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壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/20 11:18 (No.1244483)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題1
線型写像F:ℝ₃→ℝ₃,[x y z]→[x-y+z 2x-2y+2z -x+y-z]に対し、
(1)dim(ImF)を求めよ。
(2)dim(KerF)を求めよ。

解(1)ImF={F([x y z])|[x y z]∈ℝ₃}
={[x-y+z 2x-2y+2z -x+y-z]}
そこでImFの元を[u v w]とおくと、
u=x-y+z
v=2x-2y+2z
w=-x+y-z
よって、v=2u,w=-uとなっている。よって、
ImF={[u 2u -u]|u∈ℝ}=ℝ[1 2 -1]
[1 2 -1]は一次独立なので、ImFの基底となっている。したがって、dim(ImF)=1
(2)線型写像F:V→V'において、
dimV=dim(KerF)+dim(ImF)
が成り立つので、dim(KerF)=dimV-dim(ImF)=3-1=2となる。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

定理
線型写像F:V→V'に対し、Vが有限次元のとき
(1)dimV=dim(F^-1(0'))+dim(F(V))が成り立つ。
(2)Vの基底a₁,…,ar,b₁,…,bsを適当にとれば、F(a₁),…,F(ar)がF(V)の基底,b₁,…,bsがF^-1(0')の基底となる。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

適当に補足解説した後に、(2)は普通に解いて下の定理が便利である事を実感して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/20 13:59削除
解説
>u=x-y+z
v=2x-2y+2z
w=-x+y-z
よって、v=2u,w=-uとなっている。よって、
ImF={[u 2u -u]|u∈ℝ}=ℝ[1 2 -1]
[1 2 -1]は一次独立なので、ImFの基底となっている。したがって、dim(ImF)=1

u=x-y+z
v=2x-2y+2z
w=-x+y-z
を解いて、v=2u,w=-u
よって、v=2uまたはv=-2w
つまり、どちらにせよ直線である。よって、1次元。(念のため、参考程度で別解ではない。)

>[1 2 -1]は一次独立なので、ImFの基底となっている。

c∈ℝに対して、c[1 2 -1]=[0 0 0]とすると、c=0 よって、一次独立の定義から[1 2 -1]は1次独立という事。
また、基底の定義から、あと一次結合の形で表わせられれば良い。そこで、上より、
ImF=ℝ[1 2 -1]
よって、一次結合の形で表わせるので、[1 2 -1]は基底である。
また、次元は基底の個数より、1次元である。
∴dim(ImF)=1

定義 一次独立
線型空間Vにおいて、ベクトル列a₁,a₂,…,arに対し、
(1)c₁a₁+c₂a₂+…+crar=0 (c₁,c₂,…,cr)≠(0,0,…,0)
となる数列c₁,c₂,…,crが少なくとも1組存在することを、列a₁,a₂,…,arは一次従属であるという。線型従属または簡単に従属ともいう。
(2)一次従属の否定を一次独立,線型独立または簡単に独立などという。いい換えれば、一次独立とは、次のことが成り立つことである。
c₁a₁+c₂a₂+…+crar=0ならばかならずc₁=c₂=…=cr=0

定義と記号 一次結合
a₁,a₂,…,ar∈Vに対し、
c₁a₁+c₂a₂+…+crar
の形の元を列a₁,a₂,…,arの一次結合または線型結合という。列a₁,a₂,…,arの一次結合の全体はℝa₁+ℝa₂+…+ℝarであって、この集合はVの部分空間となっている。

定義と命題 基底
ベクトル列b₁,b₂,…,bn∈V(n≧1)において、
(1)b₁,b₂,…,bnが一次独立
(2)V=ℝb₁+ℝb₂+…+ℝbn すなわち任意のx∈Vは
x=c₁b₁+c₂b₂+…+cnbn
の2条件が成り立つとき、列b₁,b₂,…,bnをVの基底または基底列という。

これが、基底は一次独立かつ一次結合の形で表わさられれば良いという事。

定義 次元
線型空間Vにおいて、一時独立なベクトル列をすべて考え、それらの長さの最大をVの次元(dimension)といい、dimVで表す。いい換えれば、
dimV=nとは、次の(イ),(ロ)が成り立つことである。
(イ)長さnのベクトル列で一次独立なものが少なくとも一つ存在し、
(ロ)長さn+1のベクトル列はすべて一次従属である。

定理(基底の長さの一意性)
線型空間Vにおいて(n≧1)、
長さnの基底が少なくとも一つある
⇔ dimV=n

これが次元は基底の個数と一致しているという事。私の言う事なんて信じられないと思うので、補足。

「ベクトル空間における,「基底」とは,ベクトル空間の元を一次結合で表すためのものであり,「次元」は,その基底の個数を指します。」
引用元:https://mathlandscape.com/basis-dimemsion/#:~:text=%E3%83%99%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AB%E7%A9%BA%E9%96%93%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%EF%BC%8C%E3%80%8C%E5%9F%BA%E5%BA%95%E3%80%8D,%E3%81%AE%E5%80%8B%E6%95%B0%E3%82%92%E6%8C%87%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

(2)の別解は次回。昔の参考書だから分かり難いのかな?(今もあまり変わらないと思うが。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/20 15:19削除
問題1
線型写像F:ℝ₃→ℝ₃,[x y z]→[x-y+z 2x-2y+2z -x+y-z]に対し、
(1)dim(ImF)を求めよ。
(2)dim(KerF)を求めよ。

(2)の別解
F([x y z])=[x-y+z 2x-2y+2z -x+y-z]=[0 0 0]とすると、
x-y+z=0———➀
2x-2y+2z=0———②
-x+y-z=0———③
➀,②、③より、x-y+z=0
∴KerF={[x y z]∈ℝ³|x-y+z=0}
KerFの元a=[1 1 0],b=[0 1 1]がKerFの基底である事を示す。
c₁,c₂∈ℝに対して、c₁a+c₂b=0とすると、c₁a+c₂b=c₁[1 1 0]+c₂[0 1 1]=[0 0 0] 
∴[c₁ c₁+c₂ c₂]=[0 0 0]
∴c₁=c₂=0
よって、c₁a+c₂b=0⇒c₁=c₂=0より、a,bは一次独立である。
また、KerFの任意の元[u v w]に対して、[u v w]=c₁[1 1 0]+c₂[0 1 1]と置くと、u=c₁,v=c₁+c₂,w=c₂となり、
c₁=u,c₂=wと置くと、
[u v w]=u[1 1 0]+w[0 1 1]
よって、一次結合の形で表わせるので、a=[1 1 0],b=[0 1 1]は基底である。
よって、KerFの基底の個数は2個より2次元。∴dim(KerF)=2

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/16 11:47 (No.1241178)削除
問題
(ア)正方形ABCDの辺BC上の1点をPとする。∠PADの二等分線が辺DCと交わる点をQとすれば、AP=BP+DQであることを証明せよ。
(イ)正方形ABCDの辺BC,CD上に、2点P,Qを∠PAQ=45°となるようにとるとき、AからPQに下ろした垂線の長さは、この正方形の一辺の長さに等しいことを証明せよ。
(85 灘)

両方とも定石問題ですね。ただし、両方とも別解も作ってみました。1つだけでも出来たら凄いと思います。念のため、一応中学数学の範囲です。

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/5035f7275731515c3076a086c0b032c2577b1fb7?page=2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/17 07:55削除
問題
(ア)正方形ABCDの辺BC上の1点をPとする。∠PADの二等分線が辺DCと交わる点をQとすれば、AP=BP+DQであることを証明せよ。

模範解答
△ADQを、点Aを中心に時計回りに90°回転移動させると、ADはABに重なる。
△ADQ≡△ABRであるから、
∠ARB=∠AQD=∠BAQ
=∠BAP+∠PAQ
=∠BAP+∠RAB
=∠RAP
よって、△PARは、PA=PRの二等辺三角形で、
PA=PR=BP+BR=BP+DQ
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
∠BAP+∠RAB
=∠RAP
の所は、(図の〇印×印参照)と書いてあるので、∠PAQ=∠QAD=〇,∠BAP=×として下さい。
また、欄外に「BP+DQが1箇所に集まるように工夫」と書いてあるが、定石問題なので覚えておいた方が良い。因みに、私は△ABPを辺ADの外側まで回転移動させた。(つまり、逆回転という事。)

別解(私のオリジナル)
APの延長とDCの延長との交点をEとし、正方形の1辺を1,BP=x,DQ=yと置くと、△ABPでの三平方の定理より、
AP=√(1+x²) 
また、△PAB∽△PECより、
1:x=CE:1-xが成り立つ。
∴CE=(1-x)/x
また、AP:x=PE:1-xも成り立つ。
∴PE=(1-x)√(1+x²)/x
∴AE=√(1+x²)+(1-x)√(1+x²)/x
=√(1+x²)/x
ここで、△AEDで角の二等分線の定理を使うと、AE:AD=EQ:QDより、
√(1+x²)/x:1
=(1-x)/x+(1-y):yが成り立つ。
∴y√(1+x²)/x=(1-x)/x+1-y
∴y√(1+x²)=(1-x)+x(1-y)
=1-x+x-xy=1-xy
∴y√(1+x²)=1-xy
この両辺を2乗すると、
y²(1+x²)=(1-xy)²
∴y²+x²y²=x²y²-2xy+1
∴y²+2xy=1
この両辺にx²を加えると、
x²+y²+2xy=1+x²
∴(x+y)²=1+x²
ところで、x>0,y>0より、
x+y=√(1+x²)
これに、AP=√(1+x²) ,BP=x,DQ=yを代入すると、
AP=BP+DQが成り立つ。
よって、示された。

中学数学の別解2は次回。

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1811750731499872578
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/18 07:47削除
問題
(ア)正方形ABCDの辺BC上の1点をPとする。∠PADの二等分線が辺DCと交わる点をQとすれば、AP=BP+DQであることを証明せよ。

別解2とその系(思い付いた順)
BCの延長とAQの延長との交点をEとすると、角の二等分と錯角より∠PAE=∠PEAとなり、△PAEは二等辺三角形となる。∴PA=PE
ここで、正方形の1辺の長さを1とし、点Bをxy座標の原点に置き、BCをx軸,ABをy軸に取ると、
P(p,0),Q(1,q),PA=√(1+p²)より、E(p+√(1+p²),0)と置ける。
よって、直線AEの方程式は、
y=[-1/{p+√(1+p²)}]x+1
={p-√(1+p²)}x+1
∴y={p-√(1+p²)}x+1
よって、点Qのy座標はこれにx=1を代入して、y=p-√(1+p²)+1
また、点Qのy座標はqでもあるので、
q=p-√(1+p²)+1が成り立つ。
∴√(1+p²)=p+(1-q)
これにAP=√(1+p²),BP=p,DQ=1-qを代入すると、
AP=BP+DQ

別解2の系
BCの延長とAQの延長との交点をEとすると、角の二等分と錯角より∠PAE=∠PEAとなり、△PAEは二等辺三角形となる。∴PA=PE
ここで、正方形の1辺の長さを1,BP=x,DQ=yと置くと、AP=√(1+x²)より、PE=√(1+x²)
∴CE=√(1+x²)+x-1
ところで、△QDA∽△QCEより、
y:1=1-y:√(1+x²)+x-1が成り立つ。∴y{√(1+x²)+x-1}=1-y
y√(1+x²)+xy-y=1-y
∴y√(1+x²)=1-xy
この両辺を2乗すると、
y²(1+x²)=(1-xy)²
∴y²+x²y²=1+x²y²-2xy 
∴y²+2xy=1
この両辺にx²を加えると、
x²+y²+2xy=1+x²
∴(x+y)²=1+x²
x>0,y>0より、
x+y=√(1+x²)
これにBP=x,DQ=y,AP=√(1+x²)を代入すると、
AP=BP+DQ
よって、示された。

