次の文章を完全解説して下さい。
演習問題11
aを正の整数とする。このとき、任意の正の整数k(k>1)に対してaは
a=rnk^n+rn-1k^(n-1)+…+r1k+r0
0<rn<k,0≦rn-1<k,…,0≦r1<k,0≦r0<k
という形に一意的に表されることを証明せよ。aをこのような形に表すことをaもk進法表示という。
証明
(1)表されること:aについての帰納法で示す。a=1のとき、1=1でr0=1とすればよい。
a>1として、a-1まで成り立つと仮定する。aを超えないkの累乗のうち、最大のものをk^nとする。
k^n≦a<k^(n+1)よりk^(n-1)≦a/k<k^n
ゆえに、k^(n-1)≦[a/k]<k^n
ここで、[a/k]<aであるから帰納法の仮定より、
[a/k]=rnk^(n-1)+rn-1k^(n-2)+…+r2k+r1
0<rn<k,0≦rn-1<k,…,0≦r2<k,0≦r1<k
と表される。さらに、練習問題9(4)よりaはa=[a/k]k+r0(0≦r0<k)と表されるから、この式に上式を代入すると次が得られる。
a=k(rnk^(n-1)+rn-1k^(n-2)+…+r2k+r1)+r0
=rnk^n+rn-1k^(n-1)+…+r2k^2+r1k+r0
(2)一意的であること:
a=1のとき、表現が一意的であることは容易にわかる。
a>1として、a-1まで正しいと仮定する。このとき、
rnk^n+rn-1k^(n-1)+…+r2k^2+r1k+r0=0⇒rn=rn-1=…=r0=0
を示せば十分である。仮定の式を変形すると、
rnk^n+rn-1k^(n-1)+…+r2k^2+r1k=-r0
ゆえに、r0≡0(mod k)ここで、0≦r0<kであるからr0=0 したがって、
rnk^(n-1)+rn-1k^(n-2)+…+r2k+r1=0
帰納法の仮定より、rn=rn-1=…=r1=0
演習問題9
xを任意の実数とするとき、xを超えない整数すべての集合において最大のものを記号[x]で表す。これをガウス記号という。このとき、次を証明せよ。
(1)[x]≦x<[x]+1
(2)y≦x⇒ [y]≦[x]
(3)x∈ℝ,a∈ℤ⇒ [x+a]=[x]+a
(4)a,b∈ℤ,b>0,a=[a/b]b+(a-[a/b]b)
「演習 群・環・体 入門」新妻弘著より
具体的には、
>a-1まで正しいと仮定する。このとき、
rnk^n+rn-1k^(n-1)+…+r2k^2+r1k+r0=0⇒rn=rn-1=…=r0=0
を示せば十分である。
その理由を述べて下さい。0の場合は特別のような気もしますが。
そもそも「aは正の整数」とか色々考えてみて下さい。
おまけ: