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壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/7 20:29 (No.1184013)削除
問題
AB=AC=12cm,BC=10cmの△ABCが円に内接している。この円に弦ADを引き、その延長が底辺BCの延長と交わる点をEとすると、AD=DEになった。このとき、線分ADの長さは□cmで、線分CEの長さは□cmである。
(87 筑波大付)

別解を作ってみました。念のため、模範解答の方は普通に解けました。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/8 08:03削除
問題
AB=AC=12cm,BC=10cmの△ABCが円に内接している。この円に弦ADを引き、その延長が底辺BCの延長と交わる点をEとすると、AD=DEになった。このとき、線分ADの長さは□cmで、線分CEの長さは□cmである。
(87 筑波大付)

解答
∠B=∠ACB(二等辺三角形の底角)
=∠ADB(円周角の定理)
よって、△ABD∽△AEB(二角相等)
比をとって
AB:AE=AD:AB・・・①
求めたいADの長さをxとおいて①に代入すると、12:2x=x:12
これを解いて、2x^2=144より、
AD=x=6√2(cm)
次に、求めたいCEをyとおくと、方べきの定理より、EC×EB=ED×EA
∴y(y+10)=6√2×12√2
y^2+10y-144=0
(y+18)(y-8)=0より、
CE=y=8(cm)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

別解
AD=x,CE=yと置くと、AE=2x
また、AからBCに垂線を下ろしその足をHとすると、△ABCは二等辺三角形より、BH=CH=5cm ∴HE=y+5
また、△ABHで三平方の定理を使うと、
AH=√(12^2-5^2)=√119
よって、△AEHで三平方の定理を使うと、
119+(y+5)^2=(2x)^2が成り立つ。
∴4x^2=y^2+10y+144———①
また、方べきの定理より、
y(y+10)=x・2xが成り立つ。
∴2x^2=y^2+10y———②
②を①に代入すると、
2(y^2+10y)=y^2+10y+144
∴y^2+10y-144=0
∴(y+18)(y-8)=0
y>0より、y=8 ∴CE=8cm
また、②に代入すると、
2x^2=64+80=144
∴x^2=72 x>0より、x=6√2
∴AD=6√2cm

因みに、ここからが本番です。AD=x,CE=y,BD=z,CD=wと置いて三平方の定理は使わないで別解を作って下さい。(これが出来たらマニアを名乗って良いと思います。)
因みに、ちょっと検索してみたら、ネット上には上の別解しかないようです。表プロなら上の模範解答を作るでしょう。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1259318417

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/9 07:59削除
問題
AB=AC=12cm,BC=10cmの△ABCが円に内接している。この円に弦ADを引き、その延長が底辺BCの延長と交わる点をEとすると、AD=DEになった。このとき、線分ADの長さは□cmで、線分CEの長さは□cmである。
(87 筑波大付)

別解2
AD=x,CE=y,BD=z,CD=wと置くと、AE=2x
四角形ABCDは円に内接する四角形より、∠BAD=∠DCE ∴∠BAE=∠DCE また、∠Eは共通より2角が等しいので、
△ECD∽△EAB
よって、x:y=y+10:2x———①
y:w=2x:12———②
が成り立つ。
∴2x^2=y(y+10)———①'
12y=2xw ∴wx=6y———②'
また、円周角より∠CAD=∠CBD,∠Eは共通より2角が等しいので、
△ECA∽△EDB
よって、x:z=y:12が成り立つ。
∴yz=12x———③
また、トレミーの定理を使うと、
12w+10x=12zが成り立つ。
∴6w+5x=6z———④
ここで、②'より、w=6y/xとして④に代入すると、36y/x+5x=6z
∴36y+5x^2=6xz———⑤
また、③より、z=12x/yとして⑤に代入すると、36y+5x^2=72x^2/y
∴36y^2+5x^2y=72x^2———⑥
また、①'より、
x^2=y(y+10)/2
これを⑥に代入すると、
36y^2+5y^2(y+10)/2=36y(y+10)
∴72y^2+5y^2(y+10)=72y(y+10)
ところで、y≠0より両辺をyで割ると、
72y+5y(y+10)=72(y+10)
∴72y+5y^2+50y=72y+720
∴5y^2+50y-720=0
∴y^2+10y-144=0
∴(y+18)(y-8)=0
y>0より、y=8 ∴CE=8cm
また、①'に代入すると、
2x^2=8・18=144
∴x^2=72 x>0より、x=6√2
∴AD=6√2cm

問題
(  )に語句を入れて英熟語を完成させてください。
~の家に泊まる
stay(  )~

解答
with

しかし、コメント欄に、
「「...の家に泊まるは」withじゃなくstay overnight at someone's houseですよ。」
とある。
https://www.msn.com/ja-jp/lifestyle/other/%E5%A4%A7%E4%BA%BA%E3%81%AA%E3%82%89%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B-%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AE-%E8%8B%B1%E8%AA%9E-%E5%95%8F%E9%A1%8C-vol-16/ar-BB1nIbcK?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=0df38b3a48a34cb5919f0ac0ad5beebc&ei=13#comments

実際、こちらのサイトhttps://eow.alc.co.jp/search?q=stay+withでは、「泊まる」という言葉はない。
ただし、わたしの手もとに辞書(1978年)には「stay with」(・・・の家に泊まる,・・・の家に滞在する)で前の方が太字になっている。
また、載っているサイトもある。https://ejje.weblio.jp/content/stay--with#google_vignette
ただし、古そうである。因みに、載っていないサイトの方が圧倒的である。言葉は時代によってニュアンスが変わるからね。まぁ、意訳としては聞き返される程度で通用するのだろう。(適当)

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/6 15:18 (No.1183020)削除
問題
図で円O,O'は点Cで外接している。また、直線AEは円O上の1点Aからひいた円O'の接線であり、点Eは接点である。そして、2点B,Dはそれぞれ円Oと2直線AE,ECとの交点,点Fは円O'と直線ACとの交点である。次の問いに答えよ。
(1)∠EAF=25°,∠EFA=50°のとき
(ⅰ)∠ABDは何度か。
(ⅱ)∠ADEは何度か。
(2)∠EAF=30°,AD∥BCのとき、∠EFAは何度か。
(82 成城学園)

図の解説:左に円O,右に円O'をO'の方をちょっと小さめに外接させて描き、接点をCとする。次に、円Oの円周上左上に点Aを取り、円O'の上方に接線を引きその接点をEとし、AEと円Oとの交点をBとする。また、ECの延長と円Oとの交点をD,ACの延長と円O'との交点をFとした図。

普段は別解が作れない問題は取り上げませんが、あやうく連勝がストップするほど苦戦した問題なので紹介しますね。30分ぐらい(以上?)考えたかもしれません。(2題考えていたので時間はよく分かりません。)

因みに、今日たまたまメモ用紙みたいなものに数学の問題が書かれているのを発見したので紹介しますね。

問題
nと互いに素なものの総和はnの倍数となる事を示せ。ただし、n=a^p・b^q(a,bは素数),n≧3とする。

何の由来の問題かさっぱり分かりませんが、a,bは素数なんて、普通はp,qが素数だろうと思うので、そのまま写した問題とは思えません。ただし、私のオリジナルとも思えませんが。(何かを改造したオリジナルの可能性が高いと思います。)

おまけ:https://www.nicovideo.jp/watch/sm17111475

https://www.nicovideo.jp/watch/sm16302189
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/7 07:59削除
問題
図で円O,O'は点Cで外接している。また、直線AEは円O上の1点Aからひいた円O'の接線であり、点Eは接点である。そして、2点B,Dはそれぞれ円Oと2直線AE,ECとの交点,点Fは円O'と直線ACとの交点である。次の問いに答えよ。
(1)∠EAF=25°,∠EFA=50°のとき
(ⅰ)∠ABDは何度か。
(ⅱ)∠ADEは何度か。
(2)∠EAF=30°,AD∥BCのとき、∠EFAは何度か。
(82 成城学園)

図の解説:左に円O,右に円O'をO'の方をちょっと小さめに外接させて描き、接点をCとする。次に、円Oの円周上左上に点Aを取り、円O'の上方に接線を引きその接点をEとし、AEと円Oとの交点をBとする。また、ECの延長と円Oとの交点をD,ACの延長と円O'との交点をFとした図。

解答
(1)基本図41より、AD∥EF
(ⅰ)接弦定理より、∠AED=∠F=50°
円周角の定理より、∠BDC=∠BAC=25°
よって、∠ABD=∠AED+∠BDC=75°
(ⅱ)AD∥EFより、
∠ADE=∠DEF(錯角)
=180°-(∠EAF+∠AEC+∠F)=55°
(2)AD∥EFとAD∥BCとあわせて、
AD∥BC∥EF
求めたい角度∠EFA=x°とおくと、
まず、∠AED=∠F=x°
次に、∠ACB=∠F(同位角)=x°
∠ADB=∠ACB(円周角の定理)=x°
∠DAF=∠F(錯角)=x°
また、∠BDC=∠BAC(円周角の定理)=30°
だから、△ADEの内角の和を考えて、
3x°+60°=180°
これを解いて、∠EFA=x°=40°
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

注:基本図41の解説は、共通内接線を引けば、接弦定理と対頂角から錯角が等しい事が言え、平行が言える。

(1)(ⅱ)の別解(私が思い付いた方法)
接弦定理より∠BED=50°また、円周角より∠BDC=25°よって、△BDEの内対角の和より、∠ABD=75°
ここで、共通内接線を引くと接弦定理と対頂角から∠DAC=∠CFE=50°よって、∠DAB=75°よって、△DABの内角の和より∠ADB=30°よって、∠ADE=30°+25°=55°(無駄が多いですね。)
(2)の別解(私が思い付いた方法)
AD∥EFとAD∥BCを合わせて、AD∥BC∥EFまでは模範解答と同じ。
∠EFA=xと置くと、接弦定理より∠BEC=x また、円周角より∠BDC=∠BAC=30°よって、△BDEの内対角の和より、∠ABD=x+30°また、AD∥EFより錯角で∠DAC=x よって、∠DAB=x+30°
また、BC∥EFより同位角で∠ACB=x また、円周角より∠ADB=∠ACB=x
よって、△DABの内角の和より、(x+30°)×2+x=180°が成り立つ。
よって、3x=120°よって、x=40°
よって、∠EFA=40°(これも無駄が多いですね。)

