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壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/7 20:05 (No.1233940)削除
問題
図のような、底面の半径が4で高さが12の直円すいがあります。この円すいに内接する球のうち、最大のものをAとします。さらに円すいの頂点側に、Aに外接し円すいには内接する球Bを考えました。次の各問いに答えなさい。
(1)球Aの半径を求めなさい。
(2)球Bの半径を求めなさい。
(92 立命館)

(1)は3通り出来ます。参考書にもヒントだけあります。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/8 07:56削除
問題
図のような、底面の半径が4で高さが12の直円すいがあります。この円すいに内接する球のうち、最大のものをAとします。さらに円すいの頂点側に、Aに外接し円すいには内接する球Bを考えました。次の各問いに答えなさい。
(1)球Aの半径を求めなさい。
(2)球Bの半径を求めなさい。
(92 立命館)

模範解答
(1)球A,球Bの中心を結ぶ直線を含む平面でこの立体を切ると、右図(注:直円すいを縦に真っ二つに切った断面図を△PQRとした図)。
球Aの半径は、△PQRの内接円の半径に等しく、
円Aの半径=(2×△PQRの面積)/(△PQRの周の長さ)
=2×48/(2×√(4²+12²)+8)
=(4/3)(√10-1)
(2)円Aと円Bの接点をTとし、Tを通りQRに平行な線とPQ,PRとの交点をQ',R'とする。
△PQR∽△PQ'R'であり、円A,円Bはそれぞれの内接円だから、円Aと円Bの相似比が、△PQRと△PQ'R'の相似比に等しい。
円Aの半径:円Bの半径=△PQRの高さ:△PQ'R'の高さ=12:(12-2×Aの半径)
∴(4/3)(√10-1):円Bの半径
=12:(44-8√10)/3
これを解いて、
円Bの半径=(4/27)(13√10-31)

《別解》(1)Aの半径をxとおいて、△PAA'∽△PQHから方程式を立てて求める方法もある。(以下、省略)
また、QAが∠Qの二等分線になることを利用してもよい。
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

注:別解のA'は断面図の△PQRと内接円AとのPQでの接点で、HはQRの中点(QRでの接点。

感想:(1)の模範解答は公式化しているが、普通に、△PQR=△APQ+△AQR+△ARPから、円Aの半径をrとして方程式を立てて求めても良い。
また、別解をやりますね。

別解1
円Aの半径をrと置くと、PA=12-r,AA'=r,PQ=√(4²+12³)=4√10,QH=4より、
12-r:r=√10:1が成り立つ。
∴√10r=12-r
∴(√10+1)r=12
∴r=12/(√10+1)=12(√10-1)/9=4(√10-1)/3
よって、答えは、4(√10-1)/3

別解2
円Aは△PQRの内接円よりQAは∠Qの二等分線。よって、△QPHで角の二等分線の定理を使うと、QP:QH=PA:AHより、
4√10:4=12-r:rが成り立つ。
∴4(12-r)=4√10r
∴12-r=√10r
∴(√10+1)r=12
∴r=12/(√10-1)=12(√10+1)/9=4(√10-1)/3
よって、答えは、4(√10-1)/3

(2)の別解(私の解法)
円BとPQとの接点をB'とすると、△PBB'∽△PQHより、円Bの半径をr'と置くと、
PB=12-r'-8(√10-1)/3
=(44-8√10)/3-r'
よって、(44-8√10)/3-r':r'=4√10:4=√10:1が成り立つ。
∴√10r'=(44-8√10)/3-r'
∴(√10+1)r'=(44-8√10)/3
∴r'=(44-8√10)/3(√10+1)
=4(11-2√10)(√10-1)/27
=4(11√10-11-20+2√10)/27=4(13√10-31)/27
よって、答えは、4(13√10-31)/27

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/7 10:45 (No.1233606)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題3
線型空間Vがn次元であれば、Vはn項列ベクトル空間ℝ^nと同型である。


b₁,b₂,・・・,bnをVの基底とする(注:本当はbは太字)。写像Fを次のように定める。
       F:V→ℝ^n
x=x₁+・・・+xnbn→[x₁ x₂ ・・・ xn]
(注:本当は列ベクトルなので縦だが、行ベクトルで代用する。)
F(x)=0(注:本当はxも0も太字)とすると、
x₁=x₂=・・・=xn=0なので、x=0でなければならない。
よって、KerF=0で、Fは1対1である。
次にℝ^nの任意の元[y₁ y₂ ・・・ yn]に対して、
y=y₁b₁+y₂b₂+・・・+ynbnとおけば
F(y)=[y₁ y₂ ・・・ yn]となり、Fは上への写像である。したがって、Fは同型写像である。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

適当に分かり易く解説して下さい。ただし、厳密にお願いします。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/7 13:43削除
解説
>写像Fを次のように定める。
       F:V→ℝ^n
x=x₁+・・・+xnbn→[x₁ x₂ ・・・ xn]

問題文から「Vはn項列ベクトル空間ℝ^nと同型である」事を証明したいので、この2つの間に写像という橋を掛ける訳である。
そして、まずは写像Fが線型写像である事を示す。
x=x₁+・・・+xnbn→[x₁ x₂ ・・・ xn]より、
F(x)=[x₁ x₂ ・・・ xn]
F(y)=[y₁ y₂ ・・・ yn]
ここで、F(x+y)を作ると、
F(x+y)=[x₁+y₁ x₂+y₂ ・・・ xn+yn]
=[x₁ x₂ ・・・ xn]+[y₁ y₂ ・・・ yn]
=F(x)+F(y)
∴F(x+y)=F(x)+F(y)———➀
また、F(ax)(a∈ℝ)を作ると、
x=x₁+・・・+xnbnより、
ax=ax₁+・・・+axnbn
∴F(ax)=[ax₁ ax₂ ・・・ axn]
=a[x₁ x₂ ・・・ xn]=aF(x)
∴F(ax)=aF(x)———②
➀,②より、Fは線型写像である。

>F(x)=0(注:本当はxも0も太字)とすると、
x₁=x₂=・・・=xn=0なので、x=0でなければならない。
よって、KerF=0で、Fは1対1である。

F(x)=0とすると、[x₁ x₂ ・・・ xn]=0より、
x₁=x₂=・・・=xn=0
よって、x=x₁+・・・+xnbnの右辺が0になるので、左辺も0でx=0という事。
ところで、KerFの定義より、集合{x}の元(複数あるかもしれない)がKerFで、それがx=0より0のみなので、KerF=0である。
よって、単射の定義より、Fは単射である。

単射の定義とは、

命題
線型写像F:V→V'において、次の(1),(2)が成り立つ。
(1)x,y∈Vに対し、
F(x)=F(y)⇔x-y∈F^-1(0')
(2)Fが1対1である⇔F^-1(0')=0
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著p.120より

この(2)がそうである。
また、KerF=F^-1(0')である。

命題と定義
線型写像F:V→V'に対し
(ⅰ)V'の零元0'のFによる逆像
F^-1(0')={a∈V|F(a)=0'}
はVの部分空間である。これをFの核(kernel)といい、KerFとも表す。
(ⅱ)Fの像F(V)={F(a)|a∈V}はV'の部分空間である。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著p.110より

(ⅰ)がKerFの定義である。

>次にℝ^nの任意の元[y₁ y₂ ・・・ yn]に対して、
y=y₁b₁+y₂b₂+・・・+ynbnとおけば
F(y)=[y₁ y₂ ・・・ yn]となり、Fは上への写像である。したがって、Fは同型写像である。

読めば分かるように、写像先の任意の元に対して必ず写像元の元が対応しているので、Fは全射である。よって、先の単射と合わせて、Fは全単射である。
よって、Fは線型写像かつ全単射なので同型写像である。
よって、F:V→ℝ^nのVとℝ^nは同型である。よって、示された。

