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壊れた扉さん (994klpn6)2024/10/2 11:58 (No.1287521)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題
線型写像
F:ℝ₂→ℝ₃
✘=[x y]→[x-2y y y](「注」を参考。)
G::ℝ₃→ℝ₂
[x y z]→[x+2y 2y-z]
において、
(1)G◦Fを求めよ。
(2)ℝ₃=F(ℝ₂)⊕G^-1(0)を示せ。
(注:参考書では列ベクトルだが、書けないので行ベクトルに変更した。)


(1)(G◦F)(✘)=G(F(✘))=G([x-2y y y])=[(x-2y)+2y 2y-y]=[x y]
であるから、G◦F=I
(2)P=F◦Gとおくと、
P◦P=(F◦G)◦(F◦G)=F◦(G◦F)◦G
=F◦G=P
したがって、ℝ₃=P(ℝ₃)⊕P^-1(0)
ところで、G◦F=Iより、Fは1対1であり、Gは上への写像であることがわかる。
Fは1対1写像より、F^-1(0)=0となり、P^-1(0)=(F◦G)^-1(0)=G^-1(F^-1(0))=G^-1(0)
Gは上への写像より、G(ℝ₃)=ℝ₂となり、P(ℝ₃)=(F◦G)(ℝ₃)=F(G(ℝ₃))=F(ℝ₂)
以上のことより、ℝ₃=F(ℝ₂)⊕G^-1(0)
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

適当に分かり易く解説して下さい。また、

>G◦F=Iより、Fは1対1であり、Gは上への写像であることがわかる。

ここは詳しく解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/10/2 13:34削除
解説
>P◦P=(F◦G)◦(F◦G)=F◦(G◦F)◦G
=F◦G=P
したがって、ℝ₃=P(ℝ₃)⊕P^-1(0)

定理
Vを線型空間とする。線型変換F:V→VがF◦F=Fをみたすならば、
V=F(V)⊕F^-1(0)
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

P◦P=P,P=F◦G(ℝ₃→ℝ₃)より、
ℝ₃=P(ℝ₃)⊕P^-1(0)
という事。(Fの所にP,Vの所にℝ₃を代入。)

>ところで、G◦F=Iより、Fは1対1であり、Gは上への写像であることがわかる。

Iは恒等写像という意味で、合成写像でない場合は全単射である。([x y]→[x y]だから。)
その逆写像を考えると、やはり合成写像でない場合は全単射である。
合成写像の場合は、出だしは単射で最後は全射でないと逆写像が成り立たない。
よって、Fは単射でGは全射である。
よって、「Fは1対1であり、Gは上への写像であることがわかる」という事。

一応、Fが単射である事とGが単射とは限らない事だけ示しておく。
F:ℝ₂→ℝ₃
✘=[x y]→[x-2y y y]

F([x y])=[x-2y y y]
F([x₁ y₁])=F([x₂ y₂])とすると、
[x₁-2y₁ y₁ y₁]=[x₂-2y₂ y₂ y₂]
∴x₁-2y₁ =x₂-2y₂,y₁=y₂
∴x₁-x₂=2y₁-2y₂=2(y₁-y₂)
また、y₁=y₂より、y₁-y₂=0
これを代入すると、x₁-x₂=0 ∴x₁=x₂
∴x₁=x₂,y₁=y₂
∴[x₁ y₁]=[x₂ y₂]
よって、F([x₁ y₁])=F([x₂ y₂])ならば[x₁ y₁]=[x₂ y₂]より、行った先が等しければ元も等しいので、単射である。

G::ℝ₃→ℝ₂
[x y z]→[x+2y 2y-z]

x=1,y=3,z=2とすると、
G([x y z])=[1+2・3 2・3-2]
=[7 4]
また、x=3,y=2,z=0とすると、
G([x y z])=[3+2・2 2・2-0]
=[7 4]
よって、2点[1 3 2]と[3 2 0]から1点[7 4]に写像されているので単射ではない。

>Fは1対1写像より、F^-1(0)=0

命題
線型写像F:V→V'において、次の(1),(2)が成り立つ。
(1)は省略。
(2)Fが1対1である ⇔ F^-1(0')=0
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

この(2)からである。

あとは読めば分かるので省略。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/10/1 19:34 (No.1285981)削除
問題
正方形ABCDの辺CD上に点Eをとり、Eから対角線ACへ垂線EHを引き、2直線AE,BHの交点をFとする。∠DAE=a°とするとき、次のことを証明せよ。
(1)∠EHF=a°である。
(2)4点E,F,C,Hは同一円周上にある。
(87 久留米大付)

図の解説:読んだ通りの図。ただし、点線でDH,BDが結ばれている。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/10/2 07:57削除
問題
正方形ABCDの辺CD上に点Eをとり、Eから対角線ACへ垂線EHを引き、2直線AE,BHの交点をFとする。∠DAE=a°とするとき、次のことを証明せよ。
(1)∠EHF=a°である。
(2)4点E,F,C,Hは同一円周上にある。
(87 久留米大付)

模範解答
(1)∠EHF=b°とおくと、
∠FHC=90°-b°,∠AHB=90°-b°
正方形の対角線ACについての対称性より、
∠AHD=∠AHB=90°-b°(基本図3)
よって、∠DHE=b°
ここで、∠AHE+∠ADE=180°より、
4点A,H,E,Dは共円点だから、
∠DHE(b°)=∠DAE(a°)
以上より、∠EHF=a°
(2)∠DEA=90°-a°なので、対頂角∠FEC=90°-a°
一方(1)より、∠FHC=90°-a°だから、∠FEC=∠FHC
よって、4点E,F,C,Hは同一円周上にある。
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
基本図3
四角形ABCDが正方形のとき、
△PAD≡△PCD
(BDについて、対称線の位置にある。)

基本図3の解説
正方形ABCDの対角線BD上に点Pがあるとき、点Pがどこにあろうと、△PAD≡△PCDという当たり前の事である。ただし、実戦で使えるかどうかは別で、一発で見抜けるようになるには時間がかかるかもしれない。もっとも、この定石だけを暗記していれば話は別だが。

私の解法
(1)△HECは直角二等辺三角形より、
∠EDH=45°-∠DHE=45°-∠DAE(四角形AHEDは円に内接する四角形でその円周角より)=45°-a°
よって、∠HBC=∠HDC=∠EDH=45°-a°(上の基本図3と同じ対称性)
よって、△HBCの内対角の和より、
∠FHC=(45°-a°)+45°=90°-a°
∴∠EHF=90°-(90°-a°)=a°
よって、示された。
(2)∠EDH=∠EAH=●と置くと、
∠CBH=∠CDH=●より、
∠EAH=∠CBH=●
∴∠FAC=∠FBC
よって、円周角の定理の逆により、4点A,B,C,Fは同一円周上にある。
よって、円周角より、∠AFB=∠ACB=45°
∴∠EFH=45°
また、∠ECH=45°より、
∠EFH=∠ECH
よって、円周角の定理の逆により、4点E,F,C,Hは同一円周上にある。
よって、示された。

あまり整理しなかったので効率は悪いと思いますが、ご容赦下さい(読み難いと思います)。

おまけ:
(明日は友人の命日だ。)
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/10/1 15:52 (No.1285751)削除
問題 10-9bの解説の見直し

問題 10-9b
Kを実数に含まれる体とする。K係数既約多項式f(x)のすべての根が実数に含まれるとする。奇素数pに対してx^p-a(aは実数)の(ただ1つの)実数根αの式に係数を拡張してもf(x)は既約のままであることを示せ。

解答
KをK係数のαの式全体に拡張して考えればよい。以下、aはKに含まれるとする。g(x)=x^p-aはKに根を持たない場合を考えれば十分である(179ページ参照)。
g(x)はK係数多項式として既約であり、よってg(x)の群Ggにおいて、αを不変にする部分群Hは指数pを持つ(問題9-5参照)。ゆえにガロワ対応から加減乗除で閉じたαの式からなる集合は定数か、αの式全体Mのいずれかしかない・・・(*)。
実際、Hを含むGgの部分群は、Hの指数(G:H)が素数pに等しいので、HあるいはGgである(問題4-16参照)。
αの式を係数に許したとき、f(x)が既約でないとすると、定数でないあるαの式がf(x)の根の式で表される。上で述べた(*)より、この式の加減乗除から得られる集合(加減乗除に閉じる)はMに等しい。とくにαもf(x)の根の式で表される。
したがって問題9-5よりg(x)は(f(x)の根の式を用いて)1次式の積に分解しないといけない。ところが、Kの元やf(x)の根はすべて実数なので、これはあり得ない(∵g(x)のα以外の根は虚数である(p≧3だから)。したがってf(x)は既約のままである。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

2024/9/27 13:45の投稿で解説していますが、今回見直してみます。

>KをK係数のαの式全体に拡張して考えればよい。

αの所はaとなっているが、誤植と判断した。

>g(x)=x^p-aはKに根を持たない場合を考えれば十分である(179ページ参照)。

179ページに「x^p-aは既約である ⇔ x^p-aは定数の根を持たない(*)」とあり、g(x)が既約の場合を考えれば十分という事。

>g(x)はK係数多項式として既約であり、よってg(x)の群Ggにおいて、αを不変にする部分群Hは指数pを持つ(問題9-5参照)。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,…,βsになったとする。このときg(x)=(x-β₁)(x-β₂)…(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

「g(x)はK係数多項式として既約」から問題9-5のg(x)に当てはめられる(最小多項式は既約多項式だから)。また、このg(x)を問題9-5のf(x)として見ると(f(x)とg(x)が一致しているという事)、問題のg(x)の群Ggにおいてg(x)の根αを不変にするGgの部分群Hはdegg(x)=pを指数に持つ。(念のため、g(x)=x^p-aだから。)
∴|Gg|/|H|=p
ここで、命題10.1を使うと、

