掲示板

BBS
アイコン設定
投稿者さん使い方

数学好きの人は、誰でも投稿して下さい。
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/29 11:59 (No.1337206)削除
次の文章を完全解説して下さい。

例(1.4.12)
実線型空間V=C^∞((-∞,∞),ℝ)において、
(ⅰ)微分演算D=d/dxと恒等写像Iが実線型写像だから、Dと3Iとの和
D+3I:V→V,f→f'+3f
もまた実線型写像である。たとえば、f(x)=e^11xならば(D+3I)f=11e^11x+3e^11x=14e^11xである。D+3Iによる零元0∈Vの逆像は
(D+3I)^-1(0)∋y⇔dy/dx+3y=0
⇔(d/dx)log|y|=(1/y)(dy/dx)=-3
⇔log|y|=-3x+A,A∈ℝ
⇔|y|=e^Ae^-3x
⇔y=Be^-3x,B∈ℝ
であるから、(D+3I)^-1(0)=ℝe^-3x
「線型代数入門」有馬哲著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/29 15:43削除
解説
>実線型空間V=C^∞((-∞,∞),ℝ)

無限回微分可能な連続関数全体の集合と考えておけば良い。イメージ的には、e^x,sinx,cosxなど。

関数f:I→KがIにおいて何回でも微分可能であるとき、すなわちすべてのn>0に対しf∈C^n(I,K)であるとき、fはIのおいてC^∞級であると言い、その全体をC^∞(I)またはC^∞(I,K)で表わす。
「線型代数入門」有馬哲著より

>微分演算D=d/dxと恒等写像Iが実線型写像だから

微分って和は1つずつ微分するし、スカラー倍(定数倍)の定数は除いて微分しますよね。つまり、線型性を保っているという事。

例(1.4.3)
K=ℝまたはℂ,Iを実数の開区間,V'=ℱ(I,K),V'の元でIにおいて微分可能なもの全体のなす線型空間をVとする。すなわちV=D^1(I) このとき、よく知られた微分法の公式
(f+g)'=f'+g',(af)'=af'
によって、写像D:V→V',f→f'は線型である。
「線型代数入門」有馬哲著より

因みに、恒等写像の線型性はほとんど自明。
I(x+y)=x+y=I(x)+I(y)
I(ax)=ax=aI(x)
だから。(教科書から抜き出しただけ。)

>(D+3I)^-1(0)∋y⇔dy/dx+3y=0
⇔(d/dx)log|y|=(1/y)(dy/dx)=-3
⇔log|y|=-3x+A,A∈ℝ
⇔|y|=e^Ae^-3x
⇔y=Be^-3x,B∈ℝ

「dy/dx+3y=0
⇔(d/dx)log|y|=(1/y)(dy/dx)=-3」
ここが、ネックなのではないだろうか。

dy/dx+3y=0
⇔dy/dx=-3y
⇔(1/y)(dy/dx)=-3
⇔{(d/dy)log|y|}(dy/dx)=-3
⇔(d/dx)log|y|=-3
⇔log|y|=-3x+A,A∈ℝ
(両辺をxで不定積分)
⇔|y|=e^(-3x+A)=e^Ae^-3x
⇔y=Be^-3x,B∈ℝ
(±e^A=Bと置いた)

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12849201998.html
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/28 15:26 (No.1336617)削除
次の文章を完全解説して下さい。

演習問題5
ℤ[i]は単項イデアル整域であることを示せ。

証明
ℤ[i]が整域であることは、§1演習問題3で示した。Iをℤ[i]の(0)でないイデアルとする。Iの中で0と異なる、ノルムが最小である元をβとする。このとき、(β)⊂Iである。
逆に、αをIの任意の元とする。このとき、演習問題4よりα=βγ+δ,N(δ)<N(β)となるようなγ,δ∈ℤ[i]が存在する。ここで、β,α∈Iであるから、δ=α-βγ∈I
したがって、αの選び方よりδ=0でなければならない。ゆえに、α=βγ∈Iとなるので、I=(β)である。
以上より、ℤ[i]は単項イデアルである。
「演習 群・環・体 入門」新妻弘著より

§1演習問題3
ℤ[i]={a+bi|a,b∈ℤ}は整域であり、ℚ[i]={a+bi|a,b∈ℚ}は体であることを示せ。また、整域ℤ[i]の可逆元をすべて求めよ。環ℤ[i]をガウスの整数環という。

演習問題4
α,β∈ℤ[i]でβ≠0とする。このとき、
α=βγ+δ,N(δ)<N(β)
となるようなγ,δがℤ[i]に存在することを示せ。

誤植はそのままにしてあるので、誤植を訂正しながら分かり易く解説して下さい。

おまけ:
「学も神力ぞ。神ざぞ。学が人間の智恵と思ってゐると飛んでもない事になるぞ。肝腎の真中なくなりてゐると申してあろが。真中動いてはならんのざぞ。神国の政治は魂のまつりことぞ。苦しき御用が喜んで出来る様になりたら、神の仕組判りかけるぞ。何事も喜んで致して呉れと申してあろがな。臣民の頭では見当取れん無茶な四(よ)になる時来たのざぞ。                 (中略)
 今の臣民 幾ら立派な口きいても、文字ならべても、誠がないから力ないぞ。黙ってゐても力ある人いよいよ世に出る時近づいたぞ。力は神から流れ来るのぞ。磨けた人から神がうつって今度の二度とない世界の、世直しの手柄立てさすぞ。みたま磨きが何より大切ぞ。」
引用元:https://kakuyomu.jp/works/16816452220155676320/episodes/16816452220158244661
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/29 13:55削除
解説
>Iの中で0と異なる、ノルムが最小である元をβとする。このとき、(β)⊂Iである。

Iはイデアルで、イデアルは倍数の集合のような概念なので、例えばIを2の倍数の集合としその中の4という元を取り出しそれでイデアルを作ると4の倍数の集合となり、4の倍数の集合は2の倍数の集合の部分集合なので、(β)⊂Iになるという意味である。(誤解を恐れずにあえて素人にも分かるように解説してみた。)

>逆に、αをIの任意の元とする。このとき、演習問題4よりα=βγ+δ,N(δ)<N(β)となるようなγ,δ∈ℤ[i]が存在する。

演習問題4
α,β∈ℤ[i]でβ≠0とする。このとき、
α=βγ+δ,N(δ)<N(β)
となるようなγ,δがℤ[i]に存在することを示せ。

α,βはIの元でIはℤ[i]のイデアルなので、α,βはℤ[i]の元である。よって、演習問題4より、「α=βγ+δ,N(δ)<N(β)となるようなγ,δ∈ℤ[i]が存在する」という事。

>ここで、β,α∈Iであるから、δ=α-βγ∈I

Iはイデアルでβ∈I,γ∈ℤ[i]より、βγ∈I(イデアルを倍数のような概念と考えれば、例えばIを2の倍数の集合と考えて、同じ整数の中からなら2の倍数に何をかけても2の倍数になるからβγ∈Iという意味。)
また、Iはイデアルでイデアルは加法群だから、加法について閉じているので、
α-βγ∈I
(Iは加法群だから、βγ∈Iの(加法の)逆元 -βγ∈Iが存在してα+(-βγ)∈Iという事。)
また、α=βγ+δより、δ=α-βγ∈Iとなるという事。

>したがって、αの選び方よりδ=0でなければならない。

ここは誤植である。「α」ではなく「βの選び方」である。
「Iの中で0と異なる、ノルムが最小である元をβ」としたのに、上より「このとき、演習問題4よりα=βγ+δ,N(δ)<N(β)となるようなγ,δ∈ℤ[i]が存在する」ので、N(δ)<N(β)であり、δのノルムの方が小さいので矛盾を回避するためにはδ=0しかあり得ないという事。(念のため、Iは加法群なので、0∈Iだから問題ない。)

>ゆえに、α=βγ∈Iとなるので、I=(β)である。

ここも誤植である。「α=βγ∈I」ではなく、「α=βγ∈(β)」である。
ところで、「αをIの任意の元とする」としたので、α∈Iならばα∈(β)という事である。
つまり、I⊂(β)
また、上より「このとき、(β)⊂Iである」だったので、I⊂(β)かつ(β)⊂I
よって、I=(β)という事。

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/28 11:14 (No.1336476)削除
次の文章を完全解説して下さい。

命題(1.4.11)
線型写像F:V→V'に対して、次の三条件は同値である。
(ⅰ)Fは同型写像である。
(ⅱ)Fは双射である。
(ⅲ)線型写像G:V'→Vがあって
G◦F=Iv,F◦G=Iv'
が成り立つ。(このとき、GをFの逆写像と呼んだ。)
証明 いろいろの写像の定義の復習に過ぎないから、読者にゆだねる。
「線型代数入門」有馬哲著より

逆写像の条件
s∈SならばG(F(s))=s
t∈TならばF(G(t))=t
をみたすとき、GをFの逆写像と言いF^-1で表わす。このとき、FはGの逆写像となっている。さらにこのときFは双射である。逆に、写像F:S→Tが双射であるとき、t∈T=F(S)に対し、F(s)=tとなるs∈SをとってG(t)=sとおけば、写像G:T→SがFの逆写像となる。

定義
数体K上の二つの線型空間U,Vの間に双射↔があり
x₁↔y₁,x₂↔y₂ならばx₁+x₂↔y₁+y₂(x₁,x₂∈U,y₁,y₂∈V)
x↔y,a∈Kならばax↔ay(x∈U,y∈V)
が成り立つとき、UとVはK上の線型空間として同型であると言い、U≃Vで表わす。同型を与える双射F:U→Vを同型写像と言う。このとき、その逆写像F^-1もまた同型写像である。(定義終)

線型空間Vの元xにそれ自身を対応させる写像
V→V,x→x
を恒等写像と呼び、id,IvまたはIなどと書く。
「線型代数入門」有馬哲著より

>いろいろの写像の定義の復習に過ぎないから、読者にゆだねる。

一応、やって下さい。因みに、(ⅰ)⇒(ⅱ),(ⅱ)⇒(ⅲ),(ⅲ)⇒(ⅰ)を証明すれば良い。
例えば、逆の(ⅲ)⇒(ⅱ)は、(ⅲ)⇒(ⅰ)⇒(ⅱ)で示されるからである。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/28 13:43削除
命題(1.4.11)
線型写像F:V→V'に対して、次の三条件は同値である。
(ⅰ)Fは同型写像である。
(ⅱ)Fは双射である。
(ⅲ)線型写像G:V'→Vがあって
G◦F=Iv,F◦G=Iv'
が成り立つ。

証明
(ⅰ)⇒(ⅱ):
Fは同型写像より、定義により双射である。
(「同型を与える双射F:U→Vを同型写像と言う」より)
(ⅱ)⇒(ⅲ):
Fは双射より、Fは逆写像を持つ(写像は1対1か多対1で1対多は写像ではない。つまり、Fを多対1とすると逆像は1対多になるので逆写像とならないので、逆写像を持つならば1対1であり全射でもなければならない。つまり双射(全単射)。あとは下に補足)ので、逆写像をGとし、恒等写像をIとすると、
G◦F=Iv,F◦G=Iv'と表される。
補足
「写像F:S→Tが双射であるとき、(中略)写像G:T→SがFの逆写像となる。」
(ⅲ)⇒(ⅰ):
G◦F=Iv,F◦G=Iv'より、Fは逆写像Gを持つので、Fは双射である。(上の解説から分かると思うが一応補足する。)
補足
「GをFの逆写像と言い、F^-1で表わす。このとき、FはGの逆写像となっている。さらにこのときFは双射である。」

また、Fは線型写像より、x,y∈Vとすると、
F(x+y)=F(x)+F(y)
また、a∈K(Kは数体),x∈Vに対して、
F(ax)=aF(x)
が成り立つ。(下に定義がある。)
ここで、x=x₁,y=x₂,F(x)=y₁,F(y)=y₂と置くと、
F(x₁+x₂)=F(x₁)+F(x₂)
F(ax₁)=aF(x₁)
ところで、Fは双射より双射を↔で表すと、
x₁とF(x₁)の関係は、x₁↔y₁
x₂とF(x₂)の関係は、x₂↔y₂
また、F(x₁+x₂)=F(x₁)+F(x₂)=y₁+y₂より、x₁+x₂↔y₁+y₂
よって、x₁↔y₁,x₂↔y₂ならばx₁+x₂↔y₁+y₂———①
また、F(ax₁)=aF(x₁)=ay₁より、
ax₁↔ay₁
よって、x₁↔y₁ならばax₁↔ay₁———②
①,②より、同型の定義を満たしているので、Fは同型写像である。
よって、(ⅰ)⇒(ⅱ)⇒(ⅲ)⇒(ⅰ)が示されたので、(ⅰ),(ⅱ),(ⅲ)は同値である。

