論法はℕの数とそのあいだの加法だけを利用していて、減法はどこにも現われてこない。
 その点からみると、一見、これは現実とは何のかかわり合いもなく進行しているしているかのようである。
 しかし勘のいい読者はこのような論法の背後に、つぎのような手品の種がかくされていることに気づいただろう。」
とある。(念のため、上のものとは全く関係ない。)

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/26 22:00 (No.1481429)削除
問題
平行四辺形ABCD内に、∠BAP=∠BCPとなる点Pをとる。3点A,P,Dを通る円をOとし、直線ABと円Oの交点のうちAと異なる点をQとする。また、Pを通りABと平行な直線と円Oの交点のうちPと異なる点をRとする。Qが辺ABの延長上にある場合について、次の(1),(2)が成り立つことを証明しなさい。
(1)四角形PCDRは平行四辺形である。
(2)PB=PQ
(04 灘)

図は、添付ファイルを参照して下さい。

普通に模範解答と同じように解けました。(別に面白い問題ではないです。)

おまけ:
https://bunshun.jp/articles/-/80663
高校への数学
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/27 07:56削除
問題
平行四辺形ABCD内に、∠BAP=∠BCPとなる点Pをとる。3点A,P,Dを通る円をOとし、直線ABと円Oの交点のうちAと異なる点をQとする。また、Pを通りABと平行な直線と円Oの交点のうちPと異なる点をRとする。Qが辺ABの延長上にある場合について、次の(1),(2)が成り立つことを証明しなさい。
(1)四角形PCDRは平行四辺形である。
(2)PB=PQ
(04 灘)

模範解答
(1)PR∥BA・・・・・・①,CD∥BAにより、PR∥CD・・・・・・②
次に、円周角の定理と①より、右図で、
●=○=∠BAP=∠BCP(添付ファイルの●とは異なるので注意が必要。∠ADR=●,∠APR=○とする。)
これとAD∥BCより、RD∥PC・・・・・・③
②,③より、四角形PCDRは平行四辺形である。
(2)(1)より、PR∥=CD∥=BA
(本当はこちらの記号https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14283955099ただし、「数学記号の表」のウィキペディアに載っていないので正式な記号ではないようである。因みに、グーグル先生もそう答えている(「平行かつ等しいことを示す記号はありません」)。)
であるから、四角形ABPRは平行四辺形。
よって右図で、×=△(注:∠ABP=×,∠ARP=△)
一方、円周角の定理により、▲=△(注:∠AQP=▲)
であるから、×=▲ ∴PB=PQ
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説は、読めば分かるので省略。次回は、

問題
平行四辺形ABCD内に、∠BAP=∠BCPとなる点Pをとるとき、
(1)∠ABP=∠ADP
(2)PA×PC+PB×PD=AB×BC
を証明して下さい。

念のため、私のオリジナルではありません。

おまけ:
https://x.com/aNo2mass/status/1559548619140632576
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/28 07:48削除
問題
平行四辺形ABCD内に、∠BAP=∠BCPとなる点Pをとるとき、
(1)∠ABP=∠ADP
(2)PA×PC+PB×PD=AB×BC
を証明して下さい。

解答
(1)△APDの外接円を描き、PからABと平行な直線を引き、円との交点をRとすると、PR∥BA また、BA∥CDより、
PR∥CD・・・・・・①
また、円周角より∠ADR=∠APR・・・・・・ア
また、錯角より∠APR=∠BAP・・・・・・イ
また、条件より∠BAP=∠BCP・・・・・・ウ
ア,イ,ウより、∠ADR=∠BCP
また、AD∥BCより、RD∥PC・・・・・・②
①,②より、四角形PCDRは平行四辺形である。
∴PR∥CDかつPR=CD・・・・・・④
また、BA∥CDかつBA=CD・・・・・・⑤
④,⑤より、PR∥BAかつPR=CD
よって、四角形ABPRは平行四辺形である。
∴∠ABP=∠ARP・・・・・・⑥
また、円周角より∠ARP=∠ADP・・・・・・⑦
⑥,⑦より、∠ABP=∠ADP
(2)円に内接する四角形APDRでトレミーの定理を使うと、
AP×RD+AR×PD=AD×PR・・・☆
ところで、四角形PCDRは平行四辺形より、
RD=PC・・・・・・①
また、四角形ABPRも平行四辺形より、
AR=BP・・・・・・②
PR=BA・・・・・・③
さらに、四角形ABCDも平行四辺形より、
AD=BC・・・・・・④
①~④を☆に代入すると、
AP×PC+BP×PD=BC×BA
∴PA×PC+PB×PD=AB×BC
よって、示された。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12918917892.html
高校への数学
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返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/24 21:44 (No.1480346)削除
問題
中心がOの円に、四角形ABCDが内接している。対角線AC上に2点E,Fを、それぞれ∠ABE=∠DAC,∠ADF=∠BACを満たすようにとるとき、次の(1),(2),(3)が成り立つことを証明しなさい。
(1)AE:CD=AB:BD
(2)△CDF∽△BDA
(3)OE=OF
(05 灘)