おまけ:https://www.nicovideo.jp/watch/sm5593687
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/7 14:01削除
問題
nと互いに素なものの総和はnの倍数となる事を示せ。ただし、n=a^p・b^q(a,bは素数),n≧3とする。

解答
nと互いに素ではないものの総和は、
a,2a,3a,・・・,{a^(p-1)b^q}a
b,2b,3b,・・・,{a^pb^(q-1)}b
ab,2ab,3ab,・・・,{a^(p-1)b^(q-1)}abより、
a{1+2+3+・・・+a^(p-1)b^q}
+b{1+2+3+・・・+a^pb^(q-1)}
-ab{1+2+3+・・・+a^(p-1)b^(q-1)}
=a・[a^(p-1)b^q・{1+a^(p-1)b^q}/2]
+b・[a^pb^(q-1)・{1+a^pb^(q-1)}/2]
-ab・[a^(p-1)b^(q-1)・{1+a^(p-1)b^(q-1)}/2]
=n(1+n/a)/2+n(1+n/b)/2
-n(1+n/ab)/2
=(n+n^2/a+n^2/b-n^2/ab)/2
また、全ての総和は、n(n+1)/2より、
nと互いに素なものの総和は、
n(n+1)/2-(n+n^2/a+n^2/b-n^2/ab)/2
=(n^2-n^2/a-n^2/b+n^2/ab)/2
=(n^2/2)(1-1/a-1/b+1/ab)
=(n^2/2)(1-1/a)(1-1/b)
ところで、(n^2-n^2/a-n^2/b+n^2/ab)/2の時点でnでくくると、
n(n-n/a-n/b+n/ab)/2で、
また、n=a^p・b^qより、n-n/a-n/b+n/ab部分は整数になる。
ここで、aまたはbが2の場合は(n-n/a-n/b+n/ab)/2も整数になり、aまたはbが2でない場合はnは2で割り切れない。また、互いに素なものの総和なので全体は整数である。
よって、どちらの場合もnは残り、nと互いに素なものの総和はnの倍数になる。

因みに、メモ帳には「=(n^2/2)(1-1/a)(1-1/b)」までしか書いていなくて、「ところで」以降は今回作った。

ところで、これが成り立つのはn=a^p・b^q(a,bは素数)に限った話ではない。その理由は、「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著の第1章§3の演習問題6である。

演習問題6
nを1より大きい正の整数とする。nより小さく、nと互いに素な正の整数をa1,a2,・・・,aφ(n)とするとき、次を求めよ。
a1+a2+・・・+aφ(n)=∑((x,n)=1,0≦x<n)x

解答は、メビュースの反転公式などを使い複雑だが、答えは、f(n)=nφ(n)/2であり、定理3.3を使うと、
f(n)=n・n(1-1/p₁)(1-1/p₂)・・・(1-1/ps)/2
=(n^2/2)(1-1/p₁)(1-1/p₂)・・・(1-1/ps)
となるからである。
因みに、このメモ帳は他に書いてあることから推察すると、少なくとも12年以上前のものである。我ながら画期的なものを作っていたものだと思う。次回は、最近作った別解をやってみますね。(演習問題6をやった時にネットの知恵を借りて作った。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/7 15:46削除
問題
nと互いに素なものの総和はnの倍数となる事を示せ。ただし、n=a^p・b^q(a,bは素数),n≧3とする。

別解
例えば、n=15とすると、nと互いに素なものは、{1,2,4,7,8,11,13,14}
この両端同士からペアにしていくと、全ての組の和は15になる。
n=14とすると、nと互いに素なものは、{1,3,5,9,11,13}
やはり、両端同士からペアにしていくと、全ての組の和はnになる。
また、n≧3の場合は、この個数は必ず偶数になる。その理由は、
n≧3の場合、nは奇素数を含む数かまたは2^k(k∈ℕ)と表される。
nが奇素数を含む場合は、n=n'p(pは奇素数)と置くと、定理3.2より、φ(n)=φ(n'p)=φ(n')φ(p)

定理3.2
オイラーの関数は乗法的である。すなわち、n=n1・n2のとき、
(n1,n2)=1⇒φ(n)=φ(n1)・φ(n2)
が成り立つ。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

ところで、pは素数よりφ(p)=p-1=偶数より、φ(n)は偶数となる。
また、n=2^kの場合は、2^kと互いに素なものは1から2^kまでの全ての奇数なので、2^k/2=2^(k-1)個である。よって、φ(n)=偶数
どちらの場合もφ(n)は偶数個である。

よって、nと互いなものの総和は、ペアの和×互いに素なものの個数÷2で求められる。
つまり、n・φ(n)/2———①
ここで、定理3.3を使うと、
n=a^p・b^q(a,bは素数)より、
φ(n)=n(1-1/a)(1-1/b)———②
②を①に代入すると、
nと互いに素なものの総和
=n・n(1-1/a)(1-1/b)/2
=(n^2/2)(1-1/a)(1-1/b)

定理3.3
n=p₁^e₁p₂^e₂・・・ps^es(piは互いに異なる素数,ei≧1)であれば、次の等式が成り立つ。
φ(n)=n(1-1/p₁)(1-1/p₂)…(1-1/ps)
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

ところで、φ(n)は偶数(n≧3の場合)より、
nと互いに素なものの総和=n・φ(n)/2
はnの倍数である。

アイデア引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14184899839

補足
m∈Aならばn-m∈Aの証明
mとnは互いに素より共通因数がないので、n-mとnも互いに素なので、n-m∈A
ただし、集合Aはnと互いに素なものの集合である。つまり、n=15の場合は、A={1,2,4,7,8,11,13,14}でmはこの要素でn-mはペアの相手という事。

しかし、12年前のものは定理3.3の力も借りずに見事ですね。多分、何かをアレンジしただけですが。

おまけ:
https://www.tv-asahi.co.jp/reading/goodmorning/228235/
返信
返信3
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/5 16:17 (No.1182267)削除
問題作ってみました。

問題
a+b√2≠0とa²-2b²≠0は同値である事を証明して下さい。ただし、a,bは有理数とする。

因みに、a≠-b√2として両辺を2乗するのはなしとします。その理由は、例えばa≧-b√2とすると、両辺が正ならばa²≧2b²ですが、両辺が異符号の場合はa²≦2b²の場合もあるから、何の解説もなしにa²≠2b²とは言えないからです。もちろん、補足解説を付ければ良いだけの話ですが、面倒臭いと思います。(ちょっと屁理屈が入っていますね。)

おまけ:https://www.nicovideo.jp/watch/sm7282783
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/6 13:44削除
問題
a+b√2≠0とa²-2b²≠0は同値である事を証明して下さい。ただし、a,bは有理数とする。

解答
(ⅰ)a+b√2≠0⇒a²-2b²≠0の証明
a,bは有理数より、a+b√2≠0となるのは、aとbが共に0ではない場合である。
ここで、a²-2b²=(a+√2b)(a-√2b)とすると、a,bが共に0でないので、
a+√2b≠0,a-√2b≠0
ところで、ℚ[√2]={a+b√2|a,b∈ℚ}は四則演算について閉じているので体である。(「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著p156を見ても良い。)
また、同書の定理1.4より、体ならば整域なので、ℚ[√2]は整域である。
よって、a+√2b≠0,a-√2b≠0ならば、(a+√2b)(a-√2b)≠0である。

定理1.4
体は0と異なる零因子を持たない。すなわち、体は整域である。

定義1.3
零元0_Rと異なる零因子のない可換環を整域という。
可換環Rが整域である⇔a・b=0(a,b∈R)ならばa=0_Rまたはb=0_R
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

(ⅱ)a²-2b²≠0⇒a+b√2の証明
a²-2b²=(a+√2b)(a-√2b)≠0より、a+√2b≠0 かつ a-√2b≠0
よって、a²-2b²≠0⇒a+b√2

(ⅰ),(ⅱ)より、
a+b√2⇔a²-2b²≠0
よって、a+b√2とa²-2b²≠0は同値である。よって、示された。

因みに、(ⅱ)の証明はℚ[√2]が整域だろうとそうでなかろうと成り立つ。その理由は、定義1.3の対偶を取ると、
可換環Rが整域でない⇔「a・b=0(a,b∈R)ならばa=0_Rまたはb=0_R」の否定
で、AならばBの否定は、「AかつBでない」なので、
可換環Rが整域でない⇔「a・b=0(a,b∈R)かつa≠0_Rかつb≠0_R」
つまり、整域であろうとなかろうとa・b≠0の場合は関係ない。(a・b≠0でa=0またはb=0なんて整域であろうとなかろうとあり得ない。)

補足:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1463701739(面倒臭くて読んでいませんが、自分で考えた所、A⇒BはAがBの部分集合(全部入っているから自動的にそうなるという事)という事で、ベン図でAとBの交わり部分をA∩Bとすると、Aの(Bの部分集合)でない部分は、A-A∩Bで、図からA∩(|B)(|BはBでない部分という事。)
よって、A⇒Bの否定は「AがBの部分集合」の否定で、AのBの部分集合でない部分=A∩(|B)
よって、A⇒Bの否定は「AかつBでない」と考えました。)

おまけ:https://www.nicovideo.jp/watch/sm2801363

https://www.tv-asahi.co.jp/reading/goodmorning/228228/

https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11304719405.html
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/4 13:47 (No.1181358)削除
問題
図のように、円Oにおいて、弧ABの中点をMとしたとき、点Mを通る弦MC,MDが弦ABと交わる点を、E,Fとする。このとき、次の問いに答えよ。
(1)線分CDが円の中心Oを通るとき、∠CDF+∠BFDを求めよ。
(2)弦MDを5√3,線分EF,MEをそれぞれ4,2√3としたとき、弦CDの長さを求めよ。
(91 日大鶴ヶ丘)