定義
Kを数体,VとV'をK上の線型空間とする。VからV'への写像F:V→V'が二つの条件
F(x+y)=F(x)+F(y),
F(ax)=aF(x)
をみたすとき、FをK上の線型写像,K線型写像または線型写像と言う。
「線型代数入門」有馬哲著より

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/25 16:13 (No.1334465)削除
問題
AB=7,BC=8,CA=5,∠C=60°である三角形ABCがあります。右の図のように、辺AB,BC,CA上にそれぞれ点P,Q,Rをとり、線分PQ,QR,RPの長さの和s=PQ+QR+RPを最小にしたい。次の問いに答えなさい。
(1)点Pが辺AB上に与えられているとするとき、和sを最小にするには、点Q,Rをそれぞれどこにとればよいか。
(2)次に、点Pを辺AB上で動かすとき、点Pが辺AB上のどの位置にあるとき、その和sは最小となるか。APの長さと、そのときの和sの値を求めよ。
(91 ラ・サール)

図の解説は、読んだ通りなので省略。

これは難しいと思います。一応、私は出来ましたが。終わった後に(3)を追加しますね。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/26 07:43削除
問題
AB=7,BC=8,CA=5,∠C=60°である三角形ABCがあります。右の図のように、辺AB,BC,CA上にそれぞれ点P,Q,Rをとり、線分PQ,QR,RPの長さの和s=PQ+QR+RPを最小にしたい。次の問いに答えなさい。
(1)点Pが辺AB上に与えられているとするとき、和sを最小にするには、点Q,Rをそれぞれどこにとればよいか。
(2)次に、点Pを辺AB上で動かすとき、点Pが辺AB上のどの位置にあるとき、その和sは最小となるか。APの長さと、そのときの和sの値を求めよ。
(91 ラ・サール)

模範解答
(1)BCに関するPの対称点をP',ACに関するPの対称点をP''とすると、
s=PQ+QR+RP=P'Q+QR+RP''
ここでP',P''は定点だから、この折れ線の長さは、P',P''を直線で結んだときのP'P''が最短である。
このとき、Q,Rの位置はそれぞれ、P'P''とBC,ACとの交点。
(2)sが最小になるとき、図ⅢのようにH,Iを定める(注:PP'とBCの交点をH,PP''とACとの交点をIとする)と、
△CPI≡△CP''I,△CPH≡△CP'Hだから、∠P'CP''=2∠BCA=120°
CP'=CP''=CP
以上より、△CP'P''は頂角120°の二等辺三角形とわかる。ゆえに、s=P'P''=√3CP'
よって、CPが最小、つまりCPがABと垂直なとき、CP',P'P''も最小となる。
AP=xとおくと、このとき図Ⅳ(注:CからABに下ろした垂線の足がPでAP=xとおいた図)より、
5²-x²=8²-(7-x)²(注:△CAPと△CBPでの三平方の定理をCPで連立させた式。)
これを解いて、AP=x=5/7
s=√3CP'=√3CP=√3√(AC²-AP²)=√3√{5²-(5/7)²}=60/7

解説は読めば分かるので省略。因みに、最短距離で対称点を取るのは中学数学(の難問?)では定石です。(因みに、私も中学数学に特化している訳ではないので、(1)はすぐ出来ましたが、(2)はお茶の時間にテレビ見ながら(暗算で)考えていたら出来ました。(計30分ぐらいかかりましたね。)

(3)s=PQ+QR+RPが最小になる時、AQ,BR,CQは1点で交わる事を証明して下さい。(これは鋭角三角形の場合成り立つが、今回は上の設定で考えれば良い。)

難しいか面白いかは微妙です。初等幾何に慣れている人には簡単だろうし、普通の数学掲示板の人には難しいかもしれませんね。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/27 07:58削除
問題
AB=7,BC=8,CA=5,∠C=60°である三角形ABCがあります。右の図のように、辺AB,BC,CA上にそれぞれ点P,Q,Rをとり、線分PQ,QR,RPの長さの和s=PQ+QR+RPを最小にしたい。次の問いに答えなさい。
(1)点Pが辺AB上に与えられているとするとき、和sを最小にするには、点Q,Rをそれぞれどこにとればよいか。
(2)次に、点Pを辺AB上で動かすとき、点Pが辺AB上のどの位置にあるとき、その和sは最小となるか。APの長さと、そのときの和sの値を求めよ。
(91 ラ・サール)
(3)s=PQ+QR+RPが最小になる時、AQ,BR,CQは1点で交わる事を証明して下さい。(これは鋭角三角形の場合成り立つが、今回は上の設定で考えれば良い。)

(3)の回答
これは(2)の時で、つまり、CからABに下ろした垂線の足がP,BC,CAに関して点Pと対称な点をそれぞれP',P''とし、P'P''とBC,CAとの交点がそれぞれQ,Rとなっている。
対称性より∠ARP=∠ARP''
また、対頂角より∠ARP''=∠CRQ
よって、∠ARP=∠CRQ=○———①と置く。
同様に、∠BQP=∠CQR=●———②と置ける。
ところで、CP⊥ABでAQ,BR,CPが1点で交わるならばそれは垂心の可能性が高いとピンと来る人にはピンと来ると思う。
そこで、AからBCに垂線を下ろしその足をQ',BからACに垂線を下ろしその足をR',垂心をHとすると、四角形HR'APは円に内接する四角形より、円周角で∠AR'P=∠AHP——ア
また、四角形HQ'CR'も円に内接する四角形より、円周角で∠CR'Q'=∠CHQ'———イ
また、対頂角より∠AHP=∠CHQ'———ウ
ア,ウ,イより、∠AR'P=∠CR'Q'———③
同様に、BQ'P=∠CQ'R'———④
ここで、点Pは一定の位置で、①,②より反射で点Pに戻っている(点Pからビリヤードのボールを辺CAに向けて打つと考えると良い)。また、③,④も同様に反射で点Pに戻っている。
つまり、点RとR',点QとQ'はそれぞれ一致している。ところで、AQ',BR',CPは1点垂心Hで交わっているので、AQ,BR,CPも一点で交わる。
よって、示された。

次回の問題。

問題
AB=7,BC=8,CA=5,∠C=60°である三角形ABCがあります。△ABCの内部に点Pを取り、線分AP,BP,CPの長さの和s=AP+BP+CPを最小にしたい。
そのときの和sの値を求めよ。

何も見ないで作り、何も見ないで解きましたが、普通の人(工夫で解く)には無理だと思いますので、検索ありで解いて下さい。分かる人には分かる話だと思います。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/28 07:55削除
問題
AB=7,BC=8,CA=5,∠C=60°である三角形ABCがあります。△ABCの内部に点Pを取り、線分AP,BP,CPの長さの和s=AP+BP+CPを最小にしたい。
そのときの和sの値を求めよ。

解答
CPを1辺とした正三角形QPCとACを1辺とした正三角形RACを、点QがPCに関して点A側,点Rを△ABCの外部に取り、QRを結ぶと、
正三角形よりCP=CQ,CA=CR
また、∠PCA=60°-∠ACQ,∠QCR=60°-∠ACQより、∠PCA=∠QCR
よって、二辺挟角が等しいので、△PCA≡△QCR ∴AP=RQ———①
また、正三角形より、CP=PQ———②
①,②をs=AP+BP+CPに代入すると、
s=RQ+BP+PQ=BP+PQ+QR
つまり、sが最小になるのは折れ線BPQRが一直線になる場合である。
そこで、△RBCに注目すると、∠BCR=60°+60°=120°
ここで、RからBCの延長上に垂線を下ろしその足をHとすると、△RCHは1:2:√3の直角三角形になるので、CH=5/2,RH=5√3/2
∴BH=8+5/2=21/2
よって、△RBHで三平方の定理を使うと、
BR=√{(21/2)²+(5√3/2)²}
=√(441/4+75/4)=√516/4
=2√129/2=√129
よって、答えは、s=√129

次回の問題は、

問題
AB=7,BC=8,CA=5である△ABCの内部に∠APB=∠BPC=∠CPA=120°となる点Pを取る。この時、s=AP+BP+CPの値を求めて下さい。

因みに、私は2通り作ってみました。いつものように検索はありですが、超有名定理をそのまま使うのはなしです。

おまけ:
返信
返信3
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/27 14:04 (No.1335881)削除
次の文章を完全解説して下さい。

(3)根の表示と一意性
αのA最小多項式f(x)の次数をnとします。このときαのA係数多項式の値は
a₀+a₁α+…+an-1α^(n-1),a₀,…,an-1はAの元・・・(*)
と一意的に表されます。実際、αの任意のA係数多項式g(α)に対して、g(x)をf(x)で割った余りをr(x)とすると、(1)の議論と同様にg(α)=r(α)となります。r(x)の次数はnより小なので(*)のような表示が得られます。
次に、一意性についてです。(*)の形の2通りの表示
a₀+a₁α+…+an-1α^(n-1)=b₀+b₁α+…+bn-1α^(n-1)
を考えます。上式の左辺から右辺を引いたA係数多項式
s(x)=(a₀-b₀)+(a₁-b₁)x+…+(an-1-bn-1)x^(n-1)
はαを根に持つn-1次以下の多項式です。よって最小多項式の次数の最小性からs(x)=0です。ゆえに(*)の表示は一意的です。
αのA係数分数式の値も(*)の形に一意的に表されます。一意性は多項式の場合から従います。分数式から多項式に直すために、120ページの(2)の議論を利用します。
αのA係数分数式g(α)/h(α)(h(α)≠0)を考えます。h(α)≠0より、αの最小多項式f(x)はh(x)を割り切りません。最小多項式f(x)は既約なので、f(x)とh(x)は互いに素です。よって
f(x)p(x)+h(x)q(x)=1
をみたすA係数多項式p(x),q(x)があります。この式にx=αを代入してh(α)q(α)=1が得られます。したがって1/h(α)=q(α)なので、初めの分数式は
g(α)/h(α)=g(α)・q(α)(αのA係数多項式)
となります。この右辺の式を多項式の場合と同様にn-1次以下の式に直せば、分数式の場合に(*)の主張が示されます。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

解説は「120ページの(2)の議論」と似たようなものなので省略して、
「αのA係数分数式の値も(*)の形に一意的に表されます。」から、問題作ってみました。

問題
x²+x+1=0の1つの解をωとする。
(1)(ω-1)/(ω+1)をaα+bの形で表して下さい。
(2)(ω+2)/(ω-2)をaα+bの形で表して下さい。

面白いか面白くないかは分かりません。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/27 16:16削除
問題
x²+x+1=0の1つの解をωとする。
(1)(ω-1)/(ω+1)をaω+bの形で表して下さい。
(2)(ω+2)/(ω-2)をaω+bの形で表して下さい。

回答
(1)ω²+ω+1=0———① 
また、x²+x+1=0の両辺にx-1をかけると、x³-1=0 ∴ω³=1———②
②を①に代入すると、
ω²+ω+ω³=0
この両辺をω²で割ると、
1+1/ω+ω=0 
∴ω+1=-1/ω———③
③を与式に代入すると、
(ω-1)/(ω+1)=(ω-1)/(-1/ω)
=-ω(ω-1)=-ω²+ω———④
また、①より、-ω²=ω+1———⑤
⑤を④に代入すると、
(ω-1)/(ω+1)=2ω+1

(2)(2)も(1)と同じように工夫すれば出来ると思うが、面倒臭いので、上の文章を読んだ解法を使ってみる。
f(x)=x²+x+1,h(x)=x-2と置くと、f(x)とh(x)は互いに素なので、「群・環・体 入門」の定理4.8より、
f(x)p(x)+h(x)q(x)=1となるp(x),q(x)が存在する。

定理4.8
体K上の2つの多項式f(X)とg(X)の最大公約数がd(X)ならば
d(X)=f(X)ξ(X)+g(X)η(X)
となるような多項式ξ(X),η(X)がK[X]の中に存在する。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

