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壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/10 13:16 (No.1159346)削除
問題
線分ABと同じ側に、図のように2点P,Qがあって、AP=BQである。P,Qを結ぶ直線が、線分ABの中点Mを通るとき、∠APM=∠BQMとなることを証明せよ。
(81 関西学院)

図を解説すると、線分ABの中点をMとして、点Mの真上やや左に点Pを取り△PAMを描き、PM上に点Qを取りQBを結ぶとAP=BQであるような図。

3通り解法を作ってみました。1つは模範解答と同種類ですが、算数の解法です。また、模範解答と同じ解法の別の導き方(定石)も伝授しますね。

おまけ:
https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%E3%81%8A%E5%89%8D%E3%81%8C%E5%81%8F%E5%90%91%E5%A0%B1%E9%81%93%E3%81%A0%E3%82%88-%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%BC%E7%94%B0%E6%9D%91%E6%B7%B3%E3%81%AB-%E3%81%A4%E3%81%B0%E3%81%95%E3%81%AE%E5%85%9A-%E6%A0%B9%E6%9C%AC%E8%89%AF%E8%BC%94%E6%B0%8F%E3%82%89%E3%81%8C-%E8%87%AA%E5%AE%85%E5%89%8D%E8%A1%97%E5%AE%A3-%E3%81%AE-%E6%B3%A2%E7%B4%8B/ar-BB1m7Sgh?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=e5aad1c9771943ddb64177482418c67b&ei=34
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/11 07:57削除
問題
線分ABと同じ側に、図のように2点P,Qがあって、AP=BQである。P,Qを結ぶ直線が、線分ABの中点Mを通るとき、∠APM=∠BQMとなることを証明せよ。
(81 関西学院)

解法1 算数の解法
点Ḿを中心に△QBMをMBがMAにくっつくまで180°回転移動させ、点Qの行き先をQ'とすると、3点P,M,Q'は一直線上にあり(3点A,M,Bが一直線上にあるから)、条件よりAP=BQ=BQ'=AQで△APQ'は二等辺三角形になる。よって、∠APM=∠AQ'M=∠BQM
よって、∠APM=∠BQM

解法2 参考書の模範解答
BからPAに平行線をひいて、PMの延長との交点をRとする。
仮定より、AM=BM———①
∠PMA=∠RMB———②
∠PAM=∠RBM(錯角)———③
①,②,③より、△PAM≡△RBM
よって、BR=AP=BQ
△BQRは二等辺三角形だから
∠BRQ=∠BQM
これと∠P=∠BRQ(図)により、
∠APM=∠BQM

因みに、解法1の方法では、点Mを中心に△MAPを180°回転させれば同様に出来る。
また、「(ア),(イ)ともに一癖あるおもしろい形です。補助線の発見がかぎをにぎりますが、知識がものをいう典型例でしょう。」とあり、この問題は(イ)です。((ア)は2024/5/9 12:06の投稿の筑波大付属の問題)
それでは、Bからいきなり平行線を引かない方法を紹介しましょう。ただし、知識がいるのは同じ事。

模範解答のアレンジ(というより別解か)
点MはABの中点より定石の一つとして、PMの延長上にP'M=PMとなる点P'を取ると、四角形PAP'Bは対角線が互いの中点で交わるので、平行四辺形である。∴BP'=PA,BP'∥PA
また、条件よりPA=BQ ∴BQ=BP'
よって、△BQP'は二等辺三角形である。
∴∠BQM=∠BP'P
また、錯角より∠APM=∠BP'P
∴∠BQM=∠APM

これならいきなりBからPAと平行な線分を引かなくても解けるでしょう。因みに、PMの延長上にQ'M=QMとなる点Q'を取れば解法1と同じ形状になります。

それでは工夫の別解2通りは次回に紹介しましょう。(念のため、私のオリジナルです。)

おまけ:
https://performance-navi01.com/kenkadokugaku-toukei-aki/65148/
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/12 07:51削除
問題
線分ABと同じ側に、図のように2点P,Qがあって、AP=BQである。P,Qを結ぶ直線が、線分ABの中点Mを通るとき、∠APM=∠BQMとなることを証明せよ。
(81 関西学院)

図を解説すると、線分ABの中点をMとして、点Mの真上やや左に点Pを取り△PAMを描き、PM上に点Qを取りQBを結ぶとAP=BQであるような図。

解法3 思い付いた順
PからQBと平行な直線を引き、ABの延長との交点をCとすると、△MBQ∽△MCP
∴MB:BQ:MC:CP———①
また、条件より、AM=MB———②
AP=BQ———③
②,③を①に代入すると、
AM:AP=MC:CP
∴AP:CP=AM:MC
∴PA:PC=AM:MC
よって、△PACでの角の二等分線の定理の逆により、PMは∠APCの二等分線。
∴∠APM=∠CPM———④
ところで、同位角より∠CPM=∠BQM
これを④に代入すると、
∠APM=∠BQM

解法4
PからBQと平行でPR=QBとなる点Rを取ると、PR∥QBかつPR=QBより、四角形PQBRは平行四辺形になる。
∴PQ∥RB ∴PM∥RB
また、ARを結びPMとの交点をCとすると、
CM∥RBで点MはABの中点より△ABRでの中点連結定理の逆により、点CはARの中点。∴AC=RC———①
また、条件よりAP=BQで四角形PQBRは平行四辺形よりBQ=RPなので、
AP=RP———②
また、PCは共通———③
①,②,③より、三辺相等で、
△PAC≡△PRC ∴∠APC=∠RPC
また、同位角より、∠RPC=∠BQM
∴∠APC=∠BQM
∴∠APM=∠BQM

おまけ:
https://news.yahoo.co.jp/articles/87baa55d774cc2edec9f9f2962282b5d0815ef11
「高校1年生の2004年に「ミスセブンティーン」の選抜オーディションに応募。最終選考で落選した」(ウィキペディアより)
たまたま修学旅行の時に気付いて羨望や複雑な感情で無視したのかな?(単純にこの友達ダサいね。)
まぁ、記事書いた人も「壮絶なイジメ」っておかしくない?
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/9 12:06 (No.1158491)削除
問題
∠A=90°の直角二等辺三角形ABCがある。いま、辺AB上にBD=6cmである点Dを、辺ACの延長上にCE=6cmである点Eをとり、辺BCと線分DEとの交点をFとする。このとき、△BDFと△CEFの面積の差は□cm^2である。
(87 筑波大付)

私的に普通に解いたら別解でしたが、算数でも解けそうな気がして答えを見る前に算数の解法を作ったら、そちらが模範解答でした。(私とはアプローチの仕方が異なっていましたが。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/10 08:02削除
問題
∠A=90°の直角二等辺三角形ABCがある。いま、辺AB上にBD=6cmである点Dを、辺ACの延長上にCE=6cmである点Eをとり、辺BCと線分DEとの交点をFとする。このとき、△BDFと△CEFの面積の差は□cm^2である。
(87 筑波大付)

解法1 私の解法
AD=xと置くと、AB=x+6 △ABCは直角二等辺三角形より、AC=AB=x+6
∴AE=x+12
ここで、△BDFと△CEFのそれぞれに四角形ADFCを加えると、面積の差は、
△BDF-△CEF=△ABC-△ADE
=(x+6)^2×(1/2)
-x(x+12)×(1/2)
=(x^2+12x+36)/2
-(x^2+12x)/2
=36/2=18
よって、答えは、18cm^2

解法2 参考書の模範解答
基本図16の知識より、DF=EF
いま、DからACに平行線をひいて、辺BCとの交点をGとすると、△FDG≡△FEC(二角夾辺相等)
よって、△BDF-△CEF=△BDF-△DGF=△BDG=6×6÷2=18(cm^2)

基本図16
AB=AC,DB=CEのとき、DF=EF
DからBCに平行線をひき、ACとの交点をGとする。GC=DBから中点連結定理。
「高校への数学 日日のハイレベル演習」臨時増刊2003-5 p.41より

図がないので解説すると、二等辺三角形ABCの辺AB上に点D,辺ACの延長上に点Eがあり、DEとBCの交点をFとする。この時、BD=CEならば点FはDEの中点になる。
そして、その証明は、DからBCと平行な直線を引きACとの交点をGとすると、△EDGでの中点連結定理より簡単。

因みに、私の発想は、元の問題のBD=CEと∠Bと∠FCEが補角をなしている事からBF上にBH=CFとなる点Hを取ると1つの角が補角をなす面積比の公式より△BDHと△CEFの面積は等しくなる。よって、△FDHの面積を求めれば良くなる訳だが、ここで、△DBHの面積を右に移す事にした。つまり、FB上にFG=BHとなる点Gを取ると、求めるのは△DBGという事になる。そして、DGはACと平行線という事に気付く訳である。

