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壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/22 14:03 (No.1220934)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 9-2a
次の有理数多項式の群を求めよ。
(2)x³-3x+1

解答
(2)多項式の根はα=2cos(2π/9),
β=2cos(4π/9),γ=2cos(8π/9)である(問題6-1参照)。倍角の公式を利用すると、
β=2(2cos²(2π/9)-1)=α²-2である。また3つの根の和が0なのでγ=-α-β=-α²-α-2である。よってαはx³-3x+1の原始元であり、多項式の群は、αをαに取り換える入れ換え(恒等入れ換え)、αをβに取り換える入れ換え、αをγに取り換える入れ換えの3個の入れ換えからなる。

問題 6-1a
次の3次方程式を解け。
(2)x³-3x+1=0

略解
方程式の解は、2cos(2π/9),2cos(8π/9),
2cos(4π/9)である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/22 16:05削除
解説
>多項式の根はα=2cos(2π/9),
β=2cos(4π/9),γ=2cos(8π/9)である(問題6-1参照)。倍角の公式を利用すると、
β=2(2cos²(2π/9)-1)=α²-2である。

β=2cos(4π/9)———➀
ところで、2倍角の公式は、
cos2θ=2cos²θ-1 これにθ=2π/9を代入すると、cos2(2π/9)=2cos²(2π/9)-1
∴cos(4π/9)=2cos²(2π/9)-1———②
➀,②より、
β=2(2cos²(2π/9)-1)———③
また、α=2cos(2π/9)の両辺を2乗すると、
α²=4cos²(2π/9) 
∴α²/2=2cos²(2π/9)———④
④を③に代入すると、
β=2(α²/2-1)=α²-2
という事。

>また3つの根の和が0なのでγ=-α-β=-α²-α-2である。

x³-3x+1=0の3つの解がα,β,γより、3次方程式の解と係数の関係により、
α+β+γ=0/1=0
∴γ=-α-β———➀
また、上より、β=α²-2———②
②を➀に代入すると、
γ=-α-(α²-2)=-α²-α+2
(参考書の誤植のようだ。)

>よってαはx³-3x+1の原始元であり、

α=α
β=α²-2
γ=-α²-α+2
よって、f(x)=x³-3x+1と置くと、αはf(x)の根αで表されていて、f(x)の根α,β,γは全てαで表されているので、αはf(x)=x³-3x+1の原始元である。

定義8.1(原始元)
重根を持たないn次多項式f(x)の原始元βとは、次の(1),(2)をみたす複素数のことである。以下においてα₁,・・・,αnをf(x)の根とする。
(1)βはα₁,・・・,αnの式で表される。
(2)α₁,・・・,αnはそれぞれβの式で表される。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

>多項式の群は、αをαに取り換える入れ換え(恒等入れ換え)、αをβに取り換える入れ換え、αをγに取り換える入れ換えの3個の入れ換えからなる。

f(x)の原始元αを根に持つ既約多項式g(x)はまさに=f(x)である。つまり、f(x)とg(x)は一致している。
ところで、多項式の群Gfとは、「βをg(x)の根に入れ換えて得られるf(x)の根の入れ換え」より、ここではαをα,αをβ,αをγに入れ換えたものが、Gfの全てである。(念のため、f(x)とg(x)が一致しているから。)
よって、3個の元からなる。

ところで、この3個の元の集合は群をなさない。
e=(α β γ),a=(β α γ),
b=(γ β α)
と置く(本当は2段で書きたいのだが、書けないので入れ換え後と考えて下さい)と、
aの逆元は(β α γ)=a
bの逆元は(γ β α)=b
で、それぞれ自分自身が逆元で存在している。
しかし、ab=(γ α β),ba=(β γ α)(演算は自分でやって下さい)で、この集合は演算について閉じていないからである。
だから、定理9.1(基本定理)は間違っているのだろうか。それともg(x)がf(x)と一致するような特殊な場合は当てはまらないのだろうか。

定理9.1(基本定理)
重根を持たないd次多項式f(x)に対して、その根α₁,・・・,αdの入れ換えのなす群G_fであって、次の性質をみたすものがただ1つ存在する:
(1)α₁,・・・,αdの2つの式が同じ値を定めるならば、G_fの各元で根を入れ換えても2式の値は等しい。すなわちg(α₁,・・・,αd)=h(α₁,・・・,αd)ならば、G_fの元でαi₁,・・・,αidと入れ換えてもg(αi₁,・・・,αid)=h(αi₁,・・・,αid)が成り立つ。
(2)α₁,・・・,αdの式に対して、その値は、G_fのどの元で根を入れ換えても変わらないとき、定数である。
この群G_fを多項式f(x)の群という。

念のため、最後の「この群G_fを多項式f(x)の群という」という部分だけである。
「合成に関して閉じていること」(p.154)という項があるが、g(x)の根について閉じている事を述べているだけである。
ガロワの証明の欠陥発覚なのだろうか。まぁ、「ガロワ理論の頂を踏む」石井俊全著によると登山道はいくつもあるらしいから問題ないが。(専門家に任せましょう。)

因みに、e=(α β γ),a=(β α γ),
b=(γ β α)の演算結果の、ab=(γ α β),ba=(β γ α)もg(x)の根についてもf(x)の根についても閉じている。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/21 17:13 (No.1220200)削除
問題
線分AC,BCをそれぞれ直径とする2つの半円があり、大きい半円の弦AQは、点Pで小さい半円に接しているものとする。AC=12,BC=8のとき、
(1)弦AQの長さを求めよ。
(2)網目部分の面積を求めよ。
(92 日大二)

図の解説:直径がACの半円の内部に半円BCが点Cを共有して存在している。Aから半円BCに接線を引きその接点をP,APの延長と半円ACとの交点をQとした図で、網目部分は図形PCQ。

(1)は多少の別解も考えてみて下さい。

おまけ:
https://www.amazon.co.jp/%E7%95%B0%E9%82%A6%E4%BA%BA-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%83%A5/dp/4102114017
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/22 07:58削除
問題
線分AC,BCをそれぞれ直径とする2つの半円があり、大きい半円の弦AQは、点Pで小さい半円に接しているものとする。AC=12,BC=8のとき、
(1)弦AQの長さを求めよ。
(2)網目部分の面積を求めよ。
(92 日大二)

図の解説:直径がACの半円の内部に半円BCが点Cを共有して存在している。Aから半円BCに接線を引きその接点をP,APの延長と半円ACとの交点をQとした図で、網目部分は図形PCQ。

模範解答
(1)図のようにO,O'を定める(注:半円ACの中心がOで半円BCの中心がO')。
小円の半径は4,AO'=12-4=8
よって、∠O'PA=90°,AO':O'P=8:4=2:1で、△AO'Pは30°定規。これと相似な△ACQも30°定規で、
AQ=AC×(√3/2)=6√3
(2)求める面積=△AOQ+扇形OQC-△APO'-扇形O'PC
=(√3/4)×6²+6²π×(1/6)-(1/2)×4×4√3-4²π×(1/3)
=(2/3)π+√3
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
(2)の△AOQの面積=(√3/4)×6²となっていますが、△OAQをOからAQに下ろした垂線で切って組み直して、1辺が6cmの正三角形と同じ面積と見なして、公式S=(√3/4)a²を使っているのでしょう。
https://text.tomo.school/regular-triangle-area/