別解2の系は計算が大変でエレガントではないですね。別解1の流れからこう解くのが普通だと思いますが、運が良いと系じゃない方で解けます。
運って何なんでしょうね。笑
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10735477637.html

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11434487475.html
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/19 07:53削除
問題
(ア)正方形ABCDの辺BC上の1点をPとする。∠PADの二等分線が辺DCと交わる点をQとすれば、AP=BP+DQであることを証明せよ。

別解3(別解1のアレンジ)
正方形ABCDを横軸回転で裏返すと、正方形BADCとなり、ここで、点Aをxy座標の原点に置き、ADをx軸,ABをy軸に取る。また、正方形の1辺の長さを1とすると、P(p,1),Q(1,q)と置け、x軸上にAE=APとなる点Eを取ると、AP=√(1+p²)より、E(√(1+p²),0)
今、PEの中点をMとすると、△APEは二等辺三角形でAQは∠PAEの二等分線より、点Mは直線AQ上にある。
また、中点の座標の公式より、P(p,1),E(√(1+p²),0)からPEの中点Mの座標は、M({p+√(1+p²))/2,1/2)
よって、直線AQの方程式は、
y=[1/{p+√(1+p²)}]x
∴y=-{p-√(1+p²)}x
∴y={-p+√(1+p²)}x
よって、点Qのy座標はx=1を代入して、
q=-p+√(1+p²)
∴√(1+p²)=p+q
∴AP=BP+DQ

因みに、直線AQの方程式は、Pからx軸に垂線を下ろしその足をH,PHとAQとの交点をIとして、△APHで角の二等分線の定理を使っても求められる。
AP:AH=PI:IHより、
PI:IH=√(1+p²):p
∴IH=[p/{p+√(1+p²)}]×1
=-p{p-√(1+p²)}
∴IH/AH=-{p-√(1+p²)}
=-p+√(1+p²)
よって、直線AQの方程式は、
y={-p+√(1+p²)}x

おまけ:
https://bbs1.rocketbbs.com/shochandas/posts/2085

https://www.nikkansports.com/entertainment/photonews/photonews_nsInc_202408170000171-1.html?utm_source=headlines.yahoo.co.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=%E3%81%93%E3%82%81%E3%81%8A%E3%80%8C%E3%81%BE
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/20 07:50削除
問題
(イ)正方形ABCDの辺BC,CD上に、2点P,Qを∠PAQ=45°となるようにとるとき、AからPQに下ろした垂線の長さは、この正方形の一辺の長さに等しいことを証明せよ。
(85 灘)

模範解答
△ADQを、点Aを中心に時計回りに90°回転移動させると、ADはABに重なる。
△ARPと△AQPにおいて、
∠RAP=∠RAB+∠BAP
=∠QAD+∠BAP=45°=∠QAP———➀
APは共通———②
AR=AQ———③
➀,②,③より、△ARP≡△AQP
対応する頂点から対辺に下した垂線の長さは等しいから、題意は証明された。
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

別解1
∠BAP+∠DAQ=90°-45°=45°=∠PAQより、∠PAQを∠BAPと∠DAQの角度に分ける事が出来る。
その直線をlとして、Pから直線lに下ろした垂線の足をH,Qから直線lに下ろした垂線の足をH'とすると、直角三角形の斜辺と他の1角が等しいので、
△ABP≡△AHP,△ADQ≡△AH'Q
∴AH=AB,AH'=AD
また、正方形よりAB=ADなので、AH=AH' ところで、点Hと点H'は共に直線l上の点なので、AH=AH'より点HとH'は一致している。
よって、3点P,H,Qは一直線上にあり、それは線分PQである。
よって、点HはAからPQに下ろした垂線の足でもあり、AH=ABより、AからPQに下ろした垂線の長さは、この正方形の一辺の長さに等しい事が示された。

別解2
因みに、小学生はAP,AQを折り目にして△ABPと△ADQを折り返すと、
∠BAP+∠DAQ=90°-45°=45°=∠PAQより、∠PAQを∠BAPと∠DAQの角度に分ける事が出来るので、ABとADを一致させる事が出来る。その行き先をそれぞれB',D'とすると、点B'とD'は一致し、∠AB'D=90°,∠AD'Q=90°より3点P,B',Qは一直線上にある。
よって、点B'(点D')はAからPQに下ろした垂線の足と一致している。
ところで、AB'=ABより、AからPQに下ろした垂線の長さは、この正方形の一辺の長さに等しい事が示された。

因みに、どちらも私のオリジナルです。

おまけ:
http://blog.misscam.tv/doshisha/misato_ugaki/?p=187
返信
返信4
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/19 12:04 (No.1243674)削除
次の文章を解説して下さい。

問題 9-12b
体Kを係数とする多項式f(x)の群をGfとする。Kを含む体Mに対して、f(x)をM係数多項式とみた多項式の群をHfとおく。次の問いに答えよ。
(1)HfはGfの部分群であり、Hfに対応するf(x)の根の(K係数の)式全体はf(x)の根の式のうち、Mに含まれる式全体に一致することを示せ。
(2)MがあるK係数多項式g(x)のすべての根を用いた式全体に等しいとき、HfはGfの正規部分群であり、Gf/Hfはg(x)の群Ggの商群と同型であることを示せ。

解答
(1)Hfの元はM係数の根の式について基本定理9.1(1)をみたすので、K係数の根の式についてもこれをみたす。よってHfはGfの部分群である。Hfで不変になるK係数の根の式は、M係数の場合の(Hfの)9.1(2)の性質より、Mに含まれるものに一致する。よって(1)の後半の主張も成り立つ。
(2)Hfは(1)よりGfの部分群である。Hfで不変なf(x)の根の式全体をM₀とおく。M₀の元γにGfの元を施して得られる元をγ₁=γ,…,γsとする。
h(x)=(x-γ₁)…(x-γs)はγのK最小多項式である。同様にGgの元を施してγから得られる元をδ₁=γ,…,δtとする。
k(x)=(x-δ₁)…(x-δt)はγのK最小多項式である。よってγの最小多項式は一致する:h(x)=k(x)。したがってh(x)とk(x)の根は一致し、すべてM₀に入る。ゆえにM₀はあるK係数多項式l(x)の根すべての式全体である(「正規部分群から原始元へ」(164ページ)の後半の議論参照)。ガロワ対応よりHfはGfの正規部分群でありGf/Hfはl(x)の群Glと同型である。Ggについても同様に言え、GlはGgの商群と同型である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/19 13:59削除
解説
>(2)MがあるK係数多項式g(x)のすべての根を用いた式全体に等しいとき、HfはGfの正規部分群であり、Gf/Hfはg(x)の群Ggの商群と同型であることを示せ。

「Gf/Hfはg(x)の群Ggの商群と同型である」この表現は正しいの? というのは、

定理9.3(ガロワ対応(正規性))
多項式の群Gfの部分群Hについて、次は同値である。
(1)Hは、ある多項式g(x)のすべての根による式全体を不変にする部分群である。
(2)HはGfの正規部分群である。すなわちGfの任意の入れ換えσに対して、
Hσ=σH
である(Hに関する左傍系と右傍系は一致する)。
さらに、この対応においてg(x)の群Ggは商群Gf/Hと同型である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

とあり、「g(x)の群Ggは商群Gf/Hfと同型である」が正しいからである。ただし、言い方は本によって異なるだろうし、こういう言い方もあるのかな?
因みに、「Gf/Hfは、Gfの正規部分群Hfによる商群」ですよね。「Ggの商群」という言い方はおかしくないですか? もっとも「Gf/Hfはg(x)の群Ggの商群と同型である」では、Gf/Hfは商群かどうかもよく分かりませんが。

>M₀の元γにGfの元を施して得られる元をγ₁=γ,…,γsとする。
h(x)=(x-γ₁)…(x-γs)はγのK最小多項式である。

これは問題9-5bから分かる。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。

>同様にGgの元を施してγから得られる元をδ₁=γ,…,δtとする。
k(x)=(x-δ₁)…(x-δt)はγのK最小多項式である。

これは(1)より、「Hfに対応するf(x)の根の(K係数の)式全体はf(x)の根の式のうち、Mに含まれる式全体に一致」し、(2)の仮定より「MがあるK係数多項式g(x)のすべての根を用いた式全体に等しい」からである。
つまり、γはf(x)の根の式で、Ggはg(x)の根の入れ換えなので、本来はGgでγは変えられないが、(2)の仮定により適用出来るという事である。

>h(x)=(x-γ₁)…(x-γs)はγのK最小多項式である。同様にGgの元を施してγから得られる元をδ₁=γ,…,δtとする。
k(x)=(x-δ₁)…(x-δt)はγのK最小多項式である。よってγの最小多項式は一致する:h(x)=k(x)。

念のため、γ₁=γ,…,γsとδ₁=γ,…,δtから、γ=γ₁=δ₁で同じ根による最小多項式だから等しいという事。

>したがってh(x)とk(x)の根は一致し、すべてM₀に入る。

p.165に「Mの元γに対して、その最小多項式の根はすべてMに入る」とあり、γ₁=γ,…,γsとδ₁=γ,…,δtはh(x)=(x-γ₁)…(x-γs),k(x)=(x-δ₁)…(x-δt)の根で同じ最小多項式だったので、すべてM₀に入るという事。
この解釈は私の間違いだろうか。何故なら、p.165の話は、「根の式のなす体Mが、Gfの正規部分群Hに対応する場合」だからである。今回は、「Hfで不変なf(x)の根の式全体をM₀」なだけで、Hfが正規部分群である事は後で示す事だからである。

>ガロワ対応よりHfはGfの正規部分群でありGf/Hfはl(x)の群Glと同型である。

「ゆえにM₀はあるK係数多項式l(x)の根すべての式全体である」とあり、

定理9.3(ガロワ対応(正規性))
多項式の群Gfの部分群Hについて、次は同値である。
(1)Hは、ある多項式g(x)のすべての根による式全体を不変にする部分群である。
(2)HはGfの正規部分群である。すなわちGfの任意の入れ換えσに対して、
Hσ=σH
である(Hに関する左傍系と右傍系は一致する)。
さらに、この対応においてg(x)の群Ggは商群Gf/Hと同型である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

(1),(2)のHをHfにg(x)をl(x)にすると、HfはGfの正規部分群という事である。
また、「この対応においてl(x)の群Glは商群Gf/Hfと同型である」となりOK。

>Ggについても同様に言え、GlはGgの商群と同型である。

初めに述べたようにこの表現は正しいのだろうか?