おまけ:
https://twitter.com/satndRvjMpc4tl7/status/1788361206681776337
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/8 13:51 (No.1157763)削除
問題
図のように、AB=8,AC=6,∠BAC=90°の△ABCがある。点Aから辺BCに垂線ADをひく。∠ABCの二等分線と線分AD,辺ACとの交点を、それぞれE,Fとする。
(1)BE:EFを求めよ。
(2)AE=AFを証明せよ。
(3)四角形EDCFの面積を求めよ。
(類 93 東海)

それぞれ別解を作ってみました。何通りも作れると思いますが、比較的簡単なものだけにして下さい。
因みに、(3)は私の第1解法と模範解答は同じでしたが、第2解法の方が簡単だと思います。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/9 07:57削除
問題
図のように、AB=8,AC=6,∠BAC=90°の△ABCがある。点Aから辺BCに垂線ADをひく。∠ABCの二等分線と線分AD,辺ACとの交点を、それぞれE,Fとする。
(1)BE:EFを求めよ。
(2)AE=AFを証明せよ。
(3)四角形EDCFの面積を求めよ。
(類 93 東海)

解法1 参考書の模範解答
(1)仮定より、∠ABE=∠CBF
また、∠BAE=90°-∠CAD=∠C
以上より、△ABE∽△CBF・・・①
(二角相等)
よって、BE:BF=AB:CB=8:10
=4:5 ゆえに、BE:EF=4:1
(2)①より、∠BEA=∠BFC 
ゆえに∠AEF=∠AFE
△AEFにおいて、底角が等しいので、
AE=AF
(3)△ABC=6×8÷2=24
△ABC∽△DACで、相似比は10:6だから、△DACの面積=(6^2/10^2)×24
=9×24/25
いま、角の二等分線の定理より、
AE:ED=BA:BD=5:4
AF:FC=BA:BC=4:5
△AEFと△ADCは夾角∠Aが等しいので、
四角形EDCF=△ADC-(AE/AD)×(AF/AC)×△ADC
=(9×24/25)×{1-(5/9)×(4/9)}
=488/75
「高校への数学 日日のハイレベル演習」2003-5より

(1),(2)は別解2通りずつと(3)は簡単なもの1通りをやりますね。(次回)

おまけ:
https://wedding.mynavi.jp/kekoon/entry/2016/04/26/080000/
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/9 14:01削除
問題
図のように、AB=8,AC=6,∠BAC=90°の△ABCがある。点Aから辺BCに垂線ADをひく。∠ABCの二等分線と線分AD,辺ACとの交点を、それぞれE,Fとする。
(1)BE:EFを求めよ。
(2)AE=AFを証明せよ。
(3)四角形EDCFの面積を求めよ。
(類 93 東海)

解答
(1)別解1
条件より、∠ABF=∠DBE また、∠BAF=∠BDE=90°より2角が等しいので、△ABF∽△DBE
ところで、△ABCは3:4:5の直角三角形で∠Bを共有していて∠Aと∠Dが直角で等しいので、△ABC∽△DBA
よって、△DBAも3:4:5の直角三角形であり、BD:BA=4:5
よって、△ABF∽△DBEの相似比は5:4
よって、BE:BF=4:5
よって、BE:EF=4:1

別解2
△ABCは∠Aが直角の直角三角形でADは直角から斜辺に垂線が下りている形なので、定石により△ABC∽△DBA∽△DAC
ところで、△ABCは3:4:5の直角三角形より△DBAと△DACも3:4:5の直角三角形。よって、CD=3aと置くとAD=4aでBD=(4/3)×4a=16a/3
∴BD:CD=16a/3:3a=16:9
(これはDC:DA=3:4から△ADCと△BDAの相似比が3:4で面積比は9:16からBD:DC=16:9と求めても良い。)
また、△BACで角の二等分線の定理を使うと、AF:FC=BA:BC=4:5
∴AF:AC=4:9
よって、△BCFと直線ADでメネラウスの定理を使うと、
(16/9)(EF/BE)(9/4)=1が成り立つ。∴EF/BE=1/4 
∴BE:EF=4:1

(2)別解1
(1)の別解1より、△ABF∽△DBE
∴∠AFE=∠BED
また、対頂角より∠AEF=∠BED
∴∠AFE=∠AEF
よって、△AEFは二等辺三角形より、
AE=AF

別解2
(1)の別解2より、△DBA∽△DAC
よって、∠BAD=∠ADC=○と置く。また、条件より∠ABE=∠FBC=●と置くと、△FBCの内対角の和より、∠AFE=●+○
また、△EBAでの内対角の和より、∠AEF=●+○
よって、∠AFE=∠AEFより△AEFは二等辺三角形。∴AE=AF

(3)別解1
△BACで角の二等分線の定理を使うと、△ABCは3:4:5の直角三角形より、
AF:FC=BA:BC=4:5
∴AF=(4/9)AC=(4/9)×6=8/3
よって、(2)の結果を利用すると、
AE=AF=8/3
ここで、FからAEに垂線を下ろしその足をHとすると、△AFHも3:4:5の直角三角形より、FH=(3/5)AF=(3/5)×(8/3)
=8/5
∴△AEF=(8/3)×(8/5)×(1/2)
=32/15
また、△ACDも3:4:5の直角三角形より、
AD=(4/5)×6=24/5
DC=(3/5)×6=18/5
∴△ACD=(18/5)×(24/5)×(1/2)
=216/25
∴四角形EDCF=216/25-32/15
=648/75-160/75=488/75
よって、答えは、488/75

別解2
△BACで角の二等分線の定理を使うと、△ABCは3:4:5の直角三角形より、
AF:FC=BA:BC=4:5
∴AF=(4/9)AC=(4/9)×6=8/3
∴△BAF=8×(8/3)×(1/2)=32/3
また、△BAF∽△BDEで相似比BA:BD=5:4より面積比25:16
∴△BDE=(16/25)×(32/3)
=512/75
∴四角形EDCF=△ABC-△BAF-△BDE=24-32/3-512/75
=24-800/75-512/75
=1800/75-1312/75
=488/75
よって、答えは、488/75

因みに、最初に思い付いたのは模範解答の方法です。

おまけ:
返信
返信2
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/5 20:06 (No.1155500)削除
問題
△ABC内の1点Oを通り、3辺AB,BC,CAのそれぞれに平行な線分DE,FG,HIをひいたところ、
DE/AB=1/2,FG/BC=2/3であった。
このとき、HI/CAの値を求めよ。
(85 筑波大付)

注:FとIはAB上,EとHはBC上,DとGはCA上にあります。

因みに、解法は2通り載っていますが、私の解法は別解でした。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/6 07:55削除
問題
△ABC内の1点Oを通り、3辺AB,BC,CAのそれぞれに平行な線分DE,FG,HIをひいたところ、
DE/AB=1/2,FG/BC=2/3であった。
このとき、HI/CAの値を求めよ。
(85 筑波大付)

解法1 私の解法
DE∥ABより△CDE∽△CABでDE:AB=1:2より、CD:CA=1:2
つまり、点DはACの中点。
また、FG∥BCより△AFG∽△ABCでFG:BC=2:3より、AG:AC=2:3
よって、AG:GC=2:1より、GC=2aと置くとAG=4a 
∴AC=4a+2a=6a
また、点DはACの中点よりAD=6a÷2=3a ∴DG=AG-AD=4a-3a=a
∴AD:DG:GC=3a:a:2a
=3:1:2
ところで、FG∥BC,DE∥ABより△DOG∽△DECで相似比DG:DC=1:3より、OG:EC=1:3———①
また、四角形OHCGは平行四辺形より、
OG=HC———②
②を①に代入すると、HC:EC=1:3
また、DE∥ABで点DがACの中点より点EはBCの中点。∴BE=EC
∴BE:EH:HC=3:3-1:1
=3:2:1
∴BH:BC=3+2:3+2+1=5:6
ところで、HI∥CAより△BIH∽△BACで相似比BH:BC=5:6
∴HI:CA=5:6
∴HI/CA=5/6

因みに、模範解答と参考書の別解は一見難しいですが、
FG/BC+HI/CA+DE/AB=2
という定理を2通りで証明している訳です。

「三角形内の線分の比は、一直線上にうつし集めることが原則です。研究では、エレガントな方法も紹介しましょう。」
「高校への数学 日日のハイレベル演習」臨時増刊2003-5(p.40の4・27の解答)より