(1)の別解1(私の最初の解法)
半円ACの中心をO,半円BCの中心をO'とすると、O'C=O'P=8÷2=4
∴AO'=12-4=8 また、AQは接線より、O'P⊥AQ よって、△APO'は直角三角形で、O'P:AO'=4:8=1:2より、1:2:√3の直角三角形。
∴∠PAO'=30°
また、OQを結ぶと、半径より△OAQは底角が30°の二等辺三角形なので、頂角が120°の二等辺三角形の二辺比を使うと、
AQ=√3OA
ところで、OA=12÷2=6より、
AQ=6√3
(1)の別解2
参考書に「定規の発見が鍵」とあるので、30°を使わない解法を作ってみました。
方べきの定理より、
AP²=AB・AC=(12-8)・12=48
∴AP=4√3———➀
ここで、半円BCの中心をO'とすると、AQは接線よりO'P⊥AQ ∴∠APO'=90°
また、QCを結ぶと、半円の円周角より∠AQC=90°∴∠APO'=∠AQC
また、∠Aが共通より2角が等しいので、△PAO'∽△QAC
ところで、O'C=8÷2=4,AO'=12-4=8より、AO':AC=8:12=2:3
よって、△PAO'∽△QACの相似比は2:3
∴AQ=(3/2)AP———②
➀を②に代入すると、
AQ=6√3

因みに、➀は△APO'で三平方の定理を使って求めても良いです。また、方べきの定理の代わりに、接弦定理を使って△ABP∽△APCを利用して求めても良いです。

他にも別解は何通りか作れますが、あまりエレガントではないので省略。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/20 19:55 (No.1219513)削除
問題
図のように大,小2つの円が2点A,Bで交わっている。APは小さい方の円の直径である。
AB=10,∠APB=60°,∠AQB=30°のとき、図のカゲの部分の面積を求めよ。
(89 洛星)

図の解説:大円と相似比が大円の1/2よりちょっと大きいぐらいの小円が2点A,Bで交わっている。小円が大円からはみ出る部分はほんのちょっと。
また、小円の直径APの延長と大円との交点をQとした図で、カゲの部分は大円の優弧ABと小円の優弧ABで囲まれた部分。

参考書は2通りの解法が提示されていますが、私の解法は別でした。まぁ、片方と似たようなものですが。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/21 08:04削除
問題
図のように大,小2つの円が2点A,Bで交わっている。APは小さい方の円の直径である。
AB=10,∠APB=60°,∠AQB=30°のとき、図のカゲの部分の面積を求めよ。
(89 洛星)

図の解説:大円と相似比が大円の1/2よりちょっと大きいぐらいの小円が2点A,Bで交わっている。小円が大円からはみ出る部分はほんのちょっと。
また、小円の直径APの延長と大円との交点をQとした図で、カゲの部分は大円の優弧ABと小円の優弧ABで囲まれた部分。

模範解答
大円の中心をOとすると、
∠AOB=2×∠AQB=60°=∠APB
であるから、Oは、小円の円周上にある。
網目部(注:問題文のカゲの部分)
=大円O-中心角240°の小円O'の扇形
-図形O'AB(注:図形O'ABは扇形O'ABではない。)
=大円O-中心角240°の小円O'の扇形
-(扇形OAB-△OO'A-△OO'B)
=10²π-(10/√3)²π×(2/3)
-{10²π×(1/6)-(√3/4)×10²×(2/3)}
=(550/9)π+50√3/3
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
>(√3/4)×10²×(2/3)

これは△OO'A2個分を正三角形の面積の公式を2/3にして求めていますね。

また、「Oは、小円の円周上にある。」は使わない解法でしたね。参考書の別解では使います。


参考書の別解
大円の中心をOとすると、
∠AOB=2×∠AQB=60°=∠APB
であるから、Oは、小円の円周上にある。
カゲの部分=中心角300°の大円Oの扇形-弓形OA-弓形OB
=中心角300°の大円Oの扇形-弓形OB×2
=中心角300°の大円Oの扇形-(中心角120°の小円O'の中心角120°の扇形-△O'OB)×2
=10²π×(5/6)-{(10/√3)²π×(1/3)-10×5/√3×(1/2)}×2
=500π/6-2(100π/9-25/√3)
=250π/3-200π/9+50/√3
=550π/9+50√3/3

私の解法(上の模範解答と大体同じ。)
大円の中心をO,小円の中心をO'とすると、
カゲの部分=大円O-小円O'+月形AB———➀
月形AB=扇形O'AB+△OO'A×2-扇形OAB
=(10/√3)²π×(1/3)+(10/√3)×5×(1/2)×2-10²π×(1/6)
=100π/9+50/√3-50π/3
=-50π/9+50√3/3———②
(それぞれの求め方は省略。特に△OO'AはOO'を底辺で高さをAB/2としたが、二等辺三角形O'OAで求めても良い。上(参考書の別解)ではそうした。)
②を➀に代入すると、
カゲの部分=10²π-(10/√3)²π+(-50π/9+50√3/3)
=100π-100π/3-50π/9+50√3/3
=900π/9-300π/9-50π/9+50√3/3
=550π/9+50√3/3

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/19 11:39 (No.1218151)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 9-2a
次の有理数係数多項式の群を求めよ。
(1)x³-3 (2)は省略

解答
(1)(ガロワ対応を利用してx³-2の場合とは違う議論を試みる。)
f(x)=x³-3の根はα=³√3,β=³√3ω,γ=³√3ω²である。β,γの式からγ/β=ωが得られる。よってガロワ対応から多項式の群Gfは、x²+x+1の群(2個の入れ換えからなる。問題9-1)を商群に持つ。よってGfに含まれる元の個数は2で割り切れる。
 またαをそれぞれα,β,γに取り換える入れ換えもある(もしそのような入れ換えがないと、固定される根が現れ、定数の根ができ矛盾する)。よってGfは入れ換えを3個以上含む。
 含まれる入れ換えの個数が3以上で2の倍数なのはGf=S₃(3個の根の入れ換えすべて)の場合しかない。よってGfはα,β,γのすべての入れ換えからなる。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

問題 9-1a
有理数係数多項式x²-2の群を求めよ。
(参考:一般に既約2次式f(x)の多項式の群はf(x)の根の入れ換えと、恒等入れ換えの2つからなる群である。)

具体的には、

>β,γの式からγ/β=ωが得られる。よってガロワ対応から多項式の群Gfは、x²+x+1の群(2個の入れ換えからなる。問題9-1)を商群に持つ。

>よってGfに含まれる元の個数は2で割り切れる。

>またαをそれぞれα,β,γに取り換える入れ換えもある(もしそのような入れ換えがないと、固定される根が現れ、定数の根ができ矛盾する)。よってGfは入れ換えを3個以上含む。

この3ヶ所ぐらいですね。結構苦労しました。しかし、相変わらず分からせる気0ですね。笑

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/19 13:57削除
解説
>β,γの式からγ/β=ωが得られる。よってガロワ対応から多項式の群Gfは、x²+x+1の群(2個の入れ換えからなる。問題9-1)を商群に持つ。

まず、ガロワ対応を挙げておこう。

定理9.3(ガロワ対応(正規性))
多項式の群Gfの部分群Hについて、次は同値である。
(1)Hは、ある多項式g(x)のすべての根による式全体を不変にする部分群である。
(2)HはGfの正規部分群である。すなわちGfの任意の入れ換えσに対して、
Hσ=σH
である(Hに関する左傍系と右傍系は一致する)。
さらに、この対応においてg(x)の群Ggは商群Gf/Hと同型である。

このある多項式g(x)とは何か。そこで、p.164の「ガロワ対応と正規部分群」も抜き書きする。

「重根を持たない多項式f(x)に対して、その多項式の群をGfとします。f(x)の根の式γがGfの入れ換えで、
γ₁=γ,γ₂,・・・,γs
と変わったとします。このとき
g(x)=(x-γ₁)・・・(x-γs)
は定数係数多項式で、さらにγの最小多項式になっています。」