図の解説:円と弦ABがあり弧ABの中点をMとする。また、優弧AB上に左から右に点C,Dを取り、CM,DMとABとの交点をそれぞれE,Fとした図。

(1)と(2)共に別解を作ってみました。(2)の別解はちょっと無理があるかもしれません。念のため、解法としては正しいです。今回も模範解答は普通に解けました。(今の所全勝です。図形問題だけしかやっていませんが。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/5 07:54削除
問題
図のように、円Oにおいて、弧ABの中点をMとしたとき、点Mを通る弦MC,MDが弦ABと交わる点を、E,Fとする。このとき、次の問いに答えよ。
(1)線分CDが円の中心Oを通るとき、∠CDF+∠BFDを求めよ。
(2)弦MDを5√3,線分EF,MEをそれぞれ4,2√3としたとき、弦CDの長さを求めよ。
(91 日大鶴ヶ丘)

解答
(1)∠CDF=弧CAMの円周角=弧CAの円周角+弧AMの円周角
∠BEM=弧BMの円周角+弧CAの円周角(注:アルハゼンの定理より)
ここで弧AM=弧BMだから、
∠CDF=∠FEM(=a°とおく)・・・①
いま、∠DFB=∠MFE=b°とおくと、
∠CDF+∠BFD=a°+b°=180°-∠M
ここで、∠Mは、CDが直径なので90°だから、∠CDF+∠BFD=180°-90°=90°
(2)①より、△MFE∽△MCD(二角相等)対応する辺の比をとって、
ME:MD=FE:CD 
わかっている値を代入すると、
2√3:5√3=4:CD
これを解いて、CD=10
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

(1)の別解
というより私が最初に思い付いた解法。
円の中心をOとすると、CDの中点にある。また、OMを結ぶと、半径より△OMDは二等辺三角形になり、点Mは弧ABの中点より円の性質上OM⊥ABとなる。(証明は簡単で省略。)
よって、OMとABの交点をGとすると、∠CDF=∠ODM=∠OMD=∠GMF
∴∠CDF=∠GMF———①
また、∠BFD=∠GFM———②
①+②より、
∠CDF+∠BFD=∠GMF+∠GFM=∠EGM=90°(OM⊥ABだから。)
よって、答えは、90°

(2)の別解のヒント:AE=x,BF=y,CE=z,MF=wと置いて下さい。これが出来たら私と対等です。

「110:1 主はわが主に言われる、「わたしがあなたのもろもろの敵をあなたの足台とするまで、わたしの右に座せよ」と。
110:2 主はあなたの力あるつえをシオンから出される。あなたはもろもろの敵のなかで治めよ。」
「詩篇」第110篇1節~2節(口語訳)

「杖(立法者)とは律法の探究者である。背神の時代のあいだ・・・・時の終わりに義の教師が到来するまで、彼らが終始その道を歩むよう、立法者は掟を公布した。その掟をたよりに井戸を掘るために来る者が、民のうちの貴人である。」(『ダマスコ文書』写本A第6章7-11節)

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/661a3d93e54468faee283a38bdd1112f0d86b32d?page=2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/6 07:56削除
問題
図のように、円Oにおいて、弧ABの中点をMとしたとき、点Mを通る弦MC,MDが弦ABと交わる点を、E,Fとする。このとき、次の問いに答えよ。
(1)線分CDが円の中心Oを通るとき、∠CDF+∠BFDを求めよ。
(2)弦MDを5√3,線分EF,MEをそれぞれ4,2√3としたとき、弦CDの長さを求めよ。
(91 日大鶴ヶ丘)

(2)の別解
AE=x,BF=y,CE=z,MF=wと置くと、方べきの定理より、
2√3・z=x・(y+4)———①
w・(5√3-w)=y・(x+4)———②
が成り立つ。
また、円の中心をOとしてOMとABの交点をPとすると、OM⊥ABで点PはABの中点である。(△OABは二等辺三角形で∠AOM=∠BOMだから。)
∴AP=BP=(x+y+4)/2
∴EP=(x+y+4)/2-x
=(-x+y)/2+2
FP=(x+y+4)/2-y
=(x-y)/2+2
よって、△PMEと△PMFで三平方の定理を使うと、
(2√3)^2-{(-x+y)/2+2}^2
=w^2-{(x-y)/2+2}^2
が成り立つ。
∴12-(-x+y)^2/4-2(-x+y)-4
=w^2-(x-y)^2/4-2(x-y)-4
∴w^2-2(x-y)+2(-x+y)-12=0
∴w^2-4x+4y-12=0———③
ここで、②-①より、
w・(5√3-w)-2√3・z=y・(x+4)-x・(y+4)
∴w(5√3-w)-2√3z=-4x+4y———④
④を③に代入すると、
w^2+w(5√3-w)-2√3z-12=0
∴5√3w-2√3z-12=0
∴5√3・w=2√3・(z+2√3)
∴MD・MF=ME・MC
∴ME:MF=MD:MC
また、∠Mは共通より二辺比と挟角が等しいので、△MEF∽△MDC
∴2√3:5√3=4:CD
∴CD=10

因みに、MD・MF=ME・MCから、
ME・MC=MF・MDと見て方べきの定理の逆より、四角形EFDCは円に内接する四角形なので、∠MFE=∠ECD,∠MEF=∠FDC よって、2角が等しいので△MEF∽△MDCとしても良い。

おまけ:
https://ameblo.jp/coach-charlie/entry-10586831881.html
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/4 16:06 (No.1181439)削除
次の文章を完全解説して下さい。

このように構成した原始元は、重根を持たない多項式の根になります。実際、α1,α2,α3を入れ換えて得られるpαi₁+qαi₂+rαi₃(i₁,i₂,i₃は1,2,3のすべての入れ換え)は、定義よりすべて異なります。これらを根に持つ多項式h(x)は、α₁,α₂,α₃の対称式(つまり有理数)を係数に持ちます。したがって、ここで構成した原始元は重根を持たないh(x)の根です。とくに原始元の最小多項式は重根を持ちません。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

>定義よりすべて異なります

2ページ前に「まず有理数p,q,rをうまく選んで、pα₁+qα₂+rα₃の値が、どのようにα₁,α₂,α₃を入れ換えてもすべて異なるようにします」とあります。

では、具体的には、

>これらを根に持つ多項式h(x)は、α₁,α₂,α₃の対称式(つまり有理数)を係数に持ちます。

>したがって、ここで構成した原始元は重根を持たないh(x)の根です。とくに原始元の最小多項式は重根を持ちません。

この2ヶ所ぐらいですね。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/5 13:58削除
解説
>これらを根に持つ多項式h(x)は、α₁,α₂,α₃の対称式(つまり有理数)を係数に持ちます。

h(x)={x-(pα₁+qα₂+rα₃)}
・{x-(pα₁+qα₃+rα₂)}
・{x-(pα₂+qα₁+rα₃)}
・{x-(pα₂+qα₃+rα₁)}
・{x-(pα₃+qα₁+rα₂)}
・{x-(pα₃+qα₂+rα₁)}
で、このα₁,α₂,α₃を3つとも入れ換える方法は2通りあり、(α₁,α₂,α₃)→(α₃,α₁,α₂)
または、(α₁,α₂,α₃)→(α₂,α₃,α₁)
h(x)を(α₁,α₂,α₃)→(α₃,α₁,α₂)で入れ換えると、
h'(x)={x-(pα₃+qα₁+rα₂)}
・{x-(pα₃+qα₂+rα₁)}
・{x-(pα₁+qα₃+rα₂)}
・{x-(pα₁+qα₂+rα₃)}
・{x-(pα₂+qα₃+rα₁)}
・{x-(pα₂+qα₁+rα₃)}
よって、h(x)=h'(x)である事が分かるだろう。一応、(α₁,α₂,α₃)→(α₂,α₃,α₁)でもやると、
h''(x)={x-(pα₂+qα₃+rα₁)}
・{x-(pα₂+qα₁+rα₃)}
・{x-(pα₃+qα₂+rα₁)}
・{x-(pα₃+qα₁+rα₂)}
・{x-(pα₁+qα₂+rα₃)}
・{x-(pα₁+qα₃+rα₂)}
やはり、h(x)=h''(x)である。
つまり、h(x)はα₁,α₂,α₃についての対称式なので、展開したxの係数もα₁,α₂,α₃の対称式である。(入れ換えても変わらないから。)
ところで、定理3.1より、全ての対称式は基本対称式の多項式で表されるので、h(x)の係数はα₁,α₂,α₃の基本対称式の多項式で表される。
また、f(x)=(x-α₁)(x-α₂)(x-α₃)
=x³-(α₁+α₂+α₃)x²+(α₁α₂+α₂α₃+α₃α₁)x+α₁α₂α₃より、これらの係数は基本対称式で、また条件(f(x)=x³-2)より有理数係数であるので、h(x)の係数も有理数係数となる。
よって、「これらを根に持つ多項式h(x)は、α₁,α₂,α₃の対称式(つまり有理数)を係数に持ちます」という事である。

定理3.1(対称式の基本定理)
n変数対称式f(x1,・・・,xn)は基本対称式s1,・・・,snの多項式として一意的に表される。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

>したがって、ここで構成した原始元は重根を持たないh(x)の根です。とくに原始元の最小多項式は重根を持ちません。

重根を持つと、h(x)の{ }にダブるものが出て来て、α₁,α₂,α₃を入れ換えるとh(x)≠h'(x)となって対称式とならなくなり上の議論(または前回の議論)が出来なくなるから。
また、最小多項式は既約多項式で問題7-11から有理数係数多項式は既約多項式ならば重根を持たないので、「原始元の最小多項式は重根を持ちません」という事。(ただし、有理数係数に限らない話らしい。)

問題 7-11b
有理数係数多項式は既約ならば、重根を持たないことを示せ。

「αを根に持つA係数単多項式f(x)について、次の①,②は同値です:
①f(x)はαのA最小多項式である。
②f(x)は既約である。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

おまけ:https://www.nicovideo.jp/watch/sm15933697

https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2024/06/05/kiji/20240605s00001007168000c.html
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返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/3 12:14 (No.1180442)削除
次の文章を完全解説して下さい。