因みに、「研究」が別解という事です。とにかく、どちらも実戦向きではありませんね。もっとも、この定理をメネラウスの定理のように使って良いなら話は別ですが。(解法の紹介は次回。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/7 07:38削除
問題
△ABC内の1点Oを通り、3辺AB,BC,CAのそれぞれに平行な線分DE,FG,HIをひいたところ、
DE/AB=1/2,FG/BC=2/3であった。
このとき、HI/CAの値を求めよ。
(85 筑波大付)

解法2 参考書の模範解答
△BHI∽△BCAによって比をうつすと、
HI/CA=BI/BA———①
△AFG∽△ABCによって比をうつすと、
FG/BC=FA/BA———②
DE/AB=(OD+OE)/AB
=(AI+BF)/BA———③
①,②,③の辺々をたすと、
HI/CA+FG/BC+DE/AB
=BI/BA+FA/BA+(AI+BF)/BA
=2BA/BA=2
よって、
HI/CA=2-FG/BC-DE/AB
=2-2/3-1/2=5/6

解法3 参考書の別解
Oをどこにとっても、
FG/BC+HI/CA+DE/AB=2です。
(略証)図のように各点を定めると、
(AOの延長とBCとの交点をJ,BOの延長とCAとの交点をK,COの延長とABとの交点をLとする。)
FG/BC+HI/CA+DE/AB
=AF/AB+BH/BC+CD/CA
=AO/AJ+BO/BK+CO/CL
=四角形ABOC/△ABC
+四角形BCOA/△ABC
+四角形CAOB/△ABC
=2×△ABC/△ABC=2
よって、この定理を使うと、
HI/CA=2-FG/BC-DE/AB
=2-2/3-1/2=5/6

因みに、私もちゃちゃっとこの定理の別証を1つ作ってみました。ただし、エレガントかどうかは微妙です。(次回)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/8 07:55削除
>因みに、私もちゃちゃっとこの定理の別証を1つ作ってみました。ただし、エレガントかどうかは微妙です。

定理
△ABC内の1点Oを通り、3辺AB,BC,CAのそれぞれに平行な線分DE,FG,HIをひいたところ、Oをどこにとっても、
FG/BC+HI/CA+DE/AB=2
が成り立つ。

注:FとIはAB上,EとHはBC上,DとGはCA上にあります。

証明
AI=a,IF=b,FB=c,BE=d,
EH=e,HC=f,CG=g,GD=h,
DA=iと置くと、内部の3つの四角形は全て平行四辺形より、
OD=a,OE=c,OF=d,OG=f,
OH=g,OI=i
∴BC=BE+EH+HC=d+e+f
CA=CG+GD+DA=g+h+i
AB=AI+IF+FB=a+b+c
FG=OF+OG=d+f
HI=OH+OI=g+i
DE=OD+OE=a+c
∴FG/BC+HI/CA+DE/AB
=(d+f)/(d+e+f)+(g+i)/(g+h+i)+(a+c)/(a+b+c)
=1-e/(d+e+f)+1-h/(g+h+i)
+1-b/(a+b+c)
=3-{e/(d+e+f)+h/(g+h+i)+b/(a+b+c)}
=3-(EH/BC+GD/CA+IF/AB)
∴FG/BC+HI/CA+DE/AB
=3-(EH/BC+DG/CA+FI/AB)
ここで、「高校への数学 日日のハイレベル演習」臨時増刊2003-5 p.40に載っている定理を使うと、
EH/BC+DG/CA+FI/AB=1より、
FG/BC+HI/CA+DE/AB=2
とエレガントに証明出来る。
因みに、この2つの定理とも冒頭の定理・公式集に載っている。■印なので、「発展的なものまたはおぼえるとトクな性質」らしい。
一応、証明すると、

定理
EH/BC+DG/CA+FI/AB=1

証明
△ODG∽△BACより、
DG/CA=OG/BC=HC/BC 
∴DG/CA=HC/BC———①
△OIF∽△CABより、
FI/AB=OF/CB=EB/BC
∴FI/AB=EB/BC———②
①,②を与式に代入すると、
左辺=EH/BC+HC/BC+EB/BC
=BC/BC=1=右辺
よって、示された。

おまけ:
返信
返信3
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/7 16:47 (No.1157057)削除
う~ん、使っていないと忘れてしまうな。https://bbs1.rocketbbs.com/shochandas/posts/1869

ans = [ ]
for a in range(1,20):
for b in range(1,20):
for c in range(1,20):
for d in range(1,20):
if a**2 + b**2 + c**2 + d**2 == 150\
and a <= b <= c <= d:
ans.append((a,b,c,d))
print(ans)
結果:[(1, 1, 2, 12), (1, 2, 8, 9), (1, 6, 7, 8), (2, 3, 4, 11), (2, 4, 7, 9), (3, 4, 5, 10), (4, 6, 7, 7), (5, 5, 6, 8)]

たったこれだけなのにちょっと苦労しちゃったよ。
答え合わせ:(a,b,c,d)=(1,1,2,12),(1,2,8,9),(1,6,7,8),(2,3,4,11),(2,4,7,9),(3,4,5,10),(4,6,7,7),(5,5,6,8)
良かった。

おまけ:
返信
返信0
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/7 12:03 (No.1156916)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問3.3
σ(f(X))=f(√2)によって定義される写像σ:ℚ[X]→ℚ[√2]に対して、準同型定理3.5を適用すると、R=ℚ[X]/(X^2-2)≃ℚ[√2]なる同型が得られる。この同型に関して、次の問に答えよ。
(1)1/√2∈ℚ[√2]に対応する剰余環ℚ[X]/(X^2-2)の元は何か。
(2)|(X^3+1)∈Rに対応するℚ[√2]の元は何か。
(3)x=|X∈Rは多項式X^2-2の根であることを確かめよ。
(4)ℚ[√2]は{1,√2}を基底とする有理数体ℚ上の2次元ベクトル空間であることを確かめよ。

証明
(1)例1.3で見たようにℚ[√2]は体であるから、1/√2はℚ[√2]の元であって、次のように表せる。
1/√2=√2/2=0+√2/2∈ℚ[√2]
そこで、多項式f(Ⅹ)=Ⅹ/2を考えると、σ(f(X))=f(√2)=√2/2 したがって、1/√2に対応する剰余環ℚ[X]/(X^2-2)の元は |X/2である。
(2)σ(X^3+1)=(√2)^3+1=2√2+1であるから、|(X^3+1)に対応するℚ[√2]の元は 2√2+1である。
(3)x^2-2=(|X)^2-2=|(X^2)-|2=|(X^2-2)=|0
(4)ℚ[√2]の任意の元は1と√2の1次結合で表すことができ、1と√2はℚ上1次独立であるから{1,√2}はℚ上のベクトル空間の基底である。
ℚ[X]/(X^2-2)=ℚ[|X]も{1,|X}を基底とするℚ上のベクトル空間の基底である。

定理3.5(準同型定理)
RとR'を環,f:R→R'をRからR'への準同型写像であるとする。写像
|f:R/kerf→R'
   |a → f(a)
は剰余環R/kerfから環R'への単準同型写像である。すなわち、
R/kerf≃f(R)
また、|fはf=|f◦πを満たす。

例1.3
ℤ[√2]={a+b√2|a,b∈ℤ}は整域であり、
ℚ[√2]={a+b√2|a,b∈ℚ}は体である。
「演習 群・環・体 入門」新妻弘著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/7 14:12削除
解説
>(1)例1.3で見たようにℚ[√2]は体であるから、1/√2はℚ[√2]の元であって、次のように表せる。

体だから√2∈ℚ[√2]の乗法の逆元が存在するという事が言いたいと思いますが、あまり意味がない事ですよね。(蛇足)

>1/√2=√2/2=0+√2/2∈ℚ[√2]
そこで、多項式f(Ⅹ)=Ⅹ/2を考えると、σ(f(X))=f(√2)=√2/2 したがって、1/√2に対応する剰余環ℚ[X]/(X^2-2)の元は |X/2である。

1行目を書き終わった時点で、問題文の「R=ℚ[X]/(X^2-2)≃ℚ[√2]なる同型が得られる」から、|(a+bX)とa+b√2が対応すると考えて、0+√2/2からa=0,b=1/2とすると、f(X)=a+bX=0+(1/2)X=X/2を考える事が出来る。
ところで、写像σ:ℚ[X]→ℚ[√2]は、Xに√2を代入する写像なので、
σ(f(X))=f(√2)=√2/2
よって、√2/2=1/√2に対応する元はf(X)=X/2だが、これは1/√2に対応するℚ[X]の元で、求めるのは剰余環ℚ[X]/(X^2-2)の元なので、|f(X)=|(X/2)=|X/2である。