ところで、「β,γの式からγ/β=ωが得られる」のβ,γはf(x)=x³-3の根なので、γ/β=ωはすぐ上(p.164の所)のγに当たる。
よって、「γの最小多項式になっています」からωの最小多項式を求めると、
ω=(-1+√3i)/2=xと置くと、
2x+1=√3i ∴(2x+1)²=-3
4x²+4x+4=0 ∴x²+x+1=0
よって、g(x)=x²+x+1である。
よって、Ggは「x²+x+1の群(2個の入れ換えからなる。問題9-1)」で、

問題 9-1a
有理数係数多項式x²-2の群を求めよ。
(参考:一般に既約2次式f(x)の多項式の群はf(x)の根の入れ換えと、恒等入れ換えの2つからなる群である。)

また、定理9.3より、「この対応においてg(x)の群Ggは商群Gf/Hと同型である」ので、
Gg≅Gf/H

これを、GfはGgを商群に持つと言うらしい。(本によって表現が異なっていたりして良く分からない。)

>よってGfに含まれる元の個数は2で割り切れる。

Gg≅Gf/Hより、両辺の元の個数は等しい。また、g(x)=x²+x+1で|Gg|=2だったので、2=|Gg|=|Gf/H|
ところで、|Gf/H|=|Gf:H|(定義4.3より)

定義4.3
Gを群,HをGの部分群とするとき、Hの左剰余類の集合の濃度をGにおけるHの指数といい、|G:H|で表す。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

∴|Gf:H|=2
また、ラグランジュの定理より、
|Gf|=|Gf:H|・|H|
∴|Gf|=2|H|
よって、Gfの元の個数は2の倍数より、「Gfに含まれる元の個数は2で割り切れる」という事。

定理4.4(ラグランジュの定理)
Gを有限群,HをGの部分群とすると、Gの位数はHの位数と|G:H|の積になる。すなわち、
|G|=|G:H|・|H|
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

定理4.4(ラグランジュの定理)
有限群Gの部分群Hに対して、Gに含まれる元の個数は、Hに含まれる元の個数にHの指数を掛けた数に等しい。すなわち
|G|=(G:H)|H|
が成り立つ。とくに|H|は|G|の約数である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

続きは次回。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/19 15:47削除
解説の続き
>またαをそれぞれα,β,γに取り換える入れ換えもある(もしそのような入れ換えがないと、固定される根が現れ、定数の根ができ矛盾する)。よってGfは入れ換えを3個以上含む。

例えば、(α,β,γ)→(γ,β,α)という入れ換えと恒等変換(α,β,γ)→(α,β,γ)しかGfに元がないとしたら、βが固定されて、この群にガロワ対応する体はβの式全体(だけ)である。(βが不変という事。)
という事はα,β,γの式全体などもβの式全体になり、αとγは定数(有理数)という事になって矛盾するという訳である。(α=³√3,β=³√3ω,γ=³√3ω²だから。)

注:「以下の問題において、有理数係数多項式の群は定数を有理数として考える。」(p.169)

とある。

補足(前回の補足)
定理9.3(ガロワ対応(正規性))
多項式の群Gfの部分群Hについて、次は同値である。
(1)Hは、ある多項式g(x)のすべての根による式全体を不変にする部分群である。
(2)HはGfの正規部分群である。すなわちGfの任意の入れ換えσに対して、
Hσ=σH
である(Hに関する左傍系と右傍系は一致する)。
さらに、この対応においてg(x)の群Ggは商群Gf/Hと同型である。

このある多項式g(x)とは何か。そこで、p.164の「ガロワ対応と正規部分群」も抜き書きする。

「重根を持たない多項式f(x)に対して、その多項式の群をGfとします。f(x)の根の式γがGfの入れ換えで、
γ₁=γ,γ₂,・・・,γs
と変わったとします。このとき
g(x)=(x-γ₁)・・・(x-γs)
は定数係数多項式で、さらにγの最小多項式になっています。」

>β,γの式からγ/β=ωが得られる。よってガロワ対応から多項式の群Gfは、x²+x+1の群(2個の入れ換えからなる。問題9-1)を商群に持つ。

先程は(上では)、γ/β=ωの最小多項式を作って、g(x)=x²+x+1を求めたが、今回は「f(x)の根の式γがGfの入れ換え」でg(x)を求めてみる。
上でも述べたように、γ/β=ωが「根の式γ」に当たる。つまり、γ/βをα,β,γに入れ換えて、「γ₁=γ,γ₂,・・・,γs」を求め、「g(x)=(x-γ₁)・・・(x-γs)」を求める。
α=³√3,β=³√3ω,γ=³√3ω²から、
γ/βの全ての入れ換えは、ω,ω²,1/ω,1/ω²となり、ω³=1より1/ω=ω²,1/ω²=ωとなる。つまり、ωとω²のみである。
∴g(x)=(x-ω)(x-ω²)
=x²-(ω+ω²)x+ω³―――☆
また、ω³=1,ω²+ω+1=0より、
ω+ω²=-1 これらを☆に代入すると、
g(x)=x²+x+1

おまけ:
https://archive.is/68pw5
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/18 22:11 (No.1217811)削除
問題
右図のように、半径5cmの2つの円と半径8cmの1つの円がそれぞれ互いに外接している。
次の問いに答えなさい。
(1)3つの円に外接する円Oの半径を求めなさい。
(2)3つの円が内接する円O'の半径を求めなさい。
(93 日大習志野)

図の解説:大円O'の内部に半径8cmの円と半径5cmの2つの等円が互いに外接しながら大円O'に内接している。また、内部の3つの円の隙間に円Oが3つの円と外接している図。

別に別解を作った訳ではありませんが、この問題はやります。(和算の問題にありそう。)

おまけ:
6行詩48番
古いカロンから人々はフェニックスを見るだろう
彼のつながりの最初であり最後である
フランスの中で輝き渡る。そして誰もが愛されるに値する人になる
すべての信義をもって長い間統治する
なんと(彼らは)決して彼の先駆者を持たないだろう
彼が彼の記憶すべき功績を返すだろう(先駆者を) 
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10812478117.html
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/19 07:55削除
問題
右図のように、半径5cmの2つの円と半径8cmの1つの円がそれぞれ互いに外接している。
次の問いに答えなさい。
(1)3つの円に外接する円Oの半径を求めなさい。
(2)3つの円が内接する円O'の半径を求めなさい。
(93 日大習志野)

模範解答
(1)図のように記号をふり(注:中円の中心をP₁,小円の中心を左からP₂,P₃,小円同士の接点をT)、中心線をひく。円Oの半径をxとおいて網目部の直角三角形OP₂Tに注目すると、
OP₂=x+5,TP₂=5,
OT=P₁T-OP₁=√(13²-5²)-(8+x)
=4-x
よって、三平方の定理を用いて、
(4-x)²+5²=(x+5)²
これを解いて、x=8/9(cm)
(2)(1)と同様に中心線をひいて、網目部の三角形O'P₂Tに三平方の定理を用いる。
O'T²+TP₂²=O'P₂²
より、円O'の半径をyとおくと、
(20-y)²+5²=(y-5)²
これを解いて、y=40/3(cm)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

私の解法(基本的に同じ解法)
(1)中円の中心をP₁,右小円の中心をP₂,小円同士の接点をTとすると、対称性からP₁,O',O,Tは一直線上にあり、P₁Tは円P₂の接線になるので、P₁T⊥P₂T
また、P₁P₂=8+5=13cm,P₂T=5cmより、△P₁TP₂は5,12,13の直角三角形。∴P₁T=12cm
また、円Oの半径をrと置くと、OP₂=r+5cm,P₂T=5cmより、△OTP₂で三平方の定理を使うと、
OT=√{(r+5)²-5²}
また、OP₁=r+8より、
√{(r+5)²-5²}+r+8=12が成り立つ。
∴√{(r+5)²-5²}=4-r
∴(r+5)²-5²=(4-r)²
∴r²+10r=r²-8r+16
∴18r=16 ∴r=8/9
ところで、4-r>0より、r<4
よって、適正。
よって、答えは、8/9cm
(2)大円の半径をRと置く。
ここで、O'P₂の延長と円との交点をSとすると、円の性質上、点Sは小円と大円の接点と重なる。∴O'P₂=R-5cm
よって、△O'TP₂で三平方の定理を使うと、
O'T=√{(R-5)²-5²}
また、O'P₁=R-8cm
よって、√{(R-5)²-5²}+R-8=12が成り立つ。∴√{(R-5)²-5²}=20-R
∴(R-5)²-5²=(20-R)²
∴R²-10R=R²-40R+400
∴30R=400 ∴R=40/3
ところで、20-R>0より、R<20
よって、適正。
よって、答えは、40/3cm

