解説
>問1.7
bを正の整数とするとき、[a1b,a2b,a3b]=[a1,a2,a3]bであることを示せ。
証明
[a1,a2,a3]=lとおき、[a1b,a2b,a3b]=lbを示す。
つまり、lbがa1b,a2b,a3bの最小公倍数である事を示す、という事である。
そこで、(1)lbはa1b,a2b,a3bの倍数であること:
(2)lbが最小であること:
と2つに分けて証明する訳である。(a1b,a2b,a3bの公倍数かつ最小である証明。)
>(1)lbはa1b,a2b,a3bの倍数であること:
l=a1a1'=a2a2'=a3a3'(∃a1',a2',a3'∈ℤ)と表される
[a1,a2,a3]=lより、lはa1,a2,a3の最小公倍数なので、あるa1'という整数が存在して、l=a1a1'と表せる。同様に、あるa2',a3'という整数が存在して、l=a2a2',l=a3a3'と表せる。
∴l=a1a1'=a2a2'=a3a3'
(∃a1',a2',a3'∈ℤ)
まずは、問1.7の別解から。
問1.7
bを正の整数とするとき、[a1b,a2b,a3b]=[a1,a2,a3]bであることを示せ。
別証
[a1b,a2b,a3b]=l,[a1,a2,a3]=l',
(a1,a2,a3)=gと置くと、最大公約数の性質より、
a1=a1'g,a2=a2'g,a3=a3'g(a1,a2,a3は互いに素)と置ける。
((a1,a2,a3)=1と書いても良い。)
また、最小公倍数の性質より、
l'=a1'a2'a3'g———①
また、a1=a1'g,a2=a2'g,a3=a3'g(a1,a2,a3は互いに素)の両辺にbを掛けると、
a1b=a1'gb,a2b=a2'gb,a3b=a3'gb(a1,a2,a3は互いに素)
よって、最小公倍数の性質より、
l=a1'a2'a3'gb———②
①,②より、l=l'b
∴[a1b,a2b,a3b]=[a1,a2,a3]b
よって、示された。
念のため、ちゃちゃっと作ってみたオリジナルです。
問題1.6
正の整数a,bについて、(a,b)=[a,b]ならばa=bであることを示せ。
別証
(a,b)=g,[a,b]=lと置くと、最大公約数の性質より、a=a'g,b=b'g(a',b'は互いに素)と置ける。
また、最小公倍数の性質より、
l=a'b'g ところで、l=gより、a'b'g=g
g≠0より、a'b'=1 a'>0,b'>0(整数)より、
a'=b'=1 ∴a=g,b=g
∴a=b
これも適当に作ったオリジナルです。模範解答はエレガントですね。
おまけ:
https://yorozoonews.jp/article/14432176