命題10.1(多項式x^p-aの群)
pを素数とし、1の原始p乗根ζは定数であるとする。x^p-aが既約であるとき(つまりどの根も定数でないとき)、この多項式の群は、x^p-aの根αに対して
σi(α)=αζ^i,i=0,1,…,p-1
をみたすp個の入れ換えσ₀,…,σp-1からなる。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

|Gg|=pより、|Gg|/|H|=pに代入すると、
p/|H|=p ∴|H|=1 ∴H={e}
よって、ガロワ対応により、

>ゆえにガロワ対応から加減乗除で閉じたαの式からなる集合は定数か、αの式全体Mのいずれかしかない・・・(*)。

「αの式全体Mしかない」ではないのだろうか。

ただし、今回の疑問は別の所にある。

問題 10-5b
有理数係数多項式x⁵-2の群がAGL(1,5)と同型であることを示せ。
(参考:同様に、素数pに対して、x^p-2の群はAGL(1,p)と同型である。)

とあり、また、

問題 10-2b
pを素数とする。p次対称群の位数pの元σの生成する部分群H={e,σ,…,σ^(p-1)}を正規部分群に持つSpの部分群Nを調べる。本文のようにp次対称群の置換をp個の元0,1,…,p-1(Fpの元)の置換とみなし、σをσ(x)=x+1(x=0,1,…,p-1)とする。このときNは
AGL(1,p)={τ∈Sp;τ(x)=ax+b,ここでa≠0かつb=0,1,…,p-1}
に含まれることを示せ。この群を1次元アフィン一般線形群という。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

■ガロワの定理の証明(スケッチ)
ガロワは、p次既約多項式f(x)の群Gfが可解であるとき、Gfに含まれる根の入れ換えを決定しました。これが定理の核心部です。この群に含まれる入れ換えは次の形で表されます:根をα₀,…,αp-1とし、a=1,2,…,p-1とb=0,1,…,p-1に対して、
(α₀ α₁  …  αk  …    αp-1)
(αb αa+b … αak+b … αa(p-1)+b) (*)
注:これは2つの括弧ではなく1つの括弧で2段の1つの元を表す。
ここでαの添字はpで割った余りとします。添字の変化に着目すると、この入れ換えは1次式ax+bで定義されます。またa,bの取り方から、入れ換えは全部でp(p-1)個あります。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

から、先に命題10.1より|Gg|=pとした所は、
|Gg|=p(p-1)なのではないだろうか。
(念のため、同型という事は全単射が存在するので元の数も等しいという事。)

ここで、命題10.1と問題10-5を比較すると、

命題10.1(多項式x^p-aの群)
pを素数とし、1の原始p乗根ζは定数であるとする。x^p-aが既約であるとき(つまりどの根も定数でないとき)、この多項式の群は、x^p-aの根αに対して
σi(α)=αζ^i,i=0,1,…,p-1
をみたすp個の入れ換えσ₀,…,σp-1からなる。

問題 10-5b
有理数係数多項式x⁵-2の群がAGL(1,5)と同型であることを示せ。
(参考:同様に、素数pに対して、x^p-2の群はAGL(1,p)と同型である。)

係数に違いがある事に気が付いた。つまり、命題10.1は複素数まで係数を許しているが、問題10-5は有理数係数である。そして、問題は10-9は、

問題 10-9b
Kを実数に含まれる体とする。K係数既約多項式f(x)のすべての根が実数に含まれるとする。奇素数pに対してx^p-a(aは実数)の(ただ1つの)実数根αの式に係数を拡張してもf(x)は既約のままであることを示せ。

実数である。つまり、有理数と同じ扱いである。(そもそもa∈Kだと思うが。)
という事は、|Gg|=p(p-1)を|Gg|/|H|=pに代入すると、p(p-1)/|H|=p
∴|H|=p-1
つまり、ガロワ対応による「αの式全体Mしかない」が言えないという事。すると、続きの証明が成り立たない。
私の妄想でしょうか。笑

まぁ、時が経てば分からなかった事も分かるようになる気がしますので、気長に待ちましょう。

因みに、命題10.1の方はαがx^p-aの原始元になるので、有理数の場合と異なり元の数も変わる。(p.180とp.153を考えれば分かる。)

おまけ:
「「後世の研究者に告げたい。時が経つにつれて、わからなかったことも、よりわかるようになっていくだろうということを。それはわが予言が、そのとき新しい光に照らされることによって可能となるのだ」

 これはノストラダムスが息子セザールにあてた手紙のひとつで、『諸世紀』第一巻のはじめに添えられた”まえがき”のような文の一節である。世界が混迷し、いろんな予測が入り乱れ、未来がほんとはどうなるのかわからなくなったとき、ここにもどればきっと新しい発見があると、古くから言われてきた不思議な文章だ。」
「ノストラダムスの大予言 残された希望編」五島勉著(1992年)より
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壊れた扉さん (994klpn6)2024/10/1 13:48 (No.1285645)削除
問題 10-5bの解説の見直し

問題 10-5b
有理数係数多項式x⁵-2の群がAGL(1,5)と同型であることを示せ。

解答
α=⁵√2(実数),ζ=e^(2πi/5)とおくと、f(x)=x⁵-2の根はα,αζ,αζ²,αζ³,αζ⁴である。
ζ=(αζ)/αなので、多項式の群Gfは、Φ5(x)の群(4次巡回群と同型)を商群に持つ。
f(x)は既約なので、αの式を不変にする部分群HはGfにおいて指数5を持つ(∵Hの右傍系がf(x)の根と対応するから)。
よってGfに含まれる入れ換えの個数は20の倍数である。f(x)の根はα,αζの2つの根の式ですべて表されるので、|Gf|の条件と定理10.5の証明③より、GfはAGL(1,5)と同型である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

定理10.5の証明③
f(x)の2つの根の式でほかの根が表されるとき、多項式の群に含まれる入れ換えの個数は高々p(p-1)個になります。実際、2個の根をどの根に入れ換えるかによって、根の入れ換えが決まるからです。このとき③は次の命題に帰着されます:
「根の入れ換えのなす群(p次対称群)の部分群Gが高々p(p-1)個の元からなり、さらにどの2つの根に対しても一方を他方に入れ換える入れ換えを含むとする。このときGに含まれる入れ換えはすべて1次式で定まる。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

2024/9/17 15:49の投稿と2024/9/28 15:30の投稿で解説していますが、今回見直してみます。

>ζ=(αζ)/αなので、多項式の群Gfは、Φ5(x)の群(4次巡回群と同型)を商群に持つ。

α,αζはf(x)=x⁵-2の根より、ζは問題9-5のβで、

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,…,βsになったとする。このときg(x)=(x-β₁)(x-β₂)…(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。

全ての根の入れ換えでβ₁~βsを求めても良いが、g(x)はβiの最小多項式なので、ζの最小多項式でもある。
よって、x=ζとして両辺を5乗すると、
x⁵=1 ∴x⁵-1=0 
∴(x-1)(x⁴+x³+x²+x+1)=0
ところで、g(x)は最小多項式より既約多項式であるので、g(x)=x⁴+x³+x²+x+1
また、Φ5(x)=x⁴+x³+x²+x+1と定理9.3より、

定理9.3(ガロワ対応(正規性))
多項式の群Gfの部分群Hについて、次は同値である。
(1)Hは、ある多項式g(x)のすべての根による式全体を不変にする部分群である。
(2)HはGfの正規部分群である。すなわちGfの任意の入れ換えσに対して、
Hσ=σH
である(Hに関する左傍系と右傍系は一致する)。
さらに、この対応においてg(x)の群Ggは商群Gf/Hと同型である。

Gg≃Gf/Hなので、「多項式の群Gfは、Φ5(x)の群(4次巡回群と同型)を商群に持つ」という事。
(2024/9/18 15:35の投稿より)

∴|Gg|=|Gf|/|H| また、|Gg|=4より、
4=|Gf|/|H| ∴|Gf|=4|H|
よって、Gfの位数は4の倍数である。———①

>f(x)は既約なので、αの式を不変にする部分群HはGfにおいて指数5を持つ(∵Hの右傍系がf(x)の根と対応するから)。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,…,βsになったとする。このときg(x)=(x-β₁)(x-β₂)…(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。

つまり、問題9-5のβを不変にする部分群Hは指数(G:H)を持ち、この値はdegg(x)=sで今回はαとβが一致している(f(x)の根の式βがαに当たりαはf(x)の根だから)のでこのf(x)とg(x)も一致しているので、f(x)の次数がsとなり、これはf(x)=x⁵-2の根の数より5となる。よって、「HはGfにおいて指数5を持つ」という事である。
2024/9/28 15:30より

∴|Gf|/|H'|=5
(①の所のHは「ある多項式g(x)のすべての根による式全体を不変にする部分群」で今回のHはg(x)(=f(x))の根の式を不変にする部分群なので、別物でH'とする。)
∴|Gf|=5|H'|
よって、Gfの位数は5の倍数である。———②

>よってGfに含まれる入れ換えの個数は20の倍数である。

①,②より、Gfの位数は20の倍数である。
よって、「Gfに含まれる入れ換えの個数は20の倍数である」という事。

>f(x)の根はα,αζの2つの根の式ですべて表されるので、|Gf|の条件と定理10.5の証明③より、GfはAGL(1,5)と同型である。

「f(x)=x⁵-2の根はα,αζ,αζ²,αζ³,αζ⁴であ」り、「f(x)の根はα,αζの2つの根の式ですべて表される」。例えば、αζ⁴=(αζ)⁴/α³など。
よって、