■原始元の存在(証明)
上の例で原始元を具体的に構成しました。ガロワは一般に重根を持たないf(x)に対して、その原始元が存在することを証明しました。ここでは煩雑にならないように、f(x)=x^3-2の例においてガロワの理論を紹介します。一般の場合も同様です。
まず有理数p,q,rをうまく選んで、pα1+qα2+rα3の値が、どのようにα1,α2,α3を入れ換えてもすべて異なるようにします。このように選ぶことは可能です。実際
pαi₁+qαi₂+rαi₃=pαj₁+qαj₂+rαj₃
をp,q,rの方程式とみると15個の方程式が得られます。(p,q,r)として、3次元空間から有限個の平面を除いた残りの点の座標(有理数)を選べば、どの方程式でも解にならないp,q,rになります。
このように選んだp,q,rに対して、β=pα1+qα2+rα3はf(x)の原始元になります。その理由を説明します。α1を固定する根の入れ換えによって次の積g(x)を作ります:
g(x)=(x-pα1-qα2-rα3)(x-pα1-qα3-rα2)
この式はα2,α3の対称式なのでf(x)/(x-α1)の係数の式になります。
例えばf(x)=f(x)-f(α1)=x^3-α1^3=(x-α1)(x^2+α1x+α1^2)
であり、α2+α3=-α1,α2α3=α1^2です。そこでg(x)を、xとα1の式とみなして、改めてg(x,α1)とおきます:
g(x,α1)=(x-pα1)^2+(q+r)α1(x-pα1)+α1^2(q^2+r^2-qr)
=x^2+α1x(-2p+q+r)+α1^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)
ここでα1を変数yにした2変数有理数係数多項式g(x,y)を利用します:
g(x,y)=x^2+xy(-2p+q+r)+y^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)
g(x,α2)やg(x,α3)は、g(x,α1)の構成においてα1をα2やα3に置き換えて構成したものと同じです:
g(x,α2)=x^2+α2x(-2p+q+r)+α2^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)
=(x-pα2-qα1-rα3)(x-pα2-qα3-rα1)
g(x,α3)=x^2+α3x(-2p+q+r)+α3^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)
=(x-pα3-qα1-rα2)(x-pα3-qα2-rα1)
このg(x,y)にx=βを代入した式(βの式を係数とするyの多項式)
g(β,y)=β^2+βy(-2p+q+r)+y^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)
は定義よりy=α1を根に持ちます。またp,q,rの選び方からg(β,α2)≠0,g(β,α3)≠0となります。したがってg(β,y)とf(y)の共通根y=α1のみです。よってg(β,y)とf(y)の最大公約数は(定数倍を除いて)y-α1となります。
一方、g(β,y)とf(y)の最大公約式をユークリッドの互除法で計算すると(βの式の加減乗除の結果)、y-u(β)(u(β)は有理数係数のβの式)が得られます。よってα1=u(β)となり、α1はβの式で表せます。α2やα3についても同様です。以上のことから、βがf(x)の原始元であることがわかります。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:https://www.nicovideo.jp/watch/nm6860304
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/3 13:51削除
解説
>まず有理数p,q,rをうまく選んで、pα1+qα2+rα3の値が、どのようにα1,α2,α3を入れ換えてもすべて異なるようにします。このように選ぶことは可能です。実際
pαi₁+qαi₂+rαi₃=pαj₁+qαj₂+rαj₃
をp,q,rの方程式とみると15個の方程式が得られます。(p,q,r)として、3次元空間から有限個の平面を除いた残りの点の座標(有理数)を選べば、どの方程式でも解にならないp,q,rになります。

i1,i2,i3,または、j1,j2,j3の組は、1,2,3の組を表しているという事。
つまり、左辺のpαi₁+qαi₂+rαi₃を固定して右辺のαj₁,αj₂,αj₃の入れ換えを考えると3!=6通りの式が得られ、その6個から2個の式を選ぶと、6C2=(6×5)/(2×1)=15組の式が得られる。
この(15組の)2つの式を1つにすると、ap+bq+cr=0(a,b,cは複素数)という式が得られ、これは3次元の平面の方程式を表している(定数がないので必ずどれも原点を通る)。
この平面上の任意の点はpαi₁+qαi₂+rαi₃=pαj₁+qαj₂+rαj₃を満たすので、3次元空間から15個の平面を除いた残りの点は上の式を満たさない。よって、その中から有理点を選べば、「どの方程式でも解にならないp,q,rになります」という事。

念のため、a,b,cが複素数である理由は、α1,α2,α3はx^3-2=0の解だから。
また、6個から2個を選んで1つにする理由は、
pαi₁+qαi₂+rαi₃=pαj₁+qαj₂+rαj₃で両辺のαi₁とαj₁,αi₂とαj₂,αi₃とαj₃が一致する場合は0=0で意味がないので除くと、3!-1=5通り
この5通りの式のそれぞれのα1,α2,α3のどの2つを選ぶかで3C2=3通りより、5×3=15通りの不定方程式が出来る。
これは上の15組の2つの式の3変数の1つを消去して2変数にしたものと同じで平面全体の任意の点を表している。(不定方程式だから。)
だから、2つを1つにするという訳である。

因みに、「まず有理数p,q,rをうまく選んで、pα1+qα2+rα3の値が、どのようにα1,α2,α3を入れ換えてもすべて異なるようにします。このように選ぶことは可能です」
なんて当たり前の事である。というより、p,q,rのどれか2つ(または3つ)が一致しない場合は「入れ換えてもすべて異なる」に決まっている。
例えば、p=1,q=2,r=3とすると、α1=³√2,α2=³√2ω,α3=³√2ω²より、
pα1+qα2+rα3
=³√2+2³√2ω+3³√2ω²———①
pα1+qα3+rα2
=³√2+2³√2ω²+3³√2ω———②
pα2+qα1+rα3
=³√2ω+2³√2+3³√2ω²———③
pα2+qα3+rα1
=³√2ω+2³√2ω²+3³√2———④
pα3+qα1+rα2
=³√2ω²+2³√2+3³√2ω———⑤
pα3+qα2+rα1
=³√2ω²+2³√2ω+3³√2———⑥
どれも一致などするはずがないだろう。

念のため、重根だったら一致するから除いてある事がよく分かるというものである。しかし、上の面倒臭い解説に何の意味があるのだろう?(解読するのにかなりの時間を要しました。)

続きは次回。

おまけ:https://www.nicovideo.jp/watch/nm6860396
「7 広場であいさつされることや、人々から先生と呼ばれることを好んでいる。
8 しかし、あなたがたは先生と呼ばれてはならない。あなたがたの先生は、ただひとりであって、あなたがたはみな兄弟なのだから。
9 また、地上のだれをも、父と呼んではならない。あなたがたの父はただひとり、すなわち、天にいます父である。」
「マタイによる福音書」第23章7節~9節(口語訳)
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/3 16:11削除
解説の続き

■原始元の存在(証明)
上の例で原始元を具体的に構成しました。ガロワは一般に重根を持たないf(x)に対して、その原始元が存在することを証明しました。ここでは煩雑にならないように、f(x)=x^3-2の例においてガロワの理論を紹介します。一般の場合も同様です。
まず有理数p,q,rをうまく選んで、pα1+qα2+rα3の値が、どのようにα1,α2,α3を入れ換えてもすべて異なるようにします。このように選ぶことは可能です。実際
pαi₁+qαi₂+rαi₃=pαj₁+qαj₂+rαj₃
をp,q,rの方程式とみると15個の方程式が得られます。(p,q,r)として、3次元空間から有限個の平面を除いた残りの点の座標(有理数)を選べば、どの方程式でも解にならないp,q,rになります。
このように選んだp,q,rに対して、β=pα1+qα2+rα3はf(x)の原始元になります。その理由を説明します。α1を固定する根の入れ換えによって次の積g(x)を作ります:
g(x)=(x-pα1-qα2-rα3)(x-pα1-qα3-rα2)
この式はα2,α3の対称式なのでf(x)/(x-α1)の係数の式になります。
例えばf(x)=f(x)-f(α1)=x^3-α1^3=(x-α1)(x^2+α1x+α1^2)
であり、α2+α3=-α1,α2α3=α1^2です。そこでg(x)を、xとα1の式とみなして、改めてg(x,α1)とおきます:
g(x,α1)=(x-pα1)^2+(q+r)α1(x-pα1)+α1^2(q^2+r^2-qr)
=x^2+α1x(-2p+q+r)+α1^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)
ここでα1を変数yにした2変数有理数係数多項式g(x,y)を利用します:
g(x,y)=x^2+xy(-2p+q+r)+y^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)
g(x,α2)やg(x,α3)は、g(x,α1)の構成においてα1をα2やα3に置き換えて構成したものと同じです:
g(x,α2)=x^2+α2x(-2p+q+r)+α2^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)
=(x-pα2-qα1-rα3)(x-pα2-qα3-rα1)
g(x,α3)=x^2+α3x(-2p+q+r)+α3^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)
=(x-pα3-qα1-rα2)(x-pα3-qα2-rα1)
このg(x,y)にx=βを代入した式(βの式を係数とするyの多項式)
g(β,y)=β^2+βy(-2p+q+r)+y^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)
は定義よりy=α1を根に持ちます。またp,q,rの選び方からg(β,α2)≠0,g(β,α3)≠0となります。したがってg(β,y)とf(y)の共通根y=α1のみです。よってg(β,y)とf(y)の最大公約数は(定数倍を除いて)y-α1となります。
一方、g(β,y)とf(y)の最大公約式をユークリッドの互除法で計算すると(βの式の加減乗除の結果)、y-u(β)(u(β)は有理数係数のβの式)が得られます。よってα1=u(β)となり、α1はβの式で表せます。α2やα3についても同様です。以上のことから、βがf(x)の原始元であることがわかります。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

>次の積g(x)を作ります:
g(x)=(x-pα1-qα2-rα3)(x-pα1-qα3-rα2)
この式はα2,α3の対称式なのでf(x)/(x-α1)の係数の式になります。

g(x)のα2とα3を入れ換えても式の値は変わらないので、g(x)はα2,α3についての対称式。
また、条件より、f(x)=(x-α1)(x-α2)(x-α3)
よって、f(x)/(x-α1)=(x-α2)(x-α3)
=x^2-(α2+α3)x+α2α3
よって、右辺の係数はα2,α3の基本対称式なので、α2,α3の対称式を表せる。(定理3.1)
よって、g(x)の係数は、「f(x)/(x-α1)の係数の式になります」という事。

定理3.1(対称式の基本定理)
n変数対称式f(x1,・・・,xn)は基本対称式s1,・・・,snの多項式として一意的に表される。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