命題と定義
U,Vを線型空間,F:U→Vを線型写像とする。このとき、Fについて次の3条件はどの二つも互いに同値である。
(1)FはVの上への1対1の写像である。
(2)Fは逆写像F^-1:V→Uをもつ。
(3)ある線型写像G:V→Uがあって、
G◦F=Iu,F◦G=Iv
これらのどれか一つの条件をみたすとき、Fは同型写像であるという。UはVと同型であるといい、U≅Vで表す。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著p.118より

この(1)がFが線型写像かつ全単射ならば同型写像という事である。

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/5 22:00 (No.1232372)削除
問題
1辺の長さが6cmの正四面体があり、その4つの面すべてに接する球をPとし、この四面体の3つの面に接し、Pと外接する球をQとする。このとき、次の各問いに答えよ。
(1)正四面体の体積を求めよ。
(2)球Pの半径を求めよ。
(3)2つの球PとQの体積比を求めよ。
(91 城北)

別解も作って下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/7 09:33削除
問題
1辺の長さが6cmの正四面体があり、その4つの面すべてに接する球をPとし、この四面体の3つの面に接し、Pと外接する球をQとする。このとき、次の各問いに答えよ。
(1)正四面体の体積を求めよ。
(2)球Pの半径を求めよ。
(3)2つの球PとQの体積比を求めよ。
(91 城北)

模範解答
(1)公式(基本図66)より、
(√2/12)×6³=18√2(cm³)
一応、基本図66の公式はこちら。https://www.509310.com/blog/2024/02/06/post1420/
(注:基本図66には他にも公式が2つ載っているが省略。)
(2)正四面体をABCDとし、内接球の中心をP,半径をrとする。
正四面体の体積=P-ABC+P-ACD+P-ADB+P-BCD
のように、4つの三角すいの和として表すことができるが、これらはすべて体積が等しく、
P-ABC=(1/3)×△ABC×r=3√3r(内接球の半径が高さ)
よって、(1)とより、18√2=4×3√3r
これを解いて、r=√6/2(cm)
(3)公式(注:基本図66には1辺がaの正四面体の高さが(√6/3)aである事も載っている)より、正四面体の高さAHは
(√6/3)×6=2√6なので、右図(注:正四面体A-BCDの球Pと球Qの接点Tを通り底面BCDと平行な平面で正四面体を切った切断面をB'C'D'とした図)のようにPとQの接点をTとすると、TはAHの中点。そこで、Tを通り△BCDに平行な平面で正四面体を切り、切り口を△B'C'D'とすると、A-BCDとA-B'C'D'の相似比は1:2となり、内接球P:Q=2³:1³=8:1
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

(1)の別解1
1辺が3√2cmの立方体の中には、1辺が6cmの正四面体が埋もれているので、
V=(3√2)³-3√2×3√2×(1/2)×(3√2)×(1/3)×4で求められる。
∴V=54√2-9・4√2=18√2cm³
別解2,3は普通に求めるが、省略。
(2)の別解
正四面体をO-ABCとし、OAの中点をM,BCの中点をNとし、切断面ONAを抜き出すと、NO=NA=3√3cmの二等辺三角形を寝かせた形。また、内接円Pも描くとOPの延長は底面ABCの重心Gに下りるので、△ONAと円との接点の1つはGで、NG:GA=1:2となる。また、NPの延長とOAとの交点をLとすると、△NOAは二等辺三角形より点LはOAの中点。よって、△OAGと直線LNでメネラウスの定理を使うと、(1/1)(PG/OP)(1/3)=1
∴PG/OP=3/1 ∴OP:PG=3:1
また、△ONGで三平方の定理を使うと、
OG=√{(3√3)²-(√3)²}=√24=2√6cm ∴PG=(1/4)OG=√6/2cm
よって、内接球の半径は、√6/2cm
(3)の別解
△ONAの内接円Pの上に円Pと接しかつONと接する円Qを描き、円QとONとの接点をKとすると、∠OKQ=90°
よって、△OKQ∽△OGNでOQ=OG-QG=2√6-r-(√6/2)×2=√6-r(Qの半径をrとした。)
よって、√6-r:r=3√3:√3が成り立つ。∴√6-r:r=3:1 ∴3r=√6-r ∴4r=√6 ∴r=√6/4
よって、円Qの半径は√6/4より、球Qの半径も√6/4cm 
また、(2)より球Pの半径は√6/2cmより2つの球の相似比は1:2
よって、体積比は1³:2³=1:8
よって、答えは、8:1

因みに、メネラウスの定理を使わなかったり、他にも細かい別解は色々あるが省略。

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/6 16:33 (No.1232952)削除
素朴な疑問

問題 9-7b
m,nを互いに素な正整数とする。このときΦn(x)は、1の原始m乗根ζmの有理数の式を係数に許しても、2つの1次以上の積に分解しない。つまり既約であることを示せ。このことより、120ページの(2)から(5)は係数(定数)を有理数から1の原始m乗根の式に拡張しても正しいことがわかる。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

Φn(x)をΦ4(x)とすると、p.119より、
Φ4(x)=x²+1
ここで、n=4と互いに素な数をm=3とすると、1の原始3乗根は、ωとω²の2つ。
よって、Φ4(x)=x²+1の係数をω=(-1+√3i)/2に許してもΦ4(x)=x²+1は既約多項式であるという事がこの定理の主張である。
ところが、Φ4(x)=x²+1=(x+i)(x-i)と分解すると、iは(-1+√3i)/2のうちに入っていないのだろうか。
多分、ωは特別でiの拡張とは考えないのだろう。(iにかかっているのは無理数だし。)

例:p.156より
例えばf(x)=x³-2では、根のなす体には次があります(式の係数は有理数です)。
➀ ³√2,³√2ω,³√2ω²の式全体
② ³√2の式全体
③ ³√2ωの式全体
④ ³√2ω²の式全体
⑤ ω=³√2ω/³√2の式全体
⑥ 有理数全体
(中略)
この例のほかにも、根の式のなす体として、
α'=³√2+ω=³√2+³√2ω/³√2
の式全体など、いろいろ考えられます。しかし次の小節で説明するように、ガロワ対応から、根の式のなす体は上の➀から⑥の6通りしかありません。上のα'の式全体は➀の体に一致します。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

と思ったが、n=4と互いに素なmをm=5として、原始5乗根を求めると、
x⁵-1=0より、(x-1)(x⁴+x³+x²+x+1)=0
よって、x⁴+x³+x²+x+1=0の解4個が原始5乗根である(5は素数だから1~4は全て5と互いに素だから)。
ところで、この式の解はx≠0より、x²で両辺を割ると、x²+x+1+1/x+1/x²=0
∴(x+1/x)²-1+(x+1/x)=0
ここで、X=x+1/xと置くと、
X²+X-1=0 ∴X=(-1±√5)/2
∴x+1/x=(-1±√5)/2
∴x²-{(-1±√5)/2}x+1=0
これを解の公式で解いて整理すると、
x=(-1+√5)/4±{√(10+2√5)/4}i
(-1-√5)/4±{√(10-2√5)/4}i

ωが特別というより何か理由があるのだろう。
また、n=4と互いに素でないmをm=6とすると、原始6乗根は、x⁶-1=0を解いて、6と互いに素な1番目と5番目より、x=(1±√3i)/2でωとω²は6乗根だが原始6乗根ではない。
こっちだけiの拡張なんてことはないよね。定理は互いに素でないものへの拡張については言及していないから。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/6 20:20削除
問題 9-7b
m,nを互いに素な正整数とする。このときΦn(x)は、1の原始m乗根ζmの有理数の式を係数に許しても、2つの1次以上の積に分解しない。つまり既約であることを示せ。このことより、120ページの(2)から(5)は係数(定数)を有理数から1の原始m乗根の式に拡張しても正しいことがわかる。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