>(2)σ(X^3+1)=(√2)^3+1=2√2+1であるから、|(X^3+1)に対応するℚ[√2]の元は 2√2+1である。

σはXに√2を代入する写像なので、
σ(X^3+1)=(√2)^3+1=2√2+1
ところで、準同型定理から、

定理3.5(準同型定理)
RとR'を環,f:R→R'をRからR'への準同型写像であるとする。写像
|f:R/kerf→R'
   |a → f(a)
は剰余環R/kerfから環R'への単準同型写像である。すなわち、
R/kerf≃f(R)
また、|fはf=|f◦πを満たす。

|fはf=|f◦πなので、fの像と|fの像は一致している。つまり、上の場合、
ℚ[X]/(X^2-2)→ℚ[√2]
という写像を|σと置くと、σと|σの像は一致している。
よって、|(X^3+1)に対応するℚ[√2]の元は、
X^3+1のσの像2√2+1と一致している。
よって、答えは、2√2+1

別解(私のオリジナル)
X^3+1をX^2-2で割ると、
X^3+1=X(X^2-2)+2X+1
∴|(X^3+1)≡|(2X+1)(mod(X^2-1))
ところで、問題文に
ℚ[X]/(X^2-2)≃ℚ[√2]
とあるので、Xに√2を代入すると、2√2+1
よって、|(X^3+1)∈Rに対応するℚ[√2]の元は、2√2+1

>(3)x=|X∈Rは多項式X^2-2の根であることを確かめよ。
>(3)x^2-2=(|X)^2-2=|(X^2)-|2=|(X^2-2)=|0

最後の|(X^2-2)=|0の|を取ると、
X^2-2=0より、|XはX^2-2の根である。これは|X=√2という事なのか。
まぁ、ℚ[X]/(X^2-2)≃ℚ[√2]から納得出来る話であるが。

>(4)ℚ[√2]の任意の元は1と√2の1次結合で表すことができ、1と√2はℚ上1次独立であるから{1,√2}はℚ上のベクトル空間の基底である。
ℚ[X]/(X^2-2)=ℚ[|X]も{1,|X}を基底とするℚ上のベクトル空間の基底である。

1と√2の1次結合とは、a・1+b・√2で表すことが出来るという事。
1と√2はℚ上1次独立とは、a+b√2=0⇒a=b=0という事。
ℚ[X]/(X^2-2)の元は|f(X)=|(a+bX)
=|a+|(bX)=|a+|b|X=a+b|X
と表されるので、ℚ[|X]の元で、
ℚ[X]/(X^2-2)=ℚ[|X]という訳である。
念のため、例えば、f(X)=aX^2+bX+cとすると、|f(X)=|(aX^2+bX+c)
=a(|X)^2+b(|X)+cとなるが、基底が{1,|X,|X^2}という訳ではない。

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/6 13:48 (No.1156154)削除
次の文章を完全解説して下さい。

例3.5
有理数体ℚ上の1変数の多項式環ℚ[Ⅹ]において、多項式Ⅹ^2-2によって生成されたイデアル(Ⅹ^2-2)による剰余環ℚ[Ⅹ]/(Ⅹ^2-2)と体ℚ[√2]は環として同型である。すなわち、
ℚ[Ⅹ]/(Ⅹ^2-2)≃ℚ[√2]

(証明)
σ:ℚ[Ⅹ]→ℚ[√2]
  f(X)→f(√2)
によって定義される写像σ(f(X))=f(√2)は代入の原理(後出定理4.4)によって環の準同型写像になる。
σが全射であること:
ℚ[√2]の任意の元はa+b√2(a,b∈ℚ)という形で表される。a+bX∈ℚ[X]なる多項式を考えれば、σ(a+bX)=a+b√2でσは全射となる。
次にkerσを考えよう。
(X^2-2)f(X)∈(X^2-2)ℚ[X]とすると
σ((X^2-2)f(X))=(√2^2-2)f(√2)=0
∴(X^2-2)ℚ[X]⊂kerσ
kerσ⊂(X^2-2)であること:
f(X)∈kerσとする。すなわちf(X)∈ℚ[X]でf(√2)=0と仮定する。後出の除法の定理4.5によって
f(X)=(X^2-2)q(X)+r(X),
r(X)=0 かまたは degr(X)<2
を満たすq(X),r(X)∈ℚ[X]が存在する。
ここで、r(X)≠0とするとdegr(X)<2だから
r(X)=a+bX(a,b∈ℚ)
と表される。X=√2を代入すると
f(√2)=0+r(√2)=a+b√2
仮定f(√2)=0よりa+b√2=0
ゆえにa=b=0,よってr(X)=0で、これは矛盾である。したがって、r(X)=0でなければならない。このとき、
f(X)=(X^2-2)q(X)∈(X^2-2)ℚ[X]
ゆえに、kerσ⊂(X^2-2)ℚ[X]である。以上より
kerσ=(X^2-2)ℚ[X]
を得る。そこで環の準同型定理3.5を使うと、
ℚ[X]/(X^2-2)≃ℚ[√2]

定理4.4(代入の原理)
環LをRの部分環とするような環とし、Lの元αはRのすべての元と可換とする。R[X]の元f(X),g(X)について、次が成り立つ。
(ⅰ)f(X)+g(X)=ξ(X)⇒f(α)+g(α)=ξ(α)
(ⅱ)f(X)・g(X)=η(X)⇒f(α)・g(α)=η(α)
注意(1)定理4.4はαがf(X),g(X)の係数と可換であれば成立する。
(2)定理4.4は多項式環R[X]の元f(X)に対してf(α)(∈L)を対応させる写像Φが環としての準同型写像であることを意味している。

定理4.5(除法の定理)
Kを体とする。2つの多項式f(X),g(X)∈K[X]について、g(X)≠0とすると
f(X)=q(X)g(X)+r(X)
を満足する多項式q(X),r(X)∈K[X]が存在する。ただしr(X)は0であるか、または次数がg(X)の次数より小さい多項式である。しかも、このようなq(X)とr(X)はf(X)とg(X)により一意的に定まる。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

適当に分かり易く解説して下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/6 16:36削除
解説
>例3.5
有理数体ℚ上の1変数の多項式環ℚ[Ⅹ]において、多項式Ⅹ^2-2によって生成されたイデアル(Ⅹ^2-2)による剰余環ℚ[Ⅹ]/(Ⅹ^2-2)と体ℚ[√2]は環として同型である。すなわち、
ℚ[Ⅹ]/(Ⅹ^2-2)≃ℚ[√2]

イデアル(Ⅹ^2-2)とは、(Ⅹ^2-2)ℚ[Ⅹ]という事。つまり、イメージ的にはⅩ^2-2の倍数というか、これに例えば3X^3+2X^2+2X+1などをかけた式の集合。
剰余環ℚ[Ⅹ]/(Ⅹ^2-2)は、イメージ的には3X^3+2X^2+2X+1などをX^2-2で割った余りの集合。つまり、1次式か0次式(0以外の定数)の集合である。(念のため、2次式で割った余りだから。)
「剰余環ℚ[Ⅹ]/(Ⅹ^2-2)と体ℚ[√2]は環として同型である」とは、ℚ[√2]はa+b√2(a,b∈ℚ)で、また、ℚ[Ⅹ]/(Ⅹ^2-2)が上よりa+bXとなるので、同型になりそうだと分かるだろう。あとは、これを証明する訳である。

>σ:ℚ[Ⅹ]→ℚ[√2]
   f(X)→f(√2)
によって定義される写像σ(f(X))=f(√2)は代入の原理(後出定理4.4)によって環の準同型写像になる。

なぜ、こんな写像を作るのかというと、準同型定理を使うためである。
コツは、ℚ[Ⅹ]/(Ⅹ^2-2)≃ℚ[√2]を証明したいのだったら、上(左)どうしのσ:ℚ[Ⅹ]→ℚ[√2]という写像を作り、kerσを求め左辺をそれで割るような形にすれば良い。(ℚ[Ⅹ]/kerσ≃ℚ[√2]が示せるという事。)ただし、全射という事を他で示さなければならない。

定理3.5(準同型定理)
RとR'を環,f:R→R'をRからR'への準同型写像であるとする。写像
|f:R/kerf→R'
   |a → f(a)
は剰余環R/kerfから環R'への単準同型写像である。すなわち、
R/kerf≃f(R)
また、|fはf=|f◦πを満たす。