定理10.5の証明③
f(x)の2つの根の式でほかの根が表されるとき、多項式の群に含まれる入れ換えの個数は高々p(p-1)個になります。実際、2個の根をどの根に入れ換えるかによって、根の入れ換えが決まるからです。このとき③は次の命題に帰着されます:
「根の入れ換えのなす群(p次対称群)の部分群Gが高々p(p-1)個の元からなり、さらにどの2つの根に対しても一方を他方に入れ換える入れ換えを含むとする。このときGに含まれる入れ換えはすべて1次式で定まる。」

から、Gfの位数はp(p-1)以下でp=5を代入すると、Gfの位数は20以下である。
ここで、上の「Gfの位数は20の倍数である」が使われる。よって、Gfの位数は20である。
よって、定理10.5の証明③の後半より、「GfはAGL(1,5)と同型である」という事。

補足
問題 10-2b
pを素数とする。p次対称群の位数pの元σの生成する部分群H={e,σ,…,σ^(p-1)}を正規部分群に持つSpの部分群Nを調べる。本文のようにp次対称群の置換をp個の元0,1,…,p-1(Fpの元)の置換とみなし、σをσ(x)=x+1(x=0,1,…,p-1)とする。このときNは
AGL(1,p)={τ∈Sp;τ(x)=ax+b,ここでa≠0かつb=0,1,…,p-1}
に含まれることを示せ。この群を1次元アフィン一般線形群という。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

1次式で定まればAGL(1,p)という事。

別解(20の倍数を使わない場合)
f(x)=x⁵-2の係数をζの式に許してもf(x)は既約である(下に補足)。
また、αζ,αζ²,αζ³,αζ⁴はf(x)の根より、
f(αζ)=(αζ)⁵-2=ζ⁵(α)⁵-2=0
f(αζ²)=(αζ²)⁵-2=ζ^10(α)⁵-2=0
f(αζ³)=(αζ³)⁵-2=ζ^15(α)⁵-2=0
f(αζ⁴)=(αζ⁴)⁵-2=ζ^20(α)⁵-2=0
よって、f(x)の係数をζの式まで許すと根はαのみである。
ところで、αはf(x)の根で、また、αでf(x)の根を全て表せる(1つだけだが)ので、αはf(x)の原始元である(係数はζの式)。
よって、p.153のg(x)とf(x)は一致していて、

■多項式の群の構成(定理9.1(基本定理)の証明)
f(x)の原始元をβとし、βを根に持つ既約多項式をg(x)とします。また、g(x)は重根を持たないとします。多項式の群Gfを
「βをg(x)の根に入れ換えて得られるf(x)の根の入れ換え」
からなる集合とします。βの入れ換えによりf(x)の根の入れ換えが得られることは、次の「(1)の性質について」で説明します。(p.153より)

要は、このg(x)の根の数だけ群Gfの元の個数があるという事で、上よりこのg(x)とf(x)が一致しているので、今回はf(x)の根の数だけ群Hの元の個数があるという事である。なぜ、GfでなくHかと言うと、f(x)の係数をζの式まで拡張したので、ガロワ対応により群の方はGfの部分群Hに縮小されるからである。
よって、f(x)の根は全部で5個より、|H|=5となる。ところで、|Gg|=4(4次巡回群より)とGg≃Gf/Hより、|Gg|=|Gf|/|H|
∴4=|Gf|/5 ∴|Gf|=4・5=20
よって、Gfの位数は20である。
よって、定理10.5の証明③の後半より、「GfはAGL(1,5)と同型である」という事。よって、定理10.5の証明③の後半より、「GfはAGL(1,5)と同型である」という事。

補足:f(x)=x⁵-2の係数をζの式に許してもf(x)は既約である事。

f(x)=(x-⁵√2)(x-⁵√2ζ)(x-⁵√2ζ²)(x-⁵√2ζ³)(x-⁵√2ζ⁴)
この括弧のどの2つ,3つ,4つの組み合わせを展開しても無理数⁵√2²などは消えずに、全てを展開した時だけf(x)=x⁵-2となり無理数は消える。つまり、係数をζの式に拡張しても括弧が2つ以上ある場合は無理数が消えないので、既約多項式である。(念のため、ζの式の係数は有理数。)

以前に、私の解法が必要なのではないだろうかというのは大きな誤解でした。すみませんでした。(私の解法とは下の別解の事。)

おまけ:
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壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/30 20:03 (No.1285002)削除
問題
長方形ABCDの辺BC上にE,CD上にFをとったとき、△ABE:△ADF:△CEF=1:2:3になっている。このとき、CEの長さを求めよ。
(類 87 ラ・サール)

図の解説:縦の長さ3,横の長さ4の長方形ABCDがあり、あとは上の条件通りの図。

参考書に2通りの解法が載っています。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/10/1 07:56削除
問題
長方形ABCDの辺BC上にE,CD上にFをとったとき、△ABE:△ADF:△CEF=1:2:3になっている。このとき、CEの長さを求めよ。
(類 87 ラ・サール)

図の解説:縦の長さ3,横の長さ4の長方形ABCDがあり、あとは上の条件通りの図。

模範解答
CE=xとおく。
△ABE:△CEF=1:3より、
3(4-x):x×FC=1:3
これをFCについて解いて、
FC=9(4-x)/x
次に、△CEF:△ADF=3:2より、
[{9(4-x)/x}×x]:[4×{3-9(4-x)/x}]=3:2
式を整理して、x²+4x-24=0,
x=-2±2√7
x>0より、x=-2+2√7
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

参考書の別解の前に私の解法も紹介しておこう。念のため、基本的には変わらない。

私の解法
△ABE:△ADF=1:2より、
3BE:4DF=1:2 ∴4DF=6BE
∴2DF=3BE ∴BE:DF=2:3
よって、BE=2a,DF=3aと置くと、
EC=4-2a,FC=3-3a
また、△ABE:△CEF=1:3より、
3BE:(EC・FC)=1:3
∴6a:(4-2a)(3-3a)=1:3
∴a:(2-a)(1-a)=1:3
∴(a-1)(a-2)=3a
∴a²-3a+2=3a
∴a²-6a+2=0
∴a=3±√7
ところで、DF=3a<3より、a<1
∴a=3-√7
∴CE=4-2a=4-2(3-√7)
=-2+2√7

参考書の別解
△ABEの面積を求めたいときは、一寸高度ですが、次の方法の方が有効です。
△ABE=aとおくと、△ADF=2a,△CEF=3a,長方形の面積の半分は6だから、
CE:CB=△ACE:△ACB=(6-a):6
CF:CD=△ACF:△ACD=(6-2a):6
辺々かけあわせて、CE×CF:CB×CD=(6-a)(6-2a):36
一方、CE×CF:CB×CD=△CEF:△CBD=3a:6だから、
3a:6=(6-a)(6-2a):36
これを解いて、a=9-3√7
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
方針:△ABEと△ADFの面積をa,2aと置いて全体の長方形の長方形が12から△CEFをaで表し、また、条件より△CEF=3aなので、それで方程式を立てるという戦略。

△ABCと△AECは高さがABで等しいので、面積比は底辺の比となる。
∴CE:CB=△ACE:△ACB
=(△ABC-△ABE):△ABC
=(6-a):6
∴CE:CB=(6-a):6———①
CF:CD=△ACF:△ACD
=(△ACD-△ADF):△ACD
=(6-2a):6
∴CF:CD=(6-2a):6———②
①,②の両辺を掛け合わせると、
CE・CF:CB・CD=(6-a)(6-2a):36———③
また、1つの角を共有した面積比の公式より、
CE・CF:CB・CD=△CEF:△CBD
=3a:6———④
(これは公式を使わなくても△CEF,△CBDの面積を普通に求めても分かる。)
③,④より、
(6-a)(6-2a):36=3a:6
∴(6-a)(3-a):18=a:2
∴2(a-3)(a-6)=18a
∴a²-9a+18=9a
∴a²-18a+18=0
∴a=9±√(81-18)=9±√63
=9±3√7
ところで、a=△ABE<△ABC=6より、
a=9-3√7
∴a=△ABE=3BE/2=9-3√7
∴BE=2(3-√7)
∴CE=4-2(3-√7)=-2+2√7

おまけ:
@古澤秋倖
7 か月前
当時、神戸のカワサキさんが、ダートグランドでモトクロスなみに使うので仰天したそうです。
マッハSSにしろ、サイドマシーンにしろ。本来はオンロードマシン特化のバイクですから。
まあ、その辺の使い方はいかにも、東映さんらしいと言えば東映さんらしいのですが。

@koichitajima1958
6 か月前(編集済み)
@古澤秋倖 さん。仰天、というのはいい表現ですね。子供のころは何気に観ていましたが、いざ、自分がバイクの免許を取って実際に公道を走る様になって分かったことは、こんなレベルの高い運転は自分とは全く別次元のお話ということ。
今はどうなのか知る由もありませんが、当時の東映にはこれだけ卓越した運転技術を持ったライダーが在籍していたということに改めて驚いています。
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返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/30 14:34 (No.1284703)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 10-9b
Kを実数に含まれる体とする。K係数既約多項式f(x)のすべての根が実数に含まれるとする。奇素数pに対してx^p-a(aは実数)の(ただ1つの)実数根αの式に係数を拡張してもf(x)は既約のままであることを示せ。