詳しい事は専門家に訊いて下さい。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/15 12:03 (No.1240465)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 9-11b
(重根を持たない)既約3次多項式f(x)の多項式の群Gfについて次を示せ。以下においてDをf(x)の判別式とする。
(1)Dの平方根√Dが定数でないとき(すなわちx²-Dが既約なとき)、Gfはf(x)の根のすべての入れ換えからなる。つまりGfは3次対称群S₃と同型である。
(2)Dの平方根√Dが定数のとき(すなわちx²-Dが可約なとき)、Gfはf(x)の根の3つの入れ換えからなる。つまりGfは3次交代群A₃と同型である。

解答
まず、次の事実に注意する:「既約多項式f(x)の任意の2つの根α,α'について、多項式の群のある元(根の入れ換え)によりαはα'に入れ換わる。」実際、αが多項式の群の入れ換えでα₁=α,α₂,…,αsとなったとすると、g(x)=(x-α₁)…(x-αs)はαの最小多項式であり(問題9-5)、f(x)と定数倍しか違わないからである。
3次既約多項式の群は3次対称群S₃の部分群であり、上の「…」の性質を持つ部分群である。このような部分群はS₃とA₃しかない。f(x)の3つの根をα,β,γとすると√D(≠0)はδ=(α-β)(β-γ)(γ-α)の(±1)倍である。δを不変にするのはA₃だから(S₃の互換によりδは-δになる)、次のようにわかる:
√Dが定数でない ⇔ Gf=S₃である。
√Dが定数である ⇔ Gf=A₃である。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。
またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。しかし、毎回ここで終わっても仕方がないというレベルで難解ですね。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/15 14:01削除
解説
>まず、次の事実に注意する:「既約多項式f(x)の任意の2つの根α,α'について、多項式の群のある元(根の入れ換え)によりαはα'に入れ換わる。」実際、αが多項式の群の入れ換えでα₁=α,α₂,…,αsとなったとすると、g(x)=(x-α₁)…(x-αs)はαの最小多項式であり(問題9-5)、f(x)と定数倍しか違わないからである。

これは前回もやったような話である。
「f(x)は既約なので、問題9-5より、f(x)の根αはGfの根の入れ換えにより、f(x)のどの根にもなる。」(問題9-10bの解答より)
一応、前回と同じような解説をすると、

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。

「f(x)の根αの式β」をαとしてGfでαがα₁=α,α₂,…,αsになったとすると、g(x)=(x-α₁)…(x-αs)はαの最小多項式だから既約多項式でf(x)もαを根に持つ既約多項式なので、f(x)=g(x)(定数倍の違いはある)より、「f(x)の根αはGfの根の入れ換えにより、f(x)のどの根にもなる」という事。
よって、「既約多項式f(x)の任意の2つの根α,α'について、多項式の群のある元(根の入れ換え)によりαはα'に入れ換わる。」

>3次既約多項式の群は3次対称群S₃の部分群であり、上の「…」の性質を持つ部分群である。

上の「…」とは、「既約多項式f(x)の任意の2つの根α,α'について、多項式の群のある元(根の入れ換え)によりαはα'に入れ換わる。」の事である。
また、「3次既約多項式の群は3次対称群S₃の部分群」は、3次既約多項式の根はα₁,α₂,α₃の3つで、定理9.1(基本定理)より、f(x)の多項式の群Gfは「重根を持たないd次多項式f(x)に対して、その根α₁,…,αdの入れ換えのなす群」なので、S₃の部分群という訳である。

>このような部分群はS₃とA₃しかない。

つまり、「既約多項式f(x)の任意の2つの根α,α'について、多項式の群のある元(根の入れ換え)によりαはα'に入れ換わる。」という性質を持つS₃の部分群はS₃とA₃しかない理由を述べれば良い。因みに、S₃の部分群は6個ある。
(1){(1,2,3)}(本当は2段で入れ換えを表すが、書けないので入れ換わった結果だけ書く。)
(2){(1,2,3),(2,1,3)}
(3){(1,2,3),(1,3,2)}
(4){(1,2,3),(3,2,1)}
(5){(1,2,3),(2,3,1),(3,1,2)}
(6){(1,2,3),(2,1,3),…,(3,1,2)}(6個全部)
例えば、(2)の群の右の元では1と2だけ入れ換わるが、3が入れ換わらないので、「既約多項式f(x)の任意の2つの根α,α'について、多項式の群のある元(根の入れ換え)によりαはα'に入れ換わる。」という性質を満たさないからである。(「任意の」が大事である。)
よって、(5)と(6)が適正という事である。つまり、A₃とS₃。

>f(x)の3つの根をα,β,γとすると√D(≠0)はδ=(α-β)(β-γ)(γ-α)の(±1)倍である。

p.160に、
「f(x)の根をα=³√2,β=αω,γ=αω²とし、
δ=(α-β)(β-γ)(γ-α)
とします。δはf(x)の判別式の平方根です。」
とあるので、δ=±√Dという事である。
よって、「√D(≠0)はδ=(α-β)(β-γ)(γ-α)の(±1)倍である」。

>δを不変にするのはA₃だから(S₃の互換によりδは-δになる)、次のようにわかる:
√Dが定数でない ⇔ Gf=S₃である。
√Dが定数である ⇔ Gf=A₃である。

A₃とは、上の「(5){(1,2,3),(2,3,1),(3,1,2)}」である。
つまり、α→β,β→γ,γ→αにするような入れ換えである。
よって、δ=(α-β)(β-γ)(γ-α)をこれで入れ換えると、
δ'=(β-γ)(γ-α)(α-β)=δ
よって、A₃で不変である。
また、S₃は上の(6)で「(2){(1,2,3),(2,1,3)}」のような元も入っているので、これでδ=(α-β)(β-γ)(γ-α)のαとβを入れ換えると、
δ'=(β-α)(α-γ)(γ-β)
=-(α-β)(β-γ)(γ-α)=-δ
よって、δは-δになるのでS₃は不変ではない。
ところで、定理9.1(2)より、Gfのどの元で根を入れ換えても変わらない時、定数なので、
√Dが定数でない ⇔ Gf=S₃である。
√Dが定数である ⇔ Gf=A₃である。
という事である。

定理9.1(基本定理)
重根を持たないd次多項式f(x)に対して、その根α₁,・・・,αdの入れ換えのなす群Gfであって、次の性質をみたすものがただ1つ存在する。
(1)α₁,・・・,αdの2つの式が同じ値を定めるならば、Gfの各元で根を入れ換えても2式の値は等しい。すなわちg(α₁,・・・,αd)=h(α₁,・・・,αd)ならば、Gfの元でαi₁,・・・,αidと入れ換えてもg(αi₁,・・・,αid)=h(αi₁,・・・,αid)が成り立つ。
(2)α₁,・・・,αdの式に対して、その値は、Gfのどの根で入れ換えても変わらないとき、定数である。
この群Gfを多項式f(x)の群という。

次回、「δ=(α-β)(β-γ)(γ-α)
とします。δはf(x)の判別式の平方根です。」
について、多少解説しますね。ただし、中途半端です。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/15 16:37削除
補足解説
>「f(x)の根をα=³√2,β=αω,γ=αω²とし、
δ=(α-β)(β-γ)(γ-α)
とします。δはf(x)の判別式の平方根です。」
とあるので、δ=±√Dという事である。
よって、「√D(≠0)はδ=(α-β)(β-γ)(γ-α)の(±1)倍である」。

f(x)=x³-2である。
(f(x)=(x-³√2)(x-³√2ω)(x-³√2ω²)を展開すれば分かる。)
よって、δが定数になるかどうかでf(x)の群GfがS₃かA₃か判別する。
δ=(α-β)(β-γ)(γ-α)
=(³√2-³√2ω)(³√2ω-³√2ω²)(³√2ω²-³√2)
=(³√2)³(1-ω)(ω-ω²)(ω²-1)
=2ω(1-ω)²(ω²-1)
=2ω(1-2ω+ω²)(ω²-1)
=2(ω-2ω²+1)(ω²-1)
=2(-3ω²)(-2-ω)
=6ω²(ω+2)=6(1+2ω²)
=6{1+2(-1-ω)}
=6(-2ω-1)=-6(2ω+1)
よって、δ=-6(2ω+1)≠定数(有理数)なので、
「√Dが定数でない ⇔ Gf=S₃である。
√Dが定数である ⇔ Gf=A₃である。」
より、Gf=S₃である。
ところで、p.151~p.152に、
「f(x)=x³-2の場合に、多項式の群を説明します。(中略)このように原始元を入れ換えて得られる根の入れ換え全体が、多項式の群になります」とあり、
(α₁ α₂ α₃),(α₁ α₃ α₂),(α₂ α₃ α₁),
(α₂ α₁ α₃),(α₃ α₁ α₂),(α₃ α₂ α₁)
の6個があるので、Gf=S₃でOK。

ここで、p.103の命題6.1(3次方程式の解の公式)から、
α=₃√(-b/2+√D)+₃√(-b/2-√D)
β=ω₃√(-b/2+√D)+ω²₃√(-b/2-√D)
γ=ω²₃√(-b/2+√D)+ω₃√(-b/2-√D)
と置くと、
α-β=₃√(-b/2+√D)+₃√(-b/2-√D)
-{ω₃√(-b/2+√D)+ω²₃√(-b/2-√D)}
=(1-ω)₃√(-b/2+√D)+(1-ω²)₃√(-b/2-√D)
ここで、₃√(-b/2+√D)=X,
₃√(-b/2-√D)=Yと置くと、
α-β=(1-ω)X+(1-ω²)Y
同様に、β-γ=(ω-ω²)X+(ω²-ω)Y
γ-α=(ω²-1)X+(ω-1)Yとなる。
∴(α-β)(β-γ)(γ-α)
={(1-ω)X+(1-ω²)Y}{(ω-ω²)X+(ω²-ω)Y}{(ω²-1)X+(ω-1)Y}
=(1-ω){X+(1+ω)Y}・ω(1-ω)(X-Y)・(ω-1){(ω+1)X+Y}
=-ω(1-ω)³(X-Y)・{X+(1+ω)Y}・{(1+ω)X+Y}———➀
{X+(1+ω)Y}{(1+ω)X+Y}
=(1+ω)X²+XY+(1+ω)²XY+(1+ω)Y²
=(1+ω)X²+XY+(1+2ω+ω²)XY+(1+ω)Y²
=(1+ω)X²+(2+2ω+ω²)XY+(1+ω)Y²
=(1+ω)X²+(1+ω)XY+(1+ω)Y²
=(1+ω)(X²+XY+Y²)———②
②を➀に代入すると、
(α-β)(β-γ)(γ-α)
=-ω(1-ω)³(X-Y)・(1+ω)(X²+XY+Y²)
=-ω(1-ω)³(1+ω)(X-Y)(X²+XY+Y²)
=-ω(1-ω)³(1+ω)(X³-Y³)
ところで、上の計算から、
(1-ω)(ω-ω²)(ω²-1)=-3(2ω+1)なので、
(1-ω)(ω-ω²)(ω²-1)
=-ω(1-ω)(1-ω)(1+ω)(1-ω)
=-ω(1-ω)³(1+ω)
=-3(2ω+1)である。
∴(α-β)(β-γ)(γ-α)=-3(2ω+1)(X³-Y³)
また、₃√(-b/2+√D)=X,
₃√(-b/2-√D)=Yより、X³=-b/2+√D
Y³=-b/2-√D
∴X³-Y³=2√D
∴(α-β)(β-γ)(γ-α)=-3(2ω+1)・2√D
よって、(α-β)(β-γ)(γ-α)=√Dとは出来なかったが、それは、

問題 9-11b
(重根を持たない)既約3次多項式f(x)の多項式の群Gfについて次を示せ。以下においてDをf(x)の判別式とする。
(1)Dの平方根√Dが定数でないとき(すなわちx²-Dが既約なとき)、Gfはf(x)の根のすべての入れ換えからなる。つまりGfは3次対称群S₃と同型である。
(2)Dの平方根√Dが定数のとき(すなわちx²-Dが可約なとき)、Gfはf(x)の根の3つの入れ換えからなる。つまりGfは3次交代群A₃と同型である。