因みに、R/kerf→R'の場合は全射とは限らないが、R/kerf→f(R)の場合は全射なので、
R/kerf≃f(R)となる。(準同型写像かつ全単射だと同型写像になる。)
厳密には、fが全射だと|fも全射になるからである。
また、「写像σ(f(X))=f(√2)は代入の原理(後出定理4.4)によって環の準同型写像になる」は準同型定理を使うためには準同型写像である事が必要だからである。また、定理4.4の注意(2)を読めば自明だろう。(代入する作業が写像Φ)

>次にkerσを考えよう。
(X^2-2)f(X)∈(X^2-2)ℚ[X]とすると
σ((X^2-2)f(X))=(√2^2-2)f(√2)=0
∴(X^2-2)ℚ[X]⊂kerσ

上で「kerσを求め左辺をそれで割るような形にすれば良い」と書いたが、そのkerσを求める訳である。そこで、結果から考えるとℚ[Ⅹ]/(Ⅹ^2-2)≃ℚ[√2]と準同型定理から(Ⅹ^2-2)(=(X^2-2)ℚ[X])がkerσになるはずである。
よって、(X^2-2)ℚ[X]から任意の元を選んで、まずは(X^2-2)ℚ[X]⊂kerσを示す。
∀(X^2-2)f(X)∈(X^2-2)ℚ[X]に対して、
σ((X^2-2)f(X))=(√2^2-2)f(√2)=0(σはXに√2を代入する写像だから。)
∴(X^2-2)f(X)∈kerσ
∴∀(X^2-2)f(X)∈(X^2-2)ℚ[X]⇒
(X^2-2)f(X)∈kerσ
∴(X^2-2)ℚ[X]⊂kerσ

>kerσ⊂(X^2-2)であること:
f(X)∈kerσとする。すなわちf(X)∈ℚ[X]でf(√2)=0と仮定する。後出の除法の定理4.5によって
f(X)=(X^2-2)q(X)+r(X),
r(X)=0 かまたは degr(X)<2
を満たすq(X),r(X)∈ℚ[X]が存在する。
ここで、r(X)≠0とするとdegr(X)<2だから
r(X)=a+bX(a,b∈ℚ)
と表される。X=√2を代入すると
f(√2)=0+r(√2)=a+b√2
仮定f(√2)=0よりa+b√2=0
ゆえにa=b=0,よってr(X)=0で、これは矛盾である。したがって、r(X)=0でなければならない。このとき、
f(X)=(X^2-2)q(X)∈(X^2-2)ℚ[X]
ゆえに、kerσ⊂(X^2-2)ℚ[X]である。

「kerσ⊂(X^2-2)であること」は、
kerσ⊂(X^2-2)ℚ[X]の事でこれを示せば、上で示した(X^2-2)ℚ[X]⊂kerσと合わせて、
kerσ=(X^2-2)ℚ[X]が示せるという訳である。
今、∀f(X)∈kerσに対して、σ(f(X))=0(kerの性質より)
また、σの定義よりσ(f(X))=f(√2)
∴f(√2)=0———①
ここで、f(X)の除法の定理4.5を使うと、
f(X)=(X^2-2)q(X)+r(X)———②
と置け、r(X)=0またはr(X)は1次式か0以外の定数となる。
今、r(X)≠0と仮定すると、
r(X)=a+bX(a,b∈ℚ)
と置ける。(X^2-2で割った余りだから。)
②にX=√2を代入すると
f(√2)=0+r(√2)=a+b√2———③
①,③より、a+b√2=0
a,bは有理数より、a=b=0
∴r(X)=0
よって、r(X)≠0に矛盾する。よって、背理法によりr(X)=0である。よって、②より、
f(X)=(X^2-2)q(X)∈(X^2-2)ℚ[X]
よって、∀f(X)∈kerσ⇒
f(X)∈(X^2-2)ℚ[X]
∴kerσ⊂(X^2-2)ℚ[X]

>以上より
kerσ=(X^2-2)ℚ[X]
を得る。そこで環の準同型定理3.5を使うと、
ℚ[X]/(X^2-2)≃ℚ[√2]

これはもう解説不要だろう。(分かる人にしか分からない話であるが。)

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/4 14:33 (No.1154263)削除
問題
△ABCの、∠B,∠Cの二等分線にAからひいた垂線の足をそれぞれP,Qとする。BC=a,CA=b,AB=cとするとき、PQの長さをa,b,cを用いて表せ。
(89 沖縄県)

これも別解を作ってみて下さい。因みに、これも模範解答の方法は秒殺でした。

おまけ:
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E6%8E%A8%E3%81%97%E3%81%AE%E5%AD%90-%E3%83%8D%E3%82%BF%E3%83%90%E3%83%AC%E5%B7%A1%E3%82%8B%E6%9A%B4%E5%8A%9B%E4%BA%8B%E4%BB%B6-%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E%E8%80%83%E5%AF%9F%E8%8A%B8%E4%BA%BA%E3%81%8C-%E8%80%83%E5%AF%9F-%E3%83%9E%E3%83%8A%E3%83%BC%E8%B8%8F%E3%81%BF%E8%B6%8A%E3%81%88%E3%81%9F%E4%BA%BA%E3%81%8C%E6%AE%B4%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%81%AA/ar-AA1o5AkN
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/5 07:35削除
問題
△ABCの、∠B,∠Cの二等分線にAからひいた垂線の足をそれぞれP,Qとする。BC=a,CA=b,AB=cとするとき、PQの長さをa,b,cを用いて表せ。
(89 沖縄県)

解法1 模範解答
AP,AQの延長とBCとの交点をそれぞれR,Sとすると、BPは∠Bの二等分線でBP⊥AR,CQは∠Cの二等分線でCQ⊥ASより、△BARと△CASはそれぞれ二等辺三角形で、点P,Qはそれぞれ底辺の中点となる。
つまり、点QはASの中点で点PはARの中点。よって、△ASRで中点連結定理を使うと、QP=(1/2)SR=(1/2)(BR+CS-BC)=(1/2)(BA+CA-BC)
∴PQ=(c+b-a)/2

解法2 私のオリジナル解法
ABの中点をM,ACの中点をNとすると、△APQ,△AQCはそれぞれ直角三角形で点M,Nはそれぞれ斜辺の中点より定石の形より、MP=MA=MB,NQ=NA=NC
よって、△MBP,△NCQはそれぞれ二等辺三角形より、∠MPB=∠MBP=●と置くと、∠ABP=∠PBC=●より、
∠MPB=∠PBC=●
よって、錯角が等しいので、MP∥BC
同様に、NQ∥CB
また、点M,NはAB,ACの中点より△ABCでの中点連結定理より、MN∥BC
よって、4点M,Q,P,Nは一直線上にある。
∴PQ=MP+NQ-MN
=AB/2+AC/2-BC/2
=c/2+b/2-a/2=(c+b-a)/2
∴PQ=(c+b-a)/2

おまけ:
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/3 16:35 (No.1153426)削除
問題
図のように△ABCの∠Bの二等分線にAから垂線ADをひく。BC∥DE,AB=5,BC=6であるとき、
(ⅰ)DEの長さを求めよ。
(ⅱ)面積の比△ABC:△ADEを求めよ。
(87 中央大杉並,改題)

注:点EはAC上の点です。

別解を作ってみました。因みに、模範解答の方法は秒殺でした。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/4 07:49削除
問題
図のように△ABCの∠Bの二等分線にAから垂線ADをひく。BC∥DE,AB=5,BC=6であるとき、
(ⅰ)DEの長さを求めよ。
(ⅱ)面積の比△ABC:△ADEを求めよ。
(87 中央大杉並,改題)

解法1 模範解答
(ⅰ)ADの延長とBCとの交点をFとすると、BDが∠Bの二等分線でBD⊥AFより△BAFは二等辺三角形である。
よって、点DはAFの中点。また、DE∥FCより△ACFでの中点連結定理の逆により点EはACの中点で、DE=(1/2)FC
ところで、BF=BA=5,BC=6より、
FC=6-5=1
∴DE=1/2
(ⅱ)DE∥FCより△ADE∽△AFCで、相似比1:2より面積比1^2:2^2=1:4
∴△ADE=(1/4)△AFC———①
また、FC:BC=1:6より、
△ABC=6△AFC———②
∴△ABC:△ADE
=6△AFC:(1/4)△AFC=24:1
よって、答えは、24:1