そこで、p(x)=a,q(x)=bx+cと置いて、f(x)=x²+x+1,h(x)=x-2と共に、f(x)p(x)+h(x)q(x)=1に代入すると、
(x²+x+1)a+(x-2)(bx+c)=1
∴ax²+ax+a+bx²+cx-2bx-2c=1
∴(a+b)x²+(a-2b+c)x+a-2c=1
これが恒等式より、
a+b=0———①
a-2b+c=0———②
a-2c=1———③
②×2+③より、3a-4b=1———④
①×4+④より、7a=1 ∴a=1/7
これを①に代入すると、b=-1/7
また、③に代入すると、2c=1/7-1=-6/7 ∴c=-3/7
∴p(x)=1/7,q(x)=(-1/7)x-3/7
ここで、f(x)p(x)+h(x)q(x)=1にx=ωを代入すると、
f(ω)p(ω)+h(ω)q(ω)=1
また、f(x)=x²+x+1より、f(ω)=0
これを代入すると、h(ω)q(ω)=1
∴q(ω)=1/h(ω)
ところで、
(ω+2)/(ω-2)=(ω+2)/h(ω)
=(ω+2)・q(ω)
=(ω+2){(-1/7)ω-3/7}
=(-1/7)(ω+2)(ω+3)
=(-1/7)(ω²+5ω+6)
これにω²+ω+1=0を代入すると、
=(-1/7)(4ω+5)
よって、答えは、(-1/7)(4ω+5)

因みに、今回限定ならば、
ω=(-1+√3i)/2として、(ω+2)/(ω-2)を求めると、計算省略で、
=(-3-2√3i)/7となり、
aω+b=(-3-2√3i)/7とすると、
a{(-1+√3i)/2}+b
=-a/2+b+(√3a/2)iより、
-a/2+b=-3/7———ア
√3a/2=-2√3/7———イ
イより、a=-4/7
これをアに代入すると、
2/7+b=-3/7 ∴b=-5/7
∴aω+b=(-4/7)ω-5/7
=(-1/7)(4ω+5)
と求められる。(脱法臭いですね。笑)

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/cf9058a16e992691d9fa9f568ab851afc62c93ad
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/26 11:01 (No.1335036)削除
次の文章を完全解説して下さい。

演習問題4
α,β∈ℤ[i]でβ≠0とする。このとき、
α=βγ+δ,N(δ)<N(β)
となるようなγ,δがℤ[i]に存在することを示せ。

証明
α/β=a+bi(a,b∈ℚ)とおく。
(ⅰ)α/β∈ℤ[i]のときは、α/β=γ∈ℤ[i]とおけばα=βγ+0とすればよい。
(ⅱ)α/β∉ℤ[i]のときは、|a-c|≤1/2,|b-d|≤1/2を満たす整数c,dが存在する。
このとき、γ=c+di,δ=α-βγとおけば、γ,δ∈ℤ[i]である。すると、
N(α/β-γ)=N((a-c)+(b-d)i)
=(a-c)²+(b-d)²≤1/4+1/4=1/2<1
この不等式を使うと、
N(δ)=N(α-βγ)=N(β)(α/β-γ)<N(β)
「演習 群・環・体 入門」新妻弘著より

補足
演習問題3
複素数 α=a+bi(a,b∈ℝ)に対して、
N(α)=α・|α=|α|²=a²+b²,T(α)=α+|α=2aとおく。N(α)をαのノルムといい、T(α)をαのトレースという。このとき、α,βに対して次が成り立つことを示せ。
N(αβ)=N(α)N(β),T(α+β)=T(α)+T(β)

具体的には、

>(ⅰ)α/β∈ℤ[i]のときは、α/β=γ∈ℤ[i]とおけばα=βγ+0とすればよい。

>(ⅱ)α/β∉ℤ[i]のときは、|a-c|≤1/2,|b-d|≤1/2を満たす整数c,dが存在する。

>このとき、γ=c+di,δ=α-βγとおけば、γ,δ∈ℤ[i]である。

>N(α/β-γ)=N((a-c)+(b-d)i)
=(a-c)²+(b-d)²≤1/4+1/4=1/2<1
この不等式を使うと、
N(δ)=N(α-βγ)=N(β)(α/β-γ)<N(β)

今回は誤植は誤植のままにしました。訂正しながら解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/26 13:56削除
解説
>(ⅰ)α/β∈ℤ[i]のときは、α/β=γ∈ℤ[i]とおけばα=βγ+0とすればよい。

普通はα/β∈ℚ[i]だが、その中で特別なα/β∈ℤ[i]の場合を考えて、α/β=γ,
α=βγ+0と置くと、γ,0∈ℤ[i]で
N(0)<N(β)となるので、
「α=βγ+δ,N(δ)<N(β)
となるようなγ,δがℤ[i]に存在」
を満たすので、OK。

N(0)<N(β)の補足
複素数 α=a+bi(a,b∈ℝ)に対して、
N(α)=α・|α=|α|²=a²+b²
(演習問題3より)
だから。

>(ⅱ)α/β∉ℤ[i]のときは、|a-c|≤1/2,|b-d|≤1/2を満たす整数c,dが存在する。

場合分けで、普通のα/β∈ℚ[i]の場合である。
「α/β=a+bi(a,b∈ℚ)とお」いてあるので、a,bは有理数である。よって、a,bそれぞれにある整数を当てれば0.5以下に出来るのは当然である。例えば、a=2.7…だったらc=2ではダメでc=3を当てれば良いという事。

>このとき、γ=c+di,δ=α-βγとおけば、γ,δ∈ℤ[i]である。

その整数でγを作ればc,dは整数よりγ∈ℤ[i]であり、与式よりα=βγ+δを変形させると、
δ=α-βγである。
また、条件よりα,β∈ℤ[i]でγ∈ℤ[i]より、δ∈Z[i]である。(環ℤ[i]は加法と乗法について閉じているから。)

>N(α/β-γ)=N((a-c)+(b-d)i)
=(a-c)²+(b-d)²≤1/4+1/4=1/2<1
この不等式を使うと、
N(δ)=N(α-βγ)=N(β)(α/β-γ)<N(β)

今、N(α/β-γ)を作ると、α/β=a+bi(a,b∈ℚ),γ=c+di(c,d∈ℤ)と置いてあるので、α/β-γ=a+bi-(c+di)=a-c+(b-d)i
∴N(α/β-γ)=N((a-c)+(b-d)i)
=(a-c)²+(b-d)²
ところで、|a-c|≤1/2,|b-d|≤1/2
これらの両辺を2乗すると、
(a-c)²≤1/4,(b-d)²≤1/4
これらを代入すると、
N(α/β-γ)=(a-c)²+(b-d)²
≤1/4+1/4=1/2<1
∴N(α/β-γ)<1———①
また、上より、δ=α-βγ
この両辺のノルムを取ると、
∴N(δ)=N(α-βγ)=N{β・(α/β-γ)}
ここで、演習問題3よりノルムの法則を使うと、
=N(β)N(α/β-γ)
∴N(δ)=N(β)N(α/β-γ)———②
①の両辺にN(β)(>0)をかけると、
N(β)N(α/β-γ)<N(β)———①'
①',②より、
N(δ)<N(β)
よって、「α,β∈ℤ[i]でβ≠0とする。このとき、α=βγ+δ,N(δ)<N(β)
となるようなγ,δがℤ[i]に存在する」事が示されたという事。

因みに、誤植は最後の行の、
「N(δ)=N(α-βγ)=N(β)(α/β-γ)<N(β)」のN(β)(α/β-γ)がN(β)N(α/β-γ)。
また、上の「N(β)(>0)」のN(β)≩0の理由は(条件から)β≠0よりβ=e+fiとするとe=f=0ではないから。

おまけ:
https://www.oricon.co.jp/news/2355528/full/
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/25 11:17 (No.1334313)削除
次の文章を完全解説して下さい。

数体K上の線型空間V,V'の間の二つの写像F,G:V→V'の和F+Gとスカラー倍aFとを
(F+G)(x)=F(x)+F(x),(aF)(x)=aF(x)
によって定義する。このとき:
命題(1.4.10)
(ⅰ)FとGが線型写像,a∈Kであれば、和F+Gとスカラー倍aFもまた線型写像である。一般に
(ⅱ)F₁,F₂,…,Fnが線型写像,a₁,a₂,…,an∈Kであれば、写像
a₁F₁+a₂F₂+…+anFn:V→V',
x→a₁F₁(x)+a₂F₂(x)+…+anFn(x)
もまた線型写像である。
証明
(ⅰ)は省略。(注:私が省略したものである。)
(ⅱ)は(ⅰ)を繰り返し使うこと、正確にはnに関する帰納法によって証明される。    (証明終)
 上の命題は、明白とする人もあろうし、その証明も写像の和,スカラー倍,線型写像の定義の復習に過ぎず、いささかの面白味もないが、読者らは自ら筆をとって証明を紙の上に書いてみることを、一生に一度は必ず実行しておかなくてはいけない。これは読者への重要な忠告である。というのは(ⅰ)はともかく(ⅱ)はなかなか学生諸君の身につきにくくて、(以下省略。)
「線型代数入門」有馬哲著より

(ⅱ)を数学的帰納法で証明して下さい。因みに、簡単でした。(間違っていたら赤っ恥ですが。笑)

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1837097866353099116
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/25 13:30削除
命題(1.4.10)
(ⅰ)FとGが線型写像,a∈Kであれば、和F+Gとスカラー倍aFもまた線型写像である。一般に
(ⅱ)F₁,F₂,…,Fnが線型写像,a₁,a₂,…,an∈Kであれば、写像
a₁F₁+a₂F₂+…+anFn:V→V',
x→a₁F₁(x)+a₂F₂(x)+…+anFn(x)
もまた線型写像である。

(ⅱ)の証明
「数体K上の線型空間V,V'の間の二つの写像F,G:V→V'の和F+Gとスカラー倍aFとを
(F+G)(x)=F(x)+G(x),(aF)(x)=aF(x)
によって定義する。」
「線型代数入門」有馬哲著より

数学的帰納法で示す。
(1)n=2の時、
(a₁F₁+a₂F₂)(x)
=(a₁F₁)(x)+(a₂F₂)(x)(上の定義より)
=a₁F₁(x)+a₂F₂(x)(上の定義より)
よって、n=2の時は成り立つ。
(2)n=kの時成り立つと仮定すると、
(a₁F₁+…+akFk)(x)=a₁F₁(x)+…+akFk(x)———①
n=k+1の時、
(a₁F₁+…+ak+1Fk+1)(x)
={(a₁F₁+…+akFk)+ak+1Fk+1}(x)
=(a₁F₁+…+akFk)(x)+(ak+1Fk+1)(x)(上の定義より)
=a₁F₁(x)+…+akFk(x)+ak+1Fk+1(x)(①と上の定義より)
=a₁F₁(x)+…+ak+1Fk+1(x)
よって、n=k+1の場合も成り立つ。
(1),(2)より、数学的帰納法により示された。

おまけ:
https://www.google.com/search?q=%E3%83%9E%E3%82%B6%E3%82%B3%E3%83%B3&sca_esv=dc77d35e499118ec&hl=ja&source=hp&ei=lfxDZ6OzEafi2roP-PHl0QM&iflsig=AL9hbdgAAAAAZ0QKpcmo7kiAM7NUNt-yIRowCzWgpDyG&oq=%E3%83%9E%E3%82%B6%E3%82%B3%E3%83%B3&gs_lp=Egdnd3Mtd2l6Igzjg57jgrbjgrPjg7MqAggBMggQABiABBixAzIFEAAYgAQyBRAAGIAEMgUQABiABDIFEAAYgAQyBRAAGIAEMgUQABiABDIFEAAYgAQyBRAAGIAEMgUQABiABEiTIVAAWMAQcAB4AJABAJgBS6AB5QSqAQE5uAEByAEA-AEBmAIJoAKZBcICDRAAGIAEGLEDGIMBGATCAhAQABiABBixAxiDARgEGIoFwgILEAAYgAQYsQMYgwHCAgoQABiABBixAxgEwgIHEAAYgAQYBJgDAJIHATmgB7gd&sclient=gws-wiz
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/24 07:54 (No.1333341)削除
問題
x⁶+x⁵+2x⁴+x³+2x²+x+1を因数分解して下さい。