(重根を持たない)既約3次多項式f(x)全体だからだろう。3次方程式の解の公式は既約とか関係ないから。
それより、私が昔微分で証明した事があるが、このDがD<0ならば3つの解は3つとも実数解でD>0ならば実数解は1つだけで残り2つは虚数解である。(3次方程式はグラフを考えれば分かるが、少なくとも1つは実数解である。)
そこで、(α-β)(β-γ)(γ-α)=-3(2ω+1)・2√Dを考察する。
ω=(-1+√3i)/2より、2ω=-1+√3i
∴2ω+1=√3i
これを代入すると、
(α-β)(β-γ)(γ-α)=-3√3i・2√D
=-6√3i・√D
∴(α-β)²(β-γ)²(γ-α)²=-108D
∴D=-(α-β)²(β-γ)²(γ-α)²/108
よって、α,β,γを全て実数解にすると、
D<0である。よって、辻褄が合うが実に中途半端である。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/16 09:38削除
何でも即興でやり過ぎましたね。

>それより、私は昔微分で証明した事があるが、このDがD<0ならば3つの解は3つとも実数解でD>0ならば実数解は1つだけで残り2つは虚数解である。(3次方程式はグラフを考えれば分かるが、少なくとも1つは実数解である。)
そこで、(α-β)(β-γ)(γ-α)=-3(2ω+1)・2√Dを考察する。
ω=(-1+√3i)/2より、2ω=-1+√3i
∴2ω+1=√3i
これを代入すると、
(α-β)(β-γ)(γ-α)=-3√3i・2√D
=-6√3i・√D
∴(α-β)²(β-γ)²(γ-α)²=-108D
∴D=-(α-β)²(β-γ)²(γ-α)²/108
よって、α,β,γを全て実数解にすると、
D<0である。よって、辻褄が合うが実に中途半端である。

実数解が1つの場合は、α=a,β=b+ci,γ=b-ci(必ず共役複素数になるから。)
a,b,c,d∈ℝと置ける。
∴(α-β)²(β-γ)²(γ-α)²
=(a-b-ci)²(b+ci-b+ci)²(b-ci-a)²
={(a-b)-ci}²{-(a-b)-ci}²(2ci)²
={(a-b)²+c²}²(-4c²)
=-4c²{(a-b)²+c²}<0
∴D=-(α-β)²(β-γ)²(γ-α)²/108>0
よって、実数解が1つの場合は、D>0である。
念のため、実数解が2個の場合は重解で実数解が3個の場合である。ただし、微分でやった時の記憶ではD=0の場合が2個だったような気がする。また、上より、
「よって、α,β,γを全て実数解にすると、
D≦0である。よって、辻褄が合うが実に中途半端である。」
と訂正。(中途半端ではありませんでしたね。)

しかし、今頃別証が出来るとは不思議ですね。微分で作ったのは20年ぐらい前だと思います。

おまけ:
https://www.instagram.com/ugakimisato.mg/p/C-r7KvzyaUG/?img_index=2
返信
返信3
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/13 11:49 (No.1238866)削除
問題
1辺が6cmの立方体ABCD-EFGHの辺GHの中点をMとする。このとき、辺CG上を動く点Pと、線分BM上を動く点Qとの最短距離を求めて下さい。

参考書では中学数学で解いていますが、何でもありで解いて下さい。ただし、何も見ないで挑戦して下さい。(私は実に10年,20年ぶりぐらいの技を使いましたが、覚えていて成功しました。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/14 07:56削除
問題
1辺が6cmの立方体ABCD-EFGHの辺GHの中点をMとする。このとき、辺CG上を動く点Pと、線分BM上を動く点Qとの最短距離を求めて下さい。

解法1
立方体ABCD-EFGHのA~Hの振り方はこちらと同一で考えて下さい。https://chugakunyusisansu23.exblog.jp/iv/detail/?s=33318797&i=202306%2F27%2F07%2Fb0433107_10120541.jpg(P,Q,Rは関係ない。)
点Gをxyz座標の原点に置き、GHをx軸,GFをy軸,GCをz軸に取ると、
M(3,0,0),B(0,6,6),P(0,0,p)と置ける。ここで、↑MB=(-3,6,6)より直線BMの方向ベクトルは↑v=(-3,6,6) また、直線BMは点Mを通るので、直線BMの方程式は、
(x-3)/(-3)=(y-0)/6=(z-0)/6
よって、(x-3)/(-3)=y/6=z/6=kと置くと、x=-3k+3,y=z=6k
よって、Q(-3k+3,6k,6k)と置ける。よって、2点間の距離の公式より、
PQ=√{(-3k+3)²+(6k)²+(6k-p)²}
これを整理すると、
PQ=√(p²-12kp+81k²-18k+9)
∴PQ²=p²-12kp+81k²-18k+9
よって、L=p²-12kp+81k²-18k+9と置いて、Lの最小値を求めれば良い。
そこで、pで偏微分してイコール0とすると、
L'=2p-12k=0 ∴p=6k
これを代入すると、
L=36k²-72k²+81k²-18k+9=45k²-18k+9
これを平方完成させて最小値を求めても良いが、kで微分してイコール0とすると、
L''=90k-18=0 
∴k=18/90=1/5
これをL=45k²-18k+9に代入すると、
L=45/25-18/5+9
=9/5-18/5+45/5=36/5
∴PQ²=36/5
∴PQ=6/√5=6√5/5cm
よって、最短距離は、6√5/5cm

参考書の解法は次回。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/15 07:53削除
問題
1辺が6cmの立方体ABCD-EFGHの辺GHの中点をMとする。このとき、辺CG上を動く点Pと、線分BM上を動く点Qとの最短距離を求めて下さい。

解法2
上面から見た図を描くと、正方形ABCDの点CとGは一致し、点Dと点Hも一致する。また、CDの中点がMで、直線BMと点Cとの最短距離を求めれば良い事が分かるだろう。
よって、CからBMに下した垂線の足をIとして、CIを求めれば良い。
そこで、△BCMの面積を2通りで表すと、
3×6×(1/2)=3√5×CI×(1/2)
が成り立つ。∴CI=6/√5=6√5/5
よって、答えは、6√5/5cm

最後の所は、相似で求めても良い。つまり、直角と∠MBCの2角が等しいので、△BIC∽△BCM よって、△BCIも直角を挟む二辺の比が1:2より、CI=BC/√5=6/√5=6√5/5cm

解法1のアレンジ
中学生でも、優秀な家庭教師がいて、空間座標の直線の方程式は、A(x₁,y₁,z₁),B(x₂,y₂,z₂)とすると、直線ABの方程式は、
(x-x₁)/(x₁-x₂)=(y-y₁)/(y₁-y₂)
=(z-z₁)/(z₁-z₂)
と教えられているとする。
そこで、点Gをxyz座標の原点に置き、GHをx軸,GFをy軸,GCをz軸に取ると、M(3,0,0),B(0,6,6),P(0,0,p)と置ける。よって、直線MBの方程式は、
(x-3)/(3-0)=(y-0)/(0-6)
=(z-0)/(0-6)
∴(x-3)/3=-y/6=-z/6
この比をkと置くと、
(x-3)/3=-y/6=-z/6=k
∴x=3k+3,y=-6k,z=-6k
∴Q(3k+3,-6k,-6k)
よって、2点間の距離の公式より、
PQ=√{(3k+3)²+(6k)²+(p+6k)²}
=√{(p+6k)²+45k²+18k+9}
=√{(p+6k)²+45(k²+18k/45)+9}
=√{(p+6k)²+45(k²+2k/5)+9}
=√{(p+6k)²+45(k+1/5)²-45/25+9}
=√{(p+6k)²+45(k+1/5)²+180/25}
=√{(p+6k)²+45(k+1/5)²+36/5}
ここで、p=-6k,k=-1/5とすると、PQは最小になるので、最小値は、
√(36/5)=6/√5=6√5/5cm

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/16 07:56削除
補足解説
>中学生でも、優秀な家庭教師がいて、空間座標の直線の方程式は、A(x₁,y₁,z₁),B(x₂,y₂,z₂)とすると、直線ABの方程式は、
(x-x₁)/(x₁-x₂)=(y-y₁)/(y₁-y₂)
=(z-z₁)/(z₁-z₂)
と教えられているとする。

平面の直線の方程式は、A(x₁,y₁),B(x₂,y₂)とすると、
(x-x₁)/(x₁-x₂)=(y-y₁)/(y₁-y₂)
で求められる。

証明というより求め方。
y₁=ax₁+b———➀
y₂=ax₂+b———②
➀-②より、
y₁-y₂=a(x₁-x₂)
∴a=(y₁-y₂)/(x₁-x₂)
これを➀に代入すると、
y₁=x₁(y₁-y₂)/(x₁-x₂)+b
∴b=y₁-x₁(y₁-y₂)/(x₁-x₂)
∴y={(y₁-y₂)/(x₁-x₂)}x+y₁-x₁(y₁-y₂)/(x₁-x₂)
∴y-y₁={(y₁-y₂)/(x₁-x₂)}x-x₁(y₁-y₂)/(x₁-x₂)
∴(y-y₁)(x₁-x₂)=(y₁-y₂)x-x₁(y₁-y₂)=(y₁-y₂)(x-x₁)
∴(y-y₁)(x₁-x₂)=(y₁-y₂)(x-x₁)
∴(x-x₁)/(x₁-x₂)=(y-y₁)/(y₁-y₂)
よって、導かれた。

おまけ:
http://mainichiwanz.com/AAA/AAA_031.html
返信
返信3
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/14 10:18 (No.1239609)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 9-10b
n次既約多項式f(x)の群Gfがn個の元(根の入れ換え)からなるとき、f(x)の(任意の)根αはf(x)の原始元であることを示せ。

解答
f(x)は既約なので、問題9-5より、f(x)の根αはGfの根の入れ換えにより、f(x)のどの根にもなる。|Gf|はf(x)の次数と等しいので、αを変えない根の入れ換えは恒等入れ換えのみである。よってαの式のなす体Mを不変にするGfの部分群は恒等入れ換えのみからなる。ガロワ対応よりMはf(x)のすべての根の式のなす体と一致する。ゆえにαはf(x)の原始元である。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。
またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。相変わらず、一筋縄ではいかないですね。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/14 14:01削除
解説
>f(x)は既約なので、問題9-5より、f(x)の根αはGfの根の入れ換えにより、f(x)のどの根にもなる。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。

このg(x)は最小多項式より既約多項式である。そこで、このg(x)に問題文のf(x)に当てはめると、
f(x)=(x-α₁=α)(x-α₂)…(x-αn)(n次既約多項式だから。)
また、β=αとなり、α₁,…,αnはGfによる根αの入れ換えとなる。(f(x)=g(x)という事。)
よって、「f(x)の根αはGfの根の入れ換えにより、f(x)のどの根にもなる」という事である。

>|Gf|はf(x)の次数と等しい

「n次既約多項式f(x)の群Gfがn個の元(根の入れ換え)からなる」より、どちらもnで等しいという事である。

>αを変えない根の入れ換えは恒等入れ換えのみである。

「f(x)の根αはGfの根の入れ換えにより、f(x)のどの根にもなる」ので、αがαのままであるのは恒等入れ換えだけである。(Gfの単位元という事。)