解答
KをK係数のaの式全体に拡張して考えればよい。以下、aはKに含まれるとする。g(x)=x^p-aはKに根を持たない場合を考えれば十分である(179ページ参照)。
g(x)はK係数多項式として既約であり、よってg(x)の群Ggにおいて、αを不変にする部分群Hは指数pを持つ(問題9-5参照)。ゆえにガロワ対応から加減乗除で閉じたαの式からなる集合は定数か、αの式全体Mのいずれかしかない・・・(*)。
実際、Hを含むGgの部分群は、Hの指数(G:H)が素数pに等しいので、HあるいはGgである(問題4-16参照)。
αの式を係数に許したとき、f(x)が既約でないとすると、定数でないあるαの式がf(x)の根の式で表される。上で述べた(*)より、この式の加減乗除から得られる集合(加減乗除に閉じる)はMに等しい。とくにαもf(x)の根の式で表される。
したがって問題9-5よりg(x)は(f(x)の根の式を用いて)1次式の積に分解しないといけない。ところが、Kの元やf(x)の根はすべて実数なので、これはあり得ない(∵g(x)のα以外の根は虚数である(p≧3だから)。したがってf(x)は既約のままである。
(参考:上の議論より、f(x)が実数のべき根の式を係数にして可約になるのは、平方根の場合だけである。このとき、この平方根を不変にするGfの部分群の指数は2である。3次既約多項式f(x)が3個の実数根を持つとき、f(x)の判別式(>0)の平方根も係数に許せば|Gf|=3である(問題9-11)。よってこの根は実数のべき根を用いて表すことはできない。(不還元の場合。問題6-1の参考を参照))
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

問題 9-11b
(重根を持たない)既約3次多項式f(x)の多項式の群Gfについて次を示せ。以下においてDをf(x)の判別式とする。
(1)Dの平方根√Dが定数でないとき(すなわちx²-Dが既約なとき)、Gfはf(x)の根のすべての入れ換えからなる。つまりGfは3次対称群S₃と同型である。
(2)Dの平方根√Dが定数のとき(すなわちx²-Dが可約なとき)、Gfはf(x)の根の3つの入れ換えからなる。つまりGfは3次交代群A₃と同型である。

解答
(中略)次のようにわかる:
√Dが定数でない ⇔ Gf=S₃である。
√Dが定数である ⇔ Gf=A₃である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

問題 6-1a 
次の3次方程式を解け。
(1)x³+x-2=0
(2)x³-3x+1=0

解答
(中略)
(参考:(2)は3個の実数解を持つが、カルダノの公式の3乗根の中の平方根の中は-3/4と負になります。「実数解を与える公式に虚数を用いる」というのは当時、問題になり、虚数を用いない公式が(5次方程式の解の公式と同様に)探し求められていました(「不還元の場合」と呼ばれていました)。結局、この問題も(5次方程式同様)否定的に解決されました(3個の実数解を持つ場合、実べき根のみで解を表す公式はない)。問題10-9参照)
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

今回は、

>(参考:上の議論より、f(x)が実数のべき根の式を係数にして可約になるのは、平方根の場合だけである。このとき、この平方根を不変にするGfの部分群の指数は2である。3次既約多項式f(x)が3個の実数根を持つとき、f(x)の判別式(>0)の平方根も係数に許せば|Gf|=3である(問題9-11)。よってこの根は実数のべき根を用いて表すことはできない。(不還元の場合。問題6-1の参考を参照))

この部分を適当に分かり易く解説して下さい。ただし、あまり自信はありません。

おまけ:http://moe-maxim.com/yasashisadesukueruhodo-amakunai/
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/30 16:50削除
解説
>上の議論より、f(x)が実数のべき根の式を係数にして可約になるのは、平方根の場合だけである。

問題 10-9b
Kを実数に含まれる体とする。K係数既約多項式f(x)のすべての根が実数に含まれるとする。奇素数pに対してx^p-a(aは実数)の(ただ1つの)実数根αの式に係数を拡張してもf(x)は既約のままであることを示せ。

p≧3(pは素数)の場合は既約になるので、可約になるのはp=2の場合だけである。
よって、x²-a=0よりx=±√aの場合で、平方根の場合だけであるという事。

>このとき、この平方根を不変にするGfの部分群の指数は2である。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,…,βsになったとする。このときg(x)=(x-β₁)(x-β₂)…(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

問題9-5のf(x)=x²-aとすると、x=±√aでβ=√aとする。
ところで、「一般に既約2次式f(x)の多項式群はf(x)の根の入れ換えと、恒等入れ換えの2つからなる群である」(問題9-1の「参考」より)ので、これで入れ換えると、β=β₁=√a,β₂=-√a
∴g(x)=(x-β₁)(x-β₂)=(x-√a)(x+√a)=x²-a
よって、βを不変にするGfの部分群Hの指数はdegg(x)=2である。
よって、「この平方根を不変にするGfの部分群の指数は2である」という事。

>3次既約多項式f(x)が3個の実数根を持つとき、f(x)の判別式(>0)の平方根も係数に許せば|Gf|=3である(問題9-11)。

問題 9-11b
(重根を持たない)既約3次多項式f(x)の多項式の群Gfについて次を示せ。以下においてDをf(x)の判別式とする。
(1)Dの平方根√Dが定数でないとき(すなわちx²-Dが既約なとき)、Gfはf(x)の根のすべての入れ換えからなる。つまりGfは3次対称群S₃と同型である。
(2)Dの平方根√Dが定数のとき(すなわちx²-Dが可約なとき)、Gfはf(x)の根の3つの入れ換えからなる。つまりGfは3次交代群A₃と同型である。

解答
(中略)次のようにわかる:
√Dが定数でない ⇔ Gf=S₃である。
√Dが定数である ⇔ Gf=A₃である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

正直、「f(x)の判別式(>0)の平方根も係数に許せば|Gf|=3である」の言い回しの意味がよく分からない。
f(x)が3個の実数解を持つ場合は、具体例から、x³-3x+1=0の場合で問題6-1の(2)から、
x=2cos(2π/9),2cos(8π/9),2cos(4π/9)が実数だから。
次に、問題3-5の(2)を使って、x³-3x+1の判別式を求めると、

問題 3-5b
次の多項式の判別式を求めよ。
(1)2次式ax²+bx+c
(2)3次式ax³+bx²+cx+d
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

(2)にa=1,b=0,c=-3,d=1を代入すると、D=0-0-4・1・(-3)³-27・1・1+0=108-27=81=9²
∴√D=9(定数の場合という事。)
よって、問題9-11の(2)の場合になる。
つまり、「3次既約多項式f(x)が3個の実数根を持つとき、f(x)の判別式(>0)の平方根も係数に許せば|Gf|=3である(問題9-11)。」ではなく、
「3次既約多項式f(x)が3個の実数根を持つとき、|Gf|=3である(問題9-11)。」で良いのではないだろうか。もっとも、この本には載っていない特別な理由があると思うが。(必ず定数(有理数)になるからとか。)
因みに、|Gf|=3の理由は、

(2)Dの平方根√Dが定数のとき(すなわちx²-Dが可約なとき)、Gfはf(x)の根の3つの入れ換えからなる。つまりGfは3次交代群A₃と同型である。

|Gf|=|A₃|=|S₃|/2=3!/2=6/2=3だからである。

>よってこの根は実数のべき根を用いて表すことはできない。

定理 10.5(素数次可解既約多項式の特徴付け(ガロワ))
素数次既約多項式f(x)に対して、次は同値である。
(1)f(x)の根はべき根の式で表される。
(2)f(x)の(任意の)2つの根に対して、f(x)のほかの根がすべて、この2つの根の式で表される。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

実数のべき根で表せる場合は、この(2)の場合だけである。つまり、

■ガロワの定理の証明(スケッチ)
ガロワは、p次既約多項式f(x)の群Gfが可解であるとき、Gfに含まれる根の入れ換えを決定しました。これが定理の核心部です。この群に含まれる入れ換えは次の形で表されます:根をα₀,…,αp-1とし、a=1,2,…,p-1とb=0,1,…,p-1に対して、
(α₀ α₁  …  αk  …    αp-1)
(αb αa+b … αak+b … αa(p-1)+b) (*)
注:これは2つの括弧ではなく1つの括弧で2段の1つの元を表す。
ここでαの添字はpで割った余りとします。添字の変化に着目すると、この入れ換えは1次式ax+bで定義されます。またa,bの取り方から、入れ換えは全部でp(p-1)個あります。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

ちょっと端折った感もあるが、このp(p-1)にp=3を代入すると、3×2=6
つまり、S₃の場合だけなのである。よって、A₃の場合である上の場合は「よってこの根は実数のべき根を用いて表すことはできない」となる訳である。
(端折った感があるとは、定理10.5と■ガロワの定理の証明(スケッチ)の間にも文章があり、これを完璧に理解すれば納得出来るからである。)

因みに、上の判別式Dはカルダノの公式(3次方程式の解の公式)の3乗根の中の√の中身とは全くの別物である。
その理由は、

問題 6-1a 
次の3次方程式を解け。
(1)x³+x-2=0
(2)x³-3x+1=0

解答
(中略)
(参考:(2)は3個の実数解を持つが、カルダノの公式の3乗根の中の平方根の中は-3/4と負になります。「実数解を与える公式に虚数を用いる」というのは当時、問題になり、虚数を用いない公式が(5次方程式の解の公式と同様に)探し求められていました(「不還元の場合」と呼ばれていました)。結局、この問題も(5次方程式同様)否定的に解決されました(3個の実数解を持つ場合、実べき根のみで解を表す公式はない)。問題10-9参照)
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

(2)の3乗根の中の平方根の中身は-3/4だが、

問題 3-5b
次の多項式の判別式を求めよ。
(1)2次式ax²+bx+c
(2)3次式ax³+bx²+cx+d
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