>例えばf(x)=f(x)-f(α1)=x^3-α1^3=(x-α1)(x^2+α1x+α1^2)
であり、α2+α3=-α1,α2α3=α1^2です。そこでg(x)を、xとα1の式とみなして、改めてg(x,α1)とおきます:

f(x)=x^3-2 また、f(x)=0の3つの解がα1,α2,α3より、f(α1)=α1^3-2=0
∴f(x)=f(x)-0=f(x)-f(α1)
=x^3-2-(α1^3-2)=x^3-α1^3
=(x-α1)(x^2+α1x+α1^2)
また、3次方程式の解と係数の関係より、
α1+α2+α3=0,α1α2+α2α3+α3α1=0 ∴α2+α3=-α1———①
また、α2α3=-(α1α2+α3α1)
=-α1(α2+α3)———②
①を②に代入すると、
α2α3=α1^2

または、x^2+α1x+α1^2が(x-α2)(x-α3)と一致するはずだと考えると、
(x-α2)(x-α3)=x^2-(α2+α3)x+α2α3で、α1=-(α2+α3),α1^2=α2α3と分かる。(著者の意図はこちらかな。)

>そこでg(x)を、xとα1の式とみなして、改めてg(x,α1)とおきます:
g(x,α1)=(x-pα1)^2+(q+r)α1(x-pα1)+α1^2(q^2+r^2-qr)
=x^2+α1x(-2p+q+r)+α1^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)

上から、
g(x)=(x-pα1-qα2-rα3)(x-pα1-qα3-rα2)
={x-pα1-(qα2+rα3)}{x-pα1-(qα3+rα2)}
=(x-pα1)^2-(qα2+rα3+qα3+rα2)(x-pα1)+(qα2+rα3)(qα3+rα2)
=(x-pα1)^2-(q+r)(α2+α3)(x-pα1)+q^2α2α3+qrα2^2+qrα3^2+r^2α2α3
=(x-pα1)^2-(q+r)(α2+α3)(x-pα1)+(q^2+r^2)α2α3+qr(α2^2+α3^2)
これにα2+α3=-α1,α2α3=α1^2を代入すると、
=(x-pα1)^2+(q+r)α1(x-pα1)+(q^2+r^2)α1^2+qr(α2^2+α3^2)———☆
また、α2+α3=-α1の両辺を2乗すると、
(α2+α3)^2=α1^2 ∴α2^2+α3^2=α1^2-2α2α3
これにα2α3=α1^2を代入すると、
α2^2+α3^2=-α1^2
これを☆に代入すると、
g(x)=(x-pα1)^2+(q+r)α1(x-pα1)+(q^2+r^2)α1^2+qr(-α1^2)
=(x-pα1)^2+(q+r)α1(x-pα1)+α1^2(q^2+r^2-qr)
=x^2-2pα1x+p^2α1^2+(q+r)α1x-p(q+r)α1^2+α1^2(q^2+r^2-qr)
=x^2+α1x(-2p+q+r)+α1^2(p^2+q^2+r^2-pq-qr-rp)

あとは読めば分かるので省略。ただし、そっちの方が理論的で面白い。上のは計算確認だけ。

おまけ:https://www.nicovideo.jp/watch/nm6860191

https://npn.co.jp/article/detail/36345252
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/4 10:39削除
補足
>因みに、「まず有理数p,q,rをうまく選んで、pα1+qα2+rα3の値が、どのようにα1,α2,α3を入れ換えてもすべて異なるようにします。このように選ぶことは可能です」
なんて当たり前の事である。というより、p,q,rのどれか2つ(または3つ)が一致しない場合は「入れ換えてもすべて異なる」に決まっている。
例えば、p=1,q=2,r=3とすると、α1=³√2,α2=³√2ω,α3=³√2ω²より、
pα1+qα2+rα3
=³√2+2³√2ω+3³√2ω²———①
pα1+qα3+rα2
=³√2+2³√2ω²+3³√2ω———②
pα2+qα1+rα3
=³√2ω+2³√2+3³√2ω²———③
pα2+qα3+rα1
=³√2ω+2³√2ω²+3³√2———④
pα3+qα1+rα2
=³√2ω²+2³√2+3³√2ω———⑤
pα3+qα2+rα1
=³√2ω²+2³√2ω+3³√2———⑥
どれも一致などするはずがないだろう。

念のため、重根だったら一致するから除いてある事がよく分かるというものである。しかし、上の面倒臭い解説に何の意味があるのだろう?(引用終わり)

よく考えたら3つとも実数解の場合は重根じゃなくても同じになる場合がありましたね。
例えば、x^3-15x^2+71x-105=0の解は、x=3,5,7だが、p=1,q=3,r=5とすると、
pα1+qα2+rα3
=1・3+3・5+5・7=53———①
pα1+qα3+rα2
=1・3+3・7+5・5=49———②
pα2+qα1+rα3
=1・5+3・3+5・7=49———③
pα2+qα3+rα1
=1・5+3・7+5・3=41———④
pα3+qα1+rα2
=1・7+3・3+5・5=41———⑤
pα3+qα2+rα1
=1・7+3・5+5・3=37———⑥
で、②と③,④と⑤は一致する。
まぁ、一致しない具体例を1つ挙げれば良いと思うが、マニア受けする解説なのだろう。しかし、
「実際
pαi₁+qαi₂+rαi₃=pαj₁+qαj₂+rαj₃
をp,q,rの方程式とみると15個の方程式が得られます。(p,q,r)として、3次元空間から有限個の平面を除いた残りの点の座標(有理数)を選べば、どの方程式でも解にならないp,q,rになります。」
の「有限個の平面」の所は「15個の平面」としてくれれば解読時間が大幅に削減されると思います。

おまけ:
返信
返信3
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/2 16:27 (No.1179745)削除
問題
∠A=60°,BC=14cmの△ABCの外接円の弧ABの中点をM,弧ACの中点をNとする。また、MNとAB,ACとの交点をそれぞれP,Qとする。
(1)∠MBNの大きさ,およびMNの長さを求めよ。
(2)MP=2cmのとき、PQの長さを求めよ。
(86 学習院)

(2)は別解を作ってみました。これが出来たら合格。念のため、模範解答の方法は普通に解けました。

おまけ:
https://bunshun.jp/articles/-/39135?page=2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/3 07:33削除
問題
∠A=60°,BC=14cmの△ABCの外接円の弧ABの中点をM,弧ACの中点をNとする。また、MNとAB,ACとの交点をそれぞれP,Qとする。
(1)∠MBNの大きさ,およびMNの長さを求めよ。
(2)MP=2cmのとき、PQの長さを求めよ。
(86 学習院)

解答
(1)円周は円周角180°分に相当するから、弧BACは円周角で、180°-60°=120°にあたる。
弧MN=弧MA+弧AN=(1/2)(弧BA+弧AC)=(1/2)弧BAC
だから弧MNに対する円周角は、120°÷2=60°
そこで、∠MBN=60°(=∠BAC)
以上より、弦MNの長さと弦BCの長さは等しく、MN=14(cm)
(2)∠APN=弧ANの円周角+弧MBの円周角,∠AQM=弧AMの円周角+弧NCの円周角(基本図35)
ここで、弧AN=弧NC,弧MB=弧AMだから、∠APN=∠AQM・・・①
①と∠A=60°より、△APQは正三角形である。次に、弧AB=弧MBより、∠MAP=∠ANQ,弧AN=弧NCより、∠AMP=∠QAN
以上より、△AMP∽△NAQ
比をとって、MP:AQ=PA:QN・・・②
求めるPQの長さをxとおくと、
QN=12-x
だから、②に代入して、2:x=x:(12-x)
整理して、(x+6)(x-4)=0より、x=4(cm)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

注:基本図35とはアルハゼンの定理の事。
http://yosshy.sansu.org/theorem/alhazen.htm

(2)の別解は次回。ヒントは△ABCで余弦定理を使う方向で考えてみて下さい。因みに、中学数学で解けます。(本番ではとても使えませんが。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/4 07:51削除
問題
∠A=60°,BC=14cmの△ABCの外接円の弧ABの中点をM,弧ACの中点をNとする。また、MNとAB,ACとの交点をそれぞれP,Qとする。
(1)∠MBNの大きさ,およびMNの長さを求めよ。
(2)MP=2cmのとき、PQの長さを求めよ。
(86 学習院)

(2)の別解
MN=14cmと△APQが正三角形までは上と同じ。
ここで、PQ=xと置くと、AP=AQ=x
よって、方べきの定理を使うと、
x・PB=2・12=24
x・QC=(x+2)(12-x)
∴PB=24/x,
QC=(x+2)(12-x)/x
∴AB=x+24/x=(x^2+24)/x
AC=x+(x+2)(12-x)/x
=(10x+24)/x
また、BからACに垂線を下ろしその足をHとすると、△BAHは1:2:√3の直角三角形より、
AH=(x^2+24)/2x,
BH=√3(x^2+24)/2x
CH=(10x+24)/x-(x^2+24)/2x
=(-x^2+20x+24)/2x
よって、△BCHで三平方の定理を使うと、
{(-x^2+20x+24)/2x}^2
+{√3(x^2+24)/2x}^2=14^2
が成り立つ。
∴x^4+400x^2+24^2-40x^3+360x-48x^2+3(x^4+48x^2+24^2)=196・4x^2
∴4x^4-40x^3-288x^2+960x+2304=0
∴x^4-10x^3-72x^2+240x+576=0
これを因数定理で解くと、x=4を代入すると、
256-640-1152+960+576=0で成り立つ。よって、組立除法で割ると、
1 -10 -72 240 576|4
    4 -24 -384 -576
1  -6 -96 -144  0

∴(x-4)(x^3-6x^2-96x-144)=0
また、x^3-6x^2-96x-144=0にx=-6を代入すると、
-216-216+576-144=0で成り立つ。よって、組立除法で割ると、
1  -6 -96 -144|-6
   -6  72  144
1 -12 -24    0
∴(x+6)(x^2-12x-24)=0

よって、解は、x=4,-6,6±2√15
ところで、QN=12-x>0より、
0<x<12 よって、x=4のみ適正。
よって、答えは、PQ=4cm

おまけ:
https://kegt.hacmkspq.shop/index.php?main_page=product_info&products_id=2484
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/31 16:57 (No.1177710)削除
問題
1辺10cmの正方形ABCDを、頂点Bが辺ADの中点Eと重なるように折った右の図で、次の長さを求めよ。
(a)AF(b)DI(c)FG
(90 関西学院)