>よってαの式のなす体Mを不変にするGfの部分群は恒等入れ換えのみからなる。

αを不変にするGfの部分群が単位元のみの群なので、αの式を不変にするGfの部分群も同じという事である。

>ガロワ対応よりMはf(x)のすべての根の式のなす体と一致する。

ガロワ対応とは、
「Gfの部分群」と「根の式のなす体」の1対1対応で、前者の根の入れ換えで後者が不変である組合せである。
そこで、Gfの部分群で単位元のみの部分群だったら恒等入れ換えなので、相手は全ての根の式全体である。
よって、「Mはf(x)のすべての根の式のなす体」という事で、上の「αの式のなす体M」と一致するという事である。

>ゆえにαはf(x)の原始元である。

よって、αの式全体の群とα₁,…,αnの式全体の群が一致しているので、α₁=αの式,α₂=αの式,…,αn=αの式と表せるので、αはf(x)の原始元であるという事。

定義8.1(原始元)
重根を持たないn次多項式f(x)の原始元βとは、次の(1),(2)をみたす複素数のことである。以下においてα₁,…,αnをf(x)の根とする。
(1)βはα₁,…,αnの式で表される。
(2)α₁,…,αnはそれぞれβの式で表される。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

念のため、(1)の方はαがf(x)の根である事より自明なので省略した。

>問題 9-10b
n次既約多項式f(x)の群Gfがn個の元(根の入れ換え)からなるとき、f(x)の(任意の)根αはf(x)の原始元であることを示せ。

蛇足だが、f(x)の根αがf(x)の原始元として、αを根とする既約多項式g(x)を作ると、g(x)=f(x)で、また、
「f(x)の原始元をβとし、βを根に持つ既約多項式をg(x)とします。多項式の群Gfを
「βをg(x)の根に入れ換えて得られるf(x)の根の入れ換え」からなる集合とします(p.153)」
より、βをα,g(x)をf(x)とすると、
「αをf(x)の根に入れ換えて得られるf(x)の根の入れ換え」からなる集合がGfとなり、問題文の「f(x)の群Gfがn個の元(根の入れ換え)からなる」と矛盾しない。(辻褄が合う。)

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/12 16:14 (No.1238227)削除
問題
AB,AC,ADがどの2つも垂直で、長さが1cmのとき、Aから△BCDに下した垂線の長さを求めよ。

図の解説:頂点がAで底面が△BCDの三角錐で条件が上の通り。

ただし、最低2通り作って下さい。4通り出来ます。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/13 07:59削除
問題
AB,AC,ADがどの2つも垂直で、長さが1cmのとき、Aから△BCDに下した垂線の長さを求めよ。

解法1
∠BAC=∠CAD=∠DAB=90°,AB=AC=ADより、二辺挟角が等しいので、△ABC≡△ACD≡△ADB
∴BC=CD=DB よって、△BCDは正三角形。よって、立体ABCDは頂点がAで底面が正三角形BCDの直正三角錐。
よって、Aから底面に下した垂線の足は正三角形BCDの重心に下りる。また、CDの中点をMとすると、点HはBM上にある。
△ACDは直角二等辺三角形より、CD=√2cm ∴CM=√2/2cm 
また、1:2:√3の三辺比より、
BM=√3CM=√6/2cm 
また、重心の性質より、
HM=BM/3=√6/6cm 
また、AM=CM=√2/2cmより、△AMHで三平方の定理を使うと、
AH=√{√2/2)²-(√6/6)²}
=√(1/2-1/6)=√(1/3)
=√3/3cm
よって、答えは、√3/3cm

解法2
AB,AC,ADがどの2つも垂直で、長さが1cmより、立体ABCDの体積は、
V=1×1×(1/2)×1×(1/3)=1/6cm²———➀
また、解法1と同様にして、立体ABCDは頂点がAで底面が正三角形BCDの直正三角錐。よって、その高さをhとすると、
V=√2×(√6/2)×(1/2)×h×(1/3)
=√3h/6cm²———②
➀,②より、√3h/6=1/6
∴h=1/√3=√3/3cm
よって、Aから△BCDに下した垂線の長さは、√3/3cm

解法3 私のオリジナル
AB,AC,ADがどの2つも垂直で、長さが1cmより、立体ABCDは1辺が1cmの立方体の一角の三角錐である。
そこで、立方体ABCD-EFGHを描いて、立体F-BEGを考える。
ここで、DB,DE,DGを結ぶと、全て正方形の対角線でDB=DE=DG=BE=BG=EG つまり、立体D-BEGは正四面体である。よって、立体F-BEGと立体D-BEGは共に直正三角錐より、DF⊥面BEGである。その交点をIとすると、FIが求める長さである。
ところで、1辺がaの正四面体の高さは公式より、h=√6a/3https://rikeilabo.com/regular-tetrahedron
よって、a=√2cmを代入すると、
DI=2√3/3cm
また、DF=√(1²+1²+1²)=√3cm
∴FI=DF-DI=√3-2√3/3
=√3/3cm
よって、答えは、√3/3cm

解法4は参考書の模範解答というよりエレガントな別解で次回。(実際は別解ではない。)

おまけ:
https://kireinotes.com/ar2980cbb260c02ed20edc30b357ae93325869dceb/

https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%E3%83%95%E3%83%AF%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93-%E6%9A%B4%E8%A8%80%E6%8A%95%E7%A8%BF%E3%81%AE%E7%9E%AC%E9%96%93-%E3%81%AB%E5%90%8C%E8%A1%8C-a%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%BD%E5%8A%A0%E7%B4%8D%E3%81%AB%E8%92%B8%E3%81%97%E8%BF%94%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B-5%E5%B9%B4%E5%89%8D%E3%81%AE%E5%B7%AE%E5%88%A5%E3%83%8D%E3%82%BF/ar-AA1oGiih?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=2da367aec3404322a9ad1e1fddd1042a&ei=8
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/13 13:16削除
問題
AB,AC,ADがどの2つも垂直で、長さが1cmのとき、Aから△BCDに下した垂線の長さを求めよ。

解法4
AB,AC,ADがどの2つも垂直で、長さが1cmより、立体ABCDは1辺が1cmの立方体の一角の三角錐である。
ここで、立方体ABCD-EFGHを頂点Cと底面EFGHの中心が一致するような角度で見た射影図を描くと、ひし形ABCDとひし形EFGHが重なった六角形ABFGHD。
https://www.sakane.net/suugaku/3zukei/32kuukanzukei/3237toueizu(riooputai-seirokkakkei).pdf(右上の図)
そして、BED∥FCHでAECGは一直線である。∴CG⊥FH(平面CFH) 
また、ひし形の対角線の1/2より、AE=EC=CG
ところで、求めたいのはCGの長さでAGの1/3。ここで、立体図からAGの長さを求めると、AG=√(1²+1²+1²)=√3
よって、答えは、√3/3cm

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/12 11:52 (No.1238029)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 9-9b
多項式f(x)のすべての根の式を利用して、(定数係数)既約多項式g(x)がg₁(x)…gs(x)と分解するとき(ただしgi(x)はf(x)の根の式を係数とする既約単多項式)、g₁(x),…,gs(x)の次数はすべて等しいことを示せ。またf(x)の群Gfに含まれる根の入れ換えでg₁(x),…,gs(x)の係数を変えると、これらの多項式が入れ換わることを示せ。

解答
h₁(x)=g₁(x)の係数にGfの入れ換えを施して得られるものをh₁(x),…,hs(x)とする。これらは互いに素な既約多項式であることに注意する。h₁(x)=g₁(x)はg(x)を割り切るのでh₁(x)k₁(x)=g(x)である。この式の返々の係数をGfで変えても等式は成り立つので(定理9.1(1))、hi(x)ki(x)=g(x)のようにhi(x)はg(x)を割り切る。したがってh(x)=h₁(x)…hs(x)はg(x)を割り切る。一方、h(x)の係数はGfの入れ換えで不変になるので、h(x)は定数を係数とする多項式である。よって単多項式g(x)の既約性よりh(x)=g(x)である。また既約多項式の積への分解の一意性より(必要なら番号を取り換えて)hi(x)=gi(x)もわかり、後半の主張もわかる。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。最低限、問題の意味と「単多項式g(x)の既約性」と「既約多項式の積への分解の一意性」の所の解説はして下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/12 14:03削除
解説
>問題 9-9b
多項式f(x)のすべての根の式を利用して、(定数係数)既約多項式g(x)がg₁(x)…gs(x)と分解するとき(ただしgi(x)はf(x)の根の式を係数とする既約単多項式)、g₁(x),…,gs(x)の次数はすべて等しいことを示せ。またf(x)の群Gfに含まれる根の入れ換えでg₁(x),…,gs(x)の係数を変えると、これらの多項式が入れ換わることを示せ。

例えば、f(x)=x³+x+2の3つの根をα₁,α₂,α₃とすると、解と係数の関係より、α₁+α₂+α₃=0,α₁α₂+α₂α₃+α₃α₁=1,α₁α₂α₃=2
よって、適当にα₁α₂α₃(α₁+α₂+α₃)などを展開した「f(x)のすべての根の式」を係数に使った既約多項式g(x)=x⁴+x³+2x²+1が出来たとする。
実際、g(x)=x⁴+(α₁α₂+α₂α₃+α₃α₁)x³+α₁α₂α₃x²+(α₁+α₂+α₃)+α₁α₂+α₂α₃+α₃α₁とすれば良い。
そして、g(x)がα₁,α₂,α₃を係数とするレベルで因数分解出来た時、それは、括弧が2個か4個か分からないが3個にはならないという定理である。
g(x)={x²+(α₁,α₂,α₃の式)x+(α₁,α₂,α₃の式}{x²+(α₁,α₂,α₃の式)x+(α₁,α₂,α₃の式}
または、
={x+(α₁,α₂,α₃の式)}{x+(α₁,α₂,α₃の式)}{x+(α₁,α₂,α₃の式)}{x+(α₁,α₂,α₃の式)}
となるが、次数が1次,1次,2次のような括弧が3個にはならないという事。
つまり、g(x)が素数次の場合は必ず1次式に分解出るという事か。(適当)

>h₁(x)=g₁(x)の係数にGfの入れ換えを施して得られるものをh₁(x),…,hs(x)とする。これらは互いに素な既約多項式であることに注意する。

g₁(x)は「ただしgi(x)はf(x)の根の式を係数とする既約単多項式」より既約多項式で、その係数をGfで入れ換えたh₁(x),…,hs(x)も既約多項式で互いに素であるという事。(既約多項式同士が互いに素は、素数同士が互いに素みたいな事。)

>h₁(x)=g₁(x)はg(x)を割り切るのでh₁(x)k₁(x)=g(x)である。この式の返々の係数をGfで変えても等式は成り立つので(定理9.1(1))、hi(x)ki(x)=g(x)のようにhi(x)はg(x)を割り切る。

定理9.1(基本定理)
重根を持たないd次多項式f(x)に対して、その根α₁,・・・,αdの入れ換えのなす群Gfであって、次の性質をみたすものがただ1つ存在する。
(1)α₁,・・・,αdの2つの式が同じ値を定めるならば、Gfの各元で根を入れ換えても2式の値は等しい。すなわちg(α₁,・・・,αd)=h(α₁,・・・,αd)ならば、Gfの元でαi₁,・・・,αidと入れ換えてもg(αi₁,・・・,αid)=h(αi₁,・・・,αid)が成り立つ。
(2)α₁,・・・,αdの式に対して、その値は、Gfのどの根で入れ換えても変わらないとき、定数である。
この群Gfを多項式f(x)の群という。

h₁(x)k₁(x)=g(x)の両辺の多項式の係数をGfで入れ換えても、係数同士が等しいので等式同士も等しいままである。
念のため、係数は変わるが等しく変わるという事。つまり、等式は違う多項式同士の等式になるという事。