自分では難しいかどうか面白いかどうかは分かりません。因みに、2通り作ってみました。

解法1
x⁶+x⁵+2x⁴+x³+2x²+x+1=0と置くと、この方程式は6次の相反方程式である。
ここで、x=0を代入しても成り立たないので、x=0は解ではない。∴x≠0
よって、両辺をx³で割ると、
x³+x²+2x+1+2/x+1/x²+1/x³=0
∴(x+1/x)³-3(x+1/x)+(x+1/x)²-2
+2(x+1/x)+1=0
∴(x+1/x)³+(x+1/x)²-(x+1/x)-1=0
ここで、x+1/x=Xと置くと、
X³+X²-X-1=0
∴X²(X+1)-(X+1)=0
∴(X+1)(X²-1)=0
∴(X+1)(X+1)(X-1)=0
∴(X-1)(X+1)²=0
∴(x+1/x-1)(x+1/x+1)²=0
この両辺にx³をかけると、
(x²+1-x)(x²+1+x)²=0
∴(x²-x+1)(x²+x+1)²=0
この式とx⁶+x⁵+2x⁴+x³+2x²+x+1=0を比較すると、
x⁶+x⁵+2x⁴+x³+2x²+x+1
=(x²-x+1)(x²+x+1)²
よって、答えは、(x²-x+1)(x²+x+1)²

一応、pythonで裏を取ると、

from sympy import Symbol,expand,pprint
x = Symbol('x')
expr = (x**2 - x + 1)*(x**2 + x + 1)**2
expand(expr)
pprint(expand(expr))
結果:x⁶ + x⁵ + 2⋅x⁴ + x³ + 2⋅x² + x + 1

よって、OK。念のため、次数の所はこんなに奇麗には出ません。そこだけ手を加えました。
もっとも、ptyhonで解けば一発ですが。

from sympy import Symbol,factor
x = Symbol('x')
expr = x**6 + x**5 + 2*x**4 + x**3 +2*x**2 + x + 1
factor(expr)
print(factor(expr))
結果:(x**2 - x + 1)*(x**2 + x + 1)**2

解法2は次回。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/25 07:54削除
問題
x⁶+x⁵+2x⁴+x³+2x²+x+1を因数分解して下さい。

解法2
与式=x⁶+1+x(x⁴+1)+2x²(x²+1)+x³
=(x²+1)³-3x²(x²+1)+x{(x²+1)²-2x²}+2x²(x²+1)+x³
=(x²+1)³-3x²(x²+1)+x(x²+1)²-2x³+2x²(x²+1)+x³
=(x²+1)³+x(x²+1)²-x²(x²+1)-x³
ここで、x²+1=Xと置くと、
与式=X³+xX²-x²X-x³
=X²(X+x)-x²(X+x)
=(X+x)(X²-x²)
=(X+x)(X+x)(X-x)
=(X-x)(X+x)²
これにX=x²+1を代入すると、
与式=(x²-x+1)(x²+x+1)²
よって、答えは、(x²-x+1)(x²+x+1)²

ワンポイントは途中であきらめない事ですね。ただし、受験勉強は要領良く選択切り捨てがポイントですから、受験慣れ人には難しいかもしれませんね。

因みに、与式=X³+xX²-x²X-x³から、
=X³-x³+xX(X-x)
=(X-x)(X²+xX+x²)+xX(X-x)
=(X-x)(X²+2xX+x²)
=(X-x)(X+x)²
これにX=x²+1を代入すると、
与式=(x²-x+1)(x²+x+1)²
と求めても良い。

おまけ:
「「人間が弱いのは、「これは超能力です」というと、そう思い込みやすいことなのです。「手品です」とやると何か仕掛けがあると思ってみます。この「なぜ?」という問いこそが大事です」(「赤旗」日曜版90年9月30日号)
 安斎教授は、思い込みやすい若者を作り出した一因は受験勉強だという。「いまは、この知識とあの知識がどう相互に関連しているかなどと悠長な勉強をしていられません。次から次へと知識の断片を頭に放り込む勉強を強いられている。一つの概念を出発点として合理的に考えを進めて、上位の知識にたどりつくという訓練がものすごく不足しています」
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11507300428.html

異界との交信手段としてのマンガ
「面白いことに、そうした架空の作品や人物に、あまりに深く傾倒した人にたいしては、「彼岸の人」という呼び名があたえられる。日常的な世界、つまり現世からはみ出してしまった人のことである。その呼び方には、揶揄とともに一種の羨望がこめられているし、呼ばれるほうも多少の誇りをもって受け入れる。「彼岸の人」は異界と現世とのあいだの往来を可能とする人であり、異界の住人とコンタクトの取れる人である。」
「別冊宝島113 いまどきの神サマ」(1990年7月)より
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/21 12:00 (No.1331040)削除
次の文章を完全解説して下さい。

7.3 理解を深めるために———周期,最小多項式,円分多項式

 前節までの内容に関して補足します。先を急ぐ場合には、必要なときに確認していただければ十分です。

■p=7の場合(周期の話)
Φ7(x)=x⁶+x⁵+…x+1の根をζ=e^2πi/7,ζ²,…,ζ⁶と表します。根の入れ換えは、ζをζ^k(k=1,2,…,6)に取り換える入れ換えσkです(全部で6個)。この入れ換えもp=5の場合と同様にσjσk=σjkをみたします。ただし添字は7で割った余りとします。7で割った余りでは、3のべき乗によって0以外のすべて(1,2,…,6)が表されます:
3,(3²の余り)=2,(3³の余り)=6,(3⁴の余り)=4,(3⁵の余り)=5,(3⁶の余り)=1
したがって入れ換えも以下のとおりです(図7.3):
σ₃,σ₃²=σ₂,σ₃³=σ₆,σ₃⁴=σ₄,σ₃⁵=σ₅,σ₃⁶=σ₁

図7.3 σ₃によってζ,…,ζ⁶が入れ換わる様子
ζ→ζ³→ζ²→ζ⁶→ζ⁴→ζ⁵→ζ(注:本当は輪のような図になっているが書けないので直線にした。)

 ここでζの式を分類します。入れ換えのなす群G={σ₁,…,σ₆}の部分群は、Gの元がσ₃のべきで表されることから、次の4つです(図7.4参照):
G={σ₁,…,σ₆},H={σ₁,σ₂,σ₄},L={σ₁,σ₆},N={σ₁}

図7.4 群と部分群
図は2つあり、1つの図は正六角形の頂点にσ₁,σ₃,σ₂,σ₆,σ₄,σ₅の順番に振ってあり、点線で正三角形σ₁σ₂σ₄がH,実線で正三角形σ₃σ₅σ₅がσ₃H。
もう一つの図も正六角形の頂点にσ₁,σ₃,σ₂,σ₆,σ₄,σ₅の順番に振ってあり、実線で直線σ₁σ₆がL,点線でσ₃σ₄がσ₃L,鎖線でσ₂σ₅がσ₂L。
という図。

 これらの群で不変な式は次の形になります:
Gで不変:有理数
Hで不変:a(ζ+ζ²+ζ⁴)+b(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
Lで不変:a(ζ+ζ⁶)+b(ζ³+ζ⁴)+c(ζ²+ζ⁵)
Nで不変:aζ+bζ³+cζ²+dζ⁶+eζ⁴+fζ⁵
 ここでa,b,…,fは有理数を表します。上に現れたζ+ζ²+ζ⁴,ζ³+ζ⁶+ζ⁵やζ+ζ⁶,ζ³+ζ⁴,ζ²+ζ⁵などを周期と呼びます(より詳しく、以下においてn個のζのべきの和をn周期といいます):
6周期:ζ+ζ³+ζ²+ζ⁶+ζ⁴+ζ⁵(=-1)
3周期:ζ+ζ²+ζ⁴,ζ³+ζ⁶+ζ⁵(2つ)
2周期:ζ+ζ⁶,ζ³+ζ⁴,ζ²+ζ⁵(3つ)
1周期:ζ,ζ³,ζ²,ζ⁶,ζ⁴,ζ⁵(6つ)
 ガウスは「大きい周期から順に求めて、すべての周期がべき根で求められること」を証明しました。正確に述べると、nq周期からn周期を求めれば(qは素数)、pに関して帰納的に、すべての周期がべき根を用いて求められます(問題9-8参照)。p=7の場合に、具体的に説明します。
 3周期ξ=ζ+ζ²+ζ⁴,η=ζ³+ζ⁶+ζ⁵は、ξ+η,ξηがGで不変なので、
x²-(ξ+η)x+ξη=x²+x+2=0
を解いて求められます。ここでξ+η,ξηは
ξ+η=(ζ+ζ²+ζ⁴)+(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)=-1
ξη=(ζ+ζ²+ζ⁴)(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
=(ζ⁴+ζ⁷+ζ⁶)+(ζ⁵+ζ⁸+ζ⁷)+(ζ⁷+ζ^10+ζ⁹)
=3+(ζ⁴+ζ⁶+ζ⁵+ζ+ζ³+ζ²)=2
と計算されます。よってξ,ηが求められます:
ξ=(-1+√7i)/2,η=(-1-√7i)/2
 次に3周期から1周期を計算します。Hで不変な式が3周期の式になる事実を利用します。ただし有理数係数の式に限らず、ω=(-1+√3i)/2の(有理数係数の)式に拡張して考えます。拡張しても同様に正しいことは定理7.1からわかります(証明は問題9-7)。
 3周期から1周期を求めるために
α=ζ+ζ²+ζ⁴(=ξ),β=ζ+ωζ²+ω²ζ⁴,
γ=ζ+ω²ζ²+ωζ⁴
とおきます。このβ,γはσ₂により、それぞれω²β,ωγに変化します。したがってβ³,γ³はHで不変です。よってβ,γはξ,ηの式の3乗根になります。ここで「詳しい計算をしなくてもわかる!」ことが重要です。ゆえにζ=(α+β+γ)/3は、ξとηの式から平方根と3乗根を用いて求められます。
実際に計算すると、
β³=(3ω-6)ξ+(3ω²-5)η,
γ³=(3ω²-6)ξ+(3ω-5)η
と求められ、したがってζが求められました:
ζ=(1/3)[ξ+³√{(3ω-6)ξ+(3ω²-5)η}+³√{(3ω²-6)ξ+(3ω-5)η}]
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

問題 9-8b
pを奇素数とし、ζ,ηをそれぞれ1の原始p乗根,1の原始p-1乗根とする。aを(ℤ/pℤ)^×の原始根とする。また定数をηのすべての式としたときのΦp(x)の群をGfとおく。このときGfはζをζ^aに取り換える根の入れ換えσで生成される(問題9-6,9-7)。
次の問いに答えよ。
(1)ξj=η^jζ^a+η^2jζ^a²+…+η^(p-1)ζ^a^(p-1)(j=1,…,p-1)とおく。このとき根の入れ換えσによりξjはη^-jξjとなることを示せ。
(2)ζはηの式のべき乗と加減乗除で表されることを示せ。

定理7.1(円分多項式の既約性)
Φn(x)は有理数係数多項式として既約である。

問題 9-7b
m,nを互いに素な正整数とする。このときΦn(x)は、1の原始m乗根ζmの有理数係数の式を係数に許しても、2つの1次以上の積に分解しない、つまり既約であることを示せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。

ただし、「正確に述べると、nq周期からn周期を求めれば(qは素数)、pに関して帰納的に、すべての周期がべき根を用いて求められます(問題9-8参照)」
ここはいいです。その代わり、
「実際に計算すると、
β³=(3ω-6)ξ+(3ω²-5)η,
γ³=(3ω²-6)ξ+(3ω-5)η
と求められ、したがってζが求められました:」
ここは解説してみて下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/21 16:40削除
解説
>図7.3 σ₃によってζ,…,ζ⁶が入れ換わる様子
ζ→ζ³→ζ²→ζ⁶→ζ⁴→ζ⁵→ζ(注:本当は輪のような図になっているが書けないので直線にした。)

σ₁=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)
(本当は2段で1つの元だがこう表す。)
この右のζをζ³にすると、
σ₃=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ³ ζ⁶ ζ⁹ ζ^12 ζ^15 ζ18)=(ζ³ ζ⁶ ζ² ζ⁵ ζ ζ⁴)
(ζ⁷=1より)
∴σ₃=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ³ ζ⁶ ζ² ζ⁵ ζ ζ⁴)
これを見ると、ζ→ζ³,ζ³→ζ²,ζ²→ζ⁶,ζ⁶→ζ⁴,ζ⁴→ζ⁵,ζ⁵→ζとなっている事が分かるだろう。よって、ζ→ζ³→ζ²→ζ⁶→ζ⁴→ζ⁵→ζという事。

>ここでζの式を分類します。入れ換えのなす群G={σ₁,…,σ₆}の部分群は、Gの元がσ₃のべきで表されることから、次の4つです(図7.4参照):
G={σ₁,…,σ₆},H={σ₁,σ₂,σ₄},L={σ₁,σ₆},N={σ₁}

前回p=5の時は、G={σ₁,σ₂,σ₃,σ₄}の部分群は4の約数の個数{1,2,4}から3個(問題4-9から)としたのに、同じ事は使いたくないようで図での解説。(次の項で解説する。)