図の解説:正方形ABCDの折り目をFGとして点FがAB上で点GがCD上にある。また、点Cの行き先を点HとしてEHとCDの交点がIという図。

全て別解を作ってみました。因みに、(c)の模範解答はエレガントです。一応、先にそれでも解きましたが。(c)は別解2も作ってみました。
ただし、今回は座標の解法はなしとします。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/1 07:56削除
問題
1辺10cmの正方形ABCDを、頂点Bが辺ADの中点Eと重なるように折った右の図で、次の長さを求めよ。
(a)AF(b)DI(c)FG
(90 関西学院)

図の解説:正方形ABCDの折り目をFGとして点FがAB上で点GがCD上にある。また、点Cの行き先を点HとしてEHとCDの交点がIという図。

解答
(a)求めるAFの長さをxとおく。
折り返しに注目して、BF=EF=10-x
そこで△AEFに三平方の定理を用いて、
x^2+5^2=(10-x)^2
これを解いて、AF=x=15/4(cm)
(b)△FAE∽△EDI(基本図18)なので、AF×DI=AE×DE
∴DI=(AE×DE)/AF=20/3(cm)
(c)点BはFGを折り目として折るとEにうつるので、BE⊥FG
よって、FG⊥BE(基本図34)
FG=BE=√(AB^2+AE^2)=√125
=5√5(cm)
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

基本図34の解説:正方形内で直交する2線分の長さは等しい。ただし、両線分とも端点が対辺どうしにある場合である。

別解
(a)折り返しよりBE⊥FGである。(折り返しより△FBEは二等辺三角形でFGは頂角Fの二等分線で底辺BEと直交するから。)
よって、BEとFGの交点をJとすると、△BFJ∽△BEAで△BEAは直角を挟む二辺の比が1:2より△BFJも1:2:√5の直角三角形。
また、BJ=(1/2)BE=5√5/2cm
∴BF=(√5/2)BJ=(√5/2)×(5√5/2)=25/4cm
∴AF=10-25/4=15/4cm
(b)CG=HG=yと置くと、△EGHと△EGDでの三平方の定理より、
y^2+10^2=5^2+(10-y)^2が成り立つ。∴y^2+100=25+y^2-20y+100
∴20y=25 ∴y=5/4
∴HG=5/4cm また、△IDE∽IHGより、DI:HI=5:5/4=4:1
よって、HI=zと置くと、DI=4z,EI=10-zより、△DEIで三平方の定理を使うと、(4z)^2+5^2=(10-z)^2が成り立つ。∴16z^2+25=z^2-20z+100 ∴15z^2+20z-75=0 ∴3z^2+4z-15=0 
∴(3z-5)(z+3)=0
z>0より、z=5/3 
∴DI=4z=20/3cm
(c)y=5/4から、CG=5/4cm
ここで、GからBFに垂線を下ろしその足をKとすると、BK=CG=5/4cm
∴FK=25/4-5/4=5cm
よって、△GFKで三平方の定理を使うと、
FG=√(10^2+5^2)=5√5cm

(c)の別解2
(b)より、DI=20/3cm また、DE=5cmより、DE:DI=5:20/3=3:4 よって、△DEIは3:4:5の直角三角形である。よって、△HGIも3:4:5の直角三角形。よって、GC=GH=yと置くと、GI=(5/3)yより、DC=y+(5/3)y+20/3=10が成り立つ。∴(8/3)y=10/3
∴y=5/4 以後同じ。

基本図34は自分で証明して下さい。また、次回は座標の解法をやりますね。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/6/2 07:47削除
問題
1辺10cmの正方形ABCDを、頂点Bが辺ADの中点Eと重なるように折った右の図で、次の長さを求めよ。
(a)AF(b)DI(c)FG
(90 関西学院)

図の解説:正方形ABCDの折り目をFGとして点FがAB上で点GがCD上にある。また、点Cの行き先を点HとしてEHとCDの交点がIという図。

座標の解法
(a)点Bをxy座標の原点に置き、BCをx軸,ABをy軸に取ると、E(5,10)
また、折り返しよりBE⊥FGでBEとFGの交点をJとすると、JはBEの中点。
∴J(5/2,5)
よって、直線FGの方程式は点Jを通りBEと直交する直線より、
y-5=(-1/2)(x-5/2)
∴y=(-1/2)x+25/4
よって、点Fの座標は、F(0,25/4)
∴AF=10-25/4=15/4cm
(b)E(5,10),F(0,25/4)より、直線EFの傾きは、
(10-25/4)/(5-0)
=(40-25)/20=15/20=3/4
また、EF⊥EHより直線EHの方程式は、傾きが-4/3で点Eを通る直線。
∴y-10=(-4/3)(x-5)
∴y=(-4/3)x+50/3
よって、点Iのy座標は、x=10を代入して、y=-40/3+50/3=10/3
∴DI=10-10/3=20/3cm
(c)(a)より、直線FGの方程式は、
y=(-1/2)x+25/4
よって、点Gの座標はこれにx=10を代入して、y=-5+25/4=5/4
∴G(10,5/4)
また、F(0,25/4)より2点間の距離の公式を使うと、
FG=√{(0-10)^2+(25/4-5/4)^2}
=√(100+25)=√125=5√5
∴FG=5√5cm

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1796533647924924812
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/30 11:35 (No.1176610)削除
問題
頂角∠A=36°の2等辺3角形ABCの底角∠Bの2等分線とACの交点をDとする。
(ⅰ)∠BDCは何度か。
(ⅱ)BC=2のとき、CDの長さを求めよ。
(89 大阪工大高)

あまり意味はありませんが(ⅱ)は4通り作ってみました。これも有名問題ですね。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/31 07:54削除
問題
頂角∠A=36°の2等辺3角形ABCの底角∠Bの2等分線とACの交点をDとする。
(ⅰ)∠BDCは何度か。
(ⅱ)BC=2のとき、CDの長さを求めよ。
(89 大阪工大高)

解答
(ⅰ)∠ABC=(180°-36°)÷2=72° よって、∠ABD=72°÷2=36°∠BDC=∠A+∠ABD=36°+36°=72°
(ⅱ)∠C=∠BDC=72°だから、△BCD∽△ABC(共に頂角36°の二等辺三角形)
よって比例式をたてると、
BC:AB=CD:BC・・・①
CD=xとおくと、△DAB,△BCDが二等辺三角形であることから、AB=AC=AD+CD=2+x
これを①に代入して、
2:(2+x)=x:2,これより、x^2+2x-4=0 x>0に注意すると、解の公式より、CD=x=-1+√5
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

(ⅱ)の別解1
(ⅰ)の計算などから、△BCD、△DABはそれぞれ二等辺三角形。
∴BC=BD=AD=2 ここで、CD=xと置くと、AC=x+2 ∴AB=AC=x+2
よって、△BACで角の二等分線の定理を使うと、x+2:2=2:xが成り立つ。
∴x(x+2)=4 ∴x^2+2x-4=0
以後同じ。

別解2
△BCD、△DABはそれぞれ二等辺三角形までは同じ。
ここで、点DのABに関する対称点を取りD'とすると、△DABが二等辺三角形より四角形AD'BDはひし形になりBD'∥DA
また、BC=BD=DA=D'Aより、四角形BCAD'は等脚台形になる。
ところで、全ての等脚台形は円に内接するので、四角形BCAD'は円に内接する四角形である。よって、トレミーの定理を使うと、AC・BD'+AD'・BC=AB・CD'
また、等脚台形の対角線の長さが等しい事などより、AB=AC=CD'=x,BC=AD'=BD'=2(と置く。)
よって、x・2+2・2=x・xが成り立つ。∴x^2-2x-4=0
∴x=1±√5 x>0より、
x=1+√5 ところで、CD=AC-AD=x-2=-1+√5
よって、答えは、1+√5

別解3
AからBCと平行な直線を引き、BDの延長との交点をEとすると、錯角と角の二等分から△ABEも底角が36°の二等辺三角形になり、△DAB∽△ABE
また、角度を考えると△EADは二等辺三角形になる。よって、AB=AC=AE=DE=x,BC=BD=2と置くと、
2:x=x:x+2が成り立つ。
∴x^2=2(x+2)  ∴x^2-2x+4=0
∴x=1±√5 x>0より、
x=1+√5 ところで、CD=AC-AD=x-2=-1+√5
よって、答えは、1+√5

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/30 16:02 (No.1176785)削除
次の文章を完全解説して下さい。

「次にf(x)=x³-2の原始元を考えてみましょう。f(x)の根は
³√2,³√2ω,³√2ω²
(ただしω=(-1+√3i)/2)
です。この3つの根をα₁,α₂,α₃と表します。このとき
β=α₁-α₂=³√2(1-ω)
はx³-2の原始元になります。これを以下において確認します。なお、原始元は一意ではありません。ここでは計算が簡単な元を選びました。
原始元の定義のうち(1)はβの定義より明らかです。次に(2)の条件を確認します。まずωをβの式で表します。
β³=2(1-ω)³=2(1-3ω+3ω²-ω³)
=2(1-3ω-3(ω+1)-1)=-6(2ω+1)
より、ω=-(β^3+6)/12と表されます。
次にγ=α₁-α₃をβで表すと
γ=α₁-α₃=α₁(1-ω²)=β(1+ω)
=β{1-(β³+6)/12}=-β⁴/12+β/2
となります。α₁+α₂+α₃=0を利用して、α₁,α₂,α₃をβで表します:
α₁=(1/3)(β+γ)=-β⁴/36+β/2,
α₂=α₁-β=-β⁴/36-β/2,
α₃=α₁-γ=β⁴/18
以上により、βがx³-2の原始元であることがわかりました。
ここでβを根に持つ方程式を求めます。この多項式は、ガウスのように「良い」根の入れ換えを選ぶ際に重要です。δ=α₂-α₃とおくと、α₁,α₂,α₃の入れ換えにより、β,γ,δは±β,±γ,±δに変化します。したがって
p(x)=(x²-β²)(x²-γ²)(x²-δ²)
はα₁,α₂,α₃に関する対称式になり、有理数係数多項式になります。γ=-βω²,δ=βωを利用して計算すると、次のようになります:
p(x)=(x²-β²)(x²-β²ω)(x²-β²ω²)
=x⁶-β⁶=x⁶+108
ここでβ⁶の計算はβ=³√2(1-ω)より
β⁶={³√2・(3-√3i)/2}⁶
={³√2・√3i・(-√3i-1)/2}⁶
=4・(-27)=-108
と行ないました。{(-1-√3i)/2}³=1に注意してください。」
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