>hi(x)ki(x)=g(x)のようにhi(x)はg(x)を割り切る。したがってh(x)=h₁(x)…hs(x)はg(x)を割り切る。

新しくh(x)という多項式を作るという事。そして、それはg(x)を割り切る式であるという事。

>一方、h(x)の係数はGfの入れ換えで不変になるので、h(x)は定数を係数とする多項式である。

Gfは群でその項をσ₁,…,σsとすると、
σ₁(h₁(x))=h₁(x),σ₂(h₁(x))=h₂(x),…,σs(h₁(x))=hs(x)
よって、
h(x)=h₁(x)h₂(x)…hs(x)
=σ₁(h₁(x))σ₂(h₁(x))…σs(h₁(x))
ここで、h(x)にGfをσ₁から施していくと、
σ₁σ₁=σ₁,σ₁σ₂=σ₂,…,σ₁σs=σs
σ₂σ₁=σ₂,σ₂σ₂=これはσ₁~σsのどれかになり、Gfが群である事より過不足なく他の元に移る。よって、σi(h₁(x))はh₁(x)の係数の入れ換えより、h(x)の係数は不変である。
よって、定理9.1(2)より、h(x)は定数を係数とする多項式である。

>よって単多項式g(x)の既約性よりh(x)=g(x)である。

ところで、h(x)とg(x)はh₁(x)=g₁(x)を共通因数に持っていて、定数係数の既約多項式より等しい多項式ある。
例えば、x-2-√3を共通に持っている既約多項式は、x-2=√3 ∴(x-2)²=3
よって、x²-4x+1で1つになるという事。ちょっと2次の例では納得できないかも知れないが。3次とか自分で考えてみて下さい。

>また既約多項式の積への分解の一意性より(必要なら番号を取り換えて)hi(x)=gi(x)もわかり、後半の主張もわかる。

h(x)=g(x)と上のh(x)にGfを施すと、h₁(x)~hs(x)が入れ換わる事より納得出来ると思う。

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/10 15:30 (No.1236495)削除
問題
図のように、1辺の長さが60の立方体に球Oが内接している。
(1)3点A,F,Hを通る平面で球Oを切るとき、切り口の面積を求めよ。(92 奈良育英)
(2)ADの中点をM,CDの中点をNとし、4点E,G,M,Nを通る平面で球を切るとき、切り口の面積を求めよ。(有名問題)

恥ずかしながら(2)は2回目の解答で正解でした。どうも立体図形の訓練が足りていないようですね。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/11 07:57削除
問題
図のように、1辺の長さが60の立方体に球Oが内接している。
(1)3点A,F,Hを通る平面で球Oを切るとき、切り口の面積を求めよ。(92 奈良育英)
(2)ADの中点をM,CDの中点をNとし、4点E,G,M,Nを通る平面で球を切るとき、切り口の面積を求めよ。(有名問題)

模範解答
(1)Oから平面AFHに下した垂線の長さは、対角線CEの長さの1/3の1/2,つまり1/6で、(1/6)×60√3=10√3(ミニ講座)
注:ミニ講座とは、「立体を一方向から眺めると・・・」というタイトルで、射影幾何学のようなお話。因みに、立方体ABCD-EFGHを頂点Aの後方からの視点で正方形EFGHの中心(対角線の交点)と点Aが重なるように見た図を描くと、CGAEが一直線になりOAの長さがCEの1/3の1/2になる。(平面AFHが線分HF(HAF)という事。)
よって切り口の半径は30なので、(30²-(10√3)²)π=600π
(注:「球を平面で切断したときの切り口の面積は、球の半径rと球の中心から平面までの距離hが求まれば、(r²-h²)πで求まります」というアドバイスが欄外に書かれている。)

解説
CEの長さは60√3で、その1/6が10√3より、上の公式のh=10√3
また、球の半径は60÷2=30より、
(r²-h²)π=(30²-(10√3)²)π=600πという事。

別解(小市民的解法)
AF=AH=HFより△AFHは正三角形。また、球は立方体の各面の中心と接するので、AH,AF,HFの中点で接する。
つまり、1辺の長さが60√2の正三角形の内接円の面積を求めれば良い。
よって、1:2:√3の直角三角形を利用すると、内接円の半径は、r=30√2/√3=10√6
よって、答えは、(10√6)²π=600π

ただし、模範解答の方は定石解法なので(2)の時に役に立つ。ただし、射影幾何学的なものは定石ではない。私は、うっかり忘れていたので1回目に失敗したが、考え直せば楽勝でした。(痛い3敗目ですね。)
(2)は次回。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/12 07:55削除
問題
図のように、1辺の長さが60の立方体に球Oが内接している。
(1)3点A,F,Hを通る平面で球Oを切るとき、切り口の面積を求めよ。(92 奈良育英)
(2)ADの中点をM,CDの中点をNとし、4点E,G,M,Nを通る平面で球を切るとき、切り口の面積を求めよ。(有名問題)

模範解答
(2)対称性より、Oから平面MEGNに下した垂線の足Iは、MNの中点J,EGの中点Kを結ぶ線分の上にある。
平面DHFBで立体を切断した断面の図を描くと、右図。
KJ=15√{4²+(√2)²}=45√2
△KOI∽△KJK'に注目して、
KO:KJ=OI:JK'
代入して、30:45√2=OI:15√2
これを解いて、OI=10
よって切り口の面積は、
(30²-10²)π=800π
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
要は、等脚台形MEGNで球を切った時の断面の円の面積を求めよという問題。
そこで、全く関係なく球を平面で切った図を描き、球の中心をO,断面円の中心をO'とすると、OO'⊥断面円 よって、球の半径をR,断面円の半径をrと置くと、三平方の定理より、R²=OO'²+r²が成り立つ。
ここで、等脚台形の上底辺MNの中点をP,下底辺EGの中点をQとすると、等脚台形の対称性から断面円の中心O'はPQ上にあり、OO'⊥PQ ∴∠QO'O=90°
また、点Qは底面EFGHの中心でQOの延長と上底面ABCDとの交点をRとすると、Rは正方形ABCDの中心でQR⊥面ABCD よって、∠QRP=90°
よって、△QOO'∽△QPR よって、これでOO'が求められ、また、R=60÷2=30から、R²=OO'²+r²でrが求められる。よって、πr²で答えが求められるという訳である。
(PQは等脚台形の高さで三平方の定理で求められる。)
また、△QOO'∽△QPRからOO'を求めず、PRを△DACでの中点連結定理もどきでPR=15√2と求め、△PQRでの三平方の定理より、PQ=√{(15√2)²+60²}=15√(2+4²)=15√18=45√2と求めて、△QOO'∽△QPRを利用すると、O'Q:OQ=RQ:PQより、
r:30=60:45√2=4:3√2
∴3√2r=120 ∴r=40/√2=20√2 ∴πr²=(20√2)²π=800π
と求められる。これだとR²=OO'²+r²を使わない。

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/3666e7b81bdc844d6a1a54c8337bd24cdeb0ca83?page=1
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/8 16:41 (No.1234637)削除
問題
(ア)図のように半径の等しい2つの球がたがいに外接し、1辺の長さが8cmの立方体の異なる3面にそれぞれ接している。このとき、球の半径を求めよ。
(92 東京電機大高)

図の解説:立方体ABCD-EFGHの中に同じ半径の球が入っているような図で、あってもなくても同じな図。要は、問題文の読み取り。

(イ)底面の直径が4cmの直円柱の容器の中に大きさの等しい鉄球が右の図のような状態で入り安定している。この容器に水を注ぎ、上の球がちょうど水面にかくれたときの水の深さは6cmであった。鉄球の半径を求めよ。
(87 帝塚山)

図の解説:直円柱に直円柱の半径より大きい直径の同じ大きさの球が2つ入っている。そこに水を入れて上の球が丁度水没するまでにした図。

久しぶりにうっかり2敗目(片方だけ)を喫してしまいました。そればっかりやっている訳ではないので、中学数学のマニアには勝てませんね。まぁ、何でもありが好きなんですけど。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/10 07:58削除
問題
(ア)図のように半径の等しい2つの球がたがいに外接し、1辺の長さが8cmの立方体の異なる3面にそれぞれ接している。このとき、球の半径を求めよ。
(92 東京電機大高)

図の解説:立方体ABCD-EFGHの中に同じ半径の球が入っているような図で、あってもなくても同じな図。要は、問題文の読み取り。

(イ)底面の直径が4cmの直円柱の容器の中に大きさの等しい鉄球が右の図のような状態で入り安定している。この容器に水を注ぎ、上の球がちょうど水面にかくれたときの水の深さは6cmであった。鉄球の半径を求めよ。
(87 帝塚山)

模範解答
(ア)2球の中心をP,Qとし、球の半径をrとする。また、右図の太線部(注:立方体の隅にそれぞれの球の中心から3面に垂線を下ろして作った小さな立方体が太線部)のように、P,Qから各面に垂線を下して立方体をつくる。
F,P,Q,Dは一直線上にあり、
FP=√3r,PQ=2r,QD=√3r
FP+PQ+QD=FD=√3AB=8√3
よって、√3r+2r+√3r=8√3
これを解いて、r=6-2√3(cm)
(イ)2球の中心をとおる平面でこの立方体を切ると、右図(注:1辺が4,6の長方形に2つの等円が内接しながら互いに外接している図)のようになる。
鉄球の半径をxcmとして、網目部(注:PQを斜辺とした直角三角形の残り2辺を長方形の各辺に平行に作った直角三角形)の直角三角形に三平方の定理を用いると、
PR²+QR²=PQ²より、
(4-2x)²+(6-2x)²=(2x)²
これを解いて、x=5±2√3
題意に適するのは、x<4の方で、
x=5-2√3(cm)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
>題意に適するのは、x<4の方で、

球の半径は円柱の直径より小さいので、
x<4という事。そして、x=5+2√3は不適とすぐ分かる。

(ア)の別解
断面図を描いて(イ)と同じ直角三角形PQRを作ると、PQ=2r,QR=8-2r,PR=8√2-√2r×2=2√2(4-r)
よって、△PQRで三平方の定理を使うと、
{2√2(4-r)}²+{2(4-r)}²=(2r)²
∴2(4-r)²+(4-r)²=r²
3(4-r)²=r²
∴3(r²-8r+16)=r²
∴2r²-24r+48=0
∴r²-12r+24=0
∴r=6±√12=6±2√3
ところで、r<8より、r=6-2√3
よって、答えは、6-2√3cm

参考書にも解説があるが、
「立体をBFHDで切ったときの断面図は、円がBF,DHに接しないように注意。」

うっかり接させてしまうと、PR=8√2-2rとして間違ってしまう。
念のため、断面図を描いても4点F,P,Q,Dが一直線になる事を意識出来ていれば、模範解答と同じ1次方程式で解ける。解の判別も必要なくてまさにエレガントな解法。
私は定石解法((イ)と同じ)で上の注意をうっかりミスしました。まぁ、うっかり(ケアレスミス)は練習不足の典型でしょう。

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/34621fd781b851ef795be03b6f9b5d2f8720c4c8
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/9 10:19 (No.1235228)削除
間違い探し
次の文章の間違いを探して下さい。

例題3.9.1
ℂ^x=ℂ-{0}(複素数全体から0を除いた集合)は乗法・について群
ℝ^x=ℝ-{0}(実数全体から0を除いた集合)も乗法・について群
である。今、写像fを
f:ℂ^x → ℝ^x
  z→f(z)=|z|
と定めると、fは準同型写像となることを示してみよう。