問題 4-9b
群Gが1つの元のべきで生成されるとき、すなわちGのある元gによって、Gのほかの元がすべてg^k(kは整数)と表されるとき、Gを巡回群という。巡回群がn個の元からなるときn次巡回群という次の問いに答えよ。
(1)は省略。
(2)Gをn次巡回群とする。nの約数dに対して、d個の元からなるGの部分群が一意的に存在することを証明せよ。

今回は、Gの元が全てσ₃のべき乗で表されるので巡回群であり、Gの元の個数は6である。よって、6の約数の個数は{1,2,3,6}の4個より、Gの部分群は4個である。つまり、G={σ₁,…,σ₆},H={σ₁,σ₂,σ₄},L={σ₁,σ₆},N={σ₁}という事。

>図7.4 群と部分群
図は2つあり、1つの図は正六角形の頂点にσ₁,σ₃,σ₂,σ₆,σ₄,σ₅の順番に振ってあり、点線で正三角形σ₁σ₂σ₄がH,実線で正三角形σ₃σ₅σ₅がσ₃H。
もう一つの図も正六角形の頂点にσ₁,σ₃,σ₂,σ₆,σ₄,σ₅の順番に振ってあり、実線で直線σ₁σ₆がL,点線でσ₃σ₄がσ₃L,鎖線でσ₂σ₅がσ₂L。
という図。

部分群には必ず単位元が必要なので、この図の中でHとLだけである。ただし、GとNも部分群なので、4個である。点線や鎖線は群ではないが、類別できるという事が言いたいのかもしれない。(ここでは関係ないが。)
G=H∪σ₃H(H∩σ₃H=φ)
G=L∪σ₂L∪σ₃L(L∩σ₂L=φ,σ₂L∩σ₃L=φ,L∩σ₃L=φ)

>これらの群で不変な式は次の形になります:
Gで不変:有理数
Hで不変:a(ζ+ζ²+ζ⁴)+b(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
Lで不変:a(ζ+ζ⁶)+b(ζ³+ζ⁴)+c(ζ²+ζ⁵)
Nで不変:aζ+bζ³+cζ²+dζ⁶+eζ⁴+fζ⁵

p=5の時は、「Gで不変は有理数」は事細かく解説されていたが、今回はスルーのようである。一応、次の事だけ挙げておこう。

(5)すべての入れ換えで不変な根の式
α₁,…,αsの式において、ζをζ^k(kはnと互いに素)に置き換えた値がすべて等しいなら、その式の表す値は有理数です。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

Hで不変やLで不変などもp=5の時と同じなのでスルーされているが、Hで不変だけやっておこう。
H={σ₁,σ₂,σ₄}で、
σ₁=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)
σ₂=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ² ζ⁴ ζ⁶ ζ⁸ ζ^10 ζ^12)=(ζ² ζ⁴ ζ⁶ ζ ζ³ ζ⁵)
σ₄=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ⁴ ζ⁸ ζ^12 ζ^16 ζ^20 ζ^24)=(ζ⁴ ζ ζ⁵ ζ² ζ⁶ ζ³)
ところで、Φ7(x)の根の式は、
aζ⁶+bζ⁵+cζ⁴+dζ³+eζ²+fζで表される。
まず、σ₂の変換を見ると、
(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ² ζ⁴ ζ⁶ ζ ζ³ ζ⁵)なので、
aζ⁶+bζ⁵+cζ⁴+dζ³+eζ²+fζは、
aζ⁵+bζ⁵+cζ+dζ⁶+eζ⁴+fζ²に変換される。これが不変なので、
aζ⁶+bζ⁵+cζ⁴+dζ³+eζ²+fζ
=aζ⁵+bζ³+cζ+dζ⁶+eζ⁴+fζ²とすると、
(a-d)ζ⁶+(b-a)ζ⁵+(c-e)ζ⁴+(d-b)ζ³+(e-f)ζ²+(f-c)ζ=0
∴a=b=d,c=e=f
よって、aζ⁶+bζ⁵+cζ⁴+dζ³+eζ²+fζに代入すると、
aζ⁶+aζ⁵+cζ⁴+aζ³+cζ²+cζ
=a(ζ⁶+ζ⁵+ζ³)+c(ζ⁴+ζ²+ζ)
よって、aとcをbとaに変えて、ζの順番を直すと、
a(ζ+ζ²+ζ⁴)+b(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)と一致するのでOK。
次に、σ₄の変換を見ると、
(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ⁴ ζ ζ⁵ ζ² ζ⁶ ζ³)より、
aζ⁶+bζ⁵+cζ⁴+dζ³+eζ²+fζは、
aζ³+bζ⁶+cζ²+dζ⁵+eζ+fζ⁴に変換される。これが不変なので、
aζ⁶+bζ⁵+cζ⁴+dζ³+eζ²+fζ
=aζ³+bζ⁶+cζ²+dζ⁵+eζ+fζ⁴とすると、
(a-b)ζ⁶+(b-d)ζ⁵+(c-f)ζ⁴+(d-a)ζ³+(e-c)ζ²+(f-e)ζ=0
∴a=b=d,c=e=f
以後、σ₂の場合と同じ。
よって、Hで不変な式は、
a(ζ+ζ²+ζ⁴)+b(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)でOK。

>正確に述べると、nq周期からn周期を求めれば(qは素数)、pに関して帰納的に、すべての周期がべき根を用いて求められます(問題9-8参照)。

問題9-8の(2)に、

問題 9-8b
pを奇素数とし、ζ,ηをそれぞれ1の原始p乗根,1の原始p-1乗根とする。aを(ℤ/pℤ)^×の原始根とする。また定数をηのすべての式としたときのΦp(x)の群をGfとおく。このときGfはζをζ^aに取り換える根の入れ換えσで生成される(問題9-6,9-7)。
次の問いに答えよ。
(1)ξj=η^jζ^a+η^2jζ^a²+…+η^(p-1)ζ^a^(p-1)(j=1,…,p-1)とおく。このとき根の入れ換えσによりξjはη^-jξjとなることを示せ。
(2)ζはηの式のべき乗と加減乗除で表されることを示せ。

とあり、さらに解答欄に、「(2)より「1のn乗根は(いくつかの)べき根の式で表される」ことがわかる。これをnに関する帰納法で示す。」とあるので、「pに関して帰納的に、すべての周期がべき根を用いて求められます」という事だろう。

>p=7の場合に、具体的に説明します。
 3周期ξ=ζ+ζ²+ζ⁴,η=ζ³+ζ⁶+ζ⁵は、ξ+η,ξηがGで不変なので、
x²-(ξ+η)x+ξη=x²+x+2=0
を解いて求められます。ここでξ+η,ξηは
ξ+η=(ζ+ζ²+ζ⁴)+(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)=-1
ξη=(ζ+ζ²+ζ⁴)(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
=(ζ⁴+ζ⁷+ζ⁶)+(ζ⁵+ζ⁸+ζ⁷)+(ζ⁷+ζ^10+ζ⁹)
=3+(ζ⁴+ζ⁶+ζ⁵+ζ+ζ³+ζ²)=2
と計算されます。よってξ,ηが求められます:
ξ=(-1+√7i)/2,η=(-1-√7i)/2

ξ=ζ+ζ²+ζ⁴はH={σ₁,σ₂,σ₄}で不変。
σ₂=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ² ζ⁴ ζ⁶ ζ ζ³ ζ⁵)
σ₄=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ⁴ ζ ζ⁵ ζ² ζ⁶ ζ³)
σ₂は、ζ→ζ²→ζ⁴→ζ,ζ³→ζ⁶→ζ⁵→ζ³
σ₄は、ζ→ζ⁴→ζ²→ζ,ζ³→ζ⁵→ζ⁶→ζ³より、
σ₂(ξ)=σ₂(ζ+ζ²+ζ⁴)=ζ²+ζ⁴+ζ=ξ,
σ₄(ξ)=σ₄(ζ+ζ²+ζ⁴)=ζ⁴+ζ+ζ²=ξ
だから。
また、η=ζ³+ζ⁶+ζ⁵もHで不変。
σ₂(η)=σ₂(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)=ζ⁶+ζ⁵+ζ³=η
σ₄(η)=σ₄(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)=ζ⁵+ζ³+ζ⁶=η
だから。
また、ξ=ζ+ζ²+ζ⁴はσ₃,σ₆,σ₅でηに変換される。
σ₃=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ³ ζ⁶ ζ⁹ ζ^12 ζ^15 ζ^18)=(ζ³ ζ⁶ ζ² ζ⁵ ζ ζ⁴)
σ₆=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ⁶ ζ^12 ζ^18 ζ^24 ζ^30 ζ^36)=(ζ⁶ ζ⁵ ζ⁴ ζ³ ζ² ζ)
σ₅=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ⁵ ζ^10 ζ^15 ζ^20 ζ^25 ζ^30)=(ζ⁵ ζ³ ζ ζ⁶ ζ⁴ ζ²)より、
σ₃(ξ)=σ₃(ζ+ζ²+ζ⁴)=ζ³+ζ⁶+ζ⁵=η
σ₆(ξ)=σ₆(ζ+ζ²+ζ⁴)=ζ⁶+ζ⁵+ζ³=η
σ₅(ξ)=σ₅(ζ+ζ²+ζ⁴)=ζ⁵+ζ³+ζ⁶=η
また、η=ζ³+ζ⁶+ζ⁵はσ₃,σ₆,σ₅でξに変換される。
σ₃=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ³ ζ⁶ ζ² ζ⁵ ζ ζ⁴)
σ₆=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ⁶ ζ⁵ ζ⁴ ζ³ ζ² ζ)
σ₅=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴ ζ⁵ ζ⁶)→(ζ⁵ ζ³ ζ ζ⁶ ζ⁴ ζ²)
σ₃(η)=σ₃(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)=ζ²+ζ⁴+ζ=ξ
σ₆(η)=σ₆(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)=ζ⁴+ζ+ζ²=ξ
σ₅(η)=σ₅(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)=ζ+ζ²+ζ⁴=ξ
だから。
まず、ξ,ηは共にH={σ₁,σ₂,σ₄}で不変なので、ξ+η,ξηも不変。
次に、{σ₃,σ₆,σ₅}でξはηに、ηはξに変換されるので、ξ+η,ξηは不変。
よって、G={σ₁,…,σ₆}でξ+η,ξηは不変という事。

続きは次回。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/22 07:56削除
解説の続き

■p=7の場合(周期の話)
Φ7(x)=x⁶+x⁵+…x+1の根をζ=e^2πi/7,ζ²,…,ζ⁶と表します。根の入れ換えは、ζをζ^k(k=1,2,…,6)に取り換える入れ換えσkです(全部で6個)。この入れ換えもp=5の場合と同様にσjσk=σjkをみたします。ただし添字は7で割った余りとします。7で割った余りでは、3のべき乗によって0以外のすべて(1,2,…,6)が表されます:
3,(3²の余り)=2,(3³の余り)=6,(3⁴の余り)=4,(3⁵の余り)=5,(3⁶の余り)=1
したがって入れ換えも以下のとおりです(図7.3):
σ₃,σ₃²=σ₂,σ₃³=σ₆,σ₃⁴=σ₄,σ₃⁵=σ₅,σ₃⁶=σ₁

図7.3 σ₃によってζ,…,ζ⁶が入れ換わる様子
ζ→ζ³→ζ²→ζ⁶→ζ⁴→ζ⁵→ζ(注:本当は輪のような図になっているが書けないので直線にした。)

 ここでζの式を分類します。入れ換えのなす群G={σ₁,…,σ₆}の部分群は、Gの元がσ₃のべきで表されることから、次の4つです(図7.4参照):
G={σ₁,…,σ₆},H={σ₁,σ₂,σ₄},L={σ₁,σ₆},N={σ₁}

図7.4 群と部分群
図は2つあり、1つの図は正六角形の頂点にσ₁,σ₃,σ₂,σ₆,σ₄,σ₅の順番に振ってあり、点線で正三角形σ₁σ₂σ₄がH,実線で正三角形σ₃σ₅σ₅がσ₃H。
もう一つの図も正六角形の頂点にσ₁,σ₃,σ₂,σ₆,σ₄,σ₅の順番に振ってあり、実線で直線σ₁σ₆がL,点線でσ₃σ₄がσ₃L,鎖線でσ₂σ₅がσ₂L。
という図。