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/269605f26f08cbfa814117e83bb64cc6661e74df?page=2
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/18 12:00 (No.1217340)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題
G={z|z⁶=1,z∈ℂ}(1の6乗根全体)を求め、それが通常の積について巡回群であることを示しなさい。また生成元を求めなさい。

解答
複素数zをz=r(cosθ+isinθ)(r≧0)で表すとz⁶=r⁶(cosθ+isinθ)⁶=r⁶(cos6θ+isin6θ)
z⁶=1のときr⁶=1,cos6θ+isin6θ=1
これよりr=1,cos6θ=1,sin6θ=0
これをみたすθは6θ=2nπ(n∈ℤ)の形
∴r=1,θ=(n/3)π(n∈ℤ)
このうち異なった角はn=0,1,2,3,4,5のとき。
このrとθを使って
z₁=cos0+isin0=1
z₂=cos(π/3)+isin(π/3)=1/2+(√3/2)ⅰ
z₃=cos(2π/3)+isin(2π/3)=-1/2+(√3/2)ⅰ
z₄=cos(3π/3)+isin(3π/3)=-1
z₅=cos(4π/3)+isin(4π/3)=-1/2-(√3/2)ⅰ
z₆=cos(5π/3)+isin(5π/3)=1/2-(√3/2)ⅰ
とおくとG={z₁,z₂,z₃,z₄,z₅,z₆}
(G1)(G1)は成立。(G2)単位元はz₁=1
(G3)各逆元はz₁^-1=z₁,z₂^-1=z₆,z₃^-1=z₅,z₄^-1=z₄,z₅^-1=z₃,z₆^-1=z₂で存在する。以上よりGは群である。さらにz₁¹=z₁;z₂¹=z₂,z₂³=z₄,z₂⁴=z₅,z₂⁵=z₆,z₂⁶=1;z₃¹=z₃,z₃²=z₅,z₃³=z₁;z₄¹=z₄,z₄²=z₁;z₅¹=z₅,z₅²=z₃,z₅³=z₁;z₆¹=z₆,z₆²=z₅,z₆³=z₄,z₆⁴=z₃,z₆⁵=z₂,z₆⁶=z₁
これらよりG=<z₂>=<z₆>の巡回群である。
「すぐわかる代数」石村園子著より

別解を作ってみて下さい。
因みに、上の逆元や累乗の求め方は、こちらの図https://www.shokabo.co.jp/column-math/jpg/015-fig04.jpgのn=6の方の実数1をz₁として反時計回りにz₆まで振って考えて下さい。(逆元は実軸に対して対称な点で、累乗は累乗分回転させている事が分かるでしょう。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/18 13:33削除
問題
G={z|z⁶=1,z∈ℂ}(1の6乗根全体)を求め、それが通常の積について巡回群であることを示しなさい。また生成元を求めなさい。

別解
z⁶-1=0より、(z³+1)(z³-1)=0
∴(z+1)(z²-z+1)(z-1)(z²+z+1)=0
z=±1,(1±√3i)/2,
(-1±√3i)/2
∴G={(-1-√3i)/2,-1,
(-1+√3i)/2,1,(1-√3i)/2,
(1+√3i)/2}
ところで、±1は2乗すると1になり巡回群の生成元にはなり得ない。
また、(-1+√3i)/2=ωで、ωも3乗すると1になり6個全てを表せないので、巡回群の生成元にはなり得ない。-ωも同様。
よって、候補は(1±√3i)/2の2つだけである。
{(1+√3i)/2}¹=(1+√3i)/2
{(1+√3i)/2}²=(-2+2√3i)/4
=(-1+√3i)/2
{(1+√3i)/2}³
={(-1+√3i)/2}{(1+√3i)/2}
=(-1-3)/4=-1
{(1+√3i)/2}⁴
=-1・{(1+√3i)/2}
=-(1+√3i)/2
{(1+√3i)/2}⁵
={-(1+√3i)/2}{(1+√3i)/2}
=-(1+√3i)²/4
=-(-2+2√3i)/4
=(1-√3i)/2
{(1+√3i)/2}⁶
={(1-√3i)/2}{(1+√3i)/2}
=(1+3)/4=1
よって、(1+√3i)/2,
(-1+√3i)/2,-1,
-(1+√3i)/2,(1-√3i)/2,1
より、累乗で6個の元全てを表せるので、
(1+√3i)/2は生成元でGは巡回群である。

また、(1-√3i)/2も生成元になるが、別に1個示せば十分なので、省略。

因みに、模範解答では、
「(G1)(G1)は成立。(G2)単位元はz₁=1
(G3)各逆元はz₁^-1=z₁,z₂^-1=z₆,z₃^-1=z₅,z₄^-1=z₄,z₅^-1=z₃,z₆^-1=z₂で存在する。以上よりGは群である。」
と群である事も示しているが、これは必要ない。(もちろん、初学者のためにわざと付けたのだろう。)

定義3.4
群Gのすべての元がGのある元aの累乗になっているとき、Gはaで生成された巡回群であるといい、aをその生成元という。すなわち、
G:巡回群 ⇔ ∃a∈G,G=<a>
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

群Gが前提となっているので、群Gである事の証明も必要かと思うかもしれないが、

定理3.1
aの累乗の全体からなるGの部分集合<a>={a^n|n∈ℤ}はGの部分群になる。また、この群はaを含むGの最小の部分群である。}
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

Gは群とは定義されていないのである。つまり、累乗のnが自然数ではなく整数である事から逆元や単位元や結合律や「累乗の全体」から閉じている事が自明なので、暗黙の了解で群になるという前提なのだろう。
よって、群の証明は必要ないという事である。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/16 12:00 (No.1215668)削除
問題
右図の半円Oの半径は3cmで、BC=CD=2cmである。このとき、ADの長さを求めよ。
(89 東京農大一)

図の解説:半円の直径がAB(左から右にA,B)で中心がO。半円の円周上中央やや右に点Dがあり、弧BDの真ん中に点Cがあり、四角形ABCDが描かれた図。

解答を見る前に3通り作ってみたら、模範解答の方も3通り(2通り半ぐらいの書き方)で共通しているのは1通りだけでした。私にとっての模範解答でしたが、参考書では別解でした。
とにかく、中学数学で5通りは出来るので頑張ってみて下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/17 07:58削除
問題
右図の半円Oの半径は3cmで、BC=CD=2cmである。このとき、ADの長さを求めよ。
(89 東京農大一)

模範解答
図のように、OC,BDを結んでその交点をEとする。BC=CD=2(cm)
OB=OD=3(cm)より、
△OBC≡△ODC
よって、OC⊥BD
いま、OE=xとおくと、
OB²-OE²=BE²=BC²-CE²
これにわかっている数値とxを代入して、
3²-x²=2²-(3-x)²
これを解いて、x=7/3
△BADに中点連結定理を用いて、
AD=2x=14/3(cm)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
>BC=CD=2(cm)
OB=OD=3(cm)より、
△OBC≡△ODC