(2)にa=1,b=0,c=-3,d=1を代入すると、D=0-0-4・1・(-3)³-27・1・1+0=108-27=81=9²
∴√D=9

から、x³-3x+1=0の判別式はD=81だからである。
また、3次方程式が3つの実数解を持つ場合は、3乗根の中のルートの中身が負の場合である。(微分で簡単に証明出来る。20年ぐらい前に作った。)
こちらも判別式に見えるけどね。(違う判別である。)

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/29 14:07 (No.1283680)削除
問題
図のような長方形ABCDがあって、AD=6,辺AD,BCの中点をそれぞれM,Nとする。
この長方形をMNを折れ線として折り曲げたとき、折り曲げられてできる長方形がもとの長方形と相似であるという。いま、点Bを中心とし、BAを半径とする円が線分MN,辺BCと交わる点をそれぞれP,Qとする。
(1)辺ABの長さを求めよ。
(2)図のように辺AB上に点S,辺AD上に点Rをとり、2つの長方形ASPMと、CDRQとをつくるとき、この2つの長方形の面積の比を求めよ。
(92 青山学院)

図の解説:横長の長方形ABCDがあり、横の長さが6で横の辺AD,BCの中点がそれぞれM,N。また、点Bを中心とした四分円AQと線分MNとの交点がPで、Pから水平(AD,BCと平行)な直線とABとの交点がS,QからBCに立てた垂線とADとの交点がRという図。

簡単な問題です。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/30 07:43削除
問題
図のような長方形ABCDがあって、AD=6,辺AD,BCの中点をそれぞれM,Nとする。
この長方形をMNを折れ線として折り曲げたとき、折り曲げられてできる長方形がもとの長方形と相似であるという。いま、点Bを中心とし、BAを半径とする円が線分MN,辺BCと交わる点をそれぞれP,Qとする。
(1)辺ABの長さを求めよ。
(2)図のように辺AB上に点S,辺AD上に点Rをとり、2つの長方形ASPMと、CDRQとをつくるとき、この2つの長方形の面積の比を求めよ。
(92 青山学院)

模範解答
(1)長方形ABCD∽長方形MABNより、
AB:MA=AD:MN
ここで、MA=3,MN=ABだから、
AB²=MA×AD=18
よって、AB=3√2
(2)BP=BA=3√2だから、
BP:BN=3√2:3=√2:1
これと、∠BNP=90°より、
△PBNは直角二等辺三角形。よって、四角形SBNPは正方形である。
相似な長方形ABCDとMABNより、それぞれ正方形ABQRと正方形SBNPをとりのぞいた残りが題意の長方形CDRQと長方形MASP(ASPM)だから、長方形CDRQ∽長方形MASP
この2つの長方形の相似比は、CD:MA=3√2:3=√2:1
よって面積比は、長方形CDRQ:長方形MASP=(√2)²:1²=2:1
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
そこまでエレガントに解かなくても途中で計算で面積を求めた方が簡単。
つまり、(1)からAB=BP=3√2,BN=6÷2=3より、BN:BP=1:√2
よって、△PBNは直角二等辺三角形より、PN=BN=3 ∴MP=3√2-3
∴長方形ASPM=3×(3√2-3)
=9(√2-1)———①
また、QC=6-3√2,DC=3√2より、
長方形CDRQ=3√2×(6-3√2)
=9(2√2-2)———②
①,②より、長方形ASPM:長方形CDRQ
=9(√2-1):9(2√2-2)=1:2

まぁ、エレガントに解く事にこだわりがあるのだろう。因みに、記憶によるとこの比は白銀比というのだと思った。念のため、黄金比に対抗しているのだろう。一応、これから検索してみるが。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E9%8A%80%E6%AF%94
2種類あったのか。確か、昔、この本で読んだ記憶がある。https://www.amazon.co.jp/%E9%9B%AA%E6%9C%88%E8%8A%B1%E3%81%AE%E6%95%B0%E5%AD%A6-%E7%A5%A5%E4%BC%9D%E7%A4%BE%E9%BB%84%E9%87%91%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%A1%9C%E4%BA%95-%E9%80%B2/dp/4396315139
ただし、この本で初めて知ったかどうかは定かではない。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/27 20:42 (No.1282028)削除
問題
右の図のように、AB=8,AD=2,BC=5で、
∠A=∠B=∠Rの台形ABCDがある。
辺AB上に、∠DEC=∠DFC=∠Rとなるように2点E,Fをとり、ECとDFの交点をGとする。
(1)AE,AFの長さを求めよ。
(2)△EFGと△DGCの面積の比を求めよ。
(87 桐朋)

図の解説:∠Aと∠Bが直角の台形ABCDがあり、辺AB上に上から下に2点E,Fがあり、∠DEC=∠DEFC=90°となっている。また、CEとDFの交点がG。

(1)は2通りで解いてみました。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/28 07:51削除
問題
右の図のように、AB=8,AD=2,BC=5で、
∠A=∠B=∠Rの台形ABCDがある。
辺AB上に、∠DEC=∠DFC=∠Rとなるように2点E,Fをとり、ECとDFの交点をGとする。
(1)AE,AFの長さを求めよ。
(2)△EFGと△DGCの面積の比を求めよ。
(87 桐朋)

模範解答
(1)点Eの場合、△DAE∽△EBC(注:下で解説する)より、DA×BC=AE×EB
よって、AEをxとおくと、2×5=x(8-x)
これを解いて、x=4±√6
点Fの場合も、全く同様である。
AF>AEより、AE=4-√6
AF=4+√6
(2)∠DEC=∠DFC=90°より、
D,E,F,Cは共円点なので、右図(注:4点を通る円ともう1点を追加して長方形にした図)のように円をかくと、
△GEF∽△GDC
EF=AF-AE=2√6
CD=√(3²+8²)=√73より、
△EFG:△DGC=EF²:DC²
=(2√6)²:(√73)²=24:73
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
直線AB上に直角DECが接していて、D,CからABに垂線が下りている形なので、定石により、△DAE∽EBCという事。
地道に示しても良い。∠ADE=●,∠DEA=×と置くと、△DAEの内角の和より●+×=90°また、AEBは一直線なので∠AEB=180°で∠DEC=90°を引くと、∠DEA+∠CEB=90°これに∠DEA=×を代入すると、∠CEB=90°-×=●(●+×=90°だから)
よって、∠ADE=∠CEB=●
よって、△DAEと△EBCにおいて∠ADE=∠CEBと直角の2角が等しいので相似という事。
この定石の形は絶対に覚えておいた方が良い1つである。(あまり好きな言葉ではないが、受験は要領である。)
知っているのと知らないのとでは頭の良さなど完全に吹っ飛ぶ。(時間がかかり過ぎる。)

>点Fの場合も、全く同様である。

欄外に「AF=yとおくと、Eの場合と同様にして、2×5=y(8-y)が成り立つから、yも4±√6のいずれか」とあるが、全くその通りである。そして、今回は長い方を選ぶだけである。

(1)の私の別解は次回。

おまけ:
https://kotobank.jp/word/%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%82%B9-30077#goog_rewarded
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/29 07:54削除
問題
右の図のように、AB=8,AD=2,BC=5で、
∠A=∠B=∠Rの台形ABCDがある。
辺AB上に、∠DEC=∠DFC=∠Rとなるように2点E,Fをとり、ECとDFの交点をGとする。
(1)AE,AFの長さを求めよ。
(2)△EFGと△DGCの面積の比を求めよ。
(87 桐朋)

(1)の別解
∠CED=∠CFD=90°より円周角の定理の逆により4点E,F,C,Dは同一円周上にあり、CDの中点をMとすると、点Mはその円の中心である。∴ME=MF(半径より)
ここで、ABの中点をNとすると、台形の中点連結定理より、AD∥NM∥BC ∴AB⊥MN
∴EF⊥MN よって、△MEFは二等辺三角形でMN⊥EFより点Nは底辺EFの中点である。
∴EN=FN
また、台形の中点連結定理より、NM=(AD+BC)/2=(2+5)/2=7/2
また、DからBCに垂線を下ろしその足をHとすると、CH=5-2=3,DH=AB=8より△DHCで三平方の定理を使うと、
DC=√(3²+8²)=√73
∴ME=MD=DC/2=√73/2
よって、△MENで三平方の定理を使うと、
EN=√{(√73/2)²-(7/2)²}
=√(73/4-49/4)=√(24/4)
=√6
∴EN=FN=√6
また、AN=8÷2=4より、
AE=AN-EN=4-√6
AF=AN+FN=4+√6

因みに、点Mを定める時は共円点を言わなくても、小学生の定石の1つの直角三角形の直角と斜辺の中点をを結ぶと、MD=ME=MCという定石(証明は長方形を対角線で斜め半分に切れば分かる)を△ECDと△FCDで使えば良い。(私はこっちで定めた。)

おまけ:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%8E%E8%A5%BF%E5%A4%A7%E5%AD%A6
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/27 13:45 (No.1281700)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 10-9b
Kを実数に含まれる体とする。K係数既約多項式f(x)のすべての根が実数に含まれるとする。奇素数pに対してx^p-a(aは実数)の(ただ1つの)実数根αの式に係数を拡張してもf(x)は既約のままであることを示せ。