 これらの群で不変な式は次の形になります:
Gで不変:有理数
Hで不変:a(ζ+ζ²+ζ⁴)+b(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
Lで不変:a(ζ+ζ⁶)+b(ζ³+ζ⁴)+c(ζ²+ζ⁵)
Nで不変:aζ+bζ³+cζ²+dζ⁶+eζ⁴+fζ⁵
 ここでa,b,…,fは有理数を表します。上に現れたζ+ζ²+ζ⁴,ζ³+ζ⁶+ζ⁵やζ+ζ⁶,ζ³+ζ⁴,ζ²+ζ⁵などを周期と呼びます(より詳しく、以下においてn個のζのべきの和をn周期といいます):
6周期:ζ+ζ³+ζ²+ζ⁶+ζ⁴+ζ⁵(=-1)
3周期:ζ+ζ²+ζ⁴,ζ³+ζ⁶+ζ⁵(2つ)
2周期:ζ+ζ⁶,ζ³+ζ⁴,ζ²+ζ⁵(3つ)
1周期:ζ,ζ³,ζ²,ζ⁶,ζ⁴,ζ⁵(6つ)
 ガウスは「大きい周期から順に求めて、すべての周期がべき根で求められること」を証明しました。正確に述べると、nq周期からn周期を求めれば(qは素数)、pに関して帰納的に、すべての周期がべき根を用いて求められます(問題9-8参照)。p=7の場合に、具体的に説明します。
 3周期ξ=ζ+ζ²+ζ⁴,η=ζ³+ζ⁶+ζ⁵は、ξ+η,ξηがGで不変なので、
x²-(ξ+η)x+ξη=x²+x+2=0
を解いて求められます。ここでξ+η,ξηは
ξ+η=(ζ+ζ²+ζ⁴)+(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)=-1
ξη=(ζ+ζ²+ζ⁴)(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
=(ζ⁴+ζ⁷+ζ⁶)+(ζ⁵+ζ⁸+ζ⁷)+(ζ⁷+ζ^10+ζ⁹)
=3+(ζ⁴+ζ⁶+ζ⁵+ζ+ζ³+ζ²)=2
と計算されます。よってξ,ηが求められます:
ξ=(-1+√7i)/2,η=(-1-√7i)/2
 次に3周期から1周期を計算します。Hで不変な式が3周期の式になる事実を利用します。ただし有理数係数の式に限らず、ω=(-1+√3i)/2の(有理数係数の)式に拡張して考えます。拡張しても同様に正しいことは定理7.1からわかります(証明は問題9-7)。
 3周期から1周期を求めるために
α=ζ+ζ²+ζ⁴(=ξ),β=ζ+ωζ²+ω²ζ⁴,
γ=ζ+ω²ζ²+ωζ⁴
とおきます。このβ,γはσ₂により、それぞれω²β,ωγに変化します。したがってβ³,γ³はHで不変です。よってβ,γはξ,ηの式の3乗根になります。ここで「詳しい計算をしなくてもわかる!」ことが重要です。ゆえにζ=(α+β+γ)/3は、ξとηの式から平方根と3乗根を用いて求められます。
実際に計算すると、
β³=(3ω-6)ξ+(3ω²-5)η,
γ³=(3ω²-6)ξ+(3ω-5)η
と求められ、したがってζが求められました:
ζ=(1/3)[ξ+³√{(3ω-6)ξ+(3ω²-5)η}+³√{(3ω²-6)ξ+(3ω-5)η}]
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

>p=7の場合に、具体的に説明します。
 3周期ξ=ζ+ζ²+ζ⁴,η=ζ³+ζ⁶+ζ⁵は、ξ+η,ξηがGで不変なので、
x²-(ξ+η)x+ξη=x²+x+2=0
を解いて求められます。ここでξ+η,ξηは
ξ+η=(ζ+ζ²+ζ⁴)+(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)=-1
ξη=(ζ+ζ²+ζ⁴)(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
=(ζ⁴+ζ⁷+ζ⁶)+(ζ⁵+ζ⁸+ζ⁷)+(ζ⁷+ζ^10+ζ⁹)
=3+(ζ⁴+ζ⁶+ζ⁵+ζ+ζ³+ζ²)=2
と計算されます。よってξ,ηが求められます:
ξ=(-1+√7i)/2,η=(-1-√7i)/2

「ξ+η=(ζ+ζ²+ζ⁴)+(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)=-1」は、ζ⁶+ζ⁵+ζ⁴+ζ³+ζ²+ζ+1=0だから。
ξη=(ζ+ζ²+ζ⁴)(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)は、自分で展開してみると、
(ζ+ζ²+ζ⁴)(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
=ζ⁴+ζ⁷+ζ⁶+ζ⁵+ζ⁸+ζ⁷+ζ⁷+ζ^10+ζ⁹
=ζ⁴+1+ζ⁶+ζ⁵+ζ+1+1+ζ³+ζ²
=ζ+ζ²+ζ³+ζ⁴+ζ⁵+ζ⁶+3=-+3=2
でOK。
∴ξ+η=-1,ξη=2
よって、2次方程式の解と係数の関係より、ξ,ηは、
x²+x+2=0の2つの解となる。
因みに、本では、「x²-(ξ+η)x+ξη=x²+x+2=0」としているので、解と係数の関係は使わないで、
(x-ξ)(x-η)=0という式を作って展開して、x²-(ξ+η)x+ξη=0となり、これに2つの式を代入して求めている。(原理を大事にしているようである。)
ところで、x²+x+2=0を解の公式で解くと、
x=(-1±√7i)/2
ここで、ξ=ζ+ζ²+ζ⁴,η=ζ³+ζ⁶+ζ⁵で、複素平面を想定すれば、ξの方は1,2,4で上半円上の点が2点で下半円上の点が1点で総和は虚数の符号は正。ηの方は3,6,5で下半円上の点が2点で上半円上の点が1点で総和は虚数の符号は負。
∴ξ=(-1+√7i)/2,η=(-1-√7i)/2

>次に3周期から1周期を計算します。Hで不変な式が3周期の式になる事実を利用します。ただし有理数係数の式に限らず、ω=(-1+√3i)/2の(有理数係数の)式に拡張して考えます。拡張しても同様に正しいことは定理7.1からわかります(証明は問題9-7)。

定理7.1(円分多項式の既約性)
Φn(x)は有理数係数多項式として既約である。

問題 9-7b
m,nを互いに素な正整数とする。このときΦn(x)は、1の原始m乗根ζmの有理数係数の式を係数に許しても、2つの1次以上の積に分解しない、つまり既約であることを示せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

「定理7.1からわかります」はちょっとおかしいと思う。問題9-7からは分かるけど。

>3周期から1周期を求めるために
α=ζ+ζ²+ζ⁴(=ξ),β=ζ+ωζ²+ω²ζ⁴,
γ=ζ+ω²ζ²+ωζ⁴
とおきます。このβ,γはσ₂により、それぞれω²β,ωγに変化します。したがってβ³,γ³はHで不変です。

H={σ₁,σ₂,σ₄}なのだから、σ₄でも確認しないといけませんよね。その前に、σ₂でも一応確認する。
σ₂(β)=σ₂(ζ+ωζ²+ω²ζ⁴)
=ζ²+ωζ⁴+ω²ζ=ω³ζ²+ω⁴ζ⁴+ω²ζ
=ω²(ωζ²+ω²ζ⁴+ζ)=ω²β
σ₂(γ)=σ₂(ζ+ω²ζ²+ωζ⁴)
=ζ²+ω²ζ⁴+ωζ=ω³ζ²+ω²ζ⁴+ωζ
=ω(ω²ζ²+ωζ⁴+ζ)=ωγ
よって、OK。
σ₄(β)=σ₄(ζ+ωζ²+ω²ζ⁴)
=ζ⁴+ωζ+ω²ζ²=ω³ζ⁴+ωζ+ω²ζ²
=ω(ω²ζ⁴+ζ+ωζ²)=ωβ
∴σ₄(β)=ωβ
σ₄(γ)=σ₄(ζ+ω²ζ²+ωζ⁴)
=ζ⁴+ω²ζ+ωζ²=ω³ζ⁴+ω²ζ+ω⁴ζ²
=ω²(ωζ⁴+ζ+ω²ζ²)=ω²β
∴σ₄(γ)=ω²γ

>それぞれω²β,ωγに変化します。したがってβ³,γ³はHで不変です。

σ₂(β)=ω²β,σ₂(γ)=ωγから、
β³は(ω²β)³=(ω³)²β³=β³に変換されるので不変。
σ₂(γ)=ωγも同様。
σ₄(β)=ωβ,σ₄(γ)=ω²γも同様なので、β³,γ³はHで不変という事。

>よってβ,γはξ,ηの式の3乗根になります。

ところで、Hで不変な式は、
Hで不変:a(ζ+ζ²+ζ⁴)+b(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
で、また、ξ=ζ+ζ²+ζ⁴,η=ζ³+ζ⁶+ζ⁵
なので、β³,γ³はaξ+bηの式で表せ、「β,γはξ,ηの式の3乗根になる」という事。

>ゆえにζ=(α+β+γ)/3は、ξとηの式から平方根と3乗根を用いて求められます。

α=ζ+ζ²+ζ⁴(=ξ),β=ζ+ωζ²+ω²ζ⁴,
γ=ζ+ω²ζ²+ωζ⁴より、
α+β+γ=ζ+ζ²+ζ⁴+(ζ+ωζ²+ω²ζ⁴)+(ζ+ω²ζ²+ωζ⁴)
=3ζ+(1+ω+ω²)ζ²+(1+ω²+ω)ζ⁴
=3ζ(1+ω+ω²=0より)
∴ζ=(α+β+γ)/3
α=ξで「β,γはξ,ηの式の3乗根」だから、「ζ=(α+β+γ)/3は、ξとηの式から平方根と3乗根を用いて求められます」という事。

>「実際に計算すると、
β³=(3ω-6)ξ+(3ω²-5)η,
γ³=(3ω²-6)ξ+(3ω-5)η
と求められ、したがってζが求められました:」
ここは解説してみて下さい。

これは次回。また、余裕がある人は、Φ7(x)=x⁶+x⁵+…x+1の根がべき根で表せる別解を考えてみて下さい。念のため、私のオリジナルなので、おかしかったら悪しからず。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/22 15:52削除
解説
>「実際に計算すると、
β³=(3ω-6)ξ+(3ω²-5)η,
γ³=(3ω²-6)ξ+(3ω-5)η
と求められ、したがってζが求められました:」
ここは解説してみて下さい。

「3周期から1周期を求めるために
α=ζ+ζ²+ζ⁴(=ξ),β=ζ+ωζ²+ω²ζ⁴,
γ=ζ+ω²ζ²+ωζ⁴
とおきます。
(中略)
したがってβ³,γ³はHで不変です。よってβ,γはξ,ηの式の3乗根になります。」
また、
「Hで不変:a(ζ+ζ²+ζ⁴)+b(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
(中略)
ξ=ζ+ζ²+ζ⁴,η=ζ³+ζ⁶+ζ⁵」
より、
β³=(ζ+ωζ²+ω²ζ⁴)³=a(ζ+ζ²+ζ⁴)+b(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
γ³=(ζ+ω²ζ²+ωζ⁴)³=a(ζ+ζ²+ζ⁴)+b(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
が成り立つ。
よって、(ζ+ωζ²+ω²ζ⁴)³を展開するために、
(ζ+ωζ²+ω²ζ⁴)²
=ζ²+ω²ζ⁴+ωζ⁸+2ωζ³+2ζ⁶+2ω²ζ⁵
=ζ²+2ωζ³+ω²ζ⁴+2ω²ζ⁵+2ζ⁶+ωζ⁸
∴(ζ+ωζ²+ω²ζ⁴)³
=(ζ+ωζ²+ω²ζ⁴)(ζ²+2ωζ³+ω²ζ⁴+2ω²ζ⁵+2ζ⁶+ωζ⁸)
=ζ³+2ωζ⁴+ω²ζ⁵+2ω²ζ⁶+2ζ⁷+ωζ⁹
+ωζ⁴+2ω²ζ⁵+ζ⁶+2ζ⁷+2ωζ⁸+ω²ζ^10
+ω²ζ⁶+2ζ⁷+ωζ⁸+2ωζ⁹+2ω²ζ^10+ζ^12
=ζ³+2ωζ⁴+ω²ζ⁵+2ω²ζ⁶+2+ωζ²
+ω²ζ³+ωζ⁴+2ω²ζ⁵+ζ⁶+2+2ωζ
+2ω²ζ³+ζ⁵+ω²ζ⁶+2+ωζ+2ωζ²
=6+3ωζ+3ωζ²+(1+3ω²)ζ³+3ωζ⁴+(1+3ω²)ζ⁵+(1+3ω²)ζ⁶
=6+3ω(ζ+ζ²+ζ⁴)+(1+3ω²)(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
∴β³=6+3ω(ζ+ζ²+ζ⁴)+(1+3ω²)(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)———①
ところで、ζ⁶+ζ⁵+ζ⁴+ζ³+ζ²+ζ+1=0より、
1=-ζ⁶-ζ⁵-ζ⁴-ζ³-ζ²-ζ
∴6=-6ζ⁶-6ζ⁵-6ζ⁴-6ζ³-6ζ²-6ζ
∴6=-6(ζ+ζ²+ζ⁴)-6(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)———②
②を①に代入すると、
β³=-6(ζ+ζ²+ζ⁴)-6(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)+3ω(ζ+ζ²+ζ⁴)+(1+3ω²)(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
=(3ω-6)(ζ+ζ²+ζ⁴)+(3ω²-5)(ζ³+ζ⁶+ζ⁵)
これにξ=ζ+ζ²+ζ⁴,η=ζ³+ζ⁶+ζ⁵を代入すると、
β³=(3ω-6)ξ+(3ω²-5)η
γ³の方も同様に求めると、
γ³=(3ω²-6)ξ+(3ω-5)η
∴β=³√{(3ω-6)ξ+(3ω²-5)η}
γ=³√{(3ω²-6)ξ+(3ω-5)η}
また、上より、α=ζ+ζ²+ζ⁴=ξ
ここで、上のζ=(α+β+γ)/3に代入すると、
ζ=(1/3)[ξ+³√{(3ω-6)ξ+(3ω²-5)η}+³√{(3ω²-6)ξ+(3ω-5)η}]
ただし、ξ=(-1+√7i)/2,
η=(-1-√7i)/2