三辺相等より。

>よって、OC⊥BD

イメージ的には自明そうだが、厳密に述べよう。
△OBC≡△ODCより、
∠OBC=∠ODC 
よって、OCは∠BODの二等分線。
また、半径よりOB=ODなので、△OBDは二等辺三角形。よって、OEは二等辺三角形の頂角BODの二等分線なので、底辺BDと直交する。
∴OE⊥BD ∴OC⊥BD

>OB²-OE²=BE²=BC²-CE²

△BOEと△BCEでの三平方の定理をBEで共通して使っているという事。

別解は次回。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/17 09:47削除
問題
右図の半円Oの半径は3cmで、BC=CD=2cmである。このとき、ADの長さを求めよ。
(89 東京農大一)

参考書の別解1
AD,BCの各延長の交点をPとすると、
∠ACB=∠ACP=90°・・・➀
ACは共通・・・②
∠BAC=∠PAC・・・③
(同じ長さの弦を見込む円周角)
➀,②,③より、△ABC≡△APC
よって、AP=AB=6(cm),
PC=BC=2(cm)
いま、方べきの定理より、
PC×PB=PD×PA
ゆえにPD=(PC×PB)/PA
=(2×4)/6=4/3
よって、AD=AP-DP=14/3(cm)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

参考書の別解2
OC,BDを結んでその交点をEとすると、
参考書の模範解答と同様に、OC⊥BD
また、半径よりOB=OC=3cm,
BC=2cm
ここで、OからBCに垂線を下ろしその足をHとすると、△OBCは二等辺三角形より点HはBCの中点。∴BH=1cm
よって、△OBHで三平方の定理を使うと、
OH=√(3²-1²)=√8=2√2cm
よって、△OBCの面積を2通りで表すと、
BC×OH×(1/2)=OC×BE×(1/2)
∴2×2√2×(1/2)=3×BE×(1/2)
∴BE=4√2/3cm
よって、△OBEで三平方の定理を使うと、
OE=√{3²-(4√2/3)²}
=√(9-32/9)=√(49/9)=7/3cm
ところで、上の模範解答の私の解説より「OEは二等辺三角形の頂角BODの二等分線なので」点Eは底辺BDの中点。
また、点OはBAの中点なので、△BADでの中点連結定理より、
AD=2OE=14/3cm

上の模範解答の解説では、うっかり
「△BADに中点連結定理を用いて、
AD=2x=14/3(cm)」
の解説を忘れてしまいましたね。

私の別解2通りは次回。私の模範解答は「参考書の別解1」です。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/18 07:56削除
問題
右図の半円Oの半径は3cmで、BC=CD=2cmである。このとき、ADの長さを求めよ。
(89 東京農大一)

私の別解1
AC,BDを結ぶと、円周角より∠BAC=∠BDC=●と置く。
ここで、BC=CDより△CDBは底角が●の二等辺三角形。
また、OCを結ぶと、半径より△OACも底角が●の二等辺三角形。
よって、△CDB∽△OACである。
また、ABは直径より∠ACB=90°,BC=2cm,AB=3×2=6cmより、△ABCで三平方の定理を使うと、
AC=√(6²-2²)=√32=4√2cm
よって、△CDB∽△OACより、
3:4√2=2:BDが成り立つ。
∴BD=8√2/3cm
また、ABが直径より∠ADBも90°よって、△DABで三平方の定理を使うと、
AD=√{6²-(8√2/3)²}
=√(36-128/9)=√(196/9)
=14/3cm
よって、答えは、14/3cm

私の別解2
ABの延長とDCの延長との交点をEとし、
BE=x,CE=yと置いて方べきの定理を使うと、x(x+6)=y(y+2)———➀
また、OCを結ぶと、BC=CDより、弧BC=弧CE ∴∠BOC=∠COD
よって、円周角と中心角の関係より、
∠BOC=∠BADとなる。
よって、同位角が等しいので、OC∥AD
∴x+3:3=y:2
∴y=2(x+3)/3———②
②を➀に代入すると、
x(x+6)={2(x+3)/3}{2(x+3)/3+2}
∴9x(x+6)={2(x+3)}{2(x+3)+6}
∴9x(x+6)=2(x+3)(2x+12)
∴9x(x+6)=4(x+3)(x+6)
x+6≠0より、
9x=4(x+3) ∴5x=12
∴x=12/5cm
∴EO=3+12/5=27/5cm
EA=27/5+3=42/5cm
ところで、△EOC∽△EADより、
EO:OC=EA:AD
∴27/5:3=42/5:AD
∴AD=3(42/5)(5/27)=42/9
=14/3cm
よって、答えは、14/3cm

おまけ:
https://eow.alc.co.jp/search?q=fantasy
返信
返信3
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/16 15:39 (No.1215805)削除
次の文章を完全解説して下さい。

系9.5(不変な式と定数)
重根を持たない既約多項式f(x)の1つの根α=α₁の式によって、f(x)の他のすべての根α₂,・・・,αnが表されているとする。このとき、αの式g(α)の値がg(α₂),g(α₃),・・・,g(αn)の値とすべて等しいならば、g(α)は定数である。

証明
 g(α)のK係数の式全体をLとし、αのL最小多項式をh(x)=h(x,g(α))とします。ここでh(x)の係数がg(α)の式であることを強調するためにh(x,g(α))と書きました。
 仮定よりαはf(x)の原始元なので、定理9.1(1)の証明より、αをα₁に入れ換えるのは式の形によりません。よって、h(α)=h(α,g(α))=0においてαをαiに入れ換えると、
h(αi,g(αi))=0 ∴g(αi)=g(α)(仮定)よりh(αi,g(α))=0
 つまりh(x)はα₁,・・・,αnをすべて根に持ちます。ゆえにdegh(x)≧degf(x)なのでdegh(x)=degf(x)です。したがって補題9.4よりLは定数からなり、とくにg(α)は定数です。

補題9.4(定数の一意性)
f(x)を、体Kを係数とする既約多項式とする。またαをf(x)の1つの根とし、体LはKを含み、αの式全体に含まれるとする:K⊂L⊂(αのK係数の式全体)。g(x)をαのL最小多項式とする。もしK≠Lならば、degg(x)<degf(x)である。言い換えると、degf(x)=degg(x)ならばL=Kである。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。

注:「定理9.1(1)の証明より」
定理9.1(1)の証明は、長過ぎて抜き書きできません。スルーしても良いですが、本を持っている人は解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/17 14:00削除
解説
>仮定よりαはf(x)の原始元

仮定は、「f(x)の1つの根α=α₁の式によって、f(x)の他のすべての根α₂,・・・,αnが表されている」という事で、原始元の定義は、

定義8.1(原始元)
重根を持たないn次多項式f(x)の原始元βとは、次の(1),(2)をみたす複素数のことである。以下においてα₁,・・・,αnをf(x)の根とする。
(1)βはα₁,・・・,αnの式で表される。
(2)α₁,・・・,αnはそれぞれβの式で表される。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

で、αはα=α₁よりf(x)の根で表されているので(1)を満たす。
また、「f(x)の他のすべての根α₂,・・・,αnがαの式によって表されている」ので、(2)も満たしている。(α₁=αよりf(x)の根全てがαによって表されているから。)
よって、αはf(x)の原始元であるという事。

>αはf(x)の原始元なので、定理9.1(1)の証明より、αをα₁に入れ換えるのは式の形によりません。

p.153に「βの入れ換えは式の形によらない」とあり、また、p.151に「βは原始元」とあるので、「原始元の入れ換えは式の形によらず一定」という事。(次の項でどういう事か具体的に分かる。)

>よって、h(α)=h(α,g(α))=0においてαをαiに入れ換えると、
h(αi,g(αi))=0

h(x)がどんな式でも、例えばh(α)=0だったとすると、(原始元の最小多項式の他の根)αiに入れ換えてもh(αi)=0で同じ(一定)になるという事。念のため、別に0である必要はない。