図は添付ファイルを参照して下さい。

(3)が難しいですね。(1),(2)を利用して下さい。

因みに、類題を作ってみました。

類題
中心がOの円に、四角形ABCDが内接している。CDの延長上に∠EAD=∠BACとなる点E,DCの延長上に∠FBC=∠ABDとなる点Fを取ると、OE=OFとなる事を証明して下さい。

上の問題を解く前に下の問題を解いたら凄いと思います。まぁ、こういうのは解くより作る方が難しいですが。

おまけ:
高校への数学
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/25 07:50削除
問題
中心がOの円に、四角形ABCDが内接している。対角線AC上に2点E,Fを、それぞれ∠ABE=∠DAC,∠ADF=∠BACを満たすようにとるとき、次の(1),(2),(3)が成り立つことを証明しなさい。
(1)AE:CD=AB:BD
(2)△CDF∽△BDA
(3)OE=OF
(05 灘)

図は添付ファイルを参照して下さい。

模範解答
(1)与えられた条件と円周角の定理により、角度について右図(添付ファイルを参照して下さい)のようになる。
すると、二角相等で、△ABE∽△DBC
∴AE:CD=AB:BD・・・・・・①
(2)円周角の定理により、
∠ACD=∠ABD・・・・・・②
また、∠CFD=∠FAD+∠FDA
=●+○=∠BAD・・・・・・③
②,③より、二角相等で、
△CDF∽△BDA・・・・・・④
(3)④より、FC:CD=AB:BD
これと①より、AE=FC
よって、△OACは右図(注:半径より△OACは二等辺三角形で辺AC上にAE=FCとなる2点E,Fがある図)のようになって、
△OAE≡△OCF(二辺夾角相等)
OE=OF
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説は読めば分かるので省略だが、参考書の「注」を挙げよう。

➡注(注:(2)の別解)
△DBC∽△DAF・・・⑤ を経由して、“二辺夾角相等”で④を示すこともできます。
⑤より、CD:BD=FD:AD
また、∠CDF=○+∠BDF=∠BDA

これも読めば分かるので(解説は)省略。

因みに、参考書には書いてありませんが、(1)を利用してある有名な定理が作れます。(これに気付いた人はマニアを自称しても良いでしょう。)

(1)より、AE:CD=AB:BD
∴AB・CD=AE・BD・・・・・・①
また、円周角より∠BCE=∠BCA=∠BDA
また、∠CBE=●+∠DBE=∠DBA
よって、2角が等しいので、△CBE∽△DBA
∴BC:BD=EC:AD
∴AD・BC=BD・EC・・・・・・②
①+②より、
AB・CD+AD・BC
=AE・BD+BD・EC
=BD(AE+EC)=BD・AC
∴AB・CD+AD・BC=AC・BD
よって、トレミーの定理が作れた。

出題者の灘高の先生は当然知っていた事でしょう。因みに、こんな本を書いていらっしゃる。
https://www.amazon.co.jp/%E7%81%98%E4%B8%AD%E3%81%AE%E6%95%B0%E5%AD%A6%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%B3%95-%E7%94%9F%E6%B4%BB%E4%BA%BA%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%BA%84-%E7%BE%A9%E5%92%8C/dp/4140880279

https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11423237183.html
高校への数学
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/26 07:38削除
類題
中心がOの円に、四角形ABCDが内接している。CDの延長上に∠EAD=∠BACとなる点E,DCの延長上に∠FBC=∠ABDとなる点Fを取ると、OE=OFとなる事を証明して下さい。

解答
∠EAD=∠BAC=○,∠FBC=∠ABD=×と置くと、
∠BAD=○+∠CAD=∠CAE
また、円周角より∠ABD=∠ACDなので、2角が等しく、△ABD∽△ACE・・・・・・☆
また、∠ABC=×+∠CBD=∠DBF
また、円周角より∠BAC=∠BDCなので、2角が等しく、△ABC∽DBF・・・・・・☆☆
☆より、AB:BD=AC:CE・・・・・・ア
☆☆より、AB:DB=AC:DF・・・・・・イ
ア,イより、AC:CE=AC:DF
∴CE=DF・・・・・・①
ここで、OからCDに垂線を下ろしその足をHとすると、△OCDは二等辺三角形より点HはCDの中点に下りる。∴CH=DH・・・・・・②
①-②より、CE-CH=DF-DH
∴EH=FH
よって、二辺夾角が等しいので、OEH≡△OFH ∴OE=OF

因みに、前回同様にこの解答をいじればトレミーの定理の新証明が作れます。でも、何回かやったので省略。
自分で作って、こういう所https://www.web-nippyo.jp/susemi-note/に投稿するのも楽しいでしょう。

おまけ:
高校への数学
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返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/25 12:01 (No.1480608)削除
次の文章を完全解説して下さい。

§2.整数の構成
自然数ℕの諸法則が証明されて、その構造が明らかになったので、これを整数ℤまで拡張してみよう。そのさい、0および負数はこれまでは数直線を左に延長する等の手段によって説明されてきた。
 しかし、ここではあくまでℕの範囲内だけで、換言すればNの要素だけを材料に使って、ℤを組み立ててみることにしよう。つまりℕからℤを構成するのである。
 まずℕの2つの要素a,bの組[a,b]を考える。つまりこれはℕの要素を成分とする2次元のベクトルと考えてもよい。このようなベクトル全体の集合をℕ²で表わす。
 このℕ²のなかにつぎのような2項関係を導入する。
 ℕ²の2つの要素[a,b],[c,d]は
         a+d=b+c
のとき、
         [a,b]~[c,d]
と定義する。
 まずこの2項関係は同値律を満足することを証明しよう。
反射律:a+b=b+aだから、
         [a,b]~[a,b]
対称律:[a,b]~[c,d]ならばa+d=b+c
したがって
      b+c=a+d,c+b=d+a
だから
         [c,d]~[a,b]
推移律:[a,b]~[c,d],[c,d]~[e,f]なら
         a+d=b+c
両辺にfを加えると
     a+d+f=b+c+f
([c,d]~[e,f]だからc+f=d+e)
          =b+d+e
したがって
      (a+f)+d=(b+e)+d
加法の消去法によって
        a+f=b+e
だから
        [a,b]~[e,f]
 以上で反射的,対称的,推移的という同値が成り立つことがわかったのでℕ²は同値の要素の類に分かれることがわかった。
 ここでそのℕ²に加法を導入してみよう。
   [a,b]+[c,d]=[a+c,b+d]
と定義する。ここで
        [a,b]~[a',b']
        [c,d]~[c',d']
のとき
    [a,b]+[c,d]~[a',b']+[c',d']
となることを証明しよう。そのためには
    [a+c,b+d]~[a'+c',b'+d']
を証明すればよい。
   (a+c)+(b'+d')=(a+b')+(c+d')
([a,b]~[a',b']だからa+b'=a'+b
 [c,d]~[c',d']だからc+d'=c'+d
 となる。これを代入すると、)
  =(a'+b)+(c'+d)=(a'+c')+(b+d)
だから
   [a+c,b+d]~[a'+c',b'+d']
   [a,b]+[c,d]~[a',b']+[c',d']
したがって、加法において同じ類のもので置き換えても和の属する類は同じになる。
「代数的構造」遠山啓著より

適当に分かり易く解説して下さい。

> (a+c)+(b'+d')=(a+b')+(c+d')
([a,b]~[a',b']だからa+b'=a'+b
 [c,d]~[c',d']だからc+d'=c'+d
 となる。これを代入すると、)
  =(a'+b)+(c'+d)=(a'+c')+(b+d)
だから
   [a+c,b+d]~[a'+c',b'+d']
   [a,b]+[c,d]~[a',b']+[c',d']

特にここは分かり難いので、簡単にして下さい。これだけじゃ面白くないので、間違い探しを1つ。https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11208877226.html
こちらの間違いを指摘して下さい。テオーリアさんに勝てるかな?

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/25 13:59削除
解説
>以上で反射的,対称的,推移的という同値が成り立つことがわかったのでℕ²は同値の要素の類に分かれることがわかった。

「このℕ²のなかにつぎのような2項関係を導入する。
 ℕ²の2つの要素[a,b],[c,d]は
         a+d=b+c
のとき、
         [a,b]~[c,d]
と定義する。」

例えば、[a,b]=[1,2]とすると、
1+d=2+cより、d-c=1
よって、[c,d]=[1,2],[2,3],・・・などで、これらを([1,2]の)同値類と呼ぶ。
因みに、同値類は他の同値類と交わることなく全体集合を同値類で分割する。
どういう事かというと、例えば、3で割って余る数のそれぞれの集合は交わらず、全体の整数の集合を(隙間なく)分割する。
3m={・・・,-3,0,3,…}
3m+1={・・・,-2,1,4,…}
3m+2={・・・,-1,2,5,…}
3m∪(3m+1)∪(3m+2)
={・・・,-3,-2,-1,0,1,2,3,4,5,…}
=ℤ
また、3m∩(3m+1)∩(3m+2)=φ
という事。整数ℤの集合を3の倍数という部分集合で類別した訳である。(「同値の要素の類に分かれることがわかった」の意味。)
念のため、反射的,対称的,推移的が成り立つ事を証明したから言える事である。

>       [a,b]~[a',b']
        [c,d]~[c',d']
のとき
    [a,b]+[c,d]~[a',b']+[c',d']
となることを証明しよう。そのためには
    [a+c,b+d]~[a'+c',b'+d']
を証明すればよい。
   (a+c)+(b'+d')=(a+b')+(c+d')
([a,b]~[a',b']だからa+b'=a'+b
 [c,d]~[c',d']だからc+d'=c'+d
 となる。これを代入すると、)
  =(a'+b)+(c'+d)=(a'+c')+(b+d)
だから
   [a+c,b+d]~[a'+c',b'+d']
   [a,b]+[c,d]~[a',b']+[c',d']

「[a+c,b+d]~[a'+c',b'+d']を証明すればよい」から、まず、 (a+c)+(b'+d')を作っている訳である。
そして、これを加法の結合法則と交換法則で、=(a+b')+(c+d')とし、あとは上の括弧内の事をして、最終的に(a+c)+(b'+d')=(a'+c')+(b+d)として、
[a+c,b+d]~[a'+c',b'+d']
[a,b]+[c,d]~[a',b']+[c',d']
を示している訳だが、分かり難い。
初めに、
[a,b]~[a',b']
[c,d]~[c',d']
から、括弧内の
[a,b]~[a',b']だからa+b'=a'+b
[c,d]~[c',d']だからc+d'=c'+d
が成り立ち、この2式を加えると、
a+b'+(c+d')=a'+b+(c'+d)
ここで、加法の結合法則と交換法則を使うと、
(a+c)+(b'+d')=(a'+c')+(b+d)
(以後同じ)とした方が分かり易いと思うのだが、感じ方は人それぞれか。
と思ったが、等式同士の和が等式になる事を避けて無難な方法を取った可能性が高いか。ただし、加法の消去法則や大小関係などが証明されているのでOKなような気もするが。

因みに、間違い探しの回答は、

3. 読んでくれるかな?
(ii)の部分に違和感を感じました。
2+1,3+1,4+1,5+1,・・・・という集合は自然数の集合(自然数と自然数を足すと自然数だから)で2より大きい自然数の集合(足す事は増える事だから)なのでその中で一番小さい2+1は3として良い。(自然数nの集合と自然数n+1の集合は1対1対応だから。)
とありますが 、この集合は3ではなく例えば4から始まる集合である可能性もあるのではないでしょうか。2より大きい自然数の集合だからといって3が含まれているとは限らないと思うのですがどうでしょうか。
テオーリア2015-05-05 10:12:28

貴重なコメントありがとうございました。(当時もちゃんとお礼を述べました。)危なく、裸の王様になる所でした。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/23 16:57 (No.1479705)削除
問題作ってみました。

問題
ひし形ABCDの辺BC,CD上に点E,Fをうまく取ったら1辺の長さがひし形と等しい正三角形AEFが出来たという。
この時、△CEFの外接円を描き、AFとの交点をGとすると、△GBCは正三角形になる事を証明して下さい。