Φn(x)をΦ3(x)とすると、p.119より、
Φ3(x)=x²+x+1
ここで、n=3と互いに素なm=5とすると、
1の原始5乗根は、
(-1+√5)/4±{√(10+2√5)/4}i
(-1-√5)/4±{√(10-2√5)/4}i
の4個。
また、Φ3(x)=x²+x+1=(x-ω)(x-ω²)={x-(-1+√3i)/2}{x-(-1-√3i)/2}
結局、iにかかっている無理数の違いで分けられているのでしょうね。
だから、前回の「Φ4(x)=x²+1=(x+i)(x-i)と分解すると、iは(-1+√3i)/2のうちに入っていないのだろうか。」もiの係数が有理数と√3だから仲間ではないという事。
そう考えると、1の原始6乗根は、(1±√3i)/2で、Φ3(x)=x²+x+1=(x-ω)(x-ω²)={x-(-1+√3i)/2}{x-(-1-√3i)/2}と分けられてしまう事も納得出来る。
ただし、1の原始6乗根とΦ4(x)=x²+1=(x+i)(x-i)の方は納得できないが、前回も述べたように上の定理は別に互いに素でない場合については言及していないので問題はない。

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/5 12:10 (No.1231940)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 9-7b
m,nを互いに素な正整数とする。このときΦn(x)は、1の原始m乗根ζmの有理数の式を係数に許しても、2つの1次以上の積に分解しない。つまり既約であることを示せ。

解答
1の原始mn乗根をζ=ζmnと表す。Φmn(x)の多項式の群をGと表し、問題9-6より(ℤ/mnℤ)^×と同一視する。
η=ζ^nは1の原始m乗根になる。そこでηの(有理数係数の)式全体Mに対応するGの部分群Hはδa(ただしa≡1 modm)からなる。ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる(定理2.2参照)。HはΦmn(x)をM係数多項式とみたときの多項式の群なので、問題9-5よりΦn(x)はζ^mのM最小多項式であり、とくに既約である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。
またσaσb=σabを示し、Gの元の合成と、nと互いに素な2つの数a,bの積が対応することを示せ。
したがって[a]nをσaに対応させることにより、(ℤ/nℤ)^×はGと同型である。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。
またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。

定理2.2(中国剰余定理)
互いに素な正整数m,nに対して、環ℤ/mnℤの元は次の対応により、ℤ/mℤ×ℤ/nℤの元と1対1に対応する。
ℤ/mnℤ→ℤ/mℤ×ℤ/nℤ;[a]mn→([a]m,[a]n)
さらにこの対応により、それぞれの和,積が対応する。すなわち
[a+b]mn→([a]m⊕[b]m,[a]n⊕[b]n)
[ab]mn→([a]m⊙[b]m,[a]n⊙[b]n)

適当に分かり易く解説して下さい。ただし、今回も難解だと思います。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/5 14:07削除
解説
>1の原始mn乗根をζ=ζmnと表す。Φmn(x)の多項式の群をGと表し、問題9-6より(ℤ/mnℤ)^×と同一視する。

問題9-6bの「(ℤ/nℤ)^×はGと同型である」から。
また、後の「ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる(定理2.2参照)」の定理2.2を利用するためだろう。

>η=ζ^nは1の原始m乗根になる。そこでηの(有理数係数の)式全体Mに対応するGの部分群Hはδa(ただしa≡1 modm)からなる。

「1の原始mn乗根をζ=ζmnと表す」より、ζ^mn=1 ∴(ζ^n)^m=1
よって、η=ζ^nは1のm乗根で、問題文よりmとnは互いに素なので、
η=ζ^nは1の原始m乗根になる。
(ただしa≡1 modm)は、おかしいだろう。ここは、「ただしaはmと互いに素」だろう。上の同一視で混乱したのだろうか。「a≡1 modm」のaは確かにmと互いに素だが、mと互いに素なaはこれだけではないから。
また、σaは、

問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。

で、「ηの(有理数係数の)式全体M」はG(Φmn(x)の多項式の群)の部分群H(mnの約数のmと互いに素なaによる入れ換えの部分群)にガロワ対応するという事。

>ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる(定理2.2参照)。

ここは、次回、具体例で確認する。

>HはΦmn(x)をM係数多項式とみたときの多項式の群なので、問題9-5よりΦn(x)はζ^mのM最小多項式であり、とくに既約である。

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。
またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。

このf(x)をΦmn(x)として、f(x)の根の式βをζ^mと見ると、上より「ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる」ので、g(x)=(x-ζ)・・・(x-ζ^s)(ζ^iは全ての1のn乗根)となり、g(x)はΦn(x)となる。
そして、g(x)はζ^iの最小多項式より既約多項式である。
よって、Φn(x)は既約多項式である。

「1の原始n乗根だけを根に持つ多項式を求めます。この式を円分多項式と呼び、Φn(x)と表します。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/6 07:57削除
問題 9-7b
m,nを互いに素な正整数とする。このときΦn(x)は、1の原始m乗根ζmの有理数の式を係数に許しても、2つの1次以上の積に分解しない。つまり既約であることを示せ。

解答
1の原始mn乗根をζ=ζmnと表す。Φmn(x)の多項式の群をGと表し、問題9-6より(ℤ/mnℤ)^×と同一視する。
η=ζ^nは1の原始m乗根になる。そこでηの(有理数係数の)式全体Mに対応するGの部分群Hはδa(ただしa≡1 modm)からなる。ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる(定理2.2参照)。HはΦmn(x)をM係数多項式とみたときの多項式の群なので、問題9-5よりΦn(x)はζ^mのM最小多項式であり、とくに既約である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

解説の続き
>ζ^mは1の原始n乗根であり、Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる(定理2.2参照)。

Φmn(x)=Φ12(x)=x⁴-x²+1と置く(Φ12(x)=x⁴-x²+1は、p.133の問題7-2aから分かる)と、
x⁴-x²+1=(x²+1)²-3x²
=(x²+1+√3x)(x²+1-√3x)より、
x²+√3x+1=0,x²-√3x+1=0
∴x=(-√3±i)/2,(√3±i)/2
ここで、ζ=(√3+i)/2と置くと、問題9-6bより、

問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。

Φ12(x)の群Gは、ζ¹,ζ⁵,ζ⁷,ζ^11の入れ換えで求められるので、
(ζ,ζ⁵,ζ⁷,ζ^11)
(ζ⁵,ζ^25,ζ35,ζ^55)=(ζ⁵,ζ,ζ^11,ζ⁷)
(ζ⁷,ζ^35,ζ49,ζ^77)=(ζ⁷,ζ^11,ζ,ζ^⁵)
(ζ^11,ζ^55,ζ^77,ζ^121)=(ζ^11,ζ⁷,ζ⁵,ζ)
∴G={(ζ,ζ⁵,ζ⁷,ζ^11),(ζ⁵,ζ,ζ^11,ζ⁷),(ζ⁷,ζ^11,ζ,ζ^⁵),(ζ^11,ζ⁷,ζ⁵,ζ)}
また、mn=3・4(互いに素)とすると、
ζ³は1の原始4乗根((ζ³)⁴=ζ^12=1だから)より、ζ³の式全体Mにガロア対応するGの部分群Hは4と互いに素な1と3で、
H={(ζ,ζ⁵,ζ⁷,ζ^11),(ζ⁷,ζ^11,ζ,ζ^⁵)}
(ちょっと勝手に作ってしまいました。)
よって、ζ→ζとζ→ζ⁷でζ³を変換すると、
ζ³→ζ³,ζ³→ζ^21=ζ⁹
ところで、ζ=(√3+i)/2より、
ζ³={(√3+i)/2}³
=(3√3-i+9ⅰ-3√3)/8
=i
∴ζ⁹=(ζ³)³=i³=-i
よって、ζ³は1の原始4乗根すべてに変換される。
よって、「Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる」という例である。