>よって、h(α)=h(α,g(α))=0においてαをαiに入れ換えると、
h(αi,g(αi))=0 ∴g(αi)=g(α)(仮定)よりh(αi,g(α))=0

h(α,g(α))=h(αi,g(αi))より、
g(αi)=g(α)
これに、i=2,・・・,nを代入すると、
g(a₂)=g(α),g(a₃)=g(α),・・・,g(an)=g(α)
よって、仮定の「αの式g(α)の値がg(α₂),g(α₃),・・・,g(αn)の値とすべて等しいならば」という事である。
また、h(αi,g(αi))にg(αi)=g(α)を代入すると、h(αi,g(α))=0

>h(αi,g(α))=0
 つまりh(x)はα₁,・・・,αnをすべて根に持ちます。ゆえにdegh(x)≧degf(x)なのでdegh(x)=degf(x)です。

h(αi,g(α))=0は、h(αi)=0という意味で、このiをi=1,…,nにすると、「h(x)はα₁,・・・,αnをすべて根に持つ」という事。
よって、h(x)は少なくともn個(仮定より重根がないので全て相異なる根だから)の根を持つので、degh(x)≧n 
また、degf(x)=nより、
degh(x)≧degf(x)———➀
ところで、h(x)はαのL最小多項式で、f(x)はαのK最小多項式より、補題9.4により、degh(x)<degf(x)———②
➀,②より、degh(x)=degf(x)

>したがって補題9.4よりLは定数からなり、とくにg(α)は定数です。

補題9.4により、degh(x)=degf(x)よりK=Lで、またK⊂Lなので、Lは定数のみである。
(例えば、ℚ⊂ℚ[√2]でℚ=ℚ[√2]だったらℚ[√2]は定数のみである。xの式にx=α=√2を代入するイメージ。)

補題9.4(定数の一意性)
f(x)を、体Kを係数とする既約多項式とする。またαをf(x)の1つの根とし、体LはKを含み、αの式全体に含まれるとする:K⊂L⊂(αのK係数の式全体)。g(x)をαのL最小多項式とする。もしK≠Lならば、degg(x)<degf(x)である。言い換えると、degf(x)=degg(x)ならばL=Kである。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/17 16:41削除
訂正
>よって、h(α)=h(α,g(α))=0においてαをαiに入れ換えると、
h(αi,g(αi))=0

h(x)がどんな式でも、例えばh(α)=0だったとすると、(原始元の最小多項式の他の根)αiに入れ換えてもh(αi)=0で同じ(一定)になるという事。念のため、別に0である必要はない。

これは勘違いしましたね。まず、その前の、

p.153に「βの入れ換えは式の形によらない」とあり、また、p.151に「βは原始元」とあるので、「原始元の入れ換えは式の形によらず一定」という事。(次の項でどういう事か具体的に分かる。)

「原始元の入れ換えは式の形によらない」とはどういう事かと言うと、例えば、原始元βの式、
h(β)=k(β)=aになる2式h(x),k(x)があったとする。(例えば、h(x)=x²-x,k(x)=xとして、h(2)=k(2)など。)
ここで、βの最小多項式の他の根をγとすると、
h(γ)=k(γ)=b
と、βとγを入れ換えても2式の等号関係は保たれるという意味である。そして、それはh(x),k(x)の形によらないという事である。

次に勘違いの訂正。

>よって、h(α)=h(α,g(α))=0においてαをαiに入れ換えると、
h(αi,g(αi))=0

h(x)はαのL最小多項式なので、h(α)=0
また、αはf(x)の根でもあるので、f(α)=0 ∴h(α)=f(α)
ここで、αはf(x)の原始元だったので、f(x)の別の根αiに入れ換えても等号関係が保たれる。(上より「原始元の入れ換えは式の形によらない」から。)
∴h(αi)=f(αi)=0(αiはf(x)の根だから。)
よって、h(αi,g(αi))=0という事。
(念のため、h(αi,g(αi))の後半はh(x)の係数がg(αi)という意味。)

信じる信じないはあなた次第です。(自分で裏取って下さい。)

因みに、p.154の、

>実際、入れ換えが式の形によらないので、
f(h(β))=0 より f(h(γ))=0
となります(右辺の”0”もβの式と思って、両辺に入れ換えを施します)。

h(β)は「f(x)の根h(β)」より、
f(h(β))=0
∴(f◦h)(β)=0
ところで、「βを根に持つ既約多項式をg(x)」より、g(β)=0
よって、(f◦h)(β)=g(β)m(β)=0と置けるので、(f◦h)(x)=g(x)m(x)
これにx=γを代入すると、
(f◦h)(γ)=g(γ)m(γ)=0(「g(x)の他の根γ」よりg(γ)=0だから。)
∴f(h(γ))=0

これって別解という事ですか。

これは以前にやったものですが、これも信じる信じないはあなた次第ですレベルです。

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/15 23:50 (No.1215377)削除
問題
大小2つの円が点Tで内接している。Tを通る2本の直線がそれぞれの円と交わる点を図のようにA,B,C,Dとする。
(1)△TAC∽△TBDを証明せよ。
(2)2つの円の中心間の距離は4cmで、△TBD=9cm²,四角形ABCD=16cm²である。2つの円の半径は、それぞれ何cmか。
(82 土佐)

図の解説:1つの円の内部でもう1つの円が点Tで接している。小さい円に内接する△BTDを描き、TB,TDの延長と大きい円との交点をそれぞれA,Cとし、ACを結んだ図。

(1)は定石解法がありますが、別解も作ってみました。(2)は別解でした。

おまけ:
https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11226472796.html
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/16 07:51削除
問題
大小2つの円が点Tで内接している。Tを通る2本の直線がそれぞれの円と交わる点を図のようにA,B,C,Dとする。
(1)△TAC∽△TBDを証明せよ。
(2)2つの円の中心間の距離は4cmで、△TBD=9cm²,四角形ABCD=16cm²である。2つの円の半径は、それぞれ何cmか。
(82 土佐)

模範解答
(1)Tにおいて共通接線TXをひくと、
接弦定理を大円に適用することより、
∠XTD=∠TAC・・・➀
接弦定理を小円に適用することより、
∠XTD=∠TBD・・・②
➀,②より、
∠TAC=∠TBD・・・③
③と∠Tが共通なことから、
△TAC∽△TBD
(2)△TBD∽△TACで、それぞれの面積は、△TBD=9(cm²)
△TAC=9+16=25(cm²)
よって、相似比は、√9:√25=3:5
いま、大円の中心をO、小円の中心をO'として、TO'O,O'D,OCをひくと、
∠TO'D=2×∠TBD=2×∠TAC
=∠TOC
よって、△TO'D∽△TOCで、相似比は、
TD:TC=3:5
小円の半径をxとおくと、
TO':TO=x:(x+4)=3:5
これより、小円の半径=x=6(cm)
大円の半径=x+4=6+4=10(cm)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

別解(私のオリジナル)
(1)大円の中心をO,小円の中心をO'とすると、円の性質上、3点T,O',Oは一直線上にある。また、半径より△O'TDも△OTCも二等辺三角形で、∠OTCを共有しているので相似である。
よって、∠TO'D=∠TOC———➀
また、円周角と中心角の関係より、
∠TO'D=2∠TBD———②
∠TOC=2∠TAC———③
➀,②,③より、∠TBD=∠TAC
また、∠ATCは共通より2角が等しいので、△TAC∽△TBD
(2)△TAC=△TBD+△ABCD=9+16=25cm² 
また、△TBD=9cm²より、
△TBDと△TACの面積比は9:25
また、(1)より、△TBDと△TACは相似より、相似比は3:5
ところで、相似な三角形に外接する円どうしも相似で相似比も等しい。
よって、小円の半径をr₁,大円の半径をr₂と置くと、r₁:r₂=3:5
ところで、2つの中心間の距離が4cmより、r₂-r₁=4cm———➀
r₁:r₂=3:5より、r₁=3a,r₂=5aと置くと、r₂-r₁=2a———②
➀,②より、a=2cm
∴r₁=6cm,r₂=10cm