解法2 私のオリジナル解法
(ⅰ)ABの中点をMとしてMDを結ぶと、△ADBは直角三角形で点Mは斜辺の中点より定石でMD=MA=MB(△ADBの外接円を考えれば分かる。)
よって、△MBDは二等辺三角形より∠MDB=∠MBD=●と置くと、BDは∠Bの二等分線より∠ABD=∠DBC=●
∴∠MBD=∠DBC=●
よって、錯角が等しいのでMD∥BC
また、DE∥BCより、MDとDEは平行で点Dを共有しているので一直線である。
∴ME∥BC また、点MはABの中点より△ABCでの中点連結定理より、
ME=(1/2)BC=(1/2)×6=3
ところで、MD=(1/2)AB=(1/2)×5=5/2より、DE=ME-MD=3-5/2=1/2 ∴DE=1/2
(ⅱ)ME∥BCより△AME∽△ABCで相似比1:2より面積比1^2:2^2=1:4
∴△AME=(1/4)△ABC———①
また、ME:DE=3:(1/2)=6:1
∴△ADE=(1/6)△AME———②
①を②に代入すると、
△ADE=(1/6)(1/4)△ABC
=(1/24)△ABC
∴△ABC:△ADE=24:1
よって、答えは、24:1

おまけ:
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/301066

https://news.yahoo.co.jp/articles/ecbe72a5e374a732e3a458f8085f3c298b5ed6d6
返信
返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/3 11:27 (No.1153205)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問3.2
f:R→R'を環の準同型写像とする。I=kerfとし、Rの元aに対しf(a)=a'とするとき、
|a=a+I=f^-1(a')が成り立つことを示せ。

証明
x∈f^-1(a')⇔f(x)=a'⇔f(x)=f(a)
⇔f(x)-f(a)=0⇔f(x-a)=0
⇔x-a∈kerf⇔x∈a+I
したがって、
f^-1(a')={x∈R|x∈f^-1(a')}
={x∈R|x∈a+I}=a+I
「演習 群・環・体 入門」新妻弘著より

具体的には、

例えば、|a=f^-1(a')にf(a)=a'を代入すると、|a=f^-1(f(a))=aで、|a=a
左辺は複数で右辺は1つでおかしくないのか。
おかしい場合はおかしい理由を、おかしくない場合はおかしくない理由を述べて下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/3 13:58削除
問3.2
f:R→R'を環の準同型写像とする。I=kerfとし、Rの元aに対しf(a)=a'とするとき、
|a=a+I=f^-1(a')が成り立つことを示せ。

証明
x∈f^-1(a')⇔f(x)=a'⇔f(x)=f(a)
⇔f(x)-f(a)=0⇔f(x-a)=0
⇔x-a∈kerf⇔x∈a+I
したがって、
f^-1(a')={x∈R|x∈f^-1(a')}
={x∈R|x∈a+I}=a+I
「演習 群・環・体 入門」新妻弘著より

具体的には、

例えば、|a=f^-1(a')にf(a)=a'を代入すると、|a=f^-1(f(a))=aで、|a=a
左辺は複数で右辺は1つでおかしくないのか。
おかしい場合はおかしい理由を、おかしくない場合はおかしくない理由を述べて下さい。

解説
要は、f^-1の記号の捉え方である。

定義
f:A→Bが全単射のとき
x→y
この逆の対応をfの逆写像といい
f^-1:B→A(y→x)
と書く。
「すぐわかる代数」石村園子著

この定義で考えると、f^-1を使えるのはfが全単射の時のみである。しかし、上の問3.2では全単射でない場合に使っているからである。
つまり、f^-1(f(a))=aではないという事である。

4.1 写像
集合Aの任意の元aに対して集合Bの元を唯1つ対応させるような規則fのことを集合Aから集合Bへの写像といい、bをf(a)で表す。また、fがAからBへの写像であることを記号で
f:A→B(a→b=f(a))
のように表す。特にA=Bのとき、写像fをAの変換ということが多い。
A'をAの部分集合とするとき、Bの部分集合
f(A')={f(a')∈B|a'∈A'}
をA'のfによる像と呼ぶ。
B'をBの部分集合とするとき、Aの部分集合
f^-1(B')={a∈A|f(a)∈B'}
をB'のfによる逆像と呼ぶ。
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

問3.2ではこの意味で使っている訳である。しかし、統一して欲しいものである。因みに、こちらの本でも次の次のページで「この写像gを写像fの逆写像といい、f^-1で表す」としている。もちろん、このfは全単射である。

因みに、問3.2を全単射とすると、

問3.2
f:R→R'を環の準同型写像とする。I=kerfとし、Rの元aに対しf(a)=a'とするとき、
|a=a+I=f^-1(a')が成り立つことを示せ。

fが単射より、定理3.3によりkerf=(0)
よって、|a=a+I=a+kerfに代入すると、
|a=a+(0)=aとなり、|aはaのみとなり、
|a=a=f^-1(a')(f(a)=a'より)
となる。

結論としては、全単射でない場合は、
f^-1(f(a))=a
としてはいけないという事である。(fが全単射でない場合はf^-1は写像ではないのだから。)
もちろん、|a=aなどは特殊な場合を除いては矛盾である。特殊な場合とは、上の場合の|a=a+(0)=aである。

どうでも良い事だが、群の場合のkerfの定義はf^-1を使っていなくて環の場合はf^-1を使っている。

定理6.3
fをGからG'への準同型写像とすると、Gの部分集合
kerf={a∈G|f(a)=e'}
はGの正規部分群になる。ただし、e'はG'の単位元とする。

定理3.2
fをRからR'への環の準同型写像とし、0_R'をR'の零元とすると
f^-1(0_R')={x|x∈R,f(x)=0_R'}
はRのイデアルである。

定理3.3
RとR'を環とし、fをRからR'への環の準同型写像とする。このとき、fが単射であるための必要十分条件は kerf=(0)となることである。
f:単射 ⇔ kerf=(0)
「群・環・体 入門」新妻弘・木村哲三著より

おまけ:
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返信1
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/1 15:59 (No.1151681)削除
次の文章を完全解説して下さい。

問題 6-6b
3次方程式x^3+ax+b=0・・・(*)について次の問いに答えよ。ただし判別式=-4a^3-27b^2>0と仮定する。
(1)実数θに対して、cos3θをcosθの式で表せ(つまり3倍角の公式を書け)。
(2)x=λyとおき、(*)をyの方程式に書き直す。この書き直した方程式が4y^3-3y-c=0(cは実数)となるような正の実数λを求めよ。また、そのときのcも求めよ。
(3)(2)で求めたcに対して、|c|<1を示せ。
(4)(2)で求めたcをc=cos3θとおくとき、(*)の解をa,cosθを用いて表せ。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

3次方程式の解の公式としてまとめて、実際にx^3-3x+1=0を解いてみて下さい。
また、カルダノの公式とどういう関係にあるか述べて下さい。

命題6.1(3次方程式の解の公式)
x^3+ax+b=0の解は次の公式で与えられる(カルダノの公式):
x=3√[-b/2+√{(b/2)^2+(a/3)^3}]
+3√[-b/2-√{(b/2)^2+(a/3)^3}],

ω^2・3√[-b/2+√{(b/2)^2+(a/3)^3}]
+ω・3√[-b/2-√{(b/2)^2+(a/3)^3}],

ω・3√[-b/2+√{(b/2)^2+(a/3)^3}]
+ω^2・3√[-b/2-√{(b/2)^2+(a/3)^3}]

ここでω=(-1+√3i)/2(1の原始3乗根)とする。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より
(注:√の前の3は3乗根という意味である。)

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/2 13:15削除
うっかり、解答を書き忘れていましたね。

問題 6-6b
3次方程式x^3+ax+b=0・・・(*)について次の問いに答えよ。ただし判別式=-4a^3-27b^2>0と仮定する。
(1)実数θに対して、cos3θをcosθの式で表せ(つまり3倍角の公式を書け)。
(2)x=λyとおき、(*)をyの方程式に書き直す。この書き直した方程式が4y^3-3y-c=0(cは実数)となるような正の実数λを求めよ。また、そのときのcも求めよ。
(3)(2)で求めたcに対して、|c|<1を示せ。
(4)(2)で求めたcをc=cos3θとおくとき、(*)の解をa,cosθを用いて表せ。