具体的には、

>δ=α₂-α₃とおくと、α₁,α₂,α₃の入れ換えにより、β,γ,δは±β,±γ,±δに変化します。したがって
p(x)=(x²-β²)(x²-γ²)(x²-δ²)
はα₁,α₂,α₃に関する対称式になり、有理数係数多項式になります。

>γ=-βω²,δ=βωを利用して計算すると、次のようになります:
p(x)=(x²-β²)(x²-β²ω)(x²-β²ω²)
=x⁶-β⁶=x⁶+108
ここでβ⁶の計算はβ=³√2(1-ω)より
β⁶={³√2・(3-√3i)/2}⁶
={³√2・√3i・(-√3i-1)/2}⁶
=4・(-27)=-108
と行ないました。{(-1-√3i)/2}³=1に注意してください。

この2ヶ所ぐらいですね。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/30 20:40削除
解説
>δ=α₂-α₃とおくと、α₁,α₂,α₃の入れ換えにより、β,γ,δは±β,±γ,±δに変化します。したがって
p(x)=(x²-β²)(x²-γ²)(x²-δ²)
はα₁,α₂,α₃に関する対称式になり、有理数係数多項式になります。

β=α₁-α₂,γ=α₁-α₃,δ=α₂-α₃
これらのα₁とα₂などを入れ換えると、
β=α₂-α₁=-βなどとなり符号が入れ換わる。つまり、入れ換えなければ符号はそのままで入れ換えれば符号が変わる。
つまり、β²,γ²,δ²はα₁とα₂などを入れ換えても変わらないという事である。
よって、(x²-β²)(x²-γ²)(x²-δ²)を展開した係数はα₁とα₂などを入れ換えても変わらないので、α₁,α₂,α₃に関する対称式になる。
ところで、α₁,α₂,α₃はx³-2=0の3つの解で、3次方程式の解と係数の関係より、
α₁+α₂+α₃=0,
α₁α₂+α₂α₃+α₃α₁=0,
α₁α₂α₃=2
これらの左辺は基本対称式で、対称式は基本対称式で必ず表せる(定理3.1)ので、
(x²-β²)(x²-γ²)(x²-δ²)の係数はα₁,α₂,α₃の基本対称式で表せる。
ところで、上の3つの式の右辺は全て有理数なので、(x²-β²)(x²-γ²)(x²-δ²)は有理数係数多項式になるという事である。

定理3.1(対称式の基本定理)
n変数対称式f(x1,・・・,xn)は基本対称式s1,・・・,snの多項式として一意的に表される。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

>γ=-βω²,δ=βωを利用して計算すると、次のようになります:
p(x)=(x²-β²)(x²-β²ω)(x²-β²ω²)
=x⁶-β⁶=x⁶+108
ここでβ⁶の計算はβ=³√2(1-ω)より
β⁶={³√2・(3-√3i)/2}⁶
={³√2・√3i・(-√3i-1)/2}⁶
=4・(-27)=-108
と行ないました。{(-1-√3i)/2}³=1に注意してください。

まず、γ=-βω²,δ=βωを確認する。
β=α₁-α₂=³√2(1-ω),
γ=α₁-α₃,δ=α₂-α₃,
α₁=³√2,α₂=³√2ω,α₃=³√2ω²
より、
γ=α₁-α₃=³√2-³√2ω²
=³√2(1-ω²)=³√2(1-ω)(1+ω)
=β(1+ω)———①
ところで、ω²+ω+1=0より、
1+ω=-ω²———②
②を①に代入すると、
γ=-βω² よって、OK。
また、δ=α₂-α₃=³√2ω-³√2ω²
=³√2ω(1-ω)=βω
∴δ=βω よって、OK。

>p(x)=(x²-β²)(x²-β²ω)(x²-β²ω²)
=x⁶-β⁶

ところで、x³-2=0より、
(x-³√2)(x-³√2ω)(x-³√2ω²)=0
このxをx²,³√2をβ²にすると、
x³-2=0は、(x²)³-(β²)³=0となるので、x⁶-β⁶=0
よって、(x²-β²)(x²-β²ω)(x²-β²ω²)
=x⁶-β⁶という事。

>ここでβ⁶の計算はβ=³√2(1-ω)より
β⁶={³√2・(3-√3i)/2}⁶
={³√2・√3i・(-√3i-1)/2}⁶
=4・(-27)=-108
と行ないました。{(-1-√3i)/2}³=1に注意してください。

ところで、ω=(-1+√3i)/2より、
ω²=(-1+√3i)²/4=(-2-2√3i)/4=(-1-√3i)/2
よって、{(-1-√3i)/2}³=(ω²)³
=(ω³)²=1²=1という事。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/29 20:58 (No.1176226)削除
問題
AD=1cm,BC=7cm,AD∥BCであるような台形ABCDがあって、辺ABをm:nに内分する点Eを通り、辺BCに平行な直線が辺CDと交わる点をFとする。
(1)EFの長さをm,nを用いて表せ。
(2)線分EFによって台形ABCDの面積が二等分されるとき、m:nの値を求めよ。
(89 慶應志木)

一応、(1)も(2)も2通り作って下さい。これは有名問題ですね。

おまけ:
https://x.com/satndRvjMpc4tl7/status/1795616545022026061
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/30 07:57削除
問題
AD=1cm,BC=7cm,AD∥BCであるような台形ABCDがあって、辺ABをm:nに内分する点Eを通り、辺BCに平行な直線が辺CDと交わる点をFとする。
(1)EFの長さをm,nを用いて表せ。
(2)線分EFによって台形ABCDの面積が二等分されるとき、m:nの値を求めよ。
(89 慶應志木)

解法1
(1)対角線BDをひき、EFとの交点をPとする。△BEP∽△BADだから、
EP=(BE/BA)×AD=n/(m+n)
同様に、△DPF∽△DBCだから、
PF=(DP/DB)×BC=7m/(m+n)
ゆえに、EF=EP+PF
=(7m+n)/(m+n)(cm)
(2)BA,CDの延長線の交点をQとする。
△QAD∽△QEF∽△QBCより、
底辺AD,EF(=xとおく)。BCに注目して、△QAD:△QEF:△QBC=1^2:x^2:7^2
四角形AEFD=四角形EBCFより、
x^2-1^2=7^2-x^2
これを解いて、x=5
(1)より、(7m+n)/(m+n)=5
これより、m:n=2:1
「高校への数学 日日のハイレベル演習」より

解法2
(1)DからABと平行な直線を引き、BCとの交点をGとし、DGとEFとの交点をPとすると、EP=AD=1
また、△DPF∽△DGCで相似比m:m+nより、PF={m/(m+n)}×6=6m/(m+n)
∴EF=EP+PF=1+6m/(m+n)
=(7m+n)/(m+n)(cm)
因みに、(1)は公式から一発である。この公式の解説は何故か載っていないが、冒頭のp.13に載っている。
EF=(nAD+mBC)/(m+n)
これにAD=1,BC=7を代入すれば良い。
(2)AからEFに垂線を下ろしH,EからBCに垂線を下ろしその足をIとすると、△AEH∽△EBIで相似比m:nより、AH=mh,EI=nhと置くと、
台形AEFD=(1+EF)×mh×(1/2)
台形EBCF=(EF+7)×nh×(1/2)
ここで、条件より台形AEFD=台形EBCFとして両辺を約分すると、
(1+EF)×m=(EF+7)×n
∴m+mEF=nEF+7n
∴(m-n)EF=-m+7n———①
ところで、(1)より、
EF=(7m+n)/(m+n)———②
②を①に代入すると、
(m-n)(7m+n)=(m+n)(-m+7n)
∴7m^2-6mn-n^2=-m^2+6mn+7n^2
∴8m^2-12mn-8n^2=0
∴2m^2-3nm-2n^2=0
これを解の公式で解くと、
m={3n±√(9n^2+16n^2)}/4
=(3n±5n)/4=2n,-n/2
ところで、m:nはABを内分する点より、
m>0,n>0
∴m=2n ∴m:n=2:1

補足
解の公式を使わない場合は、
2m^2-3nm-2n^2=0
∴(m-2n)(2m+n)=0

おまけ:
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202405230000780.html
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壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/29 12:03 (No.1175759)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 7-10c
ζ=e^2πi/11とする。次の問いに答えよ。
(1)η=ζ+ζ^-1=2cos(2π/11)の最小多項式を求めよ。
(2)ξ=ζ+ζ^4+ζ^5+ζ^9+ζ^3(5周期)を求めよ。

解答
(1)ζの最小多項式はΦ11(x)=x^10+x^9+・・・+x+1である。そこでこの式をx^5で割ってy=x+x^-1について整理すると
x^5+x^4+x^3+x^2+x+1+x^-1+x^-2+x^-3+x^-4+x^-5
=(x^5+x^-5)+(x^4+x^-4)+(x^3+x^-3)+(x^2+x^-2)+(x+x^-1)+1
=(y^5-5y^3+5y)+(y^4-4y^2+2)+(y^3-3y)+(y^2-2)+y+1
=y^5+y^4-4y^3-3y^2+3y+1・・・(*)
上の計算では問題3-7を利用した(s=y,t=1)。したがって、上の式(*)が2cos(2π/11)の最小多項式である。
(2)は2の(ℤ/11ℤ)^×の原始根であることに注意する。ξ'=ζ^2+ζ^8+ζ^10+ζ^7+ζ^6とおく。ξ+ξ'=ζ+ζ^2+・・・+ζ^10=-1である。ξξ'は
ξξ'=(ζ+ζ^4+ζ^5+ζ^9+ζ^3)(ζ^2+ζ^8+ζ^10+ζ^7+ζ^6)
=ζ^3+ζ^9+ζ^11+ζ^8+ζ^7+ζ^6+ζ^1+ζ^3+ζ^11+ζ^10
+ζ^7+ζ^2+ζ^4+ζ^1+ζ^11+ζ^11+ζ^6+ζ^8+ζ^5+ζ^4
+ζ^5+ζ^11+ζ^2+ζ^10+ζ^9
=5+2(ζ+ζ^2+・・・+ζ^10)=5-2=3