おまけ:
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壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/15 15:41 (No.1215039)削除
次の文章を完全解説して下さい。

補題9.4(定数の一意性)
f(x)を、体Kを係数とする既約多項式とする。またαをf(x)の1つの根とし、体LはKを含み、αの式全体に含まれるとする:K⊂L⊂(αのK係数の式全体)。g(x)をαのL最小多項式とする。もしK≠Lならば、degg(x)<degf(x)である。言い換えると、degf(x)=degg(x)ならばL=Kである。

証明
n=degf(x)とします。背理法で示します。仮にdegf(x)=degg(x)とします。αのK係数の式は
a₀+a₁+・・・+an-₁α^(n-1)(a₀,・・・,an-₁はKの元)と一意的に表されます。またαのL最小多項式はg(x)なので、同様に、αのL係数の式は
b₀+b₁α+・・・+bn-₁α^(n-1)(b₀,・・・,bn-₁はLの元)
と一意的に表されます。ここでKに入らないLの元cをとると、
c=c₀+c₁α+・・・+cn-₁α^(n-1)(c₀,・・・,cn-₁はKの元,しかもc₁,・・・,cn-₁のどれかは0でない)
と表されます。一方、L係数の式による表示の一意性から、c=c+0α+・・・+0α^(n-1)と表されます。この2通りの表示はL係数の式の一意性に反します。よってdegg(x)<degf(x)です。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

具体的には、

>ここでKに入らないLの元cをとると、
c=c₀+c₁α+・・・+cn-₁α^(n-1)(c₀,・・・,cn-₁はKの元,しかもc₁,・・・,cn-₁のどれかは0でない)
と表されます。

理由を述べて下さい。

>この2通りの表示はL係数の式の一意性に反します。

L係数の式の一意性について解説して下さい。

>よってdegg(x)<degf(x)です。

具体的に分からせて下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/15 17:03削除
解説
>ここでKに入らないLの元cをとると、
c=c₀+c₁α+・・・+cn-₁α^(n-1)(c₀,・・・,cn-₁はKの元,しかもc₁,・・・,cn-₁のどれかは0でない)
と表されます。

K⊂L⊂(αのK係数の式全体)より、Lの元は(αのK係数の式全体)の元でもあるので、
c=c₀+c₁α+・・・+cn-₁α^(n-1)(c₀,・・・,cn-₁はKの元)
で表せ、c₁,・・・,cn-₁を全て0とすると、c=c₀となり、c₀はKの元で、cはKに入らないLの元なのにc=c₀で矛盾するから、c₁,・・・,cn-₁のどれかは0でないという事。

>この2通りの表示はL係数の式の一意性に反します。

「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著p.211に、

例4.4
f(X)をℚ[X]のn次の既約多項式とする。αをf(X)=0の一つの根とし、
ℚ[α]={a₀+a₁α+a₂α²+・・・+an-₁α^(n-1)|ai∈ℚ}
なる集合を考える。(あと省略)

問4.4
(3)ℚ[α]は{1,α,・・・,α^(n-1)}を基底とする体ℚ上のn次元ベクトル空間であることを示せ。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著p.212

とあり、Lをℚとすると、L係数の式のn次元ベクトル空間である。
また、こちらのサイトに「基底の一次結合の一意性」が書かれているので、L係数の式は一意的であるという事。

Vをn次元ベクトル空間とし、{v₁,・・・,vn}をVの1つの基底とする。このとき、Vの任意の元vは{v₁,・・・,vn}の一次結合として
v=a₁v₁+・・・+anvn
と一意に表される。
引用元:https://academ-aid.com/math/thm-basis-unique

因みに、

>n=degf(x)とします。背理法で示します。仮にdegf(x)=degg(x)とします。αのK係数の式は
a₀+a₁+・・・+an-₁α^(n-1)(a₀,・・・,an-₁はKの元)と一意的に表されます。

これ間違ってませんか。つまり、
a₀+a₁+・・・+anα^n
次数なのでnという事。

「0でない多項式a₀+a₁x+・・・+anx^n(ただしa₀,・・・,anは定数,an≠0)の次数をnと定義します。記号でdeg(a₀+a₁x+・・・+anx^n)(=n)と表します。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

とありますが。

因みに、

問4.4
(3)ℚ[α]は{1,α,・・・,α^(n-1)}を基底とする体ℚ上のn次元ベクトル空間であることを示せ。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著p.212

こっちは次元(dim)ですよね。(基底の個数がn。)

>よってdegg(x)<degf(x)です。

上より「f(x)を、体Kを係数とする既約多項式とする。またαをf(x)の1つの根とし、g(x)をαのL最小多項式とする。」とあるので、
K=ℚ,L=ℚ[√5]とし、
f(x)=x²+x-1とすると、
x=(-1±√5)/2より、
α=(-1+√5)/2とする。
αのℚ[√5]最小多項式は、
g(x)=x-(-1+√5)/2より1次。
また、f(x)=x²+x-1は2次より、
degg(x)<degf(x)

もう一つぐらい挙げよう。
f(x)=x³-2とすると、
f(x)=(x-³√2)(x-³√2ω)(x-³√2ω²)
=(x-³√2){x²+³√2x+(³√2)²}
よって、α=³√2ωとすると、αのℚ[³√2]最小多項式は、g(x)=x²+³√2x+(³√2)²
よって、degf(x)=3,degg(x)=2
degg(x)<degf(x)

>言い換えると、degf(x)=degg(x)ならばL=Kである。

「K≠Lならば、degg(x)<degf(x)」より、K≠Lならば、degg(x)≠degf(x)として、この対偶を取った訳である。

おまけ:
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壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/14 14:02 (No.1214173)削除
問題
右の図のように、円の弧に直線AC,BCがそれぞれ点E,Bで接している。直線ABと円の弧の交点をDとする。∠ACB=∠R,AE=6cm,EC=3cmのとき、次の問いに答えよ。
(1)∠ADEの大きさを求めよ。
(2)△ADEの面積をS₁,△ABEの面積をS₂とするとき、S₁/S₂の値を求めよ。
(85 日大習志野)

図の解説:二辺の比が1:3ぐらいの直角三角形ABC(BCが短い辺で底辺)を描き、点BでBCに接し、点EでACに接する円を描く。また、この円と辺ABとの交点をDとした図。

(2)は一応、別解を作りました。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/15 07:57削除
問題
右の図のように、円の弧に直線AC,BCがそれぞれ点E,Bで接している。直線ABと円の弧の交点をDとする。∠ACB=∠R,AE=6cm,EC=3cmのとき、次の問いに答えよ。
(1)∠ADEの大きさを求めよ。
(2)△ADEの面積をS₁,△ABEの面積をS₂とするとき、S₁/S₂の値を求めよ。
(85 日大習志野)

模範解答
補助線DE,BEをひく。
△BCEは、∠C=90°,CB=CEの直角二等辺三角形だから、∠EBC=45°
またCB,CEは円の接線だから、接弦定理により、
∠EBC=∠EDB=45°・・・➀
∠AED=∠ABE・・・②
(1)∠ADE=180°-∠EDB
   =135°
(2)∠A共通と②より、△AED∽△ABEだから、S₁:S₂は2つの相似な三角形の面積の比である。面積比は相似比の2乗だから、S₁:S₂=AE²:AB²・・・③
右図(注:直角三角形ABCのACとBCの長さが分かる図)より、
AB=√(AC²+BC²)=√(9²+3²)
=3√10
よって、③=6²:(3√10)²=2:5
ゆえに、S₁/S₂=2/5
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