解答
(1)cos3θ=4cos^3θ-3cosθ
(2)x=λyとおいて(*)を書き直すと
λ^3y^3+λay+b=0である。よって
y^3+(a/λ^2)y+b/λ^3=0,
y^3-(3/4)y+c/4=0
を比較して、a/λ^2=-3/4,
b/λ^3=c/4を得る。これより
λ=√(-4a/3),
c=-3√3b/a√(-4a)
(3)判別式の仮定より-4a^3/27b^2である。よって|c|^2=27b^2/(-4a^3)<1である。
(4)c=cos3θとおくと、(1)より
y=cosθ,cos(θ+(2π/3)),
cos(θ+(4π/3))である。
よって(*)の3個の実数解は
{√(-4a/3)}cosθ,
{√(-4a/3)}cos(θ+(2π/3)),
{√(-4a/3)}cos(θ+(4π/3))
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より

3次方程式の解の公式としてまとめて、実際にx^3-3x+1=0を解いてみて下さい。
また、カルダノの公式とどういう関係にあるか述べて下さい。

命題6.1(3次方程式の解の公式)
x^3+ax+b=0の解は次の公式で与えられる(カルダノの公式):
x=3√[-b/2+√{(b/2)^2+(a/3)^3}]
+3√[-b/2-√{(b/2)^2+(a/3)^3}],

ω^2・3√[-b/2+√{(b/2)^2+(a/3)^3}]
+ω・3√[-b/2-√{(b/2)^2+(a/3)^3}],

ω・3√[-b/2+√{(b/2)^2+(a/3)^3}]
+ω^2・3√[-b/2-√{(b/2)^2+(a/3)^3}]

ここでω=(-1+√3i)/2(1の原始3乗根)とする。
「本質を学ぶ ガロワ理論 最短コース」梶原健著より
(注:√の前の3は3乗根という意味である。)

結構、為になる話だと思います。大学の授業で言えば、「数学講話」のような話。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/2 16:09削除
>3次方程式の解の公式としてまとめて、実際にx^3-3x+1=0を解いてみて下さい。
また、カルダノの公式とどういう関係にあるか述べて下さい。

cosの3倍角の公式より、
cos3θ=4cos^3θ-3cosθ
∴4cos^3θ-3cosθ-cos3θ=0
∴cos^3θ-(3/4)cosθ-(1/4)cos3θ=0———①
また、3次方程式x^3+ax+b=0にx=λcosθとして代入すると、
λ^3cos^3θ+aλcosθ+b=0
∴cos^3θ+(a/λ^2)cosθ+b/λ^3=0———②
①と②を恒等式として比較すると、
a/λ^2=-3/4———③
-(1/4)cos3θ=b/λ^3———④
③より、λ^2=-4a/3
∴λ=±√(-4a/3)———⑤
また、④より、
cos3θ=-4b/λ^3———④'
④'に⑤を代入すると、
cos3θ=-4b/{(∓4a/3)√(-4a/3)}
=±3b/{a√(-4a/3)}
∴cos3θ=±3b/{a√(-4a/3)}———⑥
ところで、3倍角の公式を利用するのでcosθは3つとも実数で、出来る3次方程式も3つとも実数解の場合だけである。そこで、カルダノの公式を見ると、

命題6.1(3次方程式の解の公式)
x^3+ax+b=0の解は次の公式で与えられる(カルダノの公式):
x=3√[-b/2+√{(b/2)^2+(a/3)^3}]
+3√[-b/2-√{(b/2)^2+(a/3)^3}],

ω^2・3√[-b/2+√{(b/2)^2+(a/3)^3}]
+ω・3√[-b/2-√{(b/2)^2+(a/3)^3}],

ω・3√[-b/2+√{(b/2)^2+(a/3)^3}]
+ω^2・3√[-b/2-√{(b/2)^2+(a/3)^3}]

(b/2)^2+(a/3)^3の部分が正だったら実数解は1つだけなので、実数解が3つの場合は、(b/2)^2+(a/3)^3<0である。(厳密な証明は前回やったので省略(微分を使った)。)
(b/2)^2≧0より、(a/3)^3<0である。
よって、a<0である。よって、⑤を見ても辻褄が合うだろう。ところで、λは正負のどちらでも良い(下に補足)が、参考書に倣って正としよう。
よって、⑤より、λ=√(-4a/3)
また、⑥より、
cos3θ=3b/{a√(-4a/3)}

∴x=λcosθ=√(-4a/3)・cosθ
残りの2つの解のθ+(2π/3),θ+(4π/3)の解説が載っていないが、複素平面のド・モワブルの公式の回転の要領で考える(x^3=1の3つの解を複素平面で表示する時に使う)と、3つの解は、

x={√(-4a/3)}cosθ,
{√(-4a/3)}cos(θ+(2π/3)),
{√(-4a/3)}cos(θ+(4π/3))
ただし、θは、
cos3θ=3b/{a√(-4a/3)}
を満たすものである。

x^3-3x+1=0を実際に解く事とλが正負のどちらでも良い事は次回にしよう。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/3 08:01削除
>x^3-3x+1=0を実際に解く事とλが正負のどちらでも良い事は次回にしよう。

3次方程式x^3+ax+b=0の解の公式
x={√(-4a/3)}cosθ,
{√(-4a/3)}cos(θ+(2π/3)),
{√(-4a/3)}cos(θ+(4π/3))
ただし、θは、
cos3θ=3b/{a√(-4a/3)}
を満たすものである。

これにa=-3,b=1を代入すると、
cos3θ=3・1/(-3√4)=-1/2
よって、3θ=2π/3とすると、
θ=2π/9
∴θ+(2π/3)=2π/9+2π/3=8π/9
θ+(4π/3)=2π/9+4π/3=14π/9
また、√(-4a/3)=√4=2
∴x=2cos(2π/9),2cos(8π/9),
2cos(14π/9)=2cos(-14π/9)
=2cos(-14π/9+2π)
=2cos(4π/9)

ところで、p.112に解答が載っていて、
x=2cos(2π/9),2cos(8π/9),
2cos(4π/9)よりOK。

また、λ<0の場合、
3次方程式x^3+ax+b=0の解の公式
x=-{√(-4a/3)}cosθ,
-{√(-4a/3)}cos(θ+(2π/3)),
-{√(-4a/3)}cos(θ+(4π/3))
ただし、θは、
cos3θ=-3b/{a√(-4a/3)}
を満たすものである。

となる。これにa=-3,b=1を代入すると、
cos3θ=-3・1/(-3√4)=1/2
よって、3θ=π/3とすると、
θ=π/9
∴θ+(2π/3)=π/9+2π/3=7π/9
θ+(4π/3)=π/9+4π/3=13π/9
また、-√(-4a/3)=-√4=-2
∴x=-2cos(π/9),-2cos(7π/9),
-2cos(13π/9)で、

-2cos(π/9)=2cos(π-π/9)
=2cos(8π/9),
-2cos(7π/9)=2cos(π-7π/9)
=2cos(2π/9),
-2cos(13π/9)
=-2cos(13π/9-2π)
=-2cos(-5π/9)
=2cos(-5π/9+π)
=2cos(4π/9)
よりOK。
よって、λは正でも負でも良い。

>また、カルダノの公式とどういう関係にあるか述べて下さい。

カルダノの公式は3つの解が実数解の場合は、3乗根の中が複素数になって使い物にならない。(因数定理で解ける場合は3乗根を外せるが、因数定理で解けない場合は還元不能。)
しかし、この公式はその欠陥を見事に補完している。因みに、この解法は「ビエトの解」と呼ばれるものを変形したものである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%AC%A1%E6%96%B9%E7%A8%8B%E5%BC%8F#%E3%83%93%E3%82%A8%E3%83%88%E3%81%AE%E8%A7%A3

ところで、この先生のオリジナルかどうかは知らないが、還元不能の場合をオイラーの関係式を使て見事にx^3-3x+1=0を解いている。(p.112の問題6-1a)
つまり、カルダノの公式は「ビエトの解」の助けを借りなくてもオイラーの関係式の力を利用すれば自力で欠陥を補填出来るのである。この事は3次方程式のウィキペディアにも載っていないのでびっくりした。因みに、現代のコンピュータと合わせれば完璧になる。(3次方程式の解を求める計算サイトが証明している。)
ウィキペディアに載ってないといえば、還元不能の場合(3つの実数解を持つ場合)は、ωを使わない式だけで3つの解を表している事は私のオリジナルである。(前回紹介したの省略。)
因みに、この事はオイラーの時代にもはっきりしていない事だったので、オイラーも気付かなかった事だろう。因みに、オイラーのフェルマーの最終定理のn=3の場合の証明が不完全と言われる理由と同じ話である。
(「代数的整数の世界では素因数分解の一意性は成り立たない」(「図解雑学 数論とフェルマーの最終定理」より)という事。具体的に言うと、複素数では素因数分解の一意性は成り立たないという事。)

おまけ:
返信
返信3
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/1 11:25 (No.1151499)削除
間違い探し作ってみました。