「余裕がある人は、Φ7(x)=x⁶+x⁵+…x+1の根がべき根で表せる別解を考えてみて下さい」は次回。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10624833579.html
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/23 07:59削除
問題
Φ7(x)=x⁶+x⁵+…x+1の根がべき根で表せる事を証明せよ。

別解
x⁶+x⁵+x⁴+x³+x²+x+1=0
これは相反方程式なので、x³(x≠0,x=0を代入して解ではないのでx≠0として良い)で両辺を割ると、
x³+x²+x+1+1/x+1/x²+1/x³=0
∴(x+1/x)³-3(x+1/x)+(x+1/x)²-2+(x+1/x)+1=0
∴(x+1/x)³+(x+1/x)²-2(x+1/x)-1=0
よって、X=x+1/xと置くと、
X³+X²-2X-1=0
これは3次方程式の解の公式で解けるので、Xが求められ、X=aとすると、x+1/x=aより、
x²-ax+1=0となり、これを2次方程式の解の公式で解くとxが求まるので、
Φ7(x)=x⁶+x⁵+…x+1の根はべき根で表せる。
よって、示された。

ところで、

「ここで「詳しい計算をしなくてもわかる!」ことが重要です。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

とあり、これは真実なのですが、上のままでは何とも面白くないので、実際に根を求めます。

X³+X²-2X-1=0
X=Y-1/3として代入すると、
(Y-1/3)³+(Y-1/3)²-2(Y-1/3)-1=0
∴Y³-Y²+(1/3)Y-1/27+Y²-(2/3)Y+1/9-2Y+2/3-1=0
∴Y³-(7/3)Y-7/27=0
これを3次方程式の解の公式https://www.suri-joshi.jp/enjoy/cubic_equation/で解くと、計算省略で、
Y=³√(7/54+7√3i/18)+³√(7/54-7√3i/18)
∴X=Y-1/3=³√(7/54+7√3i/18)+³√(7/54-7√3i/18)-1/3
これをaと置くと、
X=x+1/x=aより、x²-ax+1=0
∴x={a±√(a²-4)}/2———☆
a₁=³√(7/54+7√3i/18)+³√(7/54-7√3i/18)-1/3
a₂=³√(7/54+7√3i/18)・ω+³√(7/54-7√3i/18)・ω²-1/3
a₃=³√(7/54+7√3i/18)・ω²+³√(7/54-7√3i/18)・ω-1/3
☆にa₁~a₃を代入すれば、6個の根が求められます。因みに、a₁,a₂,a₃は全て実数です。これは微分を使えば簡単に証明出来ますが、a₁に虚数が含まれない実数の場合を考えると、a₂,a₃は虚数解になり3つが実数の場合にはなりません。つまり、3次方程式の解の公式が全ての解を表わしていると仮定すると、3つの解が全て実数の場合はa₁が虚数解の場合しかあり得ないのです。
因みに、疑り深い人は、こちらhttps://keisan.casio.jp/exec/system/1256966554で求めたx₁,x₂,x₃から1/3を引いた値がa₁~a₃のどれかです。
x1=-1.8019377358048
x2=-0.44504186791263
x3=1.2469796037175
どれも実数でしょう。
因みに、Φ7(x)の根は全て虚数解です。これは複素平面を思い浮かべればすぐに分かりますが、このx₁~x₃からa₁~a₃をアバウトに思い浮かべ☆に代入すれば納得出来るでしょう。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/23 22:00削除
間違えていますね。

>x₁,x₂,x₃から1/3を引いた値がa₁~a₃のどれかです。
x1=-1.8019377358048
x2=-0.44504186791263
x3=1.2469796037175
どれも実数でしょう。
因みに、Φ7(x)の根は全て虚数解です。これは複素平面を思い浮かべればすぐに分かりますが、このx₁~x₃からa₁~a₃をアバウトに思い浮かべ☆に代入すれば納得出来るでしょう。

x={a±√(a²-4)}/2———☆

1/3を引かず、そのままx₁~x₃を☆のaに代入してアバウトに計算すれば全て虚数解である事が分かりますね。

次回の問題作ってみました。

問題
x⁶+x⁵+2x⁴+x³+2x²+x+1を因数分解して下さい。

自分では難しいかどうか面白いかどうかは分かりません。因みに、2通り作ってみました。

おまけ:
返信
返信5
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/22 11:45 (No.1331718)削除
次の文章を完全解説して下さい。

命題(1.4.9)
線型写像F:V→V'に対して、
Fが単射である⇔Fの核が零元のみ、すなわちF^-1(0')={0}

証明
(⇒)明白。
(⇐)F^1(0')={0}とする。x,y∈V,F(x)=F(y)ならば、F(x-y)=F(x)-F(y)=0',
x-y∈F^-1(0')={0},ゆえにx-y=0,x=y
これはFが単射であることを示す。     (証明終)
「線型代数入門」有馬哲著より

初学者にも分かるように解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/22 13:34削除
解説
>(⇒)明白。

Fが単射である⇒F^-1(0')={0}を示す。

Fが単射ならばF(0)=0' ∴F^-1(0')={0}
よって、示された。

命題と定義(1.4.2)
F:V→V'が線型写像であるとき、
(ⅰ)V'の零元0'のFによる像
F^-1(0')={x∈V|F(x)=0'}
はVの部分空間である。これをFの核と言う。
(ⅱ)は省略。
「線型代数入門」有馬哲著より

ワンポイントアドバイス:これをKerFとも言う。また、F^-1は逆像だが逆写像ではない。Fが全単射(1対1対応)の時のみ逆写像となる。念のため、1対多対応は写像ではないから。(多対1対応は写像。)

>(⇐)F^1(0')={0}とする。x,y∈V,F(x)=F(y)ならば、F(x-y)=F(x)-F(y)=0',
x-y∈F^-1(0')={0},ゆえにx-y=0,x=y
これはFが単射であることを示す。 

F^-1(0')={0}⇒Fは単射を示す。

F^-1(0')={0}ならばF(0)=0'———①
今、F(x)=F(y)とすると、F(x)-F(y)=0'
∴F(x)+(-1)F(y)=0'
線型写像の性質F(ax)=aF(x)より、
F(x)+F(-y)=0'
線型写像の性質F(x+y)=F(x)+F(y)より、
F(x-y)=0'———②
①,②より、x-y=0 ∴x=y
よって、F(x)=F(y)ならばx=yである。
よって、単射の条件の対偶より、Fは単射である。
∴F^-1(0')={0}⇒Fは単射
よって、示された。

単射の条件
s₁,s₂∈S,s₁≠s₂ならばF(s₁)≠F(s₂)をみたすとき、Fは単射または一対一であるという。
「線型代数入門」有馬哲著より

この対偶は、F(s₁)=F(s₂)ならばs₁=s₂

もっとも、「行った先が同じならば元も同じ」が単射の定義と覚えていた方が実戦的である。
「元が違えば、行った先も違う」が単射の条件である理由は、写像は1対1か多対1対応しかないからである。つまり、元が違っても行った先が同じというのが普通で、元が違って行った先も違うというのが特別で単射なのである。ちょっと分かり難いと思うので、単射は「行った先が同じならば元も同じ」で考えた方が良い。普通の写像は多対1対応なので、行った先が同じでも元はバラバラである。しかし、単射は特別なので「行った先が同じならば元も同じ」で1対1対応になる訳である。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/16 19:18 (No.1327590)削除
問題
右の図のように、三角形ABCの頂点Aにおける外角CAFの2等分線が辺BCの延長と交わる点をDとし、三角形ABCに外接する円と交わる点をEとする。
(1)AB×AC=AD×AEを証明せよ。
(2)AD²=BD×CD-AB×ACを証明せよ。
(91 灘)

図の解説:△ABCを描きBAの延長上に点Fを取る。∠CAFの二等分線を引き、BCの延長との交点をDとし、また、△ABCの外接円を描きDAの延長との交点をEとした図。

割とすぐに解けたので、(3)を追加しますね。
(3)AB:AC=BD:DCを証明せよ。

念のため、何も見ないで作り何も見ないで解きました。また、これは次の問題の布石です。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/17 07:54削除
問題
右の図のように、三角形ABCの頂点Aにおける外角CAFの2等分線が辺BCの延長と交わる点をDとし、三角形ABCに外接する円と交わる点をEとする。
(1)AB×AC=AD×AEを証明せよ。
(2)AD²=BD×CD-AB×ACを証明せよ。
(91 灘)
(3)AB:AC=BD:DCを証明せよ。

模範解答
(1)仮定より、
∠CAD=∠FAD=∠BAE・・・①
線分BEを引くと、
∠DCA=∠E(内接四角形)・・・②
①,②より、△ABE∽△ADCだから、辺の比を取って、AB:AD=AE:AC
ゆえに、AB×AC=AD×AE・・・③
(2)方べきの定理より、
BD×CD=ED×AD・・・④
④から③を辺々ひくと、
BD×CD-AB×AC=(ED-AE)×AD
=AD²
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

(3)ADは外角CAFの二等分線より、
∠CAD=∠FAD———①
CからADと平行な直線を引き、ABとの交点をGとすると、錯角より∠ACG=∠CAD———②
また、同位角より∠AGC=∠FAD———③
①,②,③より、∠ACG=∠AGC
よって、△AGCは二等辺三角形より、
AG=AC———④
ところで、△BCG∽△BDAより、
BA:AG=BD:DC———⑤
④を⑤に代入すると、
AB:AC=BD:DC
よって、示された。

次回の問題。

問題
△ABCの∠Aの二等分線とBCとの交点をD,∠Aの外角の二等分線とBCの延長との交点をEとし、3点A,D,Eを通る円の円周上の点をPとすると、PDは△PBCの∠Pの二等分線になる事を証明して下さい。

何も見ないで作って何も見ないで解いたので、非常に時間がかかりました。検索ありですが、超有名定理を使うのだけはNGです。例えば、x³+y³=z³が成り立つ整数の組を1つ見つけよ、という問題でフェルマーの最終定理を使うような事です。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/18 07:59削除
問題
△ABCの∠Aの二等分線とBCとの交点をD,∠Aの外角の二等分線とBCの延長との交点をEとし、3点A,D,Eを通る円の円周上の点をPとすると、PDは△PBCの∠Pの二等分線になる事を証明して下さい。