解答
KをK係数のaの式全体に拡張して考えればよい。以下、aはKに含まれるとする。g(x)=x^p-aはKに根を持たない場合を考えれば十分である(179ページ参照)。
g(x)はK係数多項式として既約であり、よってg(x)の群Ggにおいて、αを不変にする部分群Hは指数pを持つ(問題9-5参照)。ゆえにガロワ対応から加減乗除で閉じたαの式からなる集合は定数か、αの式全体Mのいずれかしかない・・・(*)。
実際、Hを含むGgの部分群は、Hの指数(G:H)が素数pに等しいので、HあるいはGgである(問題4-16参照)。
αの式を係数に許したとき、f(x)が既約でないとすると、定数でないあるαの式がf(x)の根の式で表される。上で述べた(*)より、この式の加減乗除から得られる集合(加減乗除に閉じる)はMに等しい。とくにαもf(x)の根の式で表される。
したがって問題9-5よりg(x)は(f(x)の根の式を用いて)1次式の積に分解しないといけない。ところが、Kの元やf(x)の根はすべて実数なので、これはあり得ない(∵g(x)のα以外の根は虚数である(p≧3だから)。したがってf(x)は既約のままである。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

p.179の内容
多項式x^p-a(pは素数)の群を調べます。多項式の群を考える際、定数の集合は1の原始p乗根ζを含むとします。
■x^p-aの既約性
まず多項式x^p-aでは、それが既約であることと定数の根を持たないことが同値です。つまり
x^p-aは既約である ⇔ x^p-aは定数の根を持たない(*)
が成り立ちます。以下に(*)を説明します。一般に可約でも(定数の)根を持たないことがあります。例えば、x⁴+4は有理数根を持ちませんが可約です:
x⁴+4=(x⁴+4x²+4)-4x²=(x²+2)²-(2x)²=(x²+2x+2)(x²-2x+2)
上の同値性において自明でない主張は、
「x^p-aは定数の根を持たないならば既約である」
ことです(「⇒」は自明です)。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,…,βsになったとする。このときg(x)=(x-β₁)(x-β₂)…(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

問題 4-16b
群Gの部分群H,NがG⊃H⊃Nをみたすとき、
(G:H),(H:N)が有限ならば(G:N)=(G:H)(H:N)を示せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。ただし、誤植がある場合は自分で訂正して解説して下さい。

おまけ:
http://animesoku.com/archives/28676682.html
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/27 16:22削除
解説
>KをK係数のaの式全体に拡張して考えればよい。

このaは、αの誤植ではないだろうか。

問題 10-9b
Kを実数に含まれる体とする。K係数既約多項式f(x)のすべての根が実数に含まれるとする。奇素数pに対してx^p-a(aは実数)の(ただ1つの)実数根αの式に係数を拡張してもf(x)は既約のままであることを示せ。

当たり前過ぎて二重にいう訳がないとも思うのだが、aのままで考えると、x^p-a=0から、
α=p√a(p乗根という事)
よって、α^p=aでaの式全体はαの式全体を包含しているように見えるので「aの式全体に拡張」かとも考えたが、続きに「以下、aはKに含まれるとする。」って意味不明になってしまうので、誤植と判断した。本当に独学に誤植は困るよね。(念のため、真実はどちらか分からない。)

>以下、aはKに含まれるとする。

問題 10-9b
Kを実数に含まれる体とする。K係数既約多項式f(x)のすべての根が実数に含まれるとする。奇素数pに対してx^p-a(aは実数)の(ただ1つの)実数根αの式に係数を拡張してもf(x)は既約のままであることを示せ。

このx^p-a(aは実数)をx^p-a(a∈K)とすべきではないのだろうか。
Kは実数に含まれる体なので、例えばℚ[√2]やℚなどだと思うが、x^p-a(aは実数)だとK以外の可能性もあり、「以下、aはKに含まれるとする」なんて限定したら問題を解いた事にならないのではないだろうか。
つまり、初めから「x^p-a(a∈K)」としなければならないという事。

>g(x)=x^p-aはKに根を持たない場合を考えれば十分である(179ページ参照)。

p.179の内容
多項式x^p-a(pは素数)の群を調べます。多項式の群を考える際、定数の集合は1の原始p乗根ζを含むとします。
■x^p-aの既約性
まず多項式x^p-aでは、それが既約であることと定数の根を持たないことが同値です。つまり
x^p-aは既約である ⇔ x^p-aは定数の根を持たない(*)
が成り立ちます。以下に(*)を説明します。一般に可約でも(定数の)根を持たないことがあります。例えば、x⁴+4は有理数根を持ちませんが可約です:
x⁴+4=(x⁴+4x²+4)-4x²=(x²+2)²-(2x)²=(x²+2x+2)(x²-2x+2)
上の同値性において自明でない主張は、
「x^p-aは定数の根を持たないならば既約である」
ことです(「⇒」は自明です)。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

(*)から「x^p-aは既約である」場合を考えれば十分という事。どういう事かというと、問題文の「奇素数pに対してx^p-a(aは実数)の(ただ1つの)実数根αの式に係数を拡張しても」のx^p-a=0がただ1つの実数解をもつ場合だからである。つまり、x^p-aが既約ならばxはただ1つの実数解を持つから。
しかし、なぜわざわざ分かり難い書き方をするのだろう?

>g(x)はK係数多項式として既約であり、よってg(x)の群Ggにおいて、αを不変にする部分群Hは指数pを持つ(問題9-5参照)。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,…,βsになったとする。このときg(x)=(x-β₁)(x-β₂)…(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

「g(x)はK係数多項式として既約」から問題9-5のg(x)に当てはめられる(最小多項式は既約多項式だから)。また、このg(x)を問題9-5のf(x)として見ると(f(x)とg(x)が一致しているという事)、問題のg(x)の群Ggにおいてg(x)の根αを不変にするGgの部分群Hはdegg(x)=pを指数に持つ。(念のため、g(x)=x^p-aだから。)

>ゆえにガロワ対応から加減乗除で閉じたαの式からなる集合は定数か、αの式全体Mのいずれかしかない・・・(*)。

指数がpより、|Gg|/|H|=pでpは素数より、
|Gg|=p,|H|=1
よって、Ggはg(x)の全ての根の入れ換えの群でHは単位元の恒等入れ換えのみの群である。よって、ガロワ対応から定数全体かαの式全体の体が対応する。(個人的にはHの方(後者)だけ言えば良いような気もするが。)

>実際、Hを含むGgの部分群は、Hの指数(G:H)が素数pに等しいので、HあるいはGgである(問題4-16参照)。

問題 4-16b
群Gの部分群H,NがG⊃H⊃Nをみたすとき、
(G:H),(H:N)が有限ならば(G:N)=(G:H)(H:N)を示せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

あまり意味がないような気もするが、
(G:H)=(G:H)(H:H)=p・1=p
という事だろう。(G⊃Hしかない。)

>αの式を係数に許したとき、f(x)が既約でないとすると、

ここからが証明である。つまり、背理法の仮定。
ついでに、上の誤植が証明された瞬間ではないだろうか。(真実はこちら側だった。)

>αの式を係数に許したとき、f(x)が既約でないとすると、定数でないあるαの式がf(x)の根の式で表される。

f(x)の係数は「αの式全体」で、またf(x)は可約なのでいくつかの括弧を想定して展開すると、f(x)の係数はf(x)の根の式で表される。
(例えば、f(x)=(x-α)(x-β)を展開すると、f(x)=x²-(α+β)x+αβでα,βはf(x)の根だから係数が根の式で表されるという事。)

>上で述べた(*)より、この式の加減乗除から得られる集合(加減乗除に閉じる)はMに等しい。とくにαもf(x)の根の式で表される。

ゆえにガロワ対応から加減乗除で閉じたαの式からなる集合は定数か、αの式全体Mのいずれかしかない・・・(*)。

やはり、後者だけで良かったのではないだろうか。もっとも「定数でないあるαの式がf(x)の根の式で表される」と断っているが。

>とくにαもf(x)の根の式で表される。
したがって問題9-5よりg(x)は(f(x)の根の式を用いて)1次式の積に分解しないといけない。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,…,βsになったとする。このときg(x)=(x-β₁)(x-β₂)…(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

今回は普通に問題9-5を当てはめれば良い。

>ところが、Kの元やf(x)の根はすべて実数なので、これはあり得ない(∵g(x)のα以外の根は虚数である(p≧3だから)。したがってf(x)は既約のままである。

条件から「K係数既約多項式f(x)のすべての根が実数に含まれる」とあり、f(x)の根は全て実数根である。
また、「g(x)は(f(x)の根の式を用いて)1次式の積に分解」されるので、つまりg(x)の根は全て実数根という事になる。
ところが、g(x)=x^p-aより、g(x)の根は1つの実数根を除いて、全て虚数根である。(pは奇素数だから。)
よって、矛盾。よって、背理法により、f(x)は既約のままであるという事。

おまけ:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E9%BA%BB%E5%A4%AE
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/28 15:30削除
補足解説と素朴な疑問
>指数がpより、|Gg|/|H|=pでpは素数より、
|Gg|=p,|H|=1

g(x)==x^p-aで、命題10.1より、

命題10.1(多項式x^p-aの群)
pを素数とし、1の原始p乗根ζは定数であるとする。x^p-aが既約であるとき(つまりどの根も定数でないとき)、この多項式の群は、x^p-aの根αに対して
σi(α)=αζ^i,i=0,1,…,p-1
をみたすp個の入れ換えσ₀,…,σp-1からなる。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

|Gg|=pだから、p/|H|=pより、
|H|=1という事。

次は素朴な疑問。
問題 10-5b
有理数係数多項式x⁵-2の群がAGL(1,5)と同型であることを示せ。
(参考:同様に、素数pに対して、x^p-2の群はAGL(1,p)と同型である。)
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