演習問題3.1.1
I={x||x|<1,x∈ℝ}において演算*を
x*y=(x+y)/(1+xy)
と定義する。このとき
(1)は省略。
(2)Iはこの演算について閉じているかどうか調べなさい。

解答
(2)x,y∈Iに対して、
-1<x<1,-1<y<1
∴-2<x+y<2———①
また、-1<xy<1 
∴0<1+xy<2———②
①÷②より、
-∞<(x+y)/(1+xy)<1
よって、例えば、-2=(x+y)/(1+xy)となるようなx,yを取る事が出来る。
よって、Iはこの演算について閉じていない。

因みに、模範解答は、

解答
調べたいことは、
|x|<1,|y|<1⇒|(x+y)/(1+xy)|<1
が成立するかどうかである。Iの元の定義と演算*の定義を使って書き直すと、
|(x+y)/(1+xy)|<1⇔(x+y)^2/(1+xy)^2<1⇔(x+y)^2<(1+xy)^2なので、(1+xy)^2-(x+y)^2>0が示せれば良い。
(1+xy)^2-(x+y)^2=(1+2xy+x^2y^2)-(x^2+2xy+y^2)=1+x^2y^2-x^2-y^2=(1-x^2)(1-y^2)>0(∵|x|<1,|y|<1よりx^2<1,y^2<1)
ゆえに|(x+y)/(1+xy)|<1が成立する。
ゆえにIはこの演算*について閉じている。
「すぐわかる代数」石村園子著より

因みに、別解も作ってみましたので、余裕がある人は考えてみて下さい。ただし、上の間違い探し程度が面白い範囲だと思います。(優秀な中学生なら常識だと思います。本物の優等生かどうか判別問題ですね。笑)
念のため、ダメな箇所だけじゃなくダメな理由も述べて下さい。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/1 13:26削除
間違い探し

演習問題3.1.1
I={x||x|<1,x∈ℝ}において演算*を
x*y=(x+y)/(1+xy)
と定義する。このとき
(1)は省略。
(2)Iはこの演算について閉じているかどうか調べなさい。

解答
(2)x,y∈Iに対して、
-1<x<1,-1<y<1
∴-2<x+y<2———①
また、-1<xy<1 
∴0<1+xy<2———②
①÷②より、
-∞<(x+y)/(1+xy)<1
よって、例えば、-2=(x+y)/(1+xy)となるようなx,yを取る事が出来る。
よって、Iはこの演算について閉じていない。

回答
「-2=(x+y)/(1+xy)となるようなx,yを取る事が出来る」
ここが間違い。そんなx,yは存在しない。
どういう事かというと、例えば分かり易く、①を-2≦x+y<2,②を0≦1+xy<2とすると、同じx,yでx+y=-2,1+xy=0とはならないからである。y=-x-2として後者に代入すると、1+x(-x-2)=0
∴x^2+2x-1=0 ∴x=-1±√2
x=-1+√2,y=-x-2=-1-√2
または
x=-1-√2,y=-x-2=-1+√2
どちらもxかyのどちらかが-1<x<1,-1<y<1の範囲外である事が分かるだろう。
つまり、分母と分子でそれぞれに縛りがあってお互い自由には振る舞えないからである。
結局、-1<x<1,-1<y<1の範囲で自由に動いても-1<(x+y)/(1+xy)<1の範囲から出る事は出来ない。
この事は、「高校への数学 日日のハイレベル演習」臨時増刊2003-5のp.63「ミニ講座1 変数は自由か? 勝又健司」に色々と載っている。

別解は次回。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/2 07:58削除
演習問題3.1.1
I={x||x|<1,x∈ℝ}において演算*を
x*y=(x+y)/(1+xy)
と定義する。このとき
(1)は省略。
(2)Iはこの演算について閉じているかどうか調べなさい。

(2)別解1
調べたいことは、
|x|<1,|y|<1⇒|(x+y)/(1+xy)|<1
が成立するかどうかである。
|x|<1,|y|<1より、|x|・|y|<1
∴|xy|<1 ∴-1<xy<1
∴0<1+xy<2
ここで、|(x+y)/(1+xy)|<1より、
-1<(x+y)/(1+xy)<1
そして、1+xy>0より両辺に1+xyを掛けると、
-(1+xy)<x+y<1+xy
これを2つの場合に分けて示す。
(ⅰ)-(1+xy)<x+yの場合
x+y+1+xy=(x+1)(y+1)
ところで、|x|<1,|y|<1より、
-1<x<1,-1<y<1
∴0<x+1<2,0<y+1<2
∴x+y+1+xy=(x+1)(y+1)>0
∴x+y>-(1+xy)
(ⅱ)x+y<1+xyの場合
1+xy-(x+y)=(x-1)(y-1)
ところで、|x|<1,|y|<1より、
-1<x<1,-1<y<1
∴-2<x-1<0,-2<y-1<0
∴1+xy-(x+y)=(x-1)(y-1)>0
∴1+xy>x+y
(ⅰ),(ⅱ)より、
-(1+xy)<x+y<1+xy
1+xy>0より両辺を1+xyで割ると、
-1<(x+y)/(1+xy)<1
∴|(x+y)/(1+xy)|<1
よって、
|x|<1,|y|<1⇒|(x+y)/(1+xy)|<1
が成り立つ。

別解2(ほとんど同じですが、効率よく。)
調べたいことは、
|x|<1,|y|<1⇒|(x+y)/(1+xy)|<1
が成立するかどうかである。
そこで、|x+y|<|1+xy|を示せば良い。
(ⅰ)-(x+y)<1+xyの場合
|x|<1,|y|<1より、(1+x)(1+y)>0
∴1+x+y+xy>0
∴-(x+y)<1+xy
(ⅱ)x+y<1+xyの場合
|x|<1,|y|<1より、(1-x)(1-y)>0
∴1-x-y+xy>0
∴x+y<1+xy
(ⅰ),(ⅱ)より、±(x+y)<1+xy
∴|x+y|<|1+xy|
∴|(x+y)/(1+xy)|<1
よって、
|x|<1,|y|<1⇒|(x+y)/(1+xy)|<1
が成り立つ。

間違い探しも作ってみました。

間違い探し2
演習問題3.1.1
I={x||x|<1,x∈ℝ}において演算*を
x*y=(x+y)/(1+xy)
と定義する。このとき
(1)は省略。
(2)Iはこの演算について閉じているかどうか調べなさい。

解答
(2)調べたいことは、
|x|<1,|y|<1⇒|(x+y)/(1+xy)|<1
が成立するかどうかである。
そこで、1-|x|>0,1-|y|>0より、
(1-x)(1-y)>0を作ると、
1-x-y+xy>0
∴1+xy>x+y
この両辺の絶対値を取ると、
|1+xy|>|x+y|
∴|x+y|/|1+xy|<1
∴|(x+y)/(1+xy)|<1
よって、
|x|<1,|y|<1⇒|(x+y)/(1+xy)|<1
が成り立つ。

おまけ:
壊れた扉さん (8ewhcx4n)2024/5/2 10:15削除
間違い探し2
演習問題3.1.1
I={x||x|<1,x∈ℝ}において演算*を
x*y=(x+y)/(1+xy)
と定義する。このとき
(1)は省略。
(2)Iはこの演算について閉じているかどうか調べなさい。

解答
(2)調べたいことは、
|x|<1,|y|<1⇒|(x+y)/(1+xy)|<1
が成立するかどうかである。
そこで、1-|x|>0,1-|y|>0より、
(1-x)(1-y)>0を作ると、
1-x-y+xy>0
∴1+xy>x+y
この両辺の絶対値を取ると、
|1+xy|>|x+y|
∴|x+y|/|1+xy|<1
∴|(x+y)/(1+xy)|<1
よって、
|x|<1,|y|<1⇒|(x+y)/(1+xy)|<1
が成り立つ。

回答
∴1+xy>x+y
この両辺の絶対値を取ると、
|1+xy|>|x+y|

ここが間違いである。
1+xy>x+yの両辺の絶対値を取っても
|1+xy|>|x+y|となるとは限らない。
例えば、3>-5の両辺の絶対値を取ると、
|3|<|-5|だからである。

ついでにこの証明法自体ダメである事を示しておこう。
|x|<1,|y|<1より、-1<x<1,-1<y<1 ∴-2<x+y<2———①
また、-1<xy<1 
∴0<1+xy<2———②
①から、x+y=-1
②から、1+xy=1/2
とすると、1+xy>x+yだが、
|1+xy|<|x+y|でダメである。

おまけ:
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