また、ζ⁴は1の原始3乗根((ζ⁴)³=ζ^12=1だから)より、ζ⁴の式全体Mにガロア対応するGの部分群Hは3と互いに素な1と2で、
H={(ζ,ζ⁵,ζ⁷,ζ^11),(ζ⁵,ζ,ζ^11,ζ⁷)}
よって、ζ→ζとζ→ζ⁵でζ⁴を変換すると、
ζ⁴→ζ⁴,ζ⁴→ζ^20=ζ⁸
ところで、ζ=(√3+i)/2より、
ζ⁴={(√3+i)/2}⁴
={(3-1+2√3i)/4}²
={(1+√3i)/2}²
=(-2+2√3i)/4
=(-1+√3i)/2=ω
∴ζ⁸=(ζ⁴)²=ω²
よって、ζ³は1の原始3乗根すべてに変換される。
よって、「Hに含まれる入れ換えをζ^mに施すことにより、すべての1の原始n乗根が得られる」という例である。

ちょっと作っちゃった所(フェルマーみたいに)は専門家じゃないので、スルーして下さい。また、あとちょっと補足解説があります。

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/3b0065c841eb5c96fbedbe7f86891b8c7b5b820d?page=2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/6 09:30削除
上の補足解説

問題 9-5b
多項式f(x)の群をGfとする。f(x)の根の式βが、Gfの根の入れ換え(すべて)により、異なる数β₁=β,・・・,βsになったとする。このとき
g(x)=(x-β₁)(x-β₂)・・・(x-βs)はβiの最小多項式であることを示せ。よってβiの最小多項式は重根を持たない。
またs=degg(x)は、βを不変にする入れ換え全体のなすGfの部分群Hの指数(G:H)に等しいことを示せ。

f(x)=Φ12(x)=x⁴-x²+1と置く(Φ12(x)=x⁴-x²+1は、p.133の問題7-2aから分かる)と、
x⁴-x²+1=(x²+1)²-3x²
=(x²+1+√3x)(x²+1-√3x)より、
x²+√3x+1=0,x²-√3x+1=0
∴x=(-√3±i)/2,(√3±i)/2
ここで、ζ=(√3+i)/2と置くと、ζ³は問題9-5bのβに当たる。
そこで、上から、H={(ζ,ζ⁵,ζ⁷,ζ^11),(ζ⁷,ζ^11,ζ,ζ^⁵)}
(ちょっと勝手に作ってしまいました。)
よって、ζ→ζとζ→ζ⁷でζ³を変換すると、
ζ³→ζ³,ζ³→ζ^21=ζ⁹
ところで、ζ=(√3+i)/2より、
ζ³={(√3+i)/2}³
=(3√3-i+9ⅰ-3√3)/8
=i
∴ζ⁹=(ζ³)³=i³=-i
よって、問題9-5bより、
g(x)=(x-i)(x-(-i))=x²+1
ところで、±iは1の原始4乗根で、

「1の原始n乗根だけを根に持つ多項式を求めます。この式を円分多項式と呼び、Φn(x)と表します。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

より、g(x)=Φ4(x)である。
∴Φ4(x)=x²+1
また、p.119より、Φ4(x)=x²+1でOK。

もう一つの方も、
g(x)=(x-ω)(x-ω²)=x²-(ω+ω²)x+ω³=x²-(-1)x+1=x²+x+1
∴Φ3(x)=x²+x+1
一方、p.119より、Φ3(x)=x²+x+1でOK。

おまけ:
返信
返信3
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/4 15:02 (No.1231382)削除
問題
底面の半径2√5cm,高さ10√7cmの円すいがある。円周率をπとして、次の問いに答えよ。
(1)この円すいの側面積を求めよ。
(2)1つの母線OAの中点をBとする。図のように、この円すいの側面を1周し、長さが最短となるようにAからBまで糸を張った。この糸の長さを求めよ。
(3)(2)の糸を2等分した点から底面にひいた垂線の長さを求めよ。
(92 桐朋)

別に別解を作った訳ではありませんが、この問題もやります。(3)はある意味点数を取らせないような問題だと思います。もちろん、普通に解けましたが。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/5 07:59削除
問題
底面の半径2√5cm,高さ10√7cmの円すいがある。円周率をπとして、次の問いに答えよ。
(1)この円すいの側面積を求めよ。
(2)1つの母線OAの中点をBとする。図のように、この円すいの側面を1周し、長さが最短となるようにAからBまで糸を張った。この糸の長さを求めよ。
(3)(2)の糸を2等分した点から底面にひいた垂線の長さを求めよ。
(92 桐朋)

模範解答
(1)公式(基本図65)にあてはめる。
S=πlr=π√{(2√5)²+(10√7)²}×2√5=12√5×2√5π=120π(cm²)
注:Sは側面積,lは母線,rは底面の半径で、S=πlrが成り立つという事。
(2)公式(基本図65)により、側面の展開図の中心角x°は、
x°=360°×(r/l)
=360°×(2√5/12√5)=60°
注:基本図65には2つの公式があるという事。

そこで、側面の展開図を描くと、図1のようになる。
注:中心角60°の扇形OA'Aを描き、OAの中点をBとすると、△OA'Bは1:2:√3の直角三角形になる。

A'Bの長さを求めればよいが、△OAA'は正三角形なので、△OA'Bは60°定規。
よって、A'B=√3OB=6√15(cm)
(3)糸の中点をM,OMの延長と底面の円との交点をC,O,Mから底面に下した垂線の足を、O',Hとする。
BM=6√15÷2=3√15だから、
OM=√{(3√15)²+(6√5)²}=3√35(図1参照)
注:側面の展開図の扇形の図のABの中点をMとし、△OBMで三平方の定理を使うという事。

次に図2より、△OCO'∽△MCH
注:立体図のABの中点をMとし、OMの延長と底面の円との交点をCとすると、Mから底面に下した垂線の足はO'C上に下り(厳密には三垂線の定理)、その点をHとし、また、Oから底面に下した垂線の足は底面の中心O'に下りる。(厳密には問題文に直円すいという言葉が欲しい所である。)

よって、MH=OO'×(MC/OC)
=10√7×{(12√5-3√35)/12√5}=10√7-35/2(cm)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

一応、(1)は公式を使わないで求めておきますね。
母線の長さをlと置くと、三平方の定理より、
l=√{(10√7)²+(2√5)²}=√(700+20)=√720=12√5cm
よって、側面の扇形の中心角をxと置くと、
4√5π=24√5π×(x/360)が成り立つ。
∴x/360=4/24=1/6
∴x=60°
∴S=π(12√5)²×(1/6)=144・5π/6=24・5π=120πcm²

因みに、(3)はうっかり側面の展開図の中心角を1/2にした図にして考えたりしたらダメである。まぁ、当然だが。

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/3 19:23 (No.1230802)削除
問題
直径が10cmの半円があり、図のように弧AB上に2点P,QをA,P,Q,Bの順に、
弧PQ=(1/3)弧AB
となるようにとります。線分AQ,BPの交点をEとします。次の問いに答えなさい。
(1)∠AEBの大きさを求めなさい。
(2)弧PQを、弧ABにそって、端から端まで動かします。
(ⅰ)点Eが描いた線の長さを求めなさい。
(ⅱ)弧PQが通過した部分の面積を求めなさい。
(91 筑波大付駒場)

図の解説:直径が10cmの半円ABがあり、弧AB上の適当な所に弧ABの1/3の長さの弧PQがあり、AQとBPの交点をEとした図。

別解を作った訳ではありませんが、この問題はやります。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/4 07:52削除
問題
直径が10cmの半円があり、図のように弧AB上に2点P,QをA,P,Q,Bの順に、
弧PQ=(1/3)弧AB
となるようにとります。線分AQ,BPの交点をEとします。次の問いに答えなさい。
(1)∠AEBの大きさを求めなさい。
(2)弧PQを、弧ABにそって、端から端まで動かします。
(ⅰ)点Eが描いた線の長さを求めなさい。
(ⅱ)弧PQが通過した部分の面積を求めなさい。
(91 筑波大付駒場)