問題 10-2b
pを素数とする。p次対称群の位数pの元σの生成する部分群H={e,σ,…,σ^(p-1)}を正規部分群に持つSpの部分群Nを調べる。本文のようにp次対称群の置換をp個の元0,1,…,p-1(Fpの元)の置換とみなし、σをσ(x)=x+1(x=0,1,…,p-1)とする。このときNは
AGL(1,p)={τ∈Sp;τ(x)=ax+b,ここでa≠0かつb=0,1,…,p-1}
に含まれることを示せ。この群を1次元アフィン一般線形群という。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

■ガロワの定理の証明(スケッチ)
ガロワは、p次既約多項式f(x)の群Gfが可解であるとき、Gfに含まれる根の入れ換えを決定しました。これが定理の核心部です。この群に含まれる入れ換えは次の形で表されます:根をα₀,…,αp-1とし、a=1,2,…,p-1とb=0,1,…,p-1に対して、
(α₀ α₁  …  αk  …    αp-1)
(αb αa+b … αak+b … αa(p-1)+b) (*)
注:これは2つの括弧ではなく1つの括弧で2段の1つの元を表す。
ここでαの添字はpで割った余りとします。添字の変化に着目すると、この入れ換えは1次式ax+bで定義されます。またa,bの取り方から、入れ換えは全部でp(p-1)個あります。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

以上より、初めの補足解説した所のGgは、
|Gg|=p(p-1)なのではないだろうか。念のため、こっちが正しいと思っている訳ではありません。

また、以前のよく分からない謎な部分も再掲しておきますね。

問題 10-5b
有理数係数多項式x⁵-2の群がAGL(1,5)と同型であることを示せ。

解答
α=⁵√2(実数),ζ=e^(2πi/5)とおくと、f(x)=x⁵-2の根はα,αζ,αζ²,αζ³,αζ⁴である。
ζ=(αζ)/αなので、多項式の群Gfは、Φ5(x)の群(4次巡回群と同型)を商群に持つ。
f(x)は既約なので、αの式を不変にする部分群HはGfにおいて指数5を持つ(∵Hの右傍系がf(x)の根と対応するから)。
よってGfに含まれる入れ換えの個数は20の倍数である。f(x)の根はα,αζの2つの根の式ですべて表されるので、|Gf|の条件と定理10.5の証明③より、GfはAGL(1,5)と同型である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

>f(x)は既約なので、αの式を不変にする部分群HはGfにおいて指数5を持つ(∵Hの右傍系がf(x)の根と対応するから)。
よってGfに含まれる入れ換えの個数は20の倍数である。
>ここは、よく意味が分からないので、自分の解法を作ってみた。

f(x)=x³-2として確認してみる。
この根は、ω=e^(2πi/3)と置くと、
α=³√2,αω,αω²の3つである。
αの式を不変にする入れ換えは、
e=(α αω αω²)→(α αω αω²)
(恒等入れ換え)
σ₁=(α αω αω²)→(α αω² αω)
の2つだけである。
∴H={e,σ₁}
Gfは3つの根の入れ換えより、6通りあり、
σ₂=(α αω αω²)→(αω² αω α)
σ₃=(α αω αω²)→(αω α αω²)
τ₁=(α αω αω²)→(αω αω² α)
τ₂=(α αω αω²)→(αω² α αω)
と置く。ここで、HでGfを(左剰余類で)類別して指数を求める。
eH=H
σ₁H={σ₁,σ₁²}={σ₁,e}=H
(σ²はαωとαω²の入れ換えを2回やるので元に戻るから恒等変換e)
σ₂H={σ₂,σ₂σ₁}={σ₂,τ₁}
(σ₂σ₁=τ₁は自分で確認して下さい。以後同様。)
σ₃H={σ₃,σ₃σ₁}={σ₃,τ₂}
τ₁H={τ₁,τ₁σ₁}={τ₁,σ₂}
τ₂H={τ₂,τ₂σ₁}={τ₂,σ₃}
よって、Gf/H={H,{σ₂,τ₁},{σ₃,τ₂}}より、指数は3である。
よって、「f(x)は既約なので、αの式を不変にする部分群HはGfにおいて指数5を持つ」のx⁵-2をx³-2にすると、指数3になるので確認OK。

ところで、ここに来て、気が付きました。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,…,βsになったとする。このときg(x)=(x-β₁)(x-β₂)…(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。

>f(x)は既約なので、αの式を不変にする部分群HはGfにおいて指数5を持つ(∵Hの右傍系がf(x)の根と対応するから)。

つまり、問題9-5のβを不変にする部分群Hは指数(G:H)を持ち、この値はdegg(x)=sで今回はαとβが一致している(f(x)の根の式βがαに当たりαはf(x)の根だから)のでこのf(x)とg(x)も一致しているので、f(x)の次数がsとなり、これはf(x)=x⁵-2の根の数より5となる。よって、「HはGfにおいて指数5を持つ」という事である。

また、

定理9.3(ガロワ対応(正規性))
多項式の群Gfの部分群Hについて、次は同値である。
(1)Hは、ある多項式g(x)のすべての根による式全体を不変にする部分群である。
(2)HはGfの正規部分群である。すなわちGfの任意の入れ換えσに対して、
Hσ=σH
である(Hに関する左傍系と右傍系は一致する)。
さらに、この対応においてg(x)の群Ggは商群Gf/Hと同型である。

より、Gg≃Gf/H
∴|Gg|=|Gf|/|H|
この右辺が5より、|Gf|=5|H|
また、左辺が4(|Gg|=4(4次巡回群より))より、等号で結ばれた右辺も4の倍数。
よって、|Gf|は20の倍数である。(4と5は互いに素だから。)
よって、「よってGfに含まれる入れ換えの個数は20の倍数である」も言えた。
しかし、昨日の最後の、

>f(x)の根はα,αζの2つの根の式ですべて表されるので、|Gf|の条件と定理10.5の証明③より、GfはAGL(1,5)と同型である。

定理10.5の証明③
f(x)の2つの根の式でほかの根が表されるとき、多項式の群に含まれる入れ換えの個数は高々p(p-1)個になります。実際、2個の根をどの根に入れ換えるかによって、根の入れ換えが決まるからです。このとき③は次の命題に帰着されます:
「根の入れ換えのなす群(p次対称群)の部分群Gが高々p(p-1)個の元からなり、さらにどの2つの根に対しても一方を他方に入れ換える入れ換えを含むとする。このときGに含まれる入れ換えはすべて1次式で定まる。」

|Gf|=20=5・4=p(p-1)となっていて、
また、α,αζ,αζ²,αζ³,αζ⁴はαとαζの2つの根の式で全て表されるから。
例えば、αζ³=(αζ)³/α²など。

は、20なら言えるが、20の倍数ではダメなのではないだろうか。つまり、私の解法が必要という事。
2024/9/19 13:55の投稿より

因みに、「私の解法」というのは2024/9/18 15:35の投稿にあります。

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/25 11:39 (No.1279714)削除
問題
一辺の長さが4の正方形ABCDがある。図のようにABの中点をEとし、CEを対角線とする正方形をEFCGとする。
(1)CFの長さを求めよ。
(2)BCとEFの交点をPとするとき、BP,EPの長さを求めよ。
(3)BFの長さを求めよ。
(93 洛星)

(2)は別解を2通り作ってみました。もっとも、1通りはマニアックな解法ですが。でも発展事項として載っている(解法ではないが)。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/26 07:58削除
問題
一辺の長さが4の正方形ABCDがある。図のようにABの中点をEとし、CEを対角線とする正方形をEFCGとする。
(1)CFの長さを求めよ。
(2)BCとEFの交点をPとするとき、BP,EPの長さを求めよ。
(3)BFの長さを求めよ。
(93 洛星)

模範解答
(1)CE=√(BE²+BC²)=2√5
よって、CF=(1/√2)CE=√10
(2)∠CFE=∠CBE=90°より、
4点C,F,B,Eは共円点である。
よって、C,F,B,Eの部分の図をかくと、右下図(注:半円CEを描き、その内部に直角三角形FCEとBCEがありCBとEFの交点がP。また、PからCEに垂線を下ろしその足をHとした図)のようになる。
PからCEに下した垂線の足をHとする。
△CHP∽△CBE,△EHP∽△EFCより、
PH=xとおくと、EH=x,CH=2x
CE=3x=2√5より、
x=2√5/3,ゆえに、EP=√2x
=2√10/3
BP=√(EP²-BE²)=√(2x²-2²)
=2/3
(3)△PCE∽△PFBより、
EC:BF=PE:PB
よって、2√5:BF=2√10/3:2/3
これを解いて、BF=√2
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

読めば分かるので、解説は省略。ただし、分かり難いが。

(2)の別解1(思い付いた順)
∠ECB=a,∠BEP=bと置くと、△FECは直角二等辺三角形より、∠FEC=45°
よって、△EBCの内角の和より、
a+b+90°+45°=180°
∴a+b=45°
ここで、△EBCは直角を挟む二辺の比が1:2より、発展事項の逆により、△EBPは直角を挟む二辺の比が1:3である。
よって、△EBPは1:3:√10の直角三角形でEB=2より、BP=2/3,
EP=2√10/3

発展事項
右図のように、直角を挟む2辺の比が、1:3,1:2の三角形の黒くぬった角度(注:それぞれの最鋭角)の和は45°である。
<略証>
左記解答で、PF:FC=1:3となることより。
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

この定理が逆が成り立つ事は図形的に自明である。また、算数用と中学数学用の有名な2つの証明法があるが省略。
一応、逆三角関数で証明しておく。
Arctan(1/2)+Arctan(1/3)=π(=45°)の証明
Arctanの加法定理より、
左辺=Arctan[(1/2+1/3)/{1-(1/2)(1/3)}]
=Arctan{(5/6)/(5/6)}=Arctan1=45°
=右辺
よって、示された。