(2)の別解
DからACに垂線を下ろしその足をHとして、底辺AEを共有しているので、面積比は高さの比と等しい。
∴S₁:S₂=△ADE:△ABE
 =DH:BC
よって、DH:BCを求めれば良い。
ところで、方べきの定理より、
AE²=AD・AB・・・☆
また、円と接線の関係より、CB=CE=3cm ∴AB=AE+EC=6+3=9cm
よって、△ABCで三平方の定理を使うと、1:3:√10の直角三角形より、
AB=3√10cm
これとAE=6cmを☆に代入すると、
36=AD・3√10 
∴AD=12/√10=6√10/5cm
また、△ADH∽△ABCより△ADHも1:3:√10の直角三角形。
∴DH=AD/√10=6/5cm
∴DH:BC=6/5:3=2:5
∴S₁/S₂=2/5

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1810996759029764132

https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1805725553619779890
フェルマーの最終定理n=3
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返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/11 22:23 (No.1212221)削除
問題
対角線が直交する四角形ABCDが円Oに内接している。対角線の交点をHとし、BDの延長と点Aにおける円Oの接線との交点をTとする。AH=12,BH=35,AD=13であるとき、線分HC,DT,ATの長さはそれぞれ、HC=□,DT=□,AT=□である。
(92 甲陽学院)

図の解説:中心Oのちょっと上ぐらいの水平な弦をBD(左から右)とし、BDのDから1/10ぐらいの点をHとしBDと直交する弦AC(上から下)を引きAD,CDを結ぶ。また、点Aにおける接線を引き、BDの延長との交点をTとした図。

ちょっとだけ別解でした。(基本的には模範解答と同じ。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/12 07:59削除
問題
対角線が直交する四角形ABCDが円Oに内接している。対角線の交点をHとし、BDの延長と点Aにおける円Oの接線との交点をTとする。AH=12,BH=35,AD=13であるとき、線分HC,DT,ATの長さはそれぞれ、HC=□,DT=□,AT=□である。
(92 甲陽学院)

模範解答
まず直角三角形ADH,ABHに注目して、AB,DHを求める。
DH=√(13²-12²)=5
AB=√(12²+35²)=37
方べきの定理により、
AH×CH=BH×DH
よって、△CH=(BH×DH)/AH
=175/12
次に、接弦定理より、
∠TAD=∠TBA・・・➀
よって、△TAD∽△TBA
△TADと△TBAの面積比は、相似比AD:BA=13:37の2乗の比で、
13²:37²———ア
一方、同じ△TADと△TBAの面積比は、底辺をそれぞれTD,TBとみれば、高さは共通だから、図でTD=xとおくと、
TD:TB=x:(x+40)———イ
アとイが等しいので、
13²:37²=x:(x+40) 
これより、x=169/30
方べきの定理より、TD×TB=TA²
よって、TA=yとおくと、
y²=(169/30)×(169/30+40)
これを解いて、y=481/30
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
>AB=√(12²+35²)=37

これは手計算では不可能である。
AB=√(144+1225)=√1369
そこで、ピタゴラス数の直角三角形に当たりを付け、12,35,37として37²の計算をすると、1369で合う。
∴AB=√(12²+35²)=37
因みに、ここで37と出来なくても大丈夫である。AB=√1369のまま続けてみよう。

>△TADと△TBAの面積比は、相似比AD:BA=13:37の2乗の比で、
13²:37²———ア

「△TADと△TBAの面積比は、相似比AD:BA=13:√1369の2乗の比で、
169:1369———ア」
とする。

>一方、同じ△TADと△TBAの面積比は、底辺をそれぞれTD,TBとみれば、高さは共通だから、図でTD=xとおくと、
TD:TB=x:(x+40)———イ
アとイが等しいので、
13²:37²=x:(x+40) 
これより、x=169/30

「一方、同じ△TADと△TBAの面積比は、底辺をそれぞれTD,TBとみれば、高さは共通だから、図でTD=xとおくと、
TD:TB=x:(x+40)———イ
アとイが等しいので、
169:1369=x:(x+40)」
となり、
1369x=169(x+40)
∴1200x=169・40
∴x=169/30

参考書の別解
△ABT∽△DATより、
AB:DA=AT:DT
AB:DA=BT:AT
∴AT:DT=BT:AT
∴AT²=DT・BT
ここで、DT=x,AT=yと置くと、
y²=x(x+40)———➀
また、△AHTで三平方の定理を使うと、
y²=12²+(x+5)²———②
➀,②より、
x(x+40)=12²+(x+5)²
∴x²+40x=144+x²+10x+25
∴30x=169
∴x=169/30
これを➀に代入すると、模範解答と同じ計算でyも求まる。

私の多少の別解は次回。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/14 07:58削除
問題
対角線が直交する四角形ABCDが円Oに内接している。対角線の交点をHとし、BDの延長と点Aにおける円Oの接線との交点をTとする。AH=12,BH=35,AD=13であるとき、線分HC,DT,ATの長さはそれぞれ、HC=□,DT=□,AT=□である。
(92 甲陽学院)

多少の別解(私の最初の解法)
AH=12,AD=13より△ADHは5,12,13の直角三角形。∴HD=5
ここで、方べきの定理を使うと、
12・HC=35・5が成り立つ。
∴HC=175/12
また、DT=x,AT=yと置くと、方べきの定理より、y²=x(x+40)———➀
また、接弦定理より、∠DAT=∠ABD
また、∠Tが共通より2角が等しいので、△ABT∽△DAT ∴DA:DT=AB:AT
ところで、△ABHで三平方の定理を使うと、
AB=√(12²+35²)=√1369
∴13:x=√1369:y
∴y=√1369x/13———②
②を➀に代入すると、
1369x²/169=x²+40x
∴1369x²=169x²+169・40x
∴1200x²-40・169x=0
∴40x(30x-169)=0
x≠0より、x=169/30———③
∴DT=169/30
③を②に代入すると、
y=13√1369/30
∴AT=13√1369/30
とこれを答えにすると減点されてしまうのだろう。1369=37²から、
AT=481/30 これが正解。

因みに、模範解答の解説の時には、

「AB=√(12²+35²)=37
これは手計算では不可能である。
AB=√(144+1225)=√1369
そこで、ピタゴラス数の直角三角形に当たりを付け、12,35,37として37²の計算をすると、1369で合う。
∴AB=√(12²+35²)=37
因みに、ここで37と出来なくても大丈夫である。AB=√1369のまま続けてみよう。」

と書いて何の問題なく解いたように見せたが、最後の、

「y²=(169/30)×(169/30+40)
これを解いて、y=481/30
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より」

の所を計算すると、
y²=(169/30)×(1369/30)
=13²・1369/30²
y>0より、y=13√1369/30
となるので、やはり最初にピタゴラス数の直角三角形に目を付け、AB=√(12²+35²)=37としなければ満点は貰えないだろう。
ただし、12²+35²=37²に気付いても、うっかり1369=37²に結び付かない人も沢山いる事だろう。

因みに、y=√1369x/13———②
これと△AHTでの三平方の定理より、
12²+(x+5)²=y²———④
②を④に代入すると、
144+(x+5)²=1369x²/169
∴x²+10x+169=1369x²/169
∴169x²+1690x+13⁴=1369x²
∴1200x²-1690x-13⁴=0
これを解の公式で解いても電卓がないととても計算出来ないのでダメです。
念のため、電卓があれば、
x=(845±5915)/1200
x>0より、x=6760/1200
=676/120=169/30
と求まります。

一応、今まで不敗ですが、y=13√1369/30とやってしまったので、引き分けですね。(間違ってはいない。)

おまけ:
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