解答
∠BAD=∠CAD=○,∠Aの外角の2等分角を×と置くと、∠DAE=○+×=180°÷2=90°より、3点A,D,Eを通る円はDEを直径とする円である。
ここで、BD=m,DC=nと置くと、BC=m+n
また、△ABCでの∠Aの外角の二等分線の定理(上の(3)のAB:AC=BD:DC)と△ABCでの角の二等分線の定理より、
BE:EC=AB:AC=BD:DC=m:n
よって、BE:EC=m:nより、
BE={m/(m-2)}BC=m(m+n)/(m-n)
∴DE=BE-BD=m(m+n)/(m-n)-m
=m(m+n)/(m-n)-m(m-n)/(m-n)
=2mn(m-n)
ところで、DEは直径なので、DEの中点をOとすると点Oは外心で、OD=OA=mn/(m-n)
また、OB=OD+BD=mn/(m-n)+m
=mn/(m-n)+m(m-n)/(m-n)
=m²/(m-n)
∴OB=m²/(m-n)
また、OC=OD-DC=mn/(m-n)-n
=mn/(m-n)-n(m-n)/(m-n)
=n²/(m-n)
∴OC=n²/(m-n)
今、点Pは円周上の点より、
OP=OA=mn/(m-n)
∴OP:OC=mn/(m-n):n²/(m-n)
=m:n
OB:OP=m²/(m-n):mn/(m-n)=m:n
∴OP:OC=OB:OP
また、∠POCは共通より、二辺比と挟角が等しいので、△OBP∽△OPC
∴BP:PC=OB:OP=m:n=BD:DC
よって、PB:PC=BD:DCより、△PBCでの角の二等分線の定理の逆により、PDは∠BPCの二等分線である。
よって、示された。
(念のため、△PBCは三角形なので、点Dと点Eは除くが、その点でも上の比は一定である。また、m=nの時は点Eは無限遠点になるので除く。)

別解
BD:DC=m:nと置くと、この値は一定である。よって、PB:PC=m:nとなる点の軌跡を考えると、角の二等分線の定理と∠Aの外角の二等分線の定理より、点Dと点Eは軌跡上の点である。
ところで、∠BAD=∠CAD=○,∠Aの外角の2等分角を×と置くと、∠DAE=○+×=180°÷2=90°より、3点A,D,Eを通る円はDEを直径とする円である。
よって、PB:PC=m:nで一定である。
よって、角の二等分線の定理と∠Pの外角の二等分線の定理の逆によって、PDは△PBCの∠Pの二等分線になる。

ウィキペディアなどを見て(即興で)適当に作ったので、参考程度にして下さい。

おまけ:
https://kotobank.jp/word/%E3%81%8E%E3%81%A9%E3%82%89-1722781#goog_rewarded
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/18 10:28削除
問題
△ABCの∠Aの二等分線とBCとの交点をD,∠Aの外角の二等分線とBCの延長との交点をEとし、3点A,D,Eを通る円の円周上の点をPとすると、PDは△PBCの∠Pの二等分線になる事を証明して下さい。

別解の改訂版
逆に、ADが∠Aの二等分線になる点Aの軌跡を考えると、点Aの軌跡を点P'として、△ABCは一定より点D,Eは定点である。
また、∠BAD=∠CAD=○,∠Aの外角の2等分角を×と置くと、∠DAE=○+×=180°÷2=90°より、点Aの軌跡P'はDEを直径とする円である。
つまり、3点A,D,Eを通る円なので、点PとP'は一致している。
よって、3点A,D,Eを通る円の円周上の点をPとすると、PDは△PBCの∠Pの二等分線になる。
よって、示された。
アイデア引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%86%86

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/20 07:58削除
問題
右の図のように、三角形ABCの頂点Aにおける外角CAFの2等分線が辺BCの延長と交わる点をDとし、三角形ABCに外接する円と交わる点をEとする。
(1)AB×AC=AD×AEを証明せよ。
(2)AD²=BD×CD-AB×ACを証明せよ。
(91 灘)

図の解説:△ABCを描きBAの延長上に点Fを取る。∠CAFの二等分線を引き、BCの延長との交点をDとし、また、△ABCの外接円を描きDAの延長との交点をEとした図。

(2)の別解(円を使わない解法。)
BAの延長上にAC=AFとなるように点Fを取ると、二辺挟角が等しくなるので、△ACD≡△AFD
∴∠ADC=∠ADF よって、DAは∠FDBの二等分線である。また、AC=AF,DC=DF
ここで、角の二等分線の長さの公式を使うと、
DA=√(DB・DF-BA・AF)
=√(DB・DC-BA・AC)
この両辺を2乗すると、
AD²=BD・CD-AB・AC
∴AD²=BD×CD-AB×AC

因みに、AD=√(BD×CD-AB×AC)とすれば、△ABCの外角の二等分線の長さの公式ですね。
アイデア引用元:http://azuki2018.html.xdomain.jp/tex/Theorem_Stewart.pdf

次回は、角の二等分線の長さの公式がスチュワートの定理かどうか判定して下さい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1858818153259954518
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/21 07:55削除
問題
角の二等分線の長さの公式がスチュワートの定理かどうか判定して下さい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86

スチュワートの定理
三角形の辺 BC, CA, AB の長さを a, b, c とする。辺 AB 上に点 M を取り、C との距離を d とする。AM, BM の長さを x, y とすると、以下の式が成り立つ。
a²x+b²y=c(d²+xy)

回答
http://azuki2018.html.xdomain.jp/tex/Theorem_Stewart.pdf
角の二等分線の長さの公式
△ABCの辺AB=a,AC=b,BD=c,DC=d,AD=xと置くと、
x=√(ab-cd)

スチュワートの定理の図https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Satz_von_Stewart_Grafik.jpg
のCMを∠Cの二等分線に設定すると、角の二等分線の定理より、a:b=y:x
∴x={b/(a+b)}AB=b(x+y)/(a+b)
∴(a+b)x=b(x+y)
∴ax+bx=bx+by ∴ax=by
∴y=(a/b)x———①
ところで、c=x+y=x+(a/b)x
={(a+b)/b}x———②
これらをa²x+b²y=c(d²+xy)に代入すると、
a²x+abx={(a+b)/b}x{d²+(a/b)x²}
∴a²+ab={(a+b)/b}{d²+(a/b)x²}
∴a(a+b)={(a+b)/b}{d²+(a/b)x²}
∴ab=d²+(a/b)x²
∴d²=ab-(a/b)x²
これに①を代入すると、
d²=ab-xy
∴d=√(ab-xy)
このxをc,yをdにすれば角の二等分線の長さの公式である。よって、スチュワートの定理から角の二等分線の長さの公式は簡単に作れる。
しかし、1746年にスチュワートの定理を作り、角の二等分線の長さの公式は推定トレミーの定理とかブラーマグプタの公式とかより前の可能性が高い。
トレミー(プトレマイオス)と同じぐらいだったら2世紀だし、ブラーマグプタ(ブラフマグプタ)と同じぐらいだとしても7世紀である。
因みに、ブラーマグプタの公式の一般化したものはブレートシュナイダーの公式と言うが、ブレートシュナイダーは1808–1878の人である。
結論として、角の二等分線の長さの公式は、スチュワートの定理ではない。

おまけ:
返信
返信5
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/19 11:59 (No.1329596)削除
次の文章を完全解説して下さい。

Kが数体,n>0,VがK上の線型空間,a₁,a₂,…,an∈Vのとき、写像
F:K^n→V,(x₁ x₂ … xn)→x₁a₁+x₂a₂+…+xnan(注:本当はK^nは列ベクトルだから縦だが、書けないので横に書いた。)
はK上の線型写像である。実は、K^nからVへの線型写像はこのような形のもので尽される。なぜならG:K^n→VがK上の線型写像であるとき、単位ベクトルe₁,e₂,…,enのGによる像を
G(e₁)=a₁,G(e₂)=a₂,…,G(en)=an ∈V
とおけば
G(x₁ x₂ … xn)=G(x₁e₁+x₂e₂+…+xnen)
=x₁a₁+x₂a₂+…+xnan
となり、写像Gは上のFと同じ形をしている。
「線型代数入門」有馬哲著より

一応、線型写像である事を証明して、残りは分かり易く解説して下さい。

おまけ:
https://www.uta-net.com/song/277029/
壊れた扉さん (994klpn6)2024/11/19 13:55削除
解説
>F:K^n→V,(x₁ x₂ … xn)→x₁a₁+x₂a₂+…+xnan(注:本当はK^nは列ベクトルだから縦だが、書けないので横に書いた。)
はK上の線型写像である。

x,y∈K^n,x=(x₁ x₂ … xn),y=(y₁ y₂ … yn)と置くと、x+y=(x₁ x₂ … xn)+(y₁ y₂ … yn)=(x₁+y₁ x₂+y₂ … xn+yn)
F(x+y)=F(x₁+y₁ x₂+y₂ … xn+yn)
=(x₁+y₁)a₁+(x₂+y₂)a₂+…+(xn+yn)an
=x₁a₁+y₁a₁+x₂a₂+y₂a₂+…+xnan+ynan
=x₁a₁+x₂a₂+…+xnan+(y₁a₁+y₂a₂+…+ynan)
=F(x₁ x₂ … xn)+F(y₁ y₂ … yn)
=F(x)+F(y)
∴F(x+y)=F(x)+F(y)———①
また、c∈K,x∈K^nに対して、
cx=c(x₁ x₂ … xn)=(cx₁ cx₂ … cxn)
F(cx)=F(cx₁ cx₂ … cxn)
=(cx₁)a₁+(cx₂)a₂+…+(cxn)an
=c(x₁a₁+x₂a₂+…+xnan)
=cF(x₁ x₂ … xn)
=cF(x)
∴F(cx)=cF(x)———②
①,②より、Fは線型写像の定義を満たすので、FはK上の線型写像である。

定義
Kを数体,VとV'をK上の線型空間とする。VからV'への写像F:V→V'が二つの条件
F(x+y)=F(x)+F(y),F(ax)=aF(x)
をみたすとき、FをK上の線型写像,K線型写像または線型写像と言う。

この教科書だけ読んでどこかで見たことがあると思った人は優秀である。同型の定義の時に、

定義
数体K上の二つの線型空間U,Vの間に双射↔(注:全単射の事)があり、
x₁↔y₁,x₂↔y₂ならばx₁+x₂↔y₁+y₂(x₁,x₂∈U,y₁,y₂∈V)
x↔y,a∈Kならばax↔ay(x∈U,y∈V)
が成り立つとき、UとVはK上の線型空間として同型であると言い、U≃Vで表わす。同型を与える双射F:U→Vを同型写像と言う。
「線型代数入門」有馬哲著より

x₁↔y₁,x₂↔y₂は、F(x₁)=y₁,F(x₂)=y₂
x₁+x₂↔y₁+y₂は、F(x₁+x₂)=y₁+y₂
を表わしているので、
F(x₁+x₂)=F(x₁)+F(x₂)
また、ax↔ayは、F(ax)=aF(x)(y=F(x)だから。)
を意味しているからである。つまり、線型写像かつ全単射ならば同型写像という事である。
(教える順番がおかしくないでしょうか。まぁ、当時は何を言われても催眠術状態から脱出は出来なかったと思いますが。心を開けるような師匠に巡り合えれば良かったのですが、もう既に自分の真理を持っているような状態の人には無理な話だと思います。念のため、決してプライドが高いという訳ではありません。むしろ、全てを捨てて臨んでいたのですが。)

>G:K^n→VがK上の線型写像であるとき、単位ベクトルe₁,e₂,…,enのGによる像を
G(e₁)=a₁,G(e₂)=a₂,…,G(en)=an ∈V
とおけば
G(x₁ x₂ … xn)=G(x₁e₁+x₂e₂+…+xnen)
=x₁a₁+x₂a₂+…+xnan
となり、写像Gは上のFと同じ形をしている。

e₁=(1 0 … 0),e₂=(0 1 0 … 0),…,en=(0 … 1)
を写像Gで飛ばすと、G(e₁)=a₁,G(e₂)=a₂,…,G(en)=anとなったとするという事。
また、x₁ x₂ … xnを基底(e₁,…,enが線型独立で任意のベクトルを生成できる事が分かるだろう)とすると、
(x₁ x₂ … xn)=x₁e₁+x₂e₂+…+xnen(左辺はたまたま横書きなので成分表示と考えても良い。)
ところで、Gは線型写像より、
G(x₁e₁+x₂e₂+…+xnen)=G(x₁e₁)+G(x₂e₂)+…+G(xnen)
=x₁G(e₁)+x₂G(e₂)+…+xnG(en)
これにG(e₁)=a₁,G(e₂)=a₂,…,G(en)=anを代入すると、
G(x₁e₁+x₂e₂+…+xnen)=x₁a₁+x₂a₂+…+xnan
となるという事。

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1855989899842969955
返信
返信1

Copyright © 数学, All Rights Reserved.