別解2は次回。念のため、中学数学。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/27 07:32削除
問題
一辺の長さが4の正方形ABCDがある。図のようにABの中点をEとし、CEを対角線とする正方形をEFCGとする。
(1)CFの長さを求めよ。
(2)BCとEFの交点をPとするとき、BP,EPの長さを求めよ。
(3)BFの長さを求めよ。
(93 洛星)

(2)の別解2
BP=ⅹ、EP=yと置いて、△EBPで三平方の定理を使うと、
x²+2²=y²———①
また、PC=4-x,CE=√(BE²+BC²)=2√5
ところで、△FECは直角二等辺三角形より、PからCEに垂線を下ろしその足をHとすると、△PEHも直角二等辺三角形である。
∴PH=EH=y/√2 
∴CH=2√5-y/√2
よって、△PCHで三平方の定理を使うと、
(4-x)²=(y/√2)²+(2√5-y/√2)²
が成り立つ。
∴x²-8x+16=y²/2+20+y²/2-2√10y
∴x²-8x+16=y²-2√10y+20———②
②に①を代入すると、
x²-8x+16=x²+4-2√10y+20
∴2√10y=8x+8
∴y=4(x+1)/√10———③
③を①に代入すると、
x²+4=16(x+1)²/10
∴5(x²+4)=8(x+1)²
∴5x²+20=8(x²+2x+1)
∴3x²+16x-12=0
∴(3x-2)(x+6)=0
∴x=2/3,-6
x>0より、x=2/3 ∴BP=2/3
また、x=2/3を①に代入すると、
y²=4/9+4=40/9
y>0より、y=2√10/3
∴EP=2√10/3

センスが悪くても中学数学は三平方の定理と方程式を徹底的に練習すれば誰でも出来るようになる。(もちろん、それをきっかけに他の分野も出来るようになる。例えば、2次関数とか。因みに、整数問題とか難しい相似の問題とかは場数を踏むしかない。まぁ、ある程度の定石はあるが。)

おまけ:
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壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/26 10:47 (No.1280727)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 10-8b
可換群は可解群であることを示せ。

解答
可換群の任意の部分群は正規部分群なので、指数が素数となる部分群の列を構成すればよい。
可換群をGとおく。Gの元gをとる。gの位数がn>1のとき、nを割るpを1つとり、g'=g^(n/p)とすると、g'が生成するGの部分群はp個の元からなる。この群をHとおく。
次にHに含まれないGの元g₁をとる。(このような元がとれないときは、求めるべき部分群の列が得られたことになる。)
g₁^mがHに入るような正整数のうち最小の整数をmとする。このmを割る素数qを1つとり、g₁'=g₁^(m/q)とすると、g₁'とHで生成される部分群H₁は(H₁:H)=qをみたす。実際G/Hにおいてg₁'Hは定義より位数qの元だからである。
同様にg₂,g₃,…と構成すれば、求めるべき部分群の列が得られる。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。今回は誰かに教えてもらえる人には簡単だと思います。相変わらず、私には難解でしたが。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/26 14:01削除
解説
>可換群の任意の部分群は正規部分群なので、指数が素数となる部分群の列を構成すればよい。

定義 10.3(可解群)
有限群Gは、次の性質をみたす部分群の列
G=G₀⊃G₁⊃G₂⊃…⊃Gs={e}
を持つとき、可解である、または可解群であるという。
「i=0,1,…,s-1に対して、Gi+1はGiの正規部分群で、その商群Gi/Gi+1は1つの元で生成され、素数個の元からなる。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

「指数が素数」とは、「商群Gi/Gi+1(i=0,1,…,s-1)が素数個の元からなる」という事で、そういう部分群の列
G=G₀⊃G₁⊃G₂⊃…⊃Gs={e}
を作れれば良いという事。
また、「可換群のすべての部分群は正規部分群」なので、「Gi+1はGiの正規部分群」(i=0,1,…,s-1)は言う必要はないという事。

>可換群をGとおく。Gの元gをとる。gの位数がn>1のとき、nを割るpを1つとり、g'=g^(n/p)とすると、g'が生成するGの部分群はp個の元からなる。この群をHとおく。

この部分群Hは定義10.3の部分群Gs-1に当たり、Hは当然単位元eを含むので、Gs={e}で、 
Hの位数がpより、|H|/|{e}|=p/1=p
となるが、ここではまでだ述べていない。
「nを割るpを1つとり、g'=g^(n/p)とすると、g'が生成するGの部分群はp個の元からなる」の解説は、H={g',g'²,…,g'^p=g^n=e}だから位数がp。(g^n=eはgの位数がnだから。)

>次にHに含まれないGの元g₁をとる。(このような元がとれないときは、求めるべき部分群の列が得られたことになる。)

「このような元g₁がとれないとき」とは、Hが定義10.3のG₀となった時である。つまり、G=HだからHに含まれないGの元がない訳である。

>g₁^mがHに入るような正整数のうち最小の整数をmとする。このmを割る素数qを1つとり、g₁'=g₁^(m/q)とする

Hに入る必要がある理由は、定義10.3の、
「その商群Gi/Gi+1は1つの元で生成され、素数個の元からなる」
のHがGi+1に当たり、これ(素数個の元にできるという事)を示すからである。

>このmを割る素数qを1つとり、g₁'=g₁^(m/q)とすると、g₁'とHで生成される部分群H₁は(H₁:H)=qをみたす。

g₁'=g₁^(m/q)より、g₁'が生成する群の位数はqでHの位数はpだったので、g₁'とHで生成される部分群H₁の位数はpqである。
∴(H₁:H)=|H₁|/|H|=pq/p=q

>実際G/Hにおいてg₁'Hは定義より位数qの元だからである。

剰余群(商群)の法則より、
g₁'H・g₁'H=g₁'²H
∴g₁'^qH=eH=H(g₁'=g₁^(m/q)よりg₁の位数はqだから。)
よって、g₁'Hの位数もqという事。(念のため、剰余群G/Hの単位元はH。)

>同様にg₂,g₃,…と構成すれば、求めるべき部分群の列が得られる。

上でも述べたように、「このような元g₁がとれないとき」までで、Hが定義10.3のG₀となった時である。
因みに、Gの位数が素数pでHが単位元のみの群であるときは、定義10.3のG=G₀がGでG₁=H={e}で、|G₀|/|G₁|=p/1=pである。
(列がたった2つという事。素数pの約数はpと1のみ。)

おまけ:
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壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/24 20:13 (No.1279157)削除
問題
内角がすべて120°の六角形ABCDEFがある。
(1)AF+FE=BC+CDを証明せよ。
(2)AB=2,CD=4,EF=5,AF=3のとき、対角線ADは六角形ABCDEFの面積を、どのような比にわけるか。
(88 甲陽学院)

図は付いていません。まぁ、普通に解けました。

おまけ:
壊れた扉さん (994klpn6)2024/9/25 13:41削除
問題
内角がすべて120°の六角形ABCDEFがある。
(1)AF+FE=BC+CDを証明せよ。
(2)AB=2,CD=4,EF=5,AF=3のとき、対角線ADは六角形ABCDEFの面積を、どのような比にわけるか。
(88 甲陽学院)

模範解答
(1)図のように△PQRをつくる(注:BAの延長とEFの延長との交点をP,ABの延長とDCの延長との交点をQ,CDの延長とFEの延長との交点をRとした図)と、すべての内角が120°という条件から、黒印の角(注:△PAF,△QCB,△REDのそれぞれの2つの底角6個)はすべて60°となるので、△PQR,および網目部の三角形(注:△PAF,△QCB,△REDの事)は、すべて正三角形となる。
そこで、図のようにa~dを定める(注:PA=PF=a,QB=QC=b,RD=RE=c,PQ=QR=RP=d)と、
AF+FE=a+(d-a-c)=d-c
BC+CD=b+(d-b-c)=d-c
よって、AF+FE=BC+CD
(2)四角形ABCD=△AQD-△BQC
={(QA×QD)/(QP×QR)}×△PQR
-{(QB×QC)/(QP×QR)}×△PQR
={(6×8)/(9×9)-(4×4)/(9×9)}△PQR
=(32/81)△PQR
六角形ABCDEF=△PQR-△PAF-△BQC-△EDR
=(1-3²/9²-4²/9²-1²/9²)△PQR
=(55/81)△PQR
よって、四角形ABCD:四角形ADEF
=(32/81)△PQR:(55/81-32/81)△PQR
=32:23
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
全ての内角が120°の六角形はよく出るので、AFとCDは平行などと覚えていると図をきれいに描けるが、別に適当に描いても問題は解ける。(正三角形の3つの端点を適当な大きさの正三角形で切り取った形。)
(2)の、
△ADQ={(QA×QD)/(QP×QR)}×△PQRなどは、1つの角(ここでは∠Q)を共有した三角形の面積比の公式。

(1)の別解
BAの延長とEFの延長との交点をG,BCの延長とEDの延長との交点をHとすると、∠GAF=∠GFA=180°-120°=60°,∠HCD=∠HDC=180°-120°=60°
よって、△GAFと△HDCはそれぞれ正三角形より、AF=GF———① CD=CH———②
また、∠G=∠H=60°,∠B=∠E=120°より、四角形BHEGは平行四辺形である。(厳密には同位角で平行を言う。)
∴BH=GE ∴BC+CH=GF+FE
これに①,②を代入すると、
BC+CD=AF+FE
∴AF+FE=BC+CD
よって、示された。

因みに、きれいな図じゃなくて解きました。

おまけ:
酷いね。趣味が悪い。
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