模範解答
(1)右図のように、弧に対応する円周角を記入する(注:半円を真円にして弧PQの所と下の半円ABの所に円周角の角度30°と90°を書き込む)と、
∠AEB=弧PQの円周角+弧ABの円周角=30°+90°=120°(基本図35)
注:基本図35とはアルハゼンの定理。http://yosshy.sansu.org/theorem/alhazen.htm
(2)(ⅰ)PがAに一致するとき、EはAに一致し、QがBに一致するとき、EはBに一致するから、Eは右の図のような円周上を、AからBまで動く(注:ABの下のある点O'を中心とした円の一部の弧AB上という事)。
図の、x°=120°×2=240°(円周角の定理)(注:xは優角∠AO'Bの角度)だから、
∠AO'B=120°(注:劣角∠AO'Bという事。)
よってこの円の半径は、O'A=10√3/3・・・➀
Eの軌跡は、半径➀の円の中心角120°に対応する弧の長さで、
2×(10√3/3)×π×(120°/360°)
=(20√3/9)π(cm)
(ⅱ)弦PQのうち、円の中心Oに最も近い点はPQの中点Mである。
OからMの距離は常に一定で、右図の太線部のような軌跡になる(注:弧PQを点Aの所と点Bの所の2ヶ所に想定しそれぞれの弦PQの中点をそれぞれMとM'とする。その軌跡とは、線分AM+弧MM'+線分M'Bの事)。
よって図の網目部(注:その軌跡と半円ABの弧で囲まれた部分)の面積Sを求めればよく、
S=半円O-(2×△OAM+扇形OMM')
=(1/2)×5²π-{2×(1/2)×(5/2)×(5√3/2)+(1/3)×(5√3/2)²π}
=(25/4)(π-√3)(cm²)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
一応、アルハゼンの定理を使わない方法だけ示しておこう(小市民的解法)。
半円ABの中心をOとし、OP,OQを結ぶと、∠POQ=180°×(1/3)=60°
よって、円周角と中心角の関係より、
∠PAQ=(1/2)∠POQ=30°
また、半円の円周角より、∠APB=90°
よって、△EPAでの内対角の和より、
∠AEB=30°+90°=120°

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/1 20:58 (No.1229289)削除
問題
図で、BC=8cm,∠A=60°,BD⊥AC,CE⊥AB,FはBDとCEの交点である。
(1)∠BFE=□度である。
(2)BF:EF=□:□である。
(3)DE=□cmである。
(有名問題)

図の解説:∠A=60°,BC=8cmの△ABCがあり、BからACに下した垂線の足がD,CからABに下した垂線の足がEで、BDとCEの交点がFという図。

改題1
∠A=60°,BC=8cmの△ABCがあり、∠Bの二等分線とACとの交点をD,∠Cの二等分線とABとの交点をEとする時、BE+CDの長さを求めて下さい。

改題2
BC=8cmの△ABCの辺ACの中点をD,辺ABの中点をEとし、BDとCEの交点をFとする。∠BFC=90°である時、AFの長さを求めて下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/2 07:49削除
問題
図で、BC=8cm,∠A=60°,BD⊥AC,CE⊥AB,FはBDとCEの交点である。
(1)∠BFE=□度である。
(2)BF:EF=□:□である。
(3)DE=□cmである。
(有名問題)

模範解答
(1)∠ABD=180°-∠A-∠ADB=30°よって、∠BFE=180°-∠EBF-∠BEF=60°
(2)(3)∠BEC=∠BDC(=90°)だから、4点B,C,D,Eは同一円周上にあり、BCの中点Oはこの円の中心である。
(なぜなら、BCを見こむ角が90°だから、BCは円の直径)
円周角の定理より、∠BDE=∠BCE・・・➀
∠CED=∠CBD・・・②
➀,②より、△FDE∽△FCB・・・③
ここで、∠EOD=2×∠EBD=60°,OD=OEだから、△ODEは正三角形。
よって、DE=OD=4(cm)
③より、対応する辺の比をとって、
BF:EF=BC:ED=8:4=2:1
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

感想
欄外に「単に△BEFが60°定規であることからBF:EF=2:1としてもよい」とあるが、私はそうした。そして③を使えば(3)も一発である。模範解答は色々なテクニックを見せて勉強させようとしているのだろう。
それにしても他の問題と比べて規格外に簡単な問題である。
因みに、算数でも解けるので算数でも解いてみよう。(算数では難問だと思います。)
(3)BCの真ん中の点をMとすると、△EBCは直角三角形で点Mは斜辺の真ん中の点なので、受験算数の定石の1つよりMB=ME=MC
(これは△EBCの下に△EBCをもう一つ裏返しにくっつけて長方形EBE'Cを作れば長方形は互いの対角線の長さが等しく互いの真ん中の点で交わる事より分かる。)
また、点Mは直角三角形△DBCの斜辺の真ん中の点でもあるので、同様にMB=MD=MC
よって、ME=MDである。
また、△MBE,△MCDはそれぞれ二等辺三角形より、∠MBE=∠MEB=●,∠MCD=∠MDC=○と置くと、△ABCの内角の和より、●+○=120°———➀
また、四角形EBCDの内角の和より、
∠MED+∠MDE=360°-●-●-〇-〇———②
➀,②より、∠MED+∠MDE=360°-120°×2=120°
よって、△MEDの内角の和より、
∠EMD=180°-120°=60°
また、ME=MDより、△MEDは頂角が60°の二等辺三角形より正三角形。
よって、DE=ME=MB=BC/2=4cm

因みに、②の所は、直接、
∠EMD=180°-(180°-●-●)-(180°-○-○)とやると、小学生には展開不能と考えて避けた。

改題2はまぁ、まぁ、の問題ですが、改題1は難しいと思います。念のため、私のオリジナルではありません。(頭の中のストックといった所。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/3 07:57削除
改題2
BC=8cmの△ABCの辺ACの中点をD,辺ABの中点をEとし、BDとCEの交点をFとする。∠BFC=90°である時、AFの長さを求めて下さい。

解答
点D,Eは辺AC,ABのそれぞれの中点より点Fは△ABCの重心でAFの延長とBCとの交点をGとすると、点GはBCの中点になる。
また、△FBCは∠Fが直角の直角三角形で点Gは斜辺の中点より外接円を考えれば、半径でGB=GF=GC
∴GF=BC/2=4cm
ところで、重心の性質より、AF:FG=2:1 ∴AF:4=2:1 
∴AF=8cm

別解もありますが省略。確か、以前に2,3通り作ったと思う。

改題1
∠A=60°,BC=8cmの△ABCがあり、∠Bの二等分線とACとの交点をD,∠Cの二等分線とABとの交点をEとする時、BE+CDの長さを求めて下さい。

解答
公式より、∠BFC=90°+∠A/2
=90°+30°=120°(公式を使わなくても簡単だが省略。)
∴∠BFE=∠CFD=180°-120°=60°よって、∠BFCの二等分線を引き、BCとの交点をHとすると、一辺両端が等しくなり、△BEF≡△BHF,△CDF≡△CHF
∴BE=BH,CD=CH
∴BE+CD=BH+CH=BC=8cm
よって、答えは、8cm

改題1も改題2も与えられた長さが8cmだけで、目分量から1/2でも2倍でもなさそうなら、自信をもって8cmと答えよう。(ギャンブラーという意味。)

おまけ:
「障害の知識や知らなかったことなど知ることができたり 多くのハンデを持ってる方に出会えたり嬉しかったです。 学生時代の頃に比べたら、自分に自信がついたり、少しずつ自分を愛せるようになりました。 みなさんのおかげですね」
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/5035f7275731515c3076a086c0b032c2577b1fb7?page=2
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/2 11:54 (No.1229665)削除
次の文章を完全解説して下さい。