準同型写像の定義
ℂ^x∋∀z₁,z₂について
f(z₁・z₂)=f(z₁)・f(z₂)
が成立することを示せばよい。fの定義と複素数の絶対値の性質より
f(z₁・z₂)=|z₁・z₂|=|z₁|・|z₂|
=f(z₁)・f(z₂)
ゆえにfは準同型写像である。
ちなみに、fの像集合はf(ℂ^x)={x|x>0,x∈ℝ}
「ずぐわかる代数」石村園子著より

念のため、うっかりミスである。また、厳密には、|z₁・z₂|=|z₁|・|z₂|の証明が必要なので、これを使わない別解も作って下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/9 13:49削除
間違い探しの解答

例題3.9.1
ℂ^x=ℂ-{0}(複素数全体から0を除いた集合)は乗法・について群
ℝ^x=ℝ-{0}(実数全体から0を除いた集合)も乗法・について群
である。今、写像fを
f:ℂ^x → ℝ^x
  z→f(z)=|z|
と定めると、fは準同型写像となることを示してみよう。


準同型写像の定義
ℂ^x∋∀z₁,z₂について
f(z₁・z₂)=f(z₁)・f(z₂)
が成立することを示せばよい。fの定義と複素数の絶対値の性質より
f(z₁・z₂)=|z₁・z₂|=|z₁|・|z₂|
=f(z₁)・f(z₂)
ゆえにfは準同型写像である。
ちなみに、fの像集合はf(ℂ^x)={x|x>0,x∈ℝ}
「すぐわかる代数」石村園子著より

>ℝ^x=ℝ-{0}(実数全体から0を除いた集合)

f:ℂ^x → ℝ^xより、f(ℂ^x)= ℝ^x
よって、f(ℂ^x)=ℝ-{0}(実数全体から0を除いた集合)という事である。
ところが、解答の最後の所に、
f(ℂ^x)={x|x>0,x∈ℝ}とあるので、矛盾が生じる。つまり、どちらかが間違っているという事である。ところで、
f:ℂ^x → ℝ^x
  z→f(z)=|z|
であるので、f(ℂ^x)={x|x>0,x∈ℝ}が正しい。(絶対値だから。)
よって、間違いは、「ℝ^x=ℝ-{0}(実数全体から0を除いた集合)」である。

例題3.9.1(改)
ℂ^x=ℂ-{0}(複素数全体から0を除いた集合)は乗法・について群
ℝ^+={x|x>0,x∈ℝ}
も乗法・について群である(「群・環・体 入門」p.58で裏取り済み)。今、写像fを
f:ℂ^x → ℝ^+
  z→f(z)=|z|
と定めると、fは準同型写像となることを示してみよう。

別解
∀z₁,z₂∈ℂ^xに対して、
z₁=a+bi,z₂=c+di(a,b,c,d∈ℝ)と置くと、|z₁|=√(a²+b²)が絶対値の定義である。

複素数α=a+bi(a,b∈ℝ)に対して、
N(α)=α・|α=|α|²=a²+b²
T(α)=α+|α=2a
とおく。N(α)をαのノルム,T(α)をαのトレースという。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%87%E7%B4%A0%E6%95%B0%E3%81%AE%E7%B5%B6%E5%AF%BE%E5%80%A4

f(z₁・z₂)=f((a+bi)(c+di))
=f(ac-bd+(ad+bc)i)
=|(ac-bd+(ad+bc)i|
=√{(ac-bd)²+(ad+bc)²}
=√(a²c²+b²d²-2abcd+a²d²+b²c²+2abcd)
=√(a²c²+b²d²+a²d²+b²c²)
=√(a²+b²)(c²+d²)
=√(a²+b²)・√(c²+d²)
=|a+bi|・|c+di|
=|z₁|・|z₂|=f(z₁)・f(z₂)
∴f(z₁・z₂)=f(z₁)・f(z₂)
よって、fは準同型写像である。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/8 13:07 (No.1234502)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 9-8b
pを素数とし、ζ,ηをそれぞれ1の原始p乗根,1の原始p-1乗根とする。aを(ℤ/pℤ)^×の原始根とする。また係数をηのすべての式としたときのΦp(x)の群をGfとおく。このときGfはζをζ^aに取り換える根の入れ換えσで生成される(問題9-6,9-7)。
次の問いに答えよ。
(1)ξj=η^jζ^a+η^2jζ^a²+・・・
+η^(p-1)jζ^a^(p-1)(j=1,・・・,p-1)とおく。このとき根の入れ換えσによりξjはη^-jξjとなることを示せ。
(2)ζはηの式のべき根と加減乗除で表されることを示せ。

解答
まずη^(p-1)j・ζ^a^(p-1)=ζ,η^pj・ζ^a^p=η^jζ^aであることに注意する(∵η^(p-1)=1,a^(p-1)≡1 modp,a^p≡a modp)。
(1)ξjはσにより
η^jζ^a²+η^2jζ^a³+・・・+η^(p-1)ζ^a^p
=η-j・(η^2jζ^a²+η^3jζ^a³+・・・+η^pjζ^a^p)=η^-jξj
である。
(2)(1)よりξj^(p-1)はGfで不変である。よってξj^(p-1)=aj(ajはηの式)と表される。
ゆえにξj=p-1√aj(注:ajのp-1乗根という事)である。
η^j+η^2j+・・・+η^(p-1)j
=η^j(η^(p-1)-1)/(η-1)=0(j=1,2,・・・,p-2)なので、ξ₁+・・・+ξp-1=(p-1)ζである。したがって
ζ=(p-1√a₁+・・・+p-1√ap-1)/(p-1)(注:p-1√はp-1乗根でap-1はaのp-1番目という事。)
である。
(参考:(2)より「1のn乗根は(いくつかの)べき乗根の式で表される」・・・(*)n
ことがわかる。これをnに関する帰納法で示す。n=1,2は自明である。n(≧3)より小さいmに対して、1のm乗根は(*)mをみたすとする。nが素数でなければnを割り切る素数pについて(*)pが成り立つ。また1のp^2乗根は、1のp乗根ζを用いて、p√ζζ^j(注:ζのp乗根×ζ^jという事)(j=0,1,・・・,p-1)と表される(よってべき根の式で表される)。したがってnが素数でないときは(*)nが成り立つ。nが素数pのとき、本問の(2)と帰納法の仮定より(ηもべき根の式で表される)、1の原始p乗根もべき根の式で表される。ゆえに帰納法より(*)nがすべてのnについて成り立つ。)
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。
またσaσb=σabを示し、Gの元の合成と、nと互いに素な2つの数a,bの積が対応することを示せ。
したがって[a]nをσaに対応させることにより、(ℤ/nℤ)^×はGと同型である。

問題 9-7b
m,nを互いに素な正整数とする。このときΦn(x)は、1の原始m乗根ζmの有理数の式を係数に許しても、2つの1次以上の積に分解しない。つまり既約であることを示せ。

>係数をηのすべての式としたときの群をGfとおく。このときGfはζをζ^aに取り換える根の入れ換えσで生成される(問題9-6,9-7)。

この理由を分かり易く述べて下さい。因みに、「係数」の所は「定数」となっていますが、誤植ですよね。

>まずη^(p-1)j・ζ^a^(p-1)=ζ,η^pj・ζ^a^p=η^jζ^aであることに注意する(∵η^(p-1)=1,a^(p-1)≡1 modp,a^p≡a modp)。

確実に(分かり易く)証明して進んで下さい。

>(1)ξjはσにより
η^jζ^a²+η^2jζ^a³+・・・+η^(p-1)ζ^a^p
=η-j・(η^2jζ^a²+η^3jζ^a³+・・・+η^pjζ^a^p)=η^-jξj
である。

>(2)(1)よりξj^(p-1)はGfで不変である。よってξj^(p-1)=aj(ajはηの式)と表される。

>η^j+η^2j+・・・+η^(p-1)j
=η^j(η^(p-1)-1)/(η-1)=0(j=1,2,・・・,p-2)なので、ξ₁+・・・+ξp-1=(p-1)ζである。

jがp-2までの理由も述べて下さい。

「参考」以下は次の次。因みに、「また1のp^2乗根は、1のp乗根ζを用いて、p√ζζ^j(注:ζのp乗根×ζ^jという事)(j=0,1,・・・,p-1)と表される(よってべき根の式で表される)。したがってnが素数でないときは(*)nが成り立つ。」が難解でした。

問題文を映し間違えていたので訂正しました。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/8 15:40削除
解説
>係数をηのすべての式としたときの群をGfとおく。このときGfはζをζ^aに取り換える根の入れ換えσで生成される(問題9-6,9-7)。

問題文より、「pを素数とし、ζ,ηをそれぞれ1の原始p乗根,1の原始p-1乗根」としていて、pとp-1は互いに素(pは素数よりpより小さい自然数なら相手が何でも互いに素。因みに、pが素数じゃなくても連続する2整数は互いに素)なので、問題9-7bより、

問題 9-7b
m,nを互いに素な正整数とする。このときΦn(x)は、1の原始m乗根ζmの有理数の式を係数に許しても、2つの1次以上の積に分解しない。つまり既約であることを示せ。

Φp(x)は、1の原始p-1乗根の式を係数に許しても既約。よって、その条件でもΦp(x)を円分多項式扱いして良い。

定理7.1(円分多項式の既約性)
Φn(x)は有理数係数多項式として既約である。

よって、問題9-6bより、

問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。

「このときGfはζをζ^aに取り換える根の入れ換えσで生成される」という事である。

>まずη^(p-1)j・ζ^a^(p-1)=ζ,η^pj・ζ^a^p=η^jζ^aであることに注意する(∵η^(p-1)=1,a^(p-1)≡1 modp,a^p≡a modp)。

問題文より、「pを素数とし、ζ,ηをそれぞれ1の原始p乗根,1の原始p-1乗根とする。aを(ℤ/pℤ)^×の原始根とする。」
よって、η^(p-1)=1 この両辺をj乗すると、η^(p-1)j=1———➀
また、aが(ℤ/pℤ)^×の原始根より、
a^(p-1)≡1(modp)

問題4-12b
pを素数とする。このとき(ℤ/pℤ)^×はある整数aのべき集合{a,a²,・・・,a^(p-1)=1}に等しいことを示せ。このaを(ℤ/pℤ)^×の原始根という。

よって、ζ^a^(p-1)=ζ(上の関係を指数に使ったという事。)
∴ζ^(a^p/a)=ζ ∴ζ^a^p=ζ^a———②
➀×②より、
η^(p-1)j・ζ^a^p=ζ^a
この両辺にη^jを掛けると、
η^pj・ζ^a^p=η^j・ζ^a
よって、「η^pj・ζ^a^p=η^jζ^aであることに注意する」が示された。

>(1)ξjはσにより
η^jζ^a²+η^2jζ^a³+・・・+η^(p-1)jζ^a^p
=η^-j・(η^2jζ^a²+η^3jζ^a³+・・・+η^pjζ^a^p)=η^-jξj
である。

問題文より、σは「ζをζ^aに取り換える」事より、
ξj=η^jζ^a+η^2jζ^a²+・・・
+η^(p-1)jζ^a^(p-1)
のζをζ^aに入れ換えると、
η^jζ^a²+η^2jζ^a³+・・・+η^(p-1)jζ^a^p
となり、これをη^-jでくくると、
=η^-j・(η^2jζ^a²+η^3jζ^a³+・・・+η^pjζ^a^p)
となり、ここで、上で証明した「η^pj・ζ^a^p=η^jζ^aであることに注意する」を代入すると、後半は、
η^2jζ^a²+η^3jζ^a³+・・・+η^pjζ^a^p
=η^jζ^a+η^2jζ^a²+・・・
+η^(p-1)jζ^a^(p-1)=ξj
となり、入れ換えた全体は、
=η^-jξjとなる。