図は、添付ファイルを参照して下さい。難しいか(面白いか)どうかは自分ではよく分かりません。

アイデア引用元:https://www.msn.com/ja-jp/lifestyle/other/%E8%A7%92%E5%BA%A6%E5%BD%93%E3%81%A6%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%82%BA-vol-1612-x%E3%81%AE%E8%A7%92%E5%BA%A6%E3%81%AF%E4%BD%95%E5%BA%A6/ar-AA1J1aZp?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=688067af882a4902aad552cdad94939e&ei=12

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/23 16:58削除
また、添付し忘れました。
略図
壊れた扉さん (994klpn6)2025/7/24 07:24削除
問題
ひし形ABCDの辺BC,CD上に点E,Fをうまく取ったら1辺の長さがひし形と等しい正三角形AEFが出来たという。
この時、△CEFの外接円を描き、AFとの交点をGとすると、△GBCは正三角形になる事を証明して下さい。

図は、添付ファイルを参照して下さい。

解答
四角形ABCDはひし形より平行四辺形なので、∠B=∠D また、正三角形とひし形の1辺の長さが等しいので、△ABEと△ADFはそれぞれ二等辺三角形。
よって、∠AFD=∠D=∠B=∠ABC
よって、∠AFD=∠ABCより、四角形ABCFは円に内接する四角形である。
また、四角形ABCDはひし形で平行四辺形より、FC∥AB
よって、四角形ABCFは円に内接する台形である。つまり、等脚台形(下に補足)である。
∴∠ABC=∠BAF
∴∠ABE=∠BAG・・・・・・①
また、四角形GECFは円に内接する四角形より、∠GEC=∠GFD=∠AFD=∠ADF=∠ABE ∴∠GEC=∠ABE・・・・・・②
①,②より、∠GEC=∠BAG
よって、四角形ABEGも円に内接する四角形。
まず、四角形GECFが円に内接する四角形より、円周角で∠GCE=∠GFE=∠AFE=60°
よって、∠GCB=∠GCE=60°・・・③
次に、四角形ABEGが円に内接する四角形より、円周角で∠GBE=∠GAE=∠FAE=60°
よって、∠GBC=∠GBE=60°・・・④
③,④より、△GBCは2角が60°より正三角形でBC=AF(四角形ABCFは等脚台形だから)より△GBCと△AEFは合同である。
よって、示された。

補足
円に内接する台形は等脚台形である。
https://www.google.com/search?q=%E5%86%86%E3%81%AB%E5%86%85%E6%8E%A5%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8F%B0%E5%BD%A2%E3%81%AF%E7%AD%89%E8%84%9A%E5%8F%B0%E5%BD%A2&sca_esv=21b8fdcecfe5527b&hl=ja&source=hp&ei=1V2BaLrOGZ3k2roPvLeS8AQ&iflsig=AOw8s4IAAAAAaIFr5fk2y07nY1XTGqc3qvv8uGHAZKTr&ved=0ahUKEwj6jKfQ_9OOAxUdslYBHbybBE4Q4dUDCA8&uact=5&oq=%E5%86%86%E3%81%AB%E5%86%85%E6%8E%A5%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8F%B0%E5%BD%A2%E3%81%AF%E7%AD%89%E8%84%9A%E5%8F%B0%E5%BD%A2&gs_lp=Egdnd3Mtd2l6IiflhobjgavlhoXmjqXjgZnjgovlj7DlvaLjga_nrYnohJrlj7DlvaIyCBAAGIAEGKIEMggQABiABBiiBDIIEAAYogQYiQUyBRAAGO8FMgUQABjvBUjRYFAAWINacAB4AJABAJgBWqABuheqAQIzObgBA8gBAPgBAZgCJ6AC0RjCAgsQABiABBixAxiDAcICDRAAGIAEGLEDGIMBGATCAhAQABiABBixAxiDARgEGIoFwgIKEAAYgAQYsQMYBMICBxAAGIAEGATCAgUQABiABMICDRAAGIAEGLEDGIMBGBfCAgcQABiABBgXwgIGEAAYBBgewgIIEAAYBBgXGB6YAwCSBwIzOaAH0oMBsgcCMzm4B9EYwgcJMC4yMC4xOC4xyAeCAQ&sclient=gws-wiz
念のため、証明は簡単です。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12754321748.html
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