定理3.8.2
部分群HがGの正規部分群⇔
(NS)G∋∀g,H∋∀hに対してg^-1hg∈H
注:「NS」はnormal subgroupより

証明
⇒)HがGの正規部分群であるとすると、
G∋∀gに対してgH=Hgが成立する。
G∋∀g,H∋∀hに対して
x=g^-1hg
とおくと左からgを演算させて
gx=hg∈Hg
Hg=gHなのでgx∈gH
∴gx=gh'(h'∈H)
と書ける。左よりg^-1を演算すると
x=h'∈H ∴g^-1hg∈H
⇐)G∋∀g,H∋∀hについて
g^-1hg∈H・・・➀
とする。
G∋∀gに対してgH=Hgが成立すればHはGの正規部分群である。
gH⊆Hgを示す。
gH∋∀x=gh(h∈H)について
xg^-1=ghg^-1・・・②
ここで仮定の➀は任意のgについて成立するのでgの代りにg^-1を使うと
(g^-1)^-1hg^-1∈H ∴ghg^-1∈H
②にこれを使ってxg^-1∈H
∴x∈Hg
gH⊇Hgを示す。
Hg∋∀y=hg(h∈H)について、➀より
g^-1y=g^-1hg∈H
∴y∈gH
∴gH=Hg
「すぐわかる代数」石村園子著より

「(NS)は正規部分群であるための必要十分条件です」とあるので、「normal subgroup」は「正規部分群」という意味である。(数学用語はちょっと特別で面倒臭くて調べていないが大丈夫だろう。)
要は、(NS)は取っ払って考えた方が良いという事である。

別解を作ってみました。前回はベタな解法を作りましたが、今回は割と模範解答よりスマートかもしれません。ただし、素人なので何かやっちゃってるかもしれませんが。

「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著からも1題紹介しよう。

§4.2の練習問題1
a₁=[333の列ベクトル]
a₂=[41-1の列ベクトル]
a₃=[062の列ベクトル]
b₁=[1-2-4の列ベクトル]
b₂=[257の列ベクトル]
(注:列ベクトルをうまく書けないのでこう表現する事にした。)
V=Ra₁+Ra₂+Ra₃,W=Rb₁+Rb₂とする。このとき
(1)WはVの部分空間であることを示せ。
(2)Wの基底b₁,b₂に、ベクトルa₁,a₂,a₃のうちどれを選べば、b₁,b₂,aiがVの基底になるようにできるか。


(1)Wはb₁,b₂で生成された線型空間なので、b₁∈V,b₂∈Vを示せば、WはVの部分空間であることがわかる。そこでb₁=x₁a₁+x₂a₂+x₃a₃,b₂=y₁a₁+y₂a₂+y₃a₃とおくと、
[1-2-4の列ベクトル]=x₁[333の列ベクトル]+x₂[41-1の列ベクトル]+x₃[062の列ベクトル],
[257の列ベクトル]=y₁[333の列ベクトル]+y₂[41-1の列ベクトル]+y₃[062の列ベクトル]
この連立方程式より、(x₁,x₂,x₃)=(-1,1,0),(y₁,y₂,y₃)=(2,-1,0)となるので、
b₁=-a₁+a₂∈V,b₂=2a₁-a₂∈V
したがって、W⊆Vとなり、WはVの部分空間である。
(2)a₁を選ぶ。列b₁,b₂,a₁が一次独立かどうか調べよう。
注:ここでdet[b₁ b₂ a₁]の値を求めると=0となり、rank[b₁ b₂ a₁]<3が分かり、列b₁,b₂,a₁は一次独立ではないので、基底にはなれない。
(うまく書けないので、解説で省略。)
a₂を選ぶ。列b₁,b₂,a₂の一次独立性を調べよう。
注:ここでもrank[b₁,b₂,a₂]<3となり、列b₁,b₂,a₂は基底ではない。
列b₁,b₂,a₃について、
注:ここではdet[b₁,b₂,a₃]=-72≠0となり、b₁,b₂,a₃は一次独立で、dim3より、列b₁,b₂,a₃はVの基底となる。
「よくわかる線型代数」有馬哲・石村貞夫著より

因みに、私の(2)の解法は、
(1)より、b₁=-a₁+a₂,b₂=2a₁-a₂
よって、c₁,c₂∈Rに対して、
c₁b₁=-c₁a₁+c₁a₂・・・➀ 
c₂b₂=2c₂a₁-c₂a₂・・・②
➀+②より、
c₁b₁+c₂b₂
=(-c₁+2c₂)a₁+(c₁-c₂)a₂・・・☆
ところで、V=Ra₁+Ra₂+Ra₃より、☆をこの一次結合の形にするにはa₃を選ぶしかない。
よって、答えは、a₃

それともこの別解は一次独立になる事を述べていないので、ダメでしょうか。(どれもダメというなぞなぞのような解答がなければ100%正解ですが。)
もっとも、その後、c₁b₁+c₂b₂+c₃a₃=0として、b₁,b₂,a₃の数値を代入して、c₁,c₂,c₃の連立方程式を作れば、c₁=c₂=c₃=0が求まり、一次独立である事が言えますが。(時間がかかってうまみが消えますね。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/2 13:16削除
定理3.8.2
部分群HがGの正規部分群⇔
G∋∀g,H∋∀hに対してg^-1hg∈H

別証
⇒)HがGの正規部分群より、
∀g∈Gに対して、gH=Hgが成り立つ。
よって、∀hに対して∃h'∈Hが存在して、
gh'=hgが成り立っている。この両辺に左からg^-1(Gは群なのでg^-1∈G)を演算させると、g^-1(gh')=g^-1(hg)
∴(g^-1g)h'=g^-1hg
∴g^-1hg=h'∈H
よって、H∋∀hに対してg^-1hg∈H
⇐)g^-1hg∈Hより、hg∈gH
ところで、条件よりhはHの任意の元なので、
Hg⊆gH———➀
また、g^-1hg∈Hのgの条件は任意のGの元より、gの代わりにg^-1を選ぶ(Gは群なのでg^-1∈G)と、
(g^-1)^-1hg^-1∈H
∴ghg^-1∈H
また、このhも任意のHの元より、
gHg^-1⊆H ∴gH⊆Hg———②
➀,②より、gH=Hg
よって、部分群HはGの正規部分群である。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/1 11:03 (No.1228888)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。
またσaσb=σabを示し、Gの元の合成と、nと互いに素な2つの数a,bの積が対応することを示せ。
したがって[a]nをσaに対応させることにより、(ℤ/nℤ)^×はGと同型である。

解答
Φn(x)は有理数係数多項式として既約であり(定理7.1)、その原始元としてΦn(x)の根ζ(1の原始n乗根)をとる。よってGは、Φn(x)の根ζをζ^aに入れ換える入れ換えσa(aはnと互いに素)からなる。σaσbは、
(σaσb)(ζ)=σa(σb(ζ))=σa(ζ^b)=(ζ^a)^b
=ζ^ab=σab(ζ)
よりσabに等しい。またσa=σbはa≡b modnと同値なので、(ℤ/nℤ)^×からGへの写像[a]n→σaは全単射であり、群の積も対応している。

定理7.1(円分多項式の既約性)
Φn(x)は有理数係数多項式として既約である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

円分多項式と原始n乗根についての補足
「複素平面上、原点を中心とする半径1の円を考えます。この円周上の点
cos(2πk/n)+isin(2πk/n),k=1,2,・・・,n(*)
は円周をn等分した点です(n=1,2,3,・・・)。これらはちょうどx^n-1の根になります。上の数(*)のうち、kがnと互いに素なものを1の原始n乗根といいます。1の原始n乗根を1つとると、そのべき乗は1のn乗根すべてを表します。
1の原始n乗根だけを根に持つ多項式を求めます。この式を円分多項式と呼び、Φn(x)と表します。n=1,・・・,6までは次のとおりです:
Φ₁(x)=x-1
Φ₂(x)=x+1
Φ₃(x)=x²+x+1
Φ₄(x)=x²+1
Φ₅(x)=x⁴+x³+x²+x+1
Φ₆(x)=x²-x+1
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。因みに、今回は真面目に全部読んできて理解している人でも最後の「群の積も対応している」は難解だと思います。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/1 13:56削除
解説
>円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。