>(2)(1)よりξj^(p-1)はGfで不変である。よってξj^(p-1)=aj(ajはηの式)と表される。

(1)より、ξj→η^-jξj
この両方をp-1乗すると、
ξj^(p-1)→(η^-j)^(p-1)ξj^(p-1)
=(η^(p-1))^-j・ξj^(p-1)
ところで、ηは1の原始p-1乗根より、
η^(p-1)=1
よって、(η^(p-1))^-j=1より、
ξj^(p-1)→ξj^(p-1)となるので、σで不変よりGfでも不変である。

>η^j+η^2j+・・・+η^(p-1)j
=η^j(η^(p-1)-1)/(η-1)=0(j=1,2,・・・,p-2)なので、ξ₁+・・・+ξp-1=(p-1)ζである。

今、η^j+η^2j+・・・+η^(p-1)jを作り、等比数列の和の公式で求めると、
η^j+η^2j+・・・+η^(p-1)j
=η^j(1-η^(p-1)j)/(1-η^j)———☆
(初項がη^jで公比がη^jで項数がp-1個だから。つまり、模範解答は間違っている。後で述べるが、これでは(j=1,2,・・・,p-2)の理由が言えない。)
また、ηは1の原始p-1乗根より、η^(p-1)=1で、この両辺をj乗すると、
η^(p-1)j=1 これを☆に代入すると、
η^j+η^2j+・・・+η^(p-1)j=0
また、分母の1-η^jのjをj=p-1とすると、η^(p-1)=1となり分母が0となり不能である。
よって、(j=1,2,・・・,p-2)という訳である。
また、ξj=η^jζ^a+η^2jζ^a²+・・・
+η^(p-1)jζ^a^(p-1)のjをj=1,2,・・・,p-1として総和を取ると、
ξ₁=ηζ^a+η²ζ^a²+・・・+η^(p-1)ζ^a^(p-1)
ξ₂=η²ζ^a+η⁴ζ^a²+・・・+η^2(p-1)ζ^a^(p-1)



ξp-1=η^(p-1)ζ^a+η^2(p-1)ζ^a²+・・・+η^(p-1)²ζ^a^(p-1)
より、
ξ₁+・・・+ξp-1
=(η+η²+・・・+η^(p-1))ζ^a
+(η²+η⁴+・・・+η^2(p-1))ζ^a²



+(η^(p-1)+η^2(p-1)+・・・・
 +η^(p-1)²)ζ^a^(p-1)
ここで、j=1,2,・・・,p-2までは、
η^j+η^2j+・・・+η^(p-1)j=0より、
ξ₁+・・・+ξp-1=
(η^(p-1)+η^2(p-1)+・・・・+η^(p-1)²)ζ^a^(p-1)———★
また、ηは1の原始p-1乗根より、
η^(p-1)=1で、aが(ℤ/pℤ)^×の原始根より、a^(p-1)≡1(modp)なので、
★の右辺は、(1+1+・・・+1)ζ^1
=(p-1)ζ(1がp-1個より)
∴ξ₁+・・・+ξp-1=(p-1)ζ

「参考」以下は次回。次回に比べれば簡単な相手でした。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/9 07:50削除
問題 9-8b
pを素数とし、ζ,ηをそれぞれ1の原始p乗根,1の原始p-1乗根とする。aを(ℤ/pℤ)^×の原始根とする。また係数をηのすべての式としたときのΦp(x)の群をGfとおく。このときGfはζをζ^aに取り換える根の入れ換えσで生成される(問題9-6,9-7)。
次の問いに答えよ。
(1)ξj=η^jζ^a+η^2jζ^a²+・・・
+η^(p-1)jζ^a^(p-1)(j=1,・・・,p-1)とおく。このとき根の入れ換えσによりξjはη^-jξjとなることを示せ。
(2)ζはηの式のべき根と加減乗除で表されることを示せ。

解答
まずη^(p-1)j・ζ^a^(p-1)=ζ,η^pj・ζ^a^p=η^jζ^aであることに注意する(∵η^(p-1)=1,a^(p-1)≡1 modp,a^p≡a modp)。
(1)ξjはσにより
η^jζ^a²+η^2jζ^a³+・・・+η^(p-1)ζ^a^p
=η-j・(η^2jζ^a²+η^3jζ^a³+・・・+η^pjζ^a^p)=η^-jξj
である。
(2)(1)よりξj^(p-1)はGfで不変である。よってξj^(p-1)=aj(ajはηの式)と表される。
ゆえにξj=p-1√aj(注:ajのp-1乗根という事)である。
η^j+η^2j+・・・+η^(p-1)j
=η^j(η^(p-1)-1)/(η-1)=0(j=1,2,・・・,p-2)なので、ξ₁+・・・+ξp-1=(p-1)ζである。したがって
ζ=(p-1√a₁+・・・+p-1√ap-1)/(p-1)(注:p-1√はp-1乗根でap-1はaのp-1番目という事。)
である。
(参考:(2)より「1のn乗根は(いくつかの)べき乗根の式で表される」・・・(*)n
ことがわかる。これをnに関する帰納法で示す。n=1,2は自明である。n(≧3)より小さいmに対して、1のm乗根は(*)mをみたすとする。nが素数でなければnを割り切る素数pについて(*)pが成り立つ。また1のp^2乗根は、1のp乗根ζを用いて、p√ζζ^j(注:ζのp乗根×ζ^jという事)(j=0,1,・・・,p-1)と表される(よってべき根の式で表される)。したがってnが素数でないときは(*)nが成り立つ。nが素数pのとき、本問の(2)と帰納法の仮定より(ηもべき根の式で表される)、1の原始p乗根もべき根の式で表される。ゆえに帰納法より(*)nがすべてのnについて成り立つ。)
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

解説の続き
>また1のp^2乗根は、1のp乗根ζを用いて、p√ζζ^j(注:ζのp乗根×ζ^jという事)(j=0,1,・・・,p-1)と表される。

例えば、2の3乗根は、x³=2を解くが、
解は、x=³√2,³√2ω,³√2ω²である。
つまり、1の3乗根は、
x=1,1・ω,1・ω²=1,ω,ω²
また、1の4乗根は、x⁴=1を解いて、
x⁴-1=0 ∴(x²-1)(x²+1)=0
∴(x-1)(x+1)(x-i)(x+i)=0
∴x=±1,±i
∴x=i,-1,-i,1
=i,i²,i³,i⁴
∴x=1・i,1・i²,1・i³,1・i⁴
2の4乗根だったら、
x=⁴√2ⅰ,⁴√2ⅰ²,⁴√2ⅰ³,⁴√2ⅰ⁴
そこで、1の9乗根だったら、
3乗根が、x=1・ω,ω²でこのうちの1つのω(原始3乗根の1つ)を選んで、
x=³√ω・ω,³√ω・ω²,(³√ω・ω³)
とすれば、原始9乗根が求められる。
つまり、「1のp^2乗根は、1のp乗根ζを用いて、p√ζζ^j(注:ζのp乗根×ζ^jという事)(j=0,1,・・・,p-1)と表される」という事である。
念のため、p=3の場合は、ζ=ωでj=0,1,2という事である。(これでは3個だが、1とω²でも作れば9個という事である。)
一応、p√ζζ^jをp²乗すると、
(p√ζζ^j)^p²=(ζ^(1/p)・ζ^j)^p²
=ζ^p・ζ^p²j=ζ^p・(ζ^p)^pj
ところで、ζは1の原始p乗根より、
ζ^p=1 これを代入すると、
(p√ζζ^j)^p²=1でOK。
よって、p√ζζ^jは1のp²乗根である。

>したがってnが素数でないときは(*)nが成り立つ。

ここが問題である。結構悩みました。
「nが素数でなければnを割り切る素数p」はnより小さいので、数学的帰納法の仮定により、「1のp乗根は(いくつかの)べき乗根の式で表される」。
また、「1のp^2乗根は、1のp乗根ζを用いて、p√ζζ^j(j=0,1,・・・,p-1)と表される(よってべき根の式で表される)」。
このべき根の式にさらにp^2乗根を施すと、1のp^3乗根もべき根の式で表される(複素数のp乗根も複素数になる事が証明されているから)。
これを繰り返すと、1のp^a乗根は全てべき根の式で表される。
また、pとは異なる素数qについても(nより小さいので)同様の事が言え、1のq^b乗根は全てべき根の式で表される。
よって、n=p^a・q^b・・・の場合も全てべき根の形で表わされる。
よって、「nが素数でないときは(*)nが成り立つ」という事である。

>nが素数pのとき、本問の(2)と帰納法の仮定より(ηもべき根の式で表される)、

nが素数pの場合は、(2)と帰納法の仮定より成り立つ事は自明。
ここで、「ηもべき根の式で表される」は、ηは1のp-1乗根だから合成数だが、上の「nが素数でない場合」を示したから付け加えたのだろうか。ない方が分かり易いような気がするのだが。

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/beff8e14a56f60879a4dcbc9a7111e8398b9ad88
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/9 11:56削除
前々回の補足

>(2)(1)よりξj^(p-1)はGfで不変である。よってξj^(p-1)=aj(ajはηの式)と表される。

(1)より、ξj→η^-jξj
この両方をp-1乗すると、
ξj^(p-1)→(η^-j)^(p-1)ξj^(p-1)
=(η^(p-1))^-j・ξj^(p-1)
ところで、ηは1の原始p-1乗根より、
η^(p-1)=1
よって、(η^(p-1))^-j=1より、
ξj^(p-1)→ξj^(p-1)となるので、σで不変よりGfでも不変である。(引用終わり)

ξj^(p-1)はGfで不変であるので、定理9.1(2)より定数である。

定理9.1(基本定理)
重根を持たないd次多項式f(x)に対して、その根α₁,・・・,αdの入れ換えのなす群Gfであって、次の性質をみたすものがただ1つ存在する:
(1)α₁,…,αdの2つの式が同じ値を定めるならば、Gfの各元で根を入れ換えても2式の値は等しい。すなわちg(α₁,…,αd)=h(α₁,…,αd)ならば、Gfの元でαi₁,…,αidと入れ換えてもg(αi₁,…,αid)=h(αi₁,…,αid)が成り立つ。
(2)α₁,…,αdの式に対して、その値は、Gfのどの元で根を入れ換えても変わらないとき、定数である。
この群Gfを多項式f(x)の群という。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

よって、ξj^(p-1)=ajと置ける。
ここで、鋭い人は、
ξj=η^jζ^a+η^2jζ^a²+・・・
+η^(p-1)jζ^a^(p-1)(j=1,・・・,p-1)
は、Φp(x)の根ζだけの式じゃないので、定理9.1の(2)は使えないと言うかもしれない。しかし、大丈夫である。Φp(x)の係数はηの式全体なので、ηまで許されているからである。(問題9-7bと定理7.1参照)
また、(ajはηの式)については、
ξj=η^jζ^a+η^2jζ^a²+・・・
+η^(p-1)jζ^a^(p-1)(j=1,・・・,p-1)
から、ξjがηの式でξj^(p-1)もηの式になるという事だろう。定数になるのになぜわざわざ書いたのかというと、次に、
η^j+η^2j+・・・+η^(p-1)j
という式をいきなり利用するからだろう。(適当。)

おまけ:
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