したがってξの最小多項式はx^2+x+3である。ゆえにξ=(-1+√-11)/2である(根号の前の符号はξ,ξ'の虚部の符号を見て判断する)。

問題 3-7c
2変数x,yの対称式s=x+y,t=xy,pn=x^n+y^n(n≧1)について次の問いに答えよ。
(1)p2=s^2-2t,pn-spn-1+tpn-2=0(n>2)を示せ。
(2)p3,p4,p5を求めよ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

具体的には、

>上の計算では問題3-7を利用した(s=y,t=1)。したがって、上の式(*)が2cos(2π/11)の最小多項式である。

>(根号の前の符号はξ,ξ'の虚部の符号を見て判断する)

余裕がある人は、問題3-7を利用しない方法でも求めて下さい。また、全体的にもっと解説して下さい。

おまけ:
https://www.msn.com/ja-jp/autos/news/%E3%82%84%E3%82%8A%E3%81%99%E3%81%8E%E3%81%A0%E3%82%8D-%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%81%8C%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%92%E4%BD%9C%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%A8%E3%82%93%E3%81%A7%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%A1%E3%82%83%E3%81%A3%E3%81%9F/ar-BB1mJWqC
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/29 13:56削除
解説
>上の計算では問題3-7を利用した(s=y,t=1)。したがって、上の式(*)が2cos(2π/11)の最小多項式である。

問題 3-7c
2変数x,yの対称式s=x+y,t=xy,pn=x^n+y^n(n≧1)について次の問いに答えよ。
(1)p2=s^2-2t,pn-spn-1+tpn-2=0(n>2)を示せ。
(2)p3,p4,p5を求めよ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

「(x^5+x^-5)+(x^4+x^-4)+(x^3+x^-3)+(x^2+x^-2)+(x+x^-1)+1
=(y^5-5y^3+5y)+(y^4-4y^2+2)+(y^3-3y)+(y^2-2)+y+1
=y^5+y^4-4y^3-3y^2+3y+1・・・(*)」
これを導けば良い訳である。
そこで、問題3-7cのpn=x^n+y^nのyをx^-1にすると、t=1となりs=x+x^-1=y(このyは問題3-7cのyではなく上のy。)よって、
p2=y^2-2,pn=ypn-1-pn-2
という漸化式が出来る。
また、p1=x+x^-1=y
∴x^3+x^-3=p3=yp2-p1
=y(y^2-2)-y=y^3-3y
∴x^4+x^-4=p4=yp3-p2
=y(y^3-3y)-(y^2-2)
=y^4-3y^2-y^2+2
=y^4-4y^2+2
x^5+x^-5=p5=yp4-p3
=y(y^4-4y^2+2)-(y^3-3y)
=y^5-4y^3+2y-y^3+3y
=y^5-5y^3+5y
以上より、
x+x^-1=y
x^2+x^-2=y^2-2
x^3+x^-3=y^3-3y
x^4+x^-4=y^4-4y^2+2
x^5+x^-5=y^5-5y^3+5y
これらを
(x^5+x^-5)+(x^4+x^-4)+(x^3+x^-3)+(x^2+x^-2)+(x+x^-1)+1
に代入すると、
=(y^5-5y^3+5y)+(y^4-4y^2+2)+(y^3-3y)+(y^2-2)+y+1
=y^5+y^4-4y^3-3y^2+3y+1・・・(*)
よって、示された。

因みに、問題3-7を使わない場合は、
(x^5+x^-5)+(x^4+x^-4)+(x^3+x^-3)+(x^2+x^-2)+(x+x^-1)+1=0———☆
また、y=x+x^-1
(x+x^-1)^5から二項定理で展開していく。パスカルの三角形で係数を把握しておくと、
y^5=(x+x^-1)^5=x^5+5x^3+10x+10x^-1+5x^-3+x^-5
y^4=(x+x^-1)^4=x^4+4x^2+6+4x^-2+x^-4
y^3=(x+x^-1)^3=x^3+3x+3x^-1+x^-3
y^2=(x+x^-1)^2=x^2+x+x^-2
よって、まず、x^5+x^-5を作ると、
x^5+x^-5=y^5-5y^3+5y———①
(計算省略。)
次に、x^4+x^-4を作ると、
x^4+x^-4=y^4-4y^2+2———②
同様に、
x^3+x^-3=y^3-3y———③
x^2+x^-2=y^2-2———④
①~④とx+x^-1=yを☆に代入すると、
(y^5-5y^3+5y)+(y^4-4y^2+2)+(y^3-3y)+(y^2-2)+y+1=0
∴y^5+y^4-4y^3-3y^2+3y+1=0
この解がy=x+x^-1で、「η=ζ+ζ^-1=2cos(2π/11)」のηをy,ζをxとすれば、
「上の式(*)が2cos(2π/11)の最小多項式である」事が分かるだろう。

続きは次回。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/29 15:35削除
解説の続き

問題 7-10c
ζ=e^2πi/11とする。次の問いに答えよ。
(1)η=ζ+ζ^-1=2cos(2π/11)の最小多項式を求めよ。
(2)ξ=ζ+ζ^4+ζ^5+ζ^9+ζ^3(5周期)を求めよ。

解答
(1)ζの最小多項式はΦ11(x)=x^10+x^9+・・・+x+1である。そこでこの式をx^5で割ってy=x+x^-1について整理すると
x^5+x^4+x^3+x^2+x+1+x^-1+x^-2+x^-3+x^-4+x^-5
=(x^5+x^-5)+(x^4+x^-4)+(x^3+x^-3)+(x^2+x^-2)+(x+x^-1)+1
=(y^5-5y^3+5y)+(y^4-4y^2+2)+(y^3-3y)+(y^2-2)+y+1
=y^5+y^4-4y^3-3y^2+3y+1・・・(*)
上の計算では問題3-7を利用した(s=y,t=1)。したがって、上の式(*)が2cos(2π/11)の最小多項式である。
(2)は2の(ℤ/11ℤ)^×の原始根であることに注意する。ξ'=ζ^2+ζ^8+ζ^10+ζ^7+ζ^6とおく。ξ+ξ'=ζ+ζ^2+・・・+ζ^10=-1である。ξξ'は
ξξ'=(ζ+ζ^4+ζ^5+ζ^9+ζ^3)(ζ^2+ζ^8+ζ^10+ζ^7+ζ^6)
=ζ^3+ζ^9+ζ^11+ζ^8+ζ^7+ζ^6+ζ^1+ζ^3+ζ^11+ζ^10
+ζ^7+ζ^2+ζ^4+ζ^1+ζ^11+ζ^11+ζ^6+ζ^8+ζ^5+ζ^4
+ζ^5+ζ^11+ζ^2+ζ^10+ζ^9
=5+2(ζ+ζ^2+・・・+ζ^10)=5-2=3

したがってξの最小多項式はx^2+x+3である。ゆえにξ=(-1+√-11)/2である(根号の前の符号はξ,ξ'の虚部の符号を見て判断する)。

>(2)は2の(ℤ/11ℤ)^×の原始根であることに注意する。ξ'=ζ^2+ζ^8+ζ^10+ζ^7+ζ^6とおく。ξ+ξ'=ζ+ζ^2+・・・+ζ^10=-1である。

(ℤ/11ℤ)^×={1,2,3,4,5,6,7,8,9,10}(整数を11で割った余りの集合の集合という事。)
2^1=2
2^2=4
2^3=8
2^4=16=5
2^5=10
2^6=20=9
2^7=18=7
2^8=14=3
2^9=6
2^10=12=1
よって、2の累乗で1~10を全て表せるので、2は原始根という事である。
また、ξ=ζ+ζ^4+ζ^5+ζ^9+ζ^3の足りない所をξ'とすると、
ξ'=ζ^2+ζ^8+ζ^10+ζ^7+ζ^6となり、
ξ+ξ'=ζ+ζ^2+・・・+ζ^10=-1となる。
念のため、ζの最小多項式はΦ11(x)=x^10+x^9+・・・+x+1だからζ^10+ζ^9+・・・+ζ+1=0より、ζ^10+ζ^9+・・・+ζ=-1

>ξξ'は
ξξ'=(ζ+ζ^4+ζ^5+ζ^9+ζ^3)(ζ^2+ζ^8+ζ^10+ζ^7+ζ^6)
=ζ^3+ζ^9+ζ^11+ζ^8+ζ^7+ζ^6+ζ^1+ζ^3+ζ^11+ζ^10
+ζ^7+ζ^2+ζ^4+ζ^1+ζ^11+ζ^11+ζ^6+ζ^8+ζ^5+ζ^4
+ζ^5+ζ^11+ζ^2+ζ^10+ζ^9
=5+2(ζ+ζ^2+・・・+ζ^10)=5-2=3

(ζ+ζ^4+ζ^5+ζ^9+ζ^3)(ζ^2+ζ^8+ζ^10+ζ^7+ζ^6)を展開して、ζ^11=1で整理すると、5+2(ζ+ζ^2+・・・+ζ^10)となり、上の「ζ^10+ζ^9+・・・+ζ=-1」を代入すれば求まる。

>したがってξの最小多項式はx^2+x+3である。ゆえにξ=(-1+√-11)/2である(根号の前の符号はξ,ξ'の虚部の符号を見て判断する)。

ξ+ξ'=-1,ξξ'=3より、2次方程式の解と係数の関係により、ξ,ξ'は、
x^2+x+3=0の2つの解である。
∴ξ,ξ'=(-1±√11i)/2
ここで、ξ=ζ+ζ^4+ζ^5+ζ^9+ζ^3,
ξ'=ζ^2+ζ^8+ζ^10+ζ^7+ζ^6
として、ガウス平面で考えると、
ξの方は1,3,4,5,9より、9以外は単位円の上半分である。((11-1)÷2=5より)
また、ξ'の方は2,6,7,8,10より、2以外は単位円の下半分である。
つまり、虚軸方向を全て足すと、ξのiの符号は正でξ'のiの符号は負である。
∴ξ=(-1+√-11)/2

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