問題の意味は、例えば、円分多項式Φ₅(x)=x⁴+x³+x²+x+1の群Gを考える。
この根は、ζ=cos(2π/5)+isin(2π/5),ζ²,ζ³,ζ⁴の4個で、群Gはこの4つの根のある程度の入れ換えの集合である。ある程度の意味は、

定理9.1(基本定理)
重根を持たないd次多項式f(x)に対して、その根α₁,・・・,αdの入れ換えのなす群Gfであって、次の性質をみたすものがただ1つ存在する。
(1)α₁,・・・,αdの2つの式が同じ値を定めるならば、Gfの各元で根を入れ換えても2式の値は等しい。すなわちg(α₁,・・・,αd)=h(α₁,・・・,αd)ならば、Gfの元でαi₁,・・・,αidと入れ換えてもg(αi₁,・・・,αid)=h(αi₁,・・・,αid)が成り立つ。
(2)α₁,・・・,αdの式に対して、その値は、Gfのどの根で入れ換えても変わらないとき、定数である。
この群Gfを多項式f(x)の群という。

この(1)を満たす入れ換えという事である。
また、5は素数なので、ζ=cos(2π/5)+isin(2π/5),ζ²,ζ³,ζ⁴の全ての指数は5と互いに素なので、これらは全て1の原始n乗根(原始5乗根)である。
よって、問題文のσa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)で、ζをζ^aに入れ換えてみる。
σ₁=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴)(本当は2段で表すのだが、書けないので、これは恒等入れ換えという意味。)
ζをζ²に入れ換えると、
σ₂=(ζ² ζ⁴ ζ⁶ ζ⁸)=(ζ² ζ⁴ ζ ζ³)
(ζ=cos(2π/5)+isin(2π/5)より周期5で1(ζ⁵=1)になる。)
ζをζ³に入れ換えると、
σ₃=(ζ³ ζ⁶ ζ⁹ ζ^12)=(ζ³ ζ ζ⁴ ζ²)
ζをζ⁴に入れ換えると、
σ₄=(ζ⁴ ζ⁸ ζ^12 ζ^16)=(ζ⁴ ζ³ ζ² ζ)
よって、G={σ₁,σ₂,σ₃,σ₄}が群になれば問題の意味が分かるというものである。
そこで、
σ₂=(ζ ζ² ζ³ ζ⁴)→(ζ² ζ⁴ ζ ζ³)=σ₂
σ₂²=(ζ² ζ⁴ ζ ζ³)→(ζ⁴ ζ³ ζ² ζ)
=σ₄
σ₂³=(ζ⁴ ζ³ ζ² ζ)→(ζ³ ζ ζ⁴ ζ²)
=σ₃
σ₂⁴=(ζ³ ζ ζ⁴ ζ²)→(ζ ζ² ζ³ ζ⁴)
=σ₁
よって、σ₂を生成元とした巡回群となっている。よって、OK。

>またσaσb=σabを示し

例えば、σ₂σ₃は、
(ζ³ ζ ζ⁴ ζ²)→(ζ ζ² ζ³ ζ⁴)より、
(変換(合成)は自分でやって下さい。)
σ₂σ₃=σ₁
また、σ₂₃=σ₆=σ₁
よって、σ₂σ₃=σ₂₃が成り立つという事。

解答の方の解説は次回。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/1 16:40削除
問題 9-6b
円分多項式Φn(x)の群Gは、nと互いに素なaに対して
σa:ζ→ζ^a(ζは1の原始n乗根)
で定まる根の入れ換えからなることを示せ。
またσaσb=σabを示し、Gの元の合成と、nと互いに素な2つの数a,bの積が対応することを示せ。
したがって[a]nをσaに対応させることにより、(ℤ/nℤ)^×はGと同型である。

解答
Φn(x)は有理数係数多項式として既約であり(定理7.1)、その原始元としてΦn(x)の根ζ(1の原始n乗根)をとる。よってGは、Φn(x)の根ζをζ^aに入れ換える入れ換えσa(aはnと互いに素)からなる。σaσbは、
(σaσb)(ζ)=σa(σb(ζ))=σa(ζ^b)=(ζ^a)^b
=ζ^ab=σab(ζ)
よりσabに等しい。またσa=σbはa≡b modnと同値なので、(ℤ/nℤ)^×からGへの写像[a]n→σaは全単射であり、群の積も対応している。

定理7.1(円分多項式の既約性)
Φn(x)は有理数係数多項式として既約である。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

解説の続き
>Φn(x)は有理数係数多項式として既約であり(定理7.1)、その原始元としてΦn(x)の根ζ(1の原始n乗根)をとる。

何故、Φn(x)が既約である事を言うかと言うと、次の「多項式の群の構成」による。

■多項式の群の構成
f(x)の原始元をβとし、βを根に持つ既約多項式をg(x)とします。またg(x)は重根を持たないとします。多項式の群Gfを
「βをg(x)の根に入れ換えて得られるf(x)の根の入れ換え」
からなる集合とします。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

円分多項式Φn(x)の群Gを求めるには、Φn(x)が既約多項式である必要があるからである。
また、ζがΦn(x)の原始元になる理由は、ζの累乗でΦn(x)の全ての根を表せるからである。

定義8.1(原始元)
重根を持たないn次多項式f(x)の原始元βとは、次の(1),(2)をみたす複素数のことである。以下においてα₁,・・・,αnをf(x)の根とする。
(1)βはα₁,・・・,αnの式で表される。
(2)α₁,・・・,αnはそれぞれβの式で表される。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

ζはζで表されているし、Φn(x)の根はζ,ζ²,・・・,ζ^nなので全てζで表せるからである。

>よってGは、Φn(x)の根ζをζ^aに入れ換える入れ換えσa(aはnと互いに素)からなる。

原始元ζを根に含む既約多項式を作ると、Φn(x)と一致する。
つまり、上の「多項式の群の構成」のf(x)=g(x)=Φn(x)である。
よって、多項式の群Gfは、
「βをg(x)の根に入れ換えて得られるf(x)の根の入れ換え」
より、
「ζをΦn(x)の他の根に入れ換えて得られるΦn(x)の根の入れ換え」
つまり、「Gは、Φn(x)の根ζをζ^aに入れ換える入れ換えσa(aはnと互いに素)からなる」という事である。

>(σaσb)(ζ)=σa(σb(ζ))=σa(ζ^b)=(ζ^a)^b
=ζ^ab=σab(ζ)

σa(ζ^b)=(ζ^a)^bの所、
(上より)「σa:ζ→ζ^a」は、括弧の中のものをa乗する訳ではなく、ζをζ^aに入れ換えるという事である。

>またσa=σbはa≡b modnと同値なので、(ℤ/nℤ)^×からGへの写像[a]n→σaは全単射であり、群の積も対応している。

最初に、p.31より、
「集合{0,1,・・・,n-1}にこの加法,乗法を合わせて考えたものをℤ/nℤと表します。整数aをnで割った余りを
[a]n や a modn
で表し、ℤ/nℤの元とみなします。[a]nは表記を簡潔にするために本書で用いる記号です。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

また、p.33より、
「nと互いに素な正整数(≦n)をℤ/nℤの元を用いて、次のように表します。
(ℤ/nℤ)^×={[a];aはnと互いに素}
={[a];aは1,2,・・・,n-1のどれかで、nと互いに素}
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

ところで、σa=σbは、(上より)「σa:ζ→ζ^a」なので、ζ^a=ζ^b
また、ζは1の原始n乗根なので周期nの周期関数(ζ^n=1)である。よって、a≡b modnと同値という事である。
a≡b modnとζ^a=ζ^bが同値なので、
「(ℤ/nℤ)^×からGへの写像[a]n→σaは全単射」は分かる。
(a≡b modnとℤ/nℤと[a]nは同じ意味で、「σa:ζ→ζ^a」からζ^aとσaとGは同じような事と考えれば良い。Gはσaの集合。前回は、G={σ₁,σ₂,σ₃,σ₄}の例を挙げた。)
問題は、「群の積も対応している」である。
「(ℤ/nℤ)^×からGへの写像[a]n→σa」を写像Fとする。
つまり、F:(ℤ/nℤ)^×→G([a]n→σa)と定義すると、
F([a]n+[b]n)=σ(a+b)=ζ^(a+b)
=ζ^aζ^b=σaσb=F([a]n)F([b]n)
∴F([a]n+[b]n)=F([a]n)F([b]n)
よって、写像Fは準同型写像である。また、Fは全単射であったので同型写像である。
∴(ℤ/nℤ)^×≅G
「したがって[a]nをσaに対応させることにより、(ℤ/nℤ)^×はGと同型である」という事である。

定義6.1
演算◦を持つ群(G,◦)と演算*を持つ群G'(G',*)に対して、GからG'への写像f:G→G'が
∀a,b∈G,f(a◦b)=f(a)*f(b)
なる条件を満足しているとき、fをGからG'への準同型写像という。また、単射でかつ全射である準同型写像を同型写像という。群Gから群G'への同型写像fが存在するとき、GとG'は同型であるといい、G≃G'と書く。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

念のため、私のは適当である。何故なら、今までこの本には準同型写像なんて概念は出て来ていないからである。
多分、群の積とはσaσb=σabの事だろう。これが(ℤ/nℤ)^×とGの同型にどう役に立つのかよく分からない。写像Fでσaσb=σabも全単射になるという事だけだろうか。

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/31 22:41 (No.1228586)削除
問題
図において、△OA'B'は△OABを、頂点Oを中心として、矢印の方向に32°回転移動したものである。
∠AOB=25°,∠OAB=95°であり、また2直線AA',BB'の交点をPとする。
(1)∠OAA'=∠OBB'=□°である。
(2)∠POB=□°である。
(90 東海)

図の解説:∠OAB=95°,∠AOB=25°の△OABがOAを底辺としてある。その△OABを点Oを中心に左回転に32°回転させた三角形を△OA'B'とし、BB',AA'を結びAA'の延長とBB'との交点をPとした図。

あまり意味はありませんが、(2)は2通り作ってみました。当然ですが、同じ系統で効率が悪いものは除きます。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/8/1 07:58削除
問題
図において、△OA'B'は△OABを、頂点Oを中心として、矢印の方向に32°回転移動したものである。
∠AOB=25°,∠OAB=95°であり、また2直線AA',BB'の交点をPとする。
(1)∠OAA'=∠OBB'=□°である。
(2)∠POB=□°である。
(90 東海)

模範解答
(1)△OAA',△OBB'はともに頂角が32°(回転角)の二等辺三角形だから、
∠OAA'=∠OBB'=(180°-32°)÷2=74°
(2)(1)より∠OAP=∠OBP(=74°)だから、4点O,A,B,Pは同一円周上にある。
よって、円周角の定理より、
∠POB=∠PAB=∠BAO-∠A'AO
=95°-74°=21°
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解説
>∠OAP=∠OBP(=74°)だから、4点O,A,B,Pは同一円周上にある。

厳密には、「円周角の定理の逆により」を入れた方が良い。円周角の定理は逆が成り立つ事は受験数学的には自明なのだろうけど、例えば中線定理は逆が成り立たない。

(2)の別解
△OAA',△OBB'はともに頂角が32°(回転角)の二等辺三角形だから、
∠OA'A=∠OB'B(=(180°-32°)÷2=74°)
∴∠OB'P=∠OA'A
よって、四角形B'OA'Pは円に内接する四角形である。
また、∠OB'B=74°,∠OB'A'=∠OBA=180°-25°-95°=60°
よって、円周角より、
∠POA'=∠PB'A'=∠OBB'-∠OB'A'
=74°-60°=14°———➀
また、∠A'OB=32°-25°=7°———②
➀+②より、
∠POB=∠POA'+∠A'OB=14°+7°=21°
よって、答えは、21°

数学はどんどん無駄な事をやった方が楽しいですね。笑

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/5035f7275731515c3076a086c0b032c2577b1fb7
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/31 11:19 (No.1228074)削除
次の文章を完全解説して下さい。

定理3.8.1
H₁,H₂がGの正規部分群ならばH₁∩H₂もGの正規部分群である。

証明
K=H₁∩H₂とおくときG∋∀gに対してgK=Kgを示せばよい。
まずgK⊆Kgを示す。
gK∋∀xをとると
x=gk(k∈K=H₁∩H₂)と書ける。
k∈H₁ and k∈H₂なので
gk∈gH₁ and gk∈gH₂
H₁,H₂はGの正規部分群なので
gH₁=H₁g and gH₂=H₂g
∴gk∈H₁g and gk∈H₂g
∴gkg^-1∈H₁ and gkg^-1∈H₂
∴gkg^-1∈H₁∩H₂=K
∴x=gk∈KgなのでgK⊆Kgが示せた。
次に、Kg⊆gKを示す。
Kg∋∀yをとると
y=kg(k∈K=H₁∩H₂)と書ける。
k∈H₁ and k∈H₂なので
kg∈H₁g and kg∈H₂g
H₁,H₂はGの正規部分群なので
gH₁=H₁g and gH₂=H₂g
∴kg∈gH₁ and kg∈gH₂
∴g^-1kg∈H₁ and g^-1kg∈H₂
∴g^-1kg∈H₁∩H₂=K
∴y=kg∈gKなのでKg⊆gKが示せた。
以上より、gK=Kg
よって、示された。

定義
G∋∀gに対して gH=Hg
が成立する部分群HをGの正規部分群という。
「すぐわかる代数」石村園子著より

エレガントに示していますね。一応、ベタな方法でも証明して下さい。ただし、厳密にお願いします。

3 俗に、ひねりがなく、面白味に欠けるさま。「—な駄じゃれ」
引用元:https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%81%B9%E3%81%9F/

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/7/31 13:59削除
定理3.8.1
H₁,H₂がGの正規部分群ならばH₁∩H₂もGの正規部分群である。

別証
K=H₁∩H₂とおくときG∋∀gに対してgK=Kgを示せばよい。
まずgK⊆Kgを示す。
gK∋∀xをとると
x=gk(k∈K=H₁∩H₂)・・・➀と置け、k∈H₁ かつ k∈H₂
また、H₁はGの正規部分群より、
∀g∈Gに対して、gH₁=H₁g
よって、∃k'∈H₁,gk=k'g・・・②
➀,②より、x=k'g∈H₁g・・・③
また、H₂もGの正規部分群より、
∀g∈Gに対して、gH₂=H₂g
よって、∃k''∈H₂,gk=k''g・・・④
➀,④より、x=k''g∈H₂g・・・⑤
③,⑤より、x∈H₁g∩H₂g
=(H₁∩H₂)g(下の定理より)=Kg
∴x∈Kg
よって、x∈gK⇒x∈Kg
∴gK⊆Kg———☆
次に、Kg⊆gKを示す。
Kg∋∀yをとると
y=kg(k∈K=H₁∩H₂)・・・⑥
k∈H₁ かつ k∈H₂
また、H₁はGの正規部分群より、
∀g∈Gに対して、H₁g=gH₁
よって、∃k₁∈H₁,kg=gk₁・・・⑦
⑥,⑦より、y=gk₁∈gH₁・・・⑧
また、H₂もGの正規部分群より、
∀g∈Gに対して、H₂g=gH₂
よって、∃k₂∈H₂,kg=gk₂・・・⑨
⑥,⑨より、y=gk₂∈gH₂・・・⑩
⑧,⑩より、y∈gH₁∩gH₂
=g(H₁∩H₂)(下の定理より)=gK
∴y∈gK
よって、y∈Kg⇒y∈gK
∴Kg⊆gK———☆☆
☆,☆☆より、gK=Kg
よって、示された。

問4.2(定理)
群Gの部分集合X,Y,Zと元a,b∈Gについて、
(6)a(X∩Y)=aX∩aY
が成り立つ事を示せ。